牧瀬紅莉栖視点から見た、もうひとつの「シュタインズゲート」ノベライズ第二巻。物語の折り返し地点を過ぎた辺りまで。
前半のキモであるDメール実験にまつわる各エピソードを鈴羽の父親追跡に関するエピソード以外全部すっとばすという、前巻以上にアニメかゲームで「本編全ての内容を知っている」ことを前提とした大胆な構成。確かにあれは岡部の視点だからこそ全てを語ることが出来た物語であって、紅莉栖や他のキャラの視点から見たらこうなってる筈なんですよね……
それにしても、その代わりに描かれる紅莉栖が各ラボメンに向ける視点がくすぐったくて仕方ない。っていうかこの助手、完全にデレッデレじゃないですかーーー!!!ルカ子の女らしさに嫉妬したり、タイムリープ前の自分自身にヤキモチを焼いたり、自分の恋心に気づいて七転八倒したりと自分の気持ちを持て余す助手が可愛すぎるんだけど、岡部の中二病ポーズをさりげなく「かっこいいから困る」とかいいだしちゃったり、とにかく紅莉栖視点から描かれる岡部がいい男すぎてかっこよすぎてヤバイ。ベタ惚れすぎる。そして思わず2chにスレ立てしちゃう助手ってそれなんて二次創作ですか。もういっそ安価スレにしたらよかったのに!!
あと、父親との繋がりが今回も多く描かれているのが印象深い。「マイフォーク」にそんな深いエピソードがあったとは思わなかったんだけど、それ以上にびっくりしたのは屋上での父親との電話の理由だったなあと。まさかそんな理由で電話をしていたとは。岡部と牧瀬父の共通点はゲーム本編でもそれとなくかたられて来てるんだけど、改めてこの物語を読み返すと助手どんだけファザコンなんだって思うほどに父親と岡部を比較する描写が多くてとてもニヤニヤするのでした。
もうなんかひたすら助手可愛いよ助手なノベライズになってきてるんだけど、いよいよ物語は佳境に入ってたぶん最後の1冊、岡部が世界線を越えた時の助手とかがどういった形で描かれるのかが楽しみすぎます。
「うらら」一覧
読了記録まとめ[2011年10月分]
10月のラノベ読了冊数は11冊でした。久しぶりにマンガ以外で2桁……
ラノベといってもBLが3冊入っていることは内緒です。内緒です!!
「STEINS;GATE 亡環のリベリオン」最終巻限定版についてきた小冊子の未来話が猛烈なオカダルだったのですが、いや、オカダルとかそういうのを置いておいても未来のオカリンとダルの友情話として破壊力が激高だったんですがなんでこれ小冊子特典なんですか。しかもこの限定版、何気に売り切れ早かったよね……布教したいこの気持ちをどこで我慢したらいいのか。色々な意味で困ります。
10月の読書メーター
読んだ本の数:21冊 / 読んだページ数:4185ページ / ナイス数:59ナイス続きを読む
イノセント・スター 光を欲する暗黒星
『星』と呼ばれる異能を見込まれて学園に入学したものの、毎回試験のたびに不幸なトラブルに巻き込まれて万年六等星の座をキープしていたエリッセ。能力の底上げを図ろうと禁呪に手を出したら強力な能力を持ち、そして封印されていたかつての一等星・ディガンが現れ、彼女を拉致してしまう。ディガンにより、自分のこれまでの不運が『不幸の星』と呼ばれる禁呪が原因であるといわれたエリッセは呪いを解除するためディガンとともに王宮へ向かうが……というお話。「死神姫の再婚」の小野上明夜さんの手がける新シリーズ。
落ちこぼれでなにかと騒がしいけど前向きなヒロイン・エリッセと俺様系ナルシストな暗黒星・ディガンの凸凹カップル具合がとても微笑ましい。穏やかで優しいエリッセの恩師・グラシカルとの微妙な三角関係もよかったなあ。旅路を進むにつれ、だんだんグラシカル先生LOVEなエリッセへのモヤモヤを隠しきれなくなっていくディガンのヤキモチっぷりが可愛い。
しかし、個人的には天才少年ハーシエルが残念過ぎてやばかった!先生への恋愛フラグはなんとなく見えていたけど、自分に正直になったハーシエルの甘え全開の発言に最初はにまにましたものの、その後どんどん発言が残念になっていく彼の言動にはもう笑うしかなかった。見た目クールでナマイキな天才系ショタなのに甘えた通り越して残念とかある意味新しいよ!!可愛いよ!!
