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うらら一覧

読了記録まとめ[2012年2月分]

2月の読了冊数は22冊でした。(+感想書いてない本が実は2冊)
2月から本気出した!2年ぶりの20冊突破でした。

今月のピックアップ

紫色のクオリア 1 (電撃コミックス)
 コミック版「紫色のクオリア」が凄くよかった!!原作小説の第一章にあたる『毬井に関するエトセトラ』の最後までが収録されているんだけど、ゆりんゆりんな女の子のやりとりもメカメカしい部分もちょっぴりグロいところもしっかり描かれていて、原作再現度はんぱない。設定段階から綱島さんがガッツリ関わってる関係もあるからまた勝手が違うのかもしれないけど。
 とりあえず1話のラスト2Pで転がれますねヤバい続き楽しみ!!

2月の読書メーター

読んだ本の数:28冊 / 読んだページ数:7153ページ
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猫耳サラリーマン

 

webデザイナーの卵、星二がたまたま拾った小瓶から現れたのは、揺れるしっぽと黒い大きな猫耳を持つ魔法使い。しかもそれはバイト先のデキる上司小津だった!サラリーマンは仮の姿だという小津は、願いをみっつ叶えてやると星二に宣言し、さらには精気を吸わせろと迫る。最初は困惑する星二だったが、次第に小津の猫耳&しっぽのかわいさにハマってきて!?ラブリーHな猫耳ファンタジー登場。 (「BOOK」データベースより)

 変な小瓶を開けたらバイト先の上司・小津が猫耳姿で「願い事を3つ叶える」といいだした。実は小津は魔法使い見習いで、一人前になるには3つの願い事を叶えなければいけないらしい。しかも魔法を使うと出てくる猫耳を引っ込めるには人間の精気が必要だ、といわれて…!?というお話。

 会社ではイケメンで厳格な典型的な「デキる男」である小津が猫耳を生やし、うさんくさい魔法を使い、しかも習性はどうしようもなく猫系というこのギャップがたまらなくおかし可愛い!!段々子供っぽい本性をむき出しにしていく小津の残念な大人っぷりに惚れざるをえませんでした。見た目的にはは結構しっかりとした大人と子供カップルだというのに、どっちが受だかわかりゃしないというか、すごく、ほもゆりです……。これ、付き合い始めてもうちょっとしたらそのうち本気で受攻逆転展開ありそうだな。

 女の子を間に入れたすれ違い展開あり、「お願い事を全部叶えたら一緒に居られなくなってしまう」的な葛藤もありでお約束の展開を踏襲しながらも少しずつラブラブになっていく二人のすがたが大変微笑ましかったです。


俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる2

 

俺のちっちゃな幼なじみ・千和。「これからはなるべく、学校、いっしょに行こっ?」銀髪のお嬢様で俺の彼女真涼。「これから毎朝エプロン姿を見せに行くわ。彼女だから当然でしょう?」真涼の立ち上げた部活「自らを演出する乙女の会」に参加させられ、二人に振り回される俺の日常に、新たな火種が―「下駄箱に、ラブレターだと!?」まさか千和がくれたのか?それとも“第三の少女”が参戦?さらには真涼の“妹”までもが現れて、俺を姉から略奪宣言!?らぶ×らぶコメディ第2弾。 (「BOOK」データベースより)

俺の彼女と元カノと幼なじみが修羅場すぎる!

なん……だと……!?
 アンチ恋愛を歌う主人公に『偽装彼女』の提案をしてきたクラスの美少女と幼なじみの2人にかこまれて三角関係なラブ修羅場コメ……だと思っていたら前巻ラストの中ニ発言が原因で実は知らない間に前世からの恋人の記憶を呼び覚ましてて修羅場要員増えちゃった!?しかもまだまだこれから修羅場要員になりそうなキャラの姿まで見え隠れしてますよ!?こっちは三角関係のままいくのかとおもってたら、こっちも「るるル」と同じく各巻でヒロインとフラグを立ててフラグ立て捨てる上条さん系主人公だったなんて聞いてないよー!あとカオル君に男装女子フラグが見える気がして怖いですもうカオル君ホモでいいよ!!!

