とりあえず伝説の勇者の伝説9 全力のドロップアウト | 今日もだらだら、読書日記。

とりあえず伝説の勇者の伝説9 全力のドロップアウト

 

待望のフェリスの外伝「しょっぱいだんご」をついに収録!短編集第九弾!
母国ローランドに戻ってきたライナとフェリス。シオンの罠にはまり、ライナは連日徹夜で仕事をするはめになっていた。さらに「禁呪」の処理を押しつけられたり、娼館への潜入捜査をさせられたりとライナの苦難は続く

ローランド帝国で徹夜でシオンの仕事を手伝わされたり、フェリスに脅されながらシオンの仕事を手伝わされたり……と寝る暇もなく忙しい毎日を送るライナ。そんなある日、王城からの帰り道にかつての師・ジュルメに遭遇するが、彼女はおかしなことを言い始めて……。

ふかい ふかい ローランド の やみ

本編10巻でスキップされた平和な1年を描くローランド編……とおもいきや、本編11巻で描かれたローランドの闇的な部分を補完する「えくすとら・すてーじ」を冠する3編が全体の半分以上を占めており、実質10.5巻みたいな内容。ていうかこれ普通に本編にナンバリングしたほうが良いやつでは???1がジュルメとの再会話、2は任務を外されたミルクが自分の意志でローランドの闇に踏み込むお話、3は『隠成師』時代の同僚・ゾーラと再会する話。さらに書き下ろしの「天才の証明」がえくすとら3の話をゾーラ側から補完する話。私ひそかにローランド編でゾーラとライナが悪友する短編をめちゃくちゃ心待ちにしてたんですけど!まさかのシリアス要員とか聞いてない!!殺伐とした物語の中ピアが最高に可愛かったのですがこれは大伝で登場するフラグだと思っていいんですかね……(あまりにも可愛い……)

ライナ、本編11巻でシオンが裏でやってきた事を聞かされたのは完全な不意打ち、青天の霹靂だと思ってたんですけど、その前に何度もその件について信頼できる相手からの警告を受けてて、その上であの展開なんですか……なんでそのまま読んでも普通にしんどい話にさらにしんどい話乗せてきちゃったのか……しんどい……何も知らないまま突然知らされるより、何度も警告されてて、それを否定してたのにライナの方の認識が間違ってた流れだったとかもっとしんどいじゃん……更に書き下ろしを読むと本来のシオンの意思ですらなさそうなのが逆にしんどい……。

最初の「かーす・おぶ・ふぃあ」と「ふろーらる・わんぴーす」が普通に明るい短編だったので本当にえくすとらの不意打ちがひどかったと言うかふろーらる・わんぴーすがまさかの女装ライナにメイドフェリスに執事シオンの3本立てで展開も挿絵も最高でした!!!メイドフェリスが可愛い!!女装ライナは以前に出たときもそうでしたが一貫して背中側しか描かれないのが逆に無理やり顔面を見たすぎて興奮しますね。娼館への潜入捜査ときいてもっとえっちなピンチが襲い来る感じかと内心ワクワクしていたのですがさすがにそんなものはなかったです。しかしここからえくすとらに突き落とすの完全に温度差で風邪引くやつだからやめてほしい。

しんみりと良い話だった(※当社比)フェリス過去編

書き下ろしの後ろに掲載されている幻の短編(だったらしい)「しょっぱいだんご」はフェリスの少女時代を描くお話。なぜ彼女がここまでだんごに固執するようになったのか。例によってオチがエリス家さすが闇が深いという感じの話ではあるんですが、人間性を擦り減らすような過酷な修行の日々の中でも忘れられなかったフェリスのだんごへの執着を思うと、その短い出会いによって救われた何かがあったんだよな……とおもうとしんみりと良いお話でありました。

「寂しい」がわからなかったフェリスがはじめての友達を得てそれを失うことで「寂しい」という感情を得て、ずっと先の本編でライナにその「寂しい」という言葉を使ってそれでライナが救われるというのがとても……とても良いと思います……。

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