ディガンとエリッセの関係がどうなるかもとても楽しみだけど、2巻以降は色々な意味で脇役組の活躍にも期待したいです。グラシカル先生とかハーシエルくんの活躍を是非!お願いします!
本日の騎士ミロク9
クライマックス目前の第9巻。前巻で姿を現した「第八国」の狙いを知り、長年の諍いを捨てて協調の道を歩き始めた各国。しかし、ゴウト殺害容疑がミロクにあると思いこまされたオウガンの軍勢がジルサニアに襲いかかり……!?というお話。
第八国が引き起こした脅威に立ち向かう絶望的な戦いから一転、ミロクとジュジュが合流してからの展開の巻き返しが凄かった!ミロクとジュジュを筆頭にこれまで反目しあっていた赤目隊と天尾隊、ジルサニアとオウガンが手を取り合って立ち向かう姿が熱かった。あとゴウト兄様が出番無いのに全てをお見通しすぎて萌えすぎて辛い。なんだこの有能過保護兄……
しかし、次巻で完結ということだけどイマイチ盛り上がりに欠けるというか、明かされた事実は確かに衝撃だったんだけど、第八国も一部キャラが出張ってるだけで全く全貌見えないし、どうやって絞めるのかなあ。個人的にジュジュ救出でもうちょっと盛り上がっても良かった(いえ、救出後の展開は本当に素晴らしかったんですけども!)
読書メーターでミロクのオウガン服が地味すぎる的なツッコミがあったけど、あれほんともうちょっとかっこよく描いてくれてもよかったよね……あと、シェンランはなんであんなジルサニアっぽい服装をしているんだろうと密かに…。
Zぼーいず/ぷりんせす 3
姫護者として経験を積んできた3人にサリが依頼してきたのは「死期を過ぎているのに生きている人間の命を刈り取る」こと。しかもその相手は担任・超飛の恩人ともいえる人物で……というお話。
姫護者を名乗っていてもただの人間である自分たちが命を扱うという事の重みに悩みながらも、様々な人と出会い成長していく子供達とそれを優しく見守りながらも譲れない自分のエゴを通す為に立ち向かう大人のぶつかりあいが熱かった。敵のあの人の一連の行動と発言が暖かすぎる。
そして今回が物凄い面白かっただけに、完結の2文字が寂しすぎる。「完結」ってことになってるけど見事な「俺たちの戦いはこれからだエンド」といいますか打ち切り臭がね……なんかあまり大きな話にしなくていいから、ご近所の不思議事件を解決する的な小さめスケールの話で細々と続いて欲しかったなあ。ミロクも完結間近みたいだし、次シリーズが読めるの楽しみにしてます。
それにしてもあとがきの
『元々はゾンビになった野郎どもがキャッキャウフフするBLみたいな話だった』
↑なにそれ見たかった
あとがき冒頭のコメント見て真っ先にこう思いましたっていうか1巻のあらすじ見たときにてっきりそういう話だと思ってましたいやさすがに「BLみたい」は予想外でしたけど!!
