うららの記事一覧 | ページ 88 | 今日もだらだら、読書日記。

うらら一覧

魔法少女リリカルなのは

 

平凡な小学三年生、高町なのは。不思議なフェレットのユーノと、彼が持つ魔法のデバイス・レイジングハートとの出会いで、魔法少女としての運命に巻き込まれる。危険な古代遺産「ジュエルシード」を巡り争うことになる異世界の少女、フェイト・テスタロッサとの出会いや時空管理局の介入から事態は激しさを増し、戦いの日々へと…。悲しい運命を背負ったフェイトにひかれ、同じ寂しさを分かち合いたいと願ったなのは。「友達に、なりたいんだ」思いを届けるため、なのはは自らが得た魔法を手に、フェイトと、運命との戦いを選んだ―。(「BOOK」データベースより)

「リリカルなのは」は劇場版しか見たことがないのですが……劇場版でいうと終盤に当たるフェイトの過去と、最終決戦後のフェイトとなのはの決着戦に的を絞った原作補完ノベライズ。

劇場版でもある程度出てきたけど、フェイトの母・プレシア視点で語られる物語はまた違った意味で新鮮でした。娘のアリシアにどれほどの愛情を注いでいたか、そしてその深い愛情が徐々に歪んでいく過程が痛々しい。フェイトにだって、最初から冷たく接してきたわけじゃないんだなあ。

そして最終決戦でのフェイトとなのはのやりとりが物凄く可愛い!!真面目に戦ってるんだけどその一方でじゃれ合ってる感がたまらない。あとお姫様抱っこのシーンは挿絵GJとしかいいようがありません。魔法戦も、劇場版見ただけだと微妙によくわかってない部分が少しあったので、そういう部分を補完する意味でも面白かったです。


小説 PandoraHearts 〜Caucus race〜

 
 
原作
望月 淳

他人のモノになるオレをお許し下さい。ご主人様
ファン待望の初ノベライズ化。ベザリウス、レインズワース、バルマ、ナイトレイ――四大公爵家でそれぞれ起こる御伽話。中・短編4本を収録。カバーイラスト、挿絵だけでなく望月淳による読み切り後日談コミックも収録!! 『PandoraHearts』の新しい1ページが綴られる!!

四大公爵家それぞれを舞台にした4つの幕間劇を収録した、「Pandra Hearts」のノベライズ。帯のせいで原作を知らないとBL小説に見えるのはツッコミ禁止ですか。原作がかなり重い所をやっている分、こういう「日常」メインな軽いお話がすごくうれしい。

風邪を引いたアリスの“力”が大量のミニアリスに分裂してしまう「GOLDEN DROPS〜輝けるもの〜」はいつになく弱弱しいアリスや強がるオズがとても可愛い。ガンガンオンライン公式で無料で読むことができるので、これを読んで本作を買うか判断してもいいとおもうんですが正直本編以上に望月さんご本人が描かれる後日談マンガの破壊力がやばい。こちらは公式立ち読みには収録されていないので気になる人は買うといいとおもいます!オズの愛されっぷりが可愛くて可愛くて仕方ない。

個人的にはギルがお見合いをする「BLACK WIDOW〜心の影〜」がとても好きでした。なんだかんだでギルが自分の傍に居てくれないとさみしいオズの微妙なヤキモチ具合や嫉妬丸出しなヴィンセントの妨害工作、そして良くも悪くも歪みないギルの「オズぼっちゃん大好き」具合にニヤニヤが止まらないのですが、それ以上に エ イ ダ ち ゃ ん 最 凶  伝 説 。 コミックス12巻を読んだ時の衝撃は未だに忘れられませんが色々な意味でベザリウス家の長女にふさわしいオトコマエっぷりを発揮してくれましたエイダ可愛いよエイダ。エイダにたじたじなヴィンスマジ可愛いよヴィンス。

レインズワース家のとある一日を描いた「WHITE KITTY〜清楚な悩み〜」は間違った方向に爆走するシャロンお嬢様と彼女に翻弄されるアリスの百合百合なやりとりが、その手のノリが好きな人にはたまらないんだけど、同時に自らの力量不足に悩むシャロンを元気付けようとする大人たちの暖かさが伝わってくるようなお話でした。

そしてレイムさんがバルマ公爵のわがまま(?)に振り回される「PINK CURSE〜騒がしい日々〜」もとても良かった!せっかくのお休みを返上してお仕事するレイムさんに涙を禁じえないのですが、そんなレイムを弄りつつもさりげない優しさを垣間見せるバルマ公爵の行動がとても美味しいかったです。なんだかんだでレイムさんは愛されキャラだよね。