 などといろいろ急展開(私の中で)もありましたが、物語は相変わらず面白いなあ。主人公の中二ポエムで腹筋をやられたわけですが、それ以上に最強の黒歴史こと『俺を守る四人の美・舞・天使(ヴィ・マイ・エンジェル)たち』が実に酷い。なんていうか……絶対、二十台以上アラサーまでのオタクで似たような妄想をしたような人は実に多かったでしょうね……元ネタが解る自分が悔しい…です…(ビクンビクン

 鋭太曰く↑が最大の黒歴史だそうですが、きっと次の巻でも「まだこれだけのポテンシャルを隠しもっていただと……!?(迫真)」な展開が待っていると信じています。色々な意味で一番楽しみにしてるのこれなので、「これが最大の黒歴史」とかいわずにもっとがんばってほしいです!!

 しかし幼なじみや彼女とのちょっとしたエピソードや現役中二病患者の「元彼女」をまじえたドタバタが普通に面白いだけに、終盤の重い展開についていききれなかった部分がややあるなあ。あんまりヒロインを無駄に増やすより、このくらいの人数でドタバタしてくれたほうが好みなんで、ちょっと不安。次の巻では今回名前だけ登場だった人たちがどう動くのか楽しみなような不安なような……

 あ、風紀委員と彼女の妹はどうみてもただの修羅場の追加要いn(何故か先の文字が赤い液体で滲んで読めない)


職業、王子

 

綾高大地は親の借金のせいで大学を中退しレンタルビデオ店の店長をしている。ある日、来店したアラブ人の客・リインシャールは入会申込書の職業欄に「王子」と記入。なぜか王子リインに気にいられた綾高は、強引にアラビア海に浮かぶ島国へ拉致される。性奴隷が欲しかったと言うリインに犯されると思いきや、彼は綾高に挿入するよう強要し…。 (「BOOK」データベースより)

「誰がお前を抱くと言った」
「……え?」
「冗談じゃない。何故、私がおまえの汚れた場所に挿入せねばならないのだ。おまえがすべきことは反対だな」

そ の 発 想 は な か っ た 。
いえよくみなくてもあらすじに書いてあるわけですがあらすじとかすっかり頭から抜けた頃に手をつけたらこれだったよ!!笑い死ぬかとおもった。アラブ王子パねぇ。

 というわけで、ひょんなことから変な男と口論になってしまい、目を覚ましたら中東のとある小国の宮殿で自分が揉めた相手はその国の王子様でした……まではバッチリテンプレ(…というほど読んで無いけど)なアラブものなわけですが、ただひとつちがったのは強引で鬼畜でオレサマな王子様がネコだったのです。

 ……という初期設定に盛大にふきだしたけど、その後は良い意味で王道展開だったなぁ。最初は玩具のような扱いを受けて憤っていた主人公が王子の過去のトラウマに触れることで態度を軟化させ、王子もまた主人公に惹かれていく……という展開。中盤からすっかりデレてしまった王子の夜の艶姿は一周回ってなんか面白かったですが、クライマックスでの演説にはシビレた。長い事もっていた父子の蟠りを解消し、未来の“子供達”に胸を張れる国を作ろう、と訴える王子が本当にかっこよかったです。しかし、口論になった原因的な意味で王子も相当好き者だけど、その王子にわざわざ日本語の局部の名称教える主人公は相当いろいろと駄目だとおもう。王子の記念すべきはじめておぼえた日本語、それかー。

 ただ安易に「両想いになったから日本になんか帰るもんかずっと一生にいようね☆」じゃない終り方も美味しかった。受も攻もどちらも男前で大変ごちそうさまでした。


踊る星降るレネシクル2

 

「ゆさぶる。つきつける。なまづめ。じはくざい。どれがいい?」「待て、最後の物騒なコマンド二つはなんだ!?俺に黙秘権は!?」「カカセオにそんなもの無いわ!」学園を騒がすレネシクル強奪事件の容疑者として、レンヤは捜査官・七曜なななに逮捕されてしまう!なななは星柱候補でもあり、すまるとは犬猿の仲。しかも瑞貴を犯人として探しているという。瑞貴の潔白を証明するため、レンヤはなななに協力することになり!?捜査のため毎日べったりの二人にすまるのやきもちが大・爆・発!「師匠はわたしだけの師匠なの!」果たして真犯人の目的は?ハイテンション学園ストーリー第2弾。 (「BOOK」データベースより)

この作者の作品の「親友」ポジションなんでみんなほもなの?
いやなんというか改めて思った。乾君良いほも。

 すまると瑞貴で三角関係のままいくのかと思ったら順調にヒロインが増えてく上条さんパターンだった。というか、乾といい今回登場した彼といいハーレム体質男子しかいないの!?乾は相変わらず良いほもでしたが。