生徒会の金蘭 碧陽学園生徒会黙示録6
「私達は今、とても大切な時期にあります」私立碧陽学園生徒会―そこは、美少女メンバー四人が集う楽園だが、変革を求められる時期が訪れていた。シリーズも終盤へ突入した今だから、出来ることがきっとあるはずだ。さあ「生徒会の一存」の新たな可能性を見つけ出そうじゃないか。失敗を恐れてはいけない、挑戦し続ける勇気が人を成長させる!だから…許して欲しい。中目黒善樹の女装姿を。一瞬「あれ、新キャラ、美少女!?」って思ったあなたも、怒らないで欲しい。そして逃げずに、この本をレジまで。ねっ、お願いします!だって彼、本当にいい奴なんですよ。2年B組編も、ついに決着!? (「BOOK」データベースより)
「2年B組」シリーズ完結編を収録した、番外シリーズ第6巻。表紙からしてニヤニヤが止まらなかったわけですがピンナップ裏が俺得すぎてご馳走様でした杉崎は中目黒の嫁!!!しかしこの表紙の帯についてる「王道宣言」の文字に、富士見ファンタジア大丈夫かといいたくなったのは私だけじゃないはずだ。
本編の半分以上の分量を占める「2年B組の進級〜決意の章〜」がやばい。前巻から続く、中目黒の過去と2年B組のそれぞれの前途を描くお話なのですが、それぞれが自らの気持ち・お互いの気持ちと向き合って逃げずに折り合いをつけて、また新しい関係に向かって歩き出していく姿がとてもよかった。まさか生徒会シリーズでボロ泣きするとは(略
あまりにも大きな中目黒の決意に対して『同志』として応援する宇宙姉弟と『守りたい』から反対する杉崎・深夏の考えの違いが印象的だったけど、4人とも中目黒をかけがえのない仲間だと思うからこその言葉だというのが熱かった。中でも、守がかっこよすぎてやばい。あの微妙微妙といわれ続けてきた「超能力」の使いどころが卑怯すぎるとおもいました!!そして最後の最後まで真冬ちゃんが鬼すぎる(主にBL的な意味で)
しかし、巡の気持ちに対しての杉崎の反応はズルいな!合コンの話や今回の話を含めて他人のために自分を捨てて行動出来る『似たもの同士』な巡を恋愛対象として見れなかった杉崎の気持ちは良くわかるんだけど、同時にそれって現メインヒロインである生徒会役員4人と同じように彼女を杉崎が『尊敬している』事の裏返しでもあるわけで、なんというか正ヒロイン昇格も夢じゃないんじゃないですかというか生徒会役員4人の卒業後は大逆転すらありうる。卒業目前にして構図が逆転してしまった2年B組の様子だけでもうニヤニヤが止まりませんww
2年B組シリーズに引き続いて次巻は本編完結編、黙示録の次巻では「1年C組」シリーズの完結編と最終回ラッシュな生徒会。各編どのような結末を迎えるのかとても楽しみ。
恋する遺伝子 嘘と誤解は恋のせい
割の良いバイトと聞いて不妊治療のラボにやってきた六車騎一は先日亡くなったばかりの憧れの劇作家・朝来野寛が生前に作った受精卵の処遇で遺族とモメている場面に遭遇する。父を嫌い、遺伝子を処分してくれという朝来野の息子・尚の発言を聞いてその受精卵の『代理父』になると名乗り出るが……というお話。
まさかの男子の妊娠ネタ……一応SF設定とはいえそういうジャンルもあるのか、世界は広いな……などと思っていたらいい具合にオチがついてた。ふきだした。むしろ開始10Pで結哉の家の冷蔵庫の中身に食ってた炒飯を噴射しそうになった。(お察しください)
凄い判り易いツンデレ受な尚が自由奔放な騎一にほだされていく姿にはニヤニヤしましたが、巻末に同時収録されていた短編「本音と妄想は恋のせい 完全版」の威力が酷かった。すっかりバカップルになった結哉と和久井が二人の出会いのきっかけになった『アンケート』をもう一度やり直してみる……というお話なんだけど、和久井さんが頭に何か沸きすぎで酷い(褒めてる)。もう「結哉のひざっこぞう可愛いイヤッホオオオオオ!」とか脳内で叫んでた頃の彼が可愛く思えてくるくらいに酷い。結哉も相当なアレだとおもうけど、和久井さんはたが外しすぎです。
まさかエロシーンでこんなに腹かかえて笑うことになるとは思わなかったよね!!!