四大公爵家全てに焦点を当てたせいで殆どのキャラクターに見せ場があるし、挿絵もふんだんに使われているし……で、「パンドラハーツ」が好きな人なら楽しめる一冊かと思います。個人的にはナイトレイ家の話がギル&ヴィンス兄弟にもっていかれてエリオットの出番が結局無かったのが残念でなりませんが……2巻が出るなら是非ともエリオットに焦点を当ててくださいお願いします!!エリオット可愛いよエリオット。


PandoraHearts(14) (Gファンタジーコミックス)
そして本編今ものすごいことになってるので、アニメだけ見てて原作は読んでない……
ってひとは今すぐ読むといいとおもう。

PandoraHearts(14) (Gファンタジーコミックス)


お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ2

 

この小説は『とある事情で離れ離れになっていた兄妹が、再び一つ屋根の下で平穏な日々を送るようになった様子を、ごく淡々と綴っていく物語』である――「確かにブラコンは不便です! でも不幸じゃありません!」「そうかしら。わたくしはあなたの存在そのものが不幸だと思うのだけれど」「そんなことより今回は、姫小路秋人があたしらの実家を一軒一軒あいさつして回るらしいぜ?」「ふふ、ようやく秋人が僕の家に来てくれるのか。これは楽しみだね」「むむうっ!? そんな話は聞いてませんよっ! お兄ちゃん、これは一体どういうことです!?」――すいません嘘です、ラブ コメです。家庭訪問の詳細についてはページをめくってみて!

相思相愛どころか、むしろ兄のほうが重症じゃねえか!!!(開口一番)

6年越しで一緒に生活できることになった兄妹を中心に巻き起こる、学園ラブコメ第二巻。超ブラコンな妹とサブヒロイン達が主人公を取り合う話……だとばかり思っていたら、予想をはるかに越えて兄、シスコンだった。いや、前巻からやや相思相愛の香りはかもし出していたけど、何かとすぐに広がる兄妹時空と、置いていかれるヒロイン残り3人が恐ろしくシュール。

良い意味で会話の妙と主人公の人間としてのヘタレっぷり・駄目さ加減を楽しむだけの作品という感じで、手軽に読めるのはいいなあ。兄妹間もただの相思相愛ラブラブだったらあんまり面白くないんだけど、兄が完全に「弄られて涙目ないもうとかわいいマジカワイイ」っていう性悪具合。かくして兄の手の内で意図的にフルボッコにされ、上手いこと操作されてしまう妹が正直可愛い。

しかし、残りのヒロイン達の中でアナスタシアは普通にツンデレ可愛いんだけどギンと会長が男子にしか見えなくて困る……というか文章だけ読んでると、この2人に関しては脳内で構築されるイメージが完全に男子なのは何故だろう…男言葉使ってるからとかそういう問題じゃない…挿絵の二人は凄く可愛いので私の脳内で酷く違和感があって困った。つかMFJでそんな、ガチBLな設定ないから!でもギンはマジ男子でよかったとおも(以下自主規制)

そして、例によって最後でひっくり返してくる展開。主人公の「秘密のお仕事」は途中で気づいてしまってから本当にニヤニヤが止まりませんでしたが次巻どうなる!?地味に楽しみになってきてしまった……。

巻末の「初期ラフ集」がヒドい(褒めてる)


5656(ゴロゴロ)!—Knights’ Strange Night

 

血塗れの鉄パイプを持った少女が、眠たげな瞳を揺らめかせ―ただ、語る。「島、今日も銃声が響いてる。いつもどおり。人、死ぬ。いつもどおり。犬と犬、戌井と狗木さん、殺し合う。いつもどおり。東区画のボス、変態。いつもどおり。昼寝仲間の殺人鬼、東区画の猫と刀使い、麗鳳兄さん、探偵の可愛くない弟、みんな、恋に不器用。いつもどおり。島、酷く混乱してる。…いつもどおり。結局、いつもどおり。島、今日もいつもどおり。ただそれだけ。だから私、いつもどおり、可愛い子、たくさん抱きしめる。ギュウ。暖かい。ぽかぽか。…眠い。寝るぅ。むにゅ…Zzz…」渾身の越佐大橋シリーズ短編集、登場。 (「BOOK」データベースより)

狂犬と猟犬が最早じゃれついているようにしか見えない(病気)

仲悪いはずなのに、出会ったら即殺し合いな殺伐関係のはずなのになんですかこの人たちのイチャイチャっぷりは!!!いや、確かに作中でもずっと殺しあってるだけなんですが殺し合いがじゃれ合いにしか見えないこの不思議……