 「腐海流」の使用を禁止され実力が出せないところに、レネシクル強奪事件の主犯を行方知らずの瑞貴にかけられ、レンヤとすまるが勢いで事件の捜査の協力をする羽目に……というお話。 1巻では軽く触れられただけだった御三家のアレコレが見えてきて、見えてくると予想以上にキナ臭い実態が見えてくる。

 すれちがうレンヤ&すまる師弟とななな&小夜子がその一途な想いを利用されそうになりつつも、最終的にはお互いに本音をぶつけあって今まで以上に絆を深くしていく様子がアツかったです。あと、瑞貴さんマジ姉御。

 …それにしても、「すまる」とか「ななな」とか「もうふ」とかこの世界のヒロインたちはひどいネーミング子ばっかりで正直親の頭を心配するレベルだけど、さすがに「莫迦奈(バカな)」はないわとおもいました…学校で名前ネタで苛められるの確定すぎてやめてあげてよお!


相棒とわたし

 

旧貴族のエッドは、大地のエネルギーを喰う核獣を狩る滅核獣師になるため、幼馴染みのラッセと共に準軍学校に入学した。相棒として彼の隣りにあることを信じていても、戦士として、そして女としては少しだけ自身がなかった。けれど王制復活を目論む反乱により、ラッセが核獣の王として覚醒してしまう。冷たい眼差しのラッセに、エッドは相棒としての覚悟を秘めて対峙し…。 (「BOOK」データベースより)

 人類が生み出した災害・核獣を打ち払う滅核獣師の資格を取るため、スノリ準軍学校に入学したエッドとラッセ。かけがえのない相棒である二人だが、エッドは女性であるが故にいつかラッセと共に戦えなくなることを恐れていた。そんな時、学校を核獣が襲うという事故が起きて…というお話。

 男女の相棒もの!なにかあるごとに互いを「相棒」と呼びあうエッドとラッセにニヤニヤがとまらない。

 なんの疑問もなく今までもこれからも当たり前のようにエッドと相棒で居られると信じているラッセとは対称的に、いつかラッセと相棒でいられなくなる日を恐れるエッドの水面下でのすれ違いもよかった。互いの関係性に執着して身動きが取れなくなるとか、青春すなー!吹っ切れてラッセへの素直な思いをぶつけるクライマックスも美味しかったです。

 しかし、メイン2人もよかったけど、エッドと同室で可憐な男前少女・マリアと至上なる閣下がかっこよすぎて悶える。時に厳しくしかし優しく生徒達を見守る教師とか正義すぎますね!


俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる

 

妹みたいな可愛い幼なじみ・千和。「絶対やだ!やだやだっ!あんたなんかが彼とつきあうなんてぇっ!」銀髪お嬢サマな帰国子女・真涼。「あら、幼なじみごときにそんな決定権があるのかしら?」―おお、どうしてこうなった!?俺は平穏な高校生活を望んでいたのに、真涼と“秘密”を共有したためムリヤリ彼氏にされてしまった!ヤキモチを爆発させた千和が叫ぶ。「あたしだってモテてやるもん!」何かを企み、真涼が微笑む。「では私達がサポートしますね?」千和の彼氏作りになぜか協力するハメになった俺の運命やいかに!?―。 (「BOOK」データベースより)

 とある「他人には話せない事情」からかなり強引にクラスでも有名な美人の真涼と付き合う羽目になってしまった。それを聞いた幼馴染の千和が対抗して自分も彼氏を作る、などと言い出す。真涼の計らいで千和に彼氏を作らせるべく謎の部活を結成したんだけど……というお話。

 もっとガチで三角関係なラブコメかと思ったら予想以上にコメディだった。むしろギャグだった。中二邪気眼ポエム朗読は……マジ腹筋にクリティカル入るから……やめ……いややめないで……(ビクンビクン)

 真涼にはなんか色々と裏がありそうだし、千和や鋭太も決して明るい出自というわけではないんだけど、それは置いておいて気持ちを軽くしてさらっと読める。この軽さは好きだなあ。ラブ分も無いわけではないけどやや薄めで……というかラブ度は低いのに三角関係火花バチバチ度だけは半端無いあたりが、個人的には大変好みです。あと一歩間違えるとあとがきで言ってたような何かの方向に突入しそうな危ういバランスを感じたけど、なんだかんだで3人がお互いの事を嫌いあってなくて表面上は火花散らしてても仲良くしてるのが微笑ましい。

