貴サークルは“救世主”に配置されました2 | 今日もだらだら、読書日記。

貴サークルは“救世主”に配置されました2

 

GA文庫大賞《金賞》受賞作 同人誌に懸ける青春ファンタジー第2弾!
「実家に帰らせていただきます」 渾身の一冊を描き上げ、魔王復活を阻止することに成功したナイトとヒメ。しかしその反動からか、ナイトはスランプに陥ってしまう。進まないネームにやきもきするヒメ。 そんなとき、ナイトは同じ大学に通うソラフネを愛する“文芸先輩”と出会う。プロの小説家でもある彼女に乞われ、彼女の小説同人誌にイラストを寄稿することに。 ところが“文芸先輩”は、滅びの未来でヒメと対立していた“魔女”であった。彼女の依頼を受けるなど到底認められないヒメ。 果たしてスランプを脱し、再び? 想いを滾らせることはできるのか――同人誌に懸ける青春ファンタジー!

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100部販売を完売してちょっぴり燃え尽き症候群状態になっていたナイトは、ヒメからの原稿をやれという圧力を受けてスランプになってしまう。彼女から急かされていた新刊のネームが全く進まない中、大学内で同じ「ソラフネ」の話が出来る通称“文芸先輩”と知己になり、彼女から小説本の表紙と挿絵を依頼される。だがしかし、その先輩は滅びの未来でヒメが対立し、絶対に許せないと思っていたおんな“魔女”であった……。

ナイトとヒメ、二人のすれ違いと成長

私もイベント終わるとしばらくちゃんとしたものは描けなくなるタイプなので序盤のヒメからの重圧がしんどくて仕方がなかった。いや、壁サークル目指すために遊んでられないのは確かにそうなんだけど、スランプを告白しても変わらずネームを描かせようとする姿、いくら彼女自身に同人経験がないとはいっても人の心がなさすぎる。いやほんとうに頑張ってどうにかなる問題ではないんですよ……ええ……。

一方、魔王の復活を阻止した結果、ヒメがずっと繰り返してきていた破滅の未来とは違う時間軸にたどり着いたという事実はヒメにとって「未来がわからない」という他の人間にとっては当たり前の不安と直面する事を意味していた。不安・焦燥からナイトへの締め付けは厳しいものとなり、ふたりのすれ違いは文芸先輩(魔女)の登場によって決定的なものとなっていく。一度はナイトの元から離れようとしたヒメが、ナイトの言葉をきっかけにして「神託の書」の指し示す未来に依存することをやめ、少しずつ自分の気持ちに折り合いをつけていく姿、精神的に成長していく姿ががとても良かったです。

復活したヒメが生き生きとナイトと文芸先輩が二人で作った小説同人誌に「ダメ出し」をしていく姿に思わずニヤニヤしてしまう。いや、いらんところで重圧かけるのはやめてほしいけどヒメはこうでなくっちゃね!!!ある意味同人活動の大変さを知らないからこその無茶振りではあるんだけど、その指摘が的を得ているし作品への愛があってのことだとわかるから憎めないし、そこを克服できればちゃんと良いものが出来るんですよね。それを理解しているからこそ、みんな彼女の言葉に付いてくるんだよな。

そして、同じ作品への愛を通して仇敵である魔女と和解していくヒメの姿にニヤリとしました。やはり萌えは世界を救う。このまま適度に仲の悪いケンカップルとして頑張っていって欲しい。

小説サークルの描写には違和感が残る

ヒメとナイト、二人の成長物語は今回もとてもよかったのですが肝心の文芸先輩の同人活動にかんする描写は若干の違和感を感じてしまったり。いや、確かに「小説本が売れない」というのは定説ではありますし、実際表紙を見たら中身が小説だったので買うのをやめたなんて話もよく聞きますが……。

ジャンルやカップリングによってある程度受ける受けないの傾向はありますが「小説本だからこそ欲しい」という読み手もちゃんといますし、小説の「中身を」宣伝することが出来ればプロ作家である先輩の本が需要ないわけないと思うんですよね。ここでまずやるべきは文芸先輩にSNSアカウントを作らせ、その原稿の息抜きで書いてるというSSを毎日SNSにアップさせることだったと思うんですよね。それなのに宣伝はナイトのアカウントからしかやってないっぽいし、その宣伝も表紙や挿絵のことばっかりっぽくてう〜〜ん…??前巻で宣伝の重要性をあれだけ説いてきたヒメがどうして文芸先輩には何のダメ出しもしないんだ?ナイトのSNSアカウントからしか宣伝してなかったら、ナイトのイラスト目当ての客しか来ないのはある意味当たり前のことだと思うんですが……。

一度目のサークル参加で本が全然出なかったのは展開上仕方なかったとはいっても、二回目のイベント参加も「小説サークルだから売れない」で終わらせられてしまったのはものすごく消化不良でした。いやまあ、これで先輩の本がナイトの本以上に売れてしまったらそれはそれで微妙な展開かもしれないのですが……1巻の同人サークル描写がリアルだっただけに、そのへんの描写には過剰に期待しすぎちゃってたなあ。

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