「短編集」とはいうものの、様々なキャラの視点や無関係な事件を交えつつ最終的に1つの事件へと収束していくのが面白かった。いちゃいty殺しあう犬コンビも、リーレイの過去話も、八雲&ナズナの微笑ましい恋愛模様も凄く良かったのですが、個人的には麗凰とシャーロットの関係が微笑ましすぎて微笑ましすぎて…… な ん だ こ の ツ ン デ レ は 。

なんだかんだで島で出会った人の危機を捨て置けない戌井の変化とか、恋する乙女具合が微笑ましい潤さんとか、さりげなくデレてるイーリー姉さんとか、どこまでもニヤニヤの止まらない短編集でした。あと1冊短編集の出る予定があるようなので、そちらも楽しみです!


本日の騎士ミロク7

 

「ジュジュ!しっかりしろ!」「バカ…私は、へーきだ…」「大丈夫だからな!俺が必ず助けるから!」「…」「必ず助かるから!ジルサニアに帰ろうな!」暗い森の向こうから、冷たい風が襲ってくる。吹雪の予感。熱を出したジュジュ姫を背負い、俺、ミロクは走った。どこか、暖かくて安らげるところへ、一刻も早くジュジュを…!大会議に向かう途中で陰謀に巻き込まれ、二人きりで敵国ツッキーニを彷徨うことになった俺とジュジュ。そこで出会った新たな人々、そして初めて聞くジュジュの想い―。問題は山積みだけど、ジュジュ、いつものように笑ってくれよ、俺が絶対守るから!―。 (「BOOK」データベースより)

敵の思惑により敵国・ツッキーニで孤立してしまったジュジュとミロク。運良くツッキーニのレジスタンスが隠れ住む村にたどり着いたのは良かったが、ジュジュの元気がなくて……というお話。

“ジルサニア王女”ではないただの年相応の女の子としてミロクに接するジュジュが新鮮。ミロクの腕を信じていないわけではないけど自衛手段がないに等しい状態で敵地に晒されたら、弱気にもなりますよね。王女としての重責を背負いながら、その地位こそを使って戦ってきた彼女の脆さが露呈したというか。そして年齢相応の少年少女としてお互いを意識してしまう二人が微笑ましい。

しかし、ページ数的な問題に加えて他の赤目隊メンバーがいないせいもあってか全体的に物足りない感じが。最後の「引き」の為の物語が出来てる感じがした。あとがきに書かれているとおり「ターニングポイント」になるお話なので……というのもあるかもしれないけど。

とりあえず次巻でヴィクトルとディアートの絡みに期待せざるをえません。
あと「あとがき」が……!!これなんてイナイレww


義兄 明治艶曼荼羅

 

「堪忍して、お兄様……」富豪の家に母の連れ子として入った雪子。待っていたのは義兄の執着愛。独占の証のように刺青を彫られ逃れられない。緊縛、言葉責め……。章一郎との淫らすぎる夜は、雪子を官能の深みに堕とす。禁断の愛に震える雪子に救いの手を差し伸べたのは貞吉。純真な好青年との逢瀬で知る初めての恋。しかし兄は妹を奪い返さんと悪魔のような企みを!? 明治官能浪漫!

これはエロい&救いがない。ティアラ文庫は長らくご無沙汰だったのですが、結構頑なにこういう展開の話はやらないようにしてるイメージがあったので、びっくり。

義理の兄によってどんどん淫らな身体にされちゃう妹のお話なのですが、くもの糸が絡み付くように少しずつ着実に逃げ場を奪われていく様子が凄い。肉体関係を持つ前から優しい言葉の中に少しずつ混ぜ込まれた毒のような言葉で少しずつ兄にとって都合のいい女に変えられて行く。あらすじには「執着愛」と書かれているけど、こんな歪んだ想いを“愛”とは呼びたくないなあ。義兄の歪んだ執着と異常な独占欲に、肉欲で囚われてしまう主人公・雪子の姿が痛ましい。

まともな人付き合いも出来ない彼女が唯一恋焦がれたのが兄とは正反対の純朴な好青年・貞吉。まあこれ間違いなくこっちとゴールインなんて展開はないですよねって思ってたけど予想以上に酷い展開でした。

愛のないエロとバッドエンドに耐性無い人には絶対駄目だろうけど、逆にそういうのが好きならかなり楽しめるお話だとおもいます。雪子がどうしようもなく堕ちて行く様子が丁寧に、良い意味で「悪趣味」に描かれているし、個人的には雪子が無理に兄の章一郎に靡くような展開じゃないのもポイント高い。あくまで章一郎は歪みきった征服欲・雪子は肉欲の為にお互いを求めていてそこに愛は生まれない。この手のヤツはなんだかわかんないうちに途中から相思相愛になるパターン多いよね……