 ……それにしても、確かに火花を散らしているのは彼女と幼馴染だけど、フラグ的には「俺の彼女と幼馴染と親友がフラグすぎる」だと思うのは私だけでしょうか。カオル君から……濃厚なフラグ臭が……する……。「親友だからね」とかやたら強調してきたり、あのタイミングで「モテるのに彼女いない」とか「(自分以外)のことが好きとか」とかいう主人公の地文が出るのはどう考えてもフラグだと思うのですがどうなのそこんとこくわしく!!!


機巧少女は傷つかない7 Facing “Genuin Legends”

 

機巧魔術―それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。「誤解を恐れずに言えば、この夏、夜々と雷真は一線を超えました」「嘘…よね?」そんなわけで夏が終わり、“迷宮の”魔王グリゼルダのもとでの修行で実力を上げた雷真は、ロキやフレイとともに順当に夜会を勝ち進んでいた。だが、シャルが何者かの呪いを受け、人形サイズに小さくなってしまうという事件が起きる。一方で、学生総代にして、“十三人”の第三位、オルガ・サラディーンに迫られる雷真。そして、雷真とオルガの婚約が発表され―!?シンフォニック学園バトルアクション第7弾。 (「BOOK」データベースより)

 新たな力を手に入れ、ロキ・フレイとともに順調に夜会を勝ち抜いていく雷真。しかしその裏で、彼らがかつて倒した筈の人物が不気味な動きを見せていた……いよいよ後半戦突入でクライマックスも見えてきた感じのシリーズ第7巻。

 アリスとシン、雷真と夜々。立場は違うけれど関係性の似ている二組の強い絆が印象的な巻でした。ただ妄信的に主人のいう事を聞くのではなく、諌めることも出来るけれど敢えて妄従することで主が道を誤ったときも共にその失敗を受け止めようとするのがシンと夜々が選ぶ「従」の形。かつてアリスにかどわかされた事を考えると信じられないくらい強く成長したんだなあと感慨深くなる。

 アリスとシンの主従関係がクローズアップされる一方でその実今回すごくロキ回でしたよね!!口ではなんといっていても、いざというときにロキと雷真が見せるようになった強い信頼関係がとても美味しい。「好敵手」と書いて「信頼関係」と読む関係なんて最高じゃないですかー!もう実質3巻くらいから味方になったようなもんだったけど、ここにきてしっかりと「共闘関係」であることをアピールしてきたなあ。口喧嘩→シャル中心に妙な誤解をする→怒鳴るという流れが定番になってきたのも個人的にグッジョブです。しかしシャルは限りなく正ヒロインポジションに近い位置に居るというのに何故そんな残念な属性をゲットしてしまったのか……

 6巻終盤〜7巻序盤にかけての雷真無双っぷりがめざましかっただけに、現れた「あのひと」の強さが際立つようで。「夜会」の上位ランク者達も動き出していよいよクライマックス目前の雰囲気になりつつあり、この強大な敵を雷真達がどうやって相手にしていくのかとても楽しみです。

 ……しかし、異様に夜会が目立たなかったのは編集サイドからのストップだったのかおのれ。システムとかかなり凝ってるんだしもうちょっと夜会描写を頑張ってくれてもよかったと思うんですが……。なんか結局肝心の「夜会」が殆ど目立たないままクライマックスだなあ。


本日の騎士ミロク10

 

「一緒に、戦おう」「たりめーだ」オウガンの鎧に身を包み、赤い羽織をまとったオウガンの将軍―元・騎士ミロクの呼びかけに、ジュジュは力強く頷いた。オウガンとジルサニア、軍は分かれても心は同じ。第八国を蹴散らし、竜の聖地を奪還するんだ!だが、第八国は“魔法を無効化する”という前代未聞の大魔法を発動。わずか6人の魔導士たちは、圧倒的な逆襲を開始した!!―治癒のベトが、技術のツッキーニが、そして孤高の藍山同盟までも…ジュジュとミロクの想いが引き寄せた各国の軍隊は、第八国の陰謀を覆せるか。自分を信じる仲間を率い、ミロクは竜の聖地の中核へとひた走る。圧巻の完結編。 (「BOOK」データベースより)