死神姫の再婚 -誰にも言えない初恋の君-
急転直下の新章第二巻。『嫌い』を思い出したアリシアが再び立ち上がり、散り散りになった「家族」達の動きが見えてくる一方でいよいよ追い詰められていくアリシアの様子にハラハラする。死んでないだろうと思ったとは言え、あの人やあのキャラの元気な姿を見れたのは僥倖だったけど。
執拗に巧妙に彼らを追い詰めていくゼオルディスの行動もなんだか色々な意味で真の意図が見えない。なんかわざと国を破滅に導いてる感じもするというか、滅ぼされるのを待ってる的な印象もあって、不気味。真意の見えない『先生』勢力もいて、この不穏な雰囲気はまだまだ続きそう。
これまでとは一転、シリアスな雰囲気の本編も十ニ分に面白いんだけど、やはり早くあの夫婦のイチャイチャが見たい。アリシアの夢が酷すぎて再会の時にどうなってしまうのか逆に楽しみすぎるw
しかし今回は大きく成長したティルナードとセイグラムのやりとりだけでご飯10杯いけます!!譲れないものを守るために自身のトラウマの元凶であるゼオに立ち向かう覚悟と、そしてそれ以上の大きな重圧を覚悟して立ち上がったティルナードも凄いけど、セイグラムの判り辛い過保護っぷりにニヤニヤしました。反撃開始になるだろう次巻がとても楽しみです!
恋愛モジュール
能力はあるけどコミュ障気味なプログラマーの島垣が、初のプロジェクトリーダーに任命される。同じチームに配属された新人SEの藤森は、島垣とは反対に明るく人懐こいイケメンで苦手意識を持っていた同僚の友人。仕事のやり方でぶつかり合う二人だったがとあるアクシデントをきっかけに藤森の部屋に泊まりこむ羽目になって……!?というお話。
甘やかしなイケメン後輩×甘やかされなコミュ障三十代なんだけど、年上の島垣が振り回される話のように見えて、なんだかんだで島垣を甘やかしたくて仕方ない藤森が見せる年下っぽい子供っぽさとそれを大らかに受け止める島垣の様子が微笑ましい。私はこの段落で「甘やか」を何回使いましたか。
2編目は桜井に言われて「甘やかされ」を自覚した島垣が色々な意味で自立しようとするお話なんだけど、藤森と付きあっている限り無理な気がしますね!!島垣の方が駄目そうに見えて、真の駄目人間は藤森だと思う。でも、こういう独占欲が先走った残念な攻は嫌いじゃないぜ!!
恐らく島垣の人間性の基礎を作ったであろうあとがき曰く「最強の小姑」こと島垣兄が本編に登場しないのが本当に残念でした。藤森を連れて実家に帰ったら島垣兄が「こいつと付き合うなら俺を倒してからにしろーー!!」って立ちはだかるみたいな残念な人たちの話が超読みたいです。むしろ島垣兄+桜井vs藤森が読みたい。本編で噂話程度の登場しかしていないのに、ここまで胸がときめくキャラも珍しいのではないでしょうか続編が出るなら残念な兄をぜひ!!!
両思いになった直後の藤森の『運用保守より開発が好き』は多分笑う所。
僕は友達が少ない
ヤンキーっぽい顔と外見のせいで友達が出来ない転校生・羽瀬川小鷹はある日の放課後、『エア友達』と話しているクラスメイトの三日月夜空と出会い、友達が居ない者同士で新しい部活を立ち上げる羽目に。最初誰も集まらないだろうと思っていたが、予想外に残念な人たちが入部してきて……というお話。「ラノベ部」のジャンル不定無節操バージョンというか、基本的に残念な人たちが駄弁ったり好き勝手したりというあたりは変わらず。モンハンしたり、ギャルゲーしたり、演劇したり、プールに行ったり。
個人的にはモンハンをする話と、演劇する話が好き。モンハンは仲悪い人たちが協力ゲーをやった時の定番展開という感じだけどガチでゲーム本編を忘れ去ってお互いの妨害に命を懸け始める夜空と星奈のドタバタが可愛い。そして演劇話の腹筋崩壊具合ときたら……「ラノベ部」のリレー小説の破壊力も大概に酷かったですが、平坂さんの描く『複数の人たちが一つの話を作ろうとする話』の面白さは本当にヤバいと思う。
あと、小鷹の過去話がとても好きだった!!背中合わせは最高の友情エッセンスです!!うまい!!オチを見るにどう考えても男子同士の友情じゃなかったけどそれはそれとしてうまい!!
基本は残念な人たちの日常を描く残念なお話という感じなんだけど、小鷹が星奈とプールに行く話や小鷹の過去話の展開を見るに、ちゃんとラブコメ要素も仕込まれている印象。キャラもまだ出揃ってない印象だし、機会があれば続きも読んでみたいです。