ところで岩田が男色家だと分かった瞬間に岩田×章一郎(リバ可)を思い浮かべたのは私だけじゃないはず。


STEINS;GATE‐シュタインズゲート‐ 円環連鎖のウロボロス(2)

   
原作
5pb.×ニトロプラス

「跳べよぉおおおおおおおっっ!」タイムリープ・マシンと化した“電話レンジ(仮)”を使い、岡部倫太郎は「世界」に戦いを挑む。―椎名まゆりに降りかかる悲劇を回避するため。―その先に待つ、残酷な真実を乗り越えるために。想定科学ADV『STEINS;GATE』の知られざる世界線が描かれる、もうひとつの真実がここに。 (「BOOK」データベースより)

「シュタインズゲート」のノベライズ完結編。原作と細部の流れは違うけど、これもまた紛れもなく同じ『シュタインズゲート』へ至る物語。

かなり細部に渡って展開が変わってきているので、原作と同じ展開を辿っていてもまた新たな気持ちで楽しむ事が出来ました。初めてタイムリープしてどうしても8月13日を抜け出せないときの閉塞感は原作とおりに凄いんだけど、最後にまゆりと「彼女」を天秤にかけなければいけなくなった時のオカリンの葛藤は原作以上だった。散々二人ともを救おうとして失敗したオカリンが、血を吐くような気持ちで彼女にあの一言を伝えた場面では思わず涙が零れました。

フェイリス・ルカ子の話が大幅に削られた分、原作では徹底して蚊帳の外だったまゆりとダルにピントが向いているのも面白かったです。ていうか原作よりも「スーパーハカー」ダルの天才性が強調されていて、天才タイプの2人に囲まれて自らの凡人さを自覚していて時折無力感に囚われる岡部という構図が凄く好みだった。そして二人の天才に対して岡部自身は本当に「努力」の人なんですよね。様々な可能性世界での「彼」が様々な世界で途方も無い努力を重ねたことで見出した“シュタインズゲート”という可能性。そこに至るまでの軌跡を想像するだけでもやばい。オカリンがゲーム序盤で見た謎の「夢」の正体は別の可能性での自分自身の記憶だったんだろうなあ。あとバレル・タイターまじかっこいい(ネタバレ)

そして原作でも有数のトラウマシーンであろうアレ(ヒント: 幼 女 怖 い )は原作以上にヒドいことになってたなあ!!(一応褒めてる)挿入された挿絵の威力半端ない同世界線で「オカリンとクリスちゃんをくっつけるために」「がんばってる」まゆりの姿が描かれますが、よりによって綯のあのシーンで一緒に描かれるせいでホラー3倍増し。ぶっちゃけ、「あの」まゆりはタイムリープを繰り返した結果“狂ってしまった”まゆりなんじゃないかなあ……などと思ったりしました。問題はあの彼女が本当に“あの世界線上だけの存在”なのかってことなんだが。バレル・タイターがまゆりに関する警告をしたのは別の世界線での話って考えると他の世界線でもかなりの確立で“ああ”なってる可能性は……(以上ネタバレ)

900P近いページ数を一気に読ませる、ジェットコースターのような展開に感動。個人的には原作プレイしてから読むのを推奨したいですが、このノベライズ単独でも十分楽しめるお話になっているので「原作はやってないけどやろうかどうか悩んでる」みたいな人が読むのもアリなんじゃないでしょうか。



Steins;Gate(限定版) 特典 電話レンジ(仮)マスコット付ストラップ付き

でも皆原作もやるといいよ!!
かなり展開違うのでノベライズやったあとにプレイしても楽しめるよ!!





バッカーノ!1933〈下〉THE SLASH チノアメハ、ハレ

 

ティムは過去を捨てた男だが、兄を忘れた事はなかった。ダラスはどうしようもないチンピラだが、妹だけは護りたかった。クリストファーはとてつもない変人だが、なぜか自然を敬っていた。『葡萄酒』は最強最悪の殺し屋だが、マジで婚約者を愛していた。刃物使いたちの死闘に呼び寄せられたキレた奴ら。血の雨が止む時、雲間から覗く陽光を浴びるのは誰だ―。 (「BOOK」データベースより)

上巻からの続き。

面白かった!クレアとシャーネはいつのまにこんなにラブラブバカップルになったんですかシャーネにぞっこんらぶなクレアも可愛いけど、シャーネの反応が可愛すぎて困る。

そしてクレアとシャーネも可愛いんだけどクレアとフィーロの幼なじみっぷりがとてもやばい!!!ほんとにちょっとだけのニアミスなんだけど、この2言3言から伝わってくる気軽さっぷりがまじぱねえ。クレアが「名前を貰った」というフェリックスの一件も気になるところです。そしてラストのチックとマリアのやりとりが可愛いなああああ!!