 「第八国」の魔導士達にミロク・ジュジュを中心とした連合軍が立ち向かうシリーズ完結編。

 これまで敵味方に分かれてすらいた各国が一丸となって第八国に立ち向かう展開が美味しい。これまで殆ど物語に姿を見せなかった藍山同盟まで加わったオールキャラ具合がアツいんだけど、それ以上にエルガンディアの思わぬ大活躍に腹筋痛い。 あの日和見主義で臆病なエルガンディアが…!とか、あのどうにもならない状況を打破しながら颯爽登場するエルガンディアさんマジかっけー!ってシーンのはずなのにどうしても腹筋痛いwwwwww

 たった6人の魔道士達に翻弄される各国が絶望的ともいえる状況から、魔法に頼らず少しずつ事態をひっくり返していく、そしてひたすら「知識」を追い求めた魔道士達が自らの知識に足元を掬われ、溺れていく展開も凄かったけどやはり終盤のミロクの「名乗り」にはアツいものを感じました。まさかあの局面でそのセリフが出るとは思わなかった!

 同作者の『吉永さん家のガーゴイル』の最終巻での名乗りを思い出したけど、ガーゴイルがあの名乗りによって真の意味で吉永家の家族となったのに対し、ミロクは名乗りを上げながら自分の居場所であった赤目隊に別れを告げるという、対称的な展開がどこか感慨深かったです。

 それにしても短編集が一回出たからドラマガのほうの短編話はあっちで拾いきってると思いきや、未収録短編があるってどういうことですか!文庫派だとトーラットがなんでいきなりそんなことになったのか全く流れがわからなかったので未収録短編をまとめて一冊にしてくれることを全力で希望したいです。面白かったけどあとがきで未収録短編について触れられて盛大に余韻が吹き飛んだよ!なにこれひどい!

 ……その際は是非、書き下ろし後日談の収録をお願いします。っていうか国家総「おとうさん」になったオウガンと多分きっと間違いなく弟バカなゴウト兄様のその後が読みたいです。超読みたいです。


死神姫の再婚 -目覚めし女王と夢のお姫様-

 

わたしはあなたの「お姫様」? 囚われのアリシアを救い出そうとやってきたのは――!? 各地で反乱が大きくなっていくシルディーン王国。 カシュヴァーン生存を、決起したティルナードたちを信じるアリシアは、不穏な空気の王宮で助けを待ち続けていた。 ところがオーデル地方反乱鎮圧のため、ゼオルディスはラグラドール人派兵を決定。 それを知ったエルティーナが城を出て行方不明に!  彼女はアリシアに、愛読書『夢の王子様』を残していき!?  「目覚め」の時がくる、第13弾!!

 カシュヴァーン様が相変わらず残念な色ボケ具合でとても安心した。アリシアはそろそろ真面目に再会時に「私の知ってるカシュヴァーン様はこうですわ!(バーン!)」になりそうな予感がひしひしと……角とか…生えてる……

 序盤で安心の色ボケ旦那様にほっこりしたのも束の間、本編はこれまで以上に重い展開。これまでも人死にがないわけではなかったけれど、このシリーズでここまで盛大に「味方」が死にまくるとは思ってませんでした。ゼオルディスとの関係もレネがフォローできる範囲を突破してきて、これまでの束の間の平穏はゼオルディスによって“与えられた”ものだと思い知らされてしまうのが辛い。

 ただ、そのアリシアを追い詰めるゼオルディス自身が自らを追い込んでいるように感じて、なんというか色々な意味で痛々しかった。元々アレな人ではあったけど……あと首輪で繋いで軟禁とかエロいです……すごく……エロいです……全然そういうシーンはないけどよく考えるとフェチ的な意味でやってることはエロ小説のようです……

 唯一の光明は、これまで散り散りに動いていたアリシアの“家族”たちがいよいよ一つにまとまった事。サブタイトルにもなっている女王様の奮起には(内心色々な葛藤があったんだろうなあと推測されるけどそれはそれとして)テンションあがらざるをえなかった。また、『先生』と行動を共にしていたルアークの心からの本音にも胸が熱くなる。

 重い展開も文句なしに面白いんだけど、本当にカシュヴァーンとアリシアが色ボケしてるのが本領発揮な物語だと思うのでそろそろ盛り返し展開が見たいです、となんか毎回書いてる気がするけど。そろそろ一瞬でも構わないので夫婦の再会を!そろそろ糖分不足でひからびそうです!