1933年の事件はこれで終わりだけど、最後に新しい物語のはじまるを思わせるようなヒキでわくわく。1931で出てきたあのひとの再登場もありそうだし、続きが楽しみです。


がるぐる! Dancing Beast Night(下)

 

さてはて、厄介な事になったものだヨ。島を襲う連続爆破事件に、島を仕切る組織の重役達が次々と殺されるこの状況デ、島に戻ってきた二匹の犬に、再び不気味な動きを見せる小鼠達と、翻弄されるうちの猫。東と西の関係も爆発寸前というこの状況、一体どうなんだろうネ?島は終わりに向かっているのか、それとも―。…何、別に大したことじゃあないサ。例えこの島が燃え尽きようが粉みじんに砕けようが、住人が全て死のうが、大した事じゃあなイ。それが、この島というものだろウ?殺人鬼と少女がお互いの顔すら見ずに踊っていル―今は島の行く末よりも、このダンスの結末を楽しむとしよウ。そうだろ?諸君。 (「BOOK」データベースより)

一応シリーズ一区切り?なシリーズ4巻。これまでのシリーズ3冊で出てきたキャラクターたちが一同に会してのオールスター感が凄い。本来表に出ないはずの「都市伝説」やらなにやらまで登場して、全員が全員薄くならずに動いてるのが凄いなあ。

上巻ラストで再登場した犬二人・狗木&戌井の一触即発具合やべえ。戌井が後ろむいたらすかさず撃とうとするのにイーリー狙われたら躊躇う狗木さんにニヤニヤが止まらないのですが、二人が争い出したら他の所で本気でバトってるのにすかわず横槍入れに来る葛原さんマジかっこよかったです。まさかあの人とこんなにラブラブになってしまうとは予想外でしたが!

しかしなにより、そんな中で輝いていたのは自称名探の姉・シャーロットだった気がする。バカだバカだと思っていたら驚異的な推理力を発揮してくるクライマックスもやばかったのですが、エピローグでの「家族ですから」には胸がキュンとなった。可愛いなあ可愛いなあ!

出番は少なかったけど夕海の行動にもニヤニヤしました。最後のやたらオープンなアレっぷりが可愛すぎた。


蒼穹のカルマ1

 

蒼穹園上空、高度二千メートル。抜けるような青さ、絨毯のように敷き詰められた層積雲が広がる空に突如現れた不純物―空獣。その不純物を駆逐し、飛空するひとつの騎影。長い漆黒の髪を踊らせ、空を舞う鎧を身にまとい、空獣の血で空を彩る騎士・鷹崎駆真。「任務完了だ」落ち着き払った声を発し、いかなるときにも狼狽えることのない彼女の鉄仮面。ある日、彼女に空獣警戒の緊急任務が言い渡される。蒼穹園の空を護る彼女の返答はもちろん…、即座に拒否!?えっ、ええ!!その日、駆真には任務よりも大事なことがあった!!第20回ファンタジア長編小説大賞準入選作、暴走し、駆ける。 (「BOOK」データベースより)

ど う し て こ う な っ た 。

「表紙詐欺」「あらすじ詐欺」と噂には聞いていたけどこれは酷い(褒めてる)。空を駆け“空獣”と呼ばれる怪物を己の体術で狩る女騎士・鷹崎駆真が最愛の姪・在紗の授業参観に駆けつけるためにあれやこれやというお話。強力無比な力を持つ若き騎士だがどこまでも鉄面皮な彼女が、在紗が絡むとただの叔母バカになってしまうのが微笑ましすぎる。そして次の展開が読めないにも程がある。

姪がからんだときのカルマのむちゃくちゃっぷりには、富士見ファンタジア全盛期の「スレイヤーズ」みたいな勢いを感じて、なんというか懐かしかったです。しかしそれは置いておいてはるか彼方の方にぶっとんでいくストーリー展開が凄まじかった。表紙から見たイメージで内容を想像すると裏切られること請け合いです。これはやばい。

最後のほうでさりげなく今後へのフラグ立てみたいな展開もあったけど、これは色々な意味でこのままの雰囲気でどこまでも突っ走って欲しいシリーズだなあ。続編もそのうち読みたいです。楽しかった!