“双 ” の検索結果 | ページ 14 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:双 (148 件 / 15 ページ)

吉永さん家のガーゴイル

[著]田口 仙年堂 [絵]日向 悠二

商店街の残り物ばかりを集めた福引で、アンティーク店の提供する3等賞を当てた吉永双葉。当たったのは犬の石像っぽく見える自称“門番”だった!?ゲームで見たモンスターの名前から「ガーゴイル」と名づけたソレのやたらと偉そうな態度に始めは反発していた双葉だけど、だんだん吉永家の一員として馴染んでいって…
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今月最終巻が出るよ!というときに今更手を付けてみたよ!不思議生物のガーゴイルこと「ガーくん」とちょっと変わったフツーの人々が繰り広げる下町人情系ホームコメディ。

なんかもう、頭を空っぽにしてのんびり読める作品の雰囲気が良いですね。最近小難しい作風のラノベが増えましたが、これは正しい意味で“ライト”ノベルでした。ガーくん回りは色々と不思議的な設定がありそうだけど、基本的にはご町内の中で収まってしまう物語の「小ささ」が逆に心地良いというか、そんな不思議設定が違和感無く馴染んでしまう「狭い」ご近所の懐の「広さ」が素敵でした。

色々と常識の規格外な存在であるガーくんが、紆余曲折ありながら少しずつ吉永家及びご町内の皆さんと仲良くなっていく姿に、自然に頬が緩んでしまう。最初ガーくんに勘違いされて追い払われて怖がってた新聞配達のお兄さんが、物語の後半ではガーくんに朝刊の内容を解説してあげてたりするの。一方ガーくんも最初は吉永家だけを機械的に護る事を考えていたのに、いつのまにか町内の正義の味方的な存在になっていく。もーなんか、ほんと読んでいてほのぼのしてしまうお話でした。なんていうか、読み終わったとき暖かい気持ちになれましたね。癒し系というか和み系。

気になる点というと、双葉と和巳の性別が中身と逆転しているのにイマイチ違和感感じたくらいかなぁ。喋り方もグラフィックもまんま女の子な和巳は普通に姉でよかったんじゃないかとか…基本的にまっすぐストレートなつくりの物語なのにそんなところだけ奇をてらわなくてもいいのになあ…とか思ってしまいました。男勝りな妹の方は中盤くらいで慣れたので、今回は兄貴が基本的に空気だったからそう思っただけかもしれないけど。性別不詳キャラスキーとしては、2巻以降のお兄ちゃんの活躍のこっそり期待。


SH@PPLE?しゃっぷる? 2

[著]竹岡 葉月 [絵]よう太

憧れの少女・蜜から“胡蝶の宮”典子と3人で温泉に行こう、と誘われた淡路舞姫(…の格好をした弟の雪国)。双子の姉の舞姫の私服を持ち出し、女装して旅行に出かけることにしたのだが、二人に気づかれないよう公衆温泉に入ろうとしたところをホテルのオーナーの娘・エリスに見られてしまう。更に弟の不審な様子に気が付いた舞姫とSEOの面々もこっそりついてきて…!?
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双子の姉弟の入れ替わり女子高ラブコメ、第二段。今回は女の子二人と嬉し恥ずかしな旅行に出かけた雪国が、旅先で様々なトラブルに巻き込まれるお話。女装ラブコメというウリともろに「萌え」を狙った挿絵が特徴的ですが、現在腐的な意味を除外すれば女の子にも読んでほしい非少女レーベルライトノベルNo.1かも。

「温泉」「お泊り」と女装していて正体を明かせない雪国にとっては致命的にもなりかねないイベントが目白押しで、正体に気づかずに女の子同士の調子で振り回す蜜&典子に悶々とする雪国の姿がとても微笑ましかったです。女装軍団を気味悪がる二人の会話を聞いて地味にへこんだり、二人がベッドの中にもぐってきて眠れない夜を過ごしたり…と女装ネタならではのイベントが多かったのも女装ネタスキーとしてはうれしいかも。一方姉の舞姫も全く男を意識しない仕種で一緒に居るSEOの連中を悶々とさせます。非モテだけどウブで紳士で結局隣の布団で寝ることすらままならないSEOの面々が愛しすぎる。

ラブコメ方面では自らの気持ちを自覚し始めたのは良いものの、舞姫(雪国)が女装してるばかりに「女同士なのに…!」と思って葛藤し、それでも舞姫(雪国)がお姉さまやエリスと仲良くしている姿を見るとヤキモチを焼かずにいられない蜜や、家柄の違いに気後れしつつ早くも彼女への独占欲を覗かせる雪国の様子がとても可愛らしい。終盤の追いかけっこには爆笑しながらも「いいぞもっとやれー!」とニヤニヤしてしまいました。しかし「雪国争奪戦」と見るならば胡蝶の宮・典子も参戦して来そうな気配で今後どうなるのやら…。

ラブコメ率が高くなった分、1巻の時の様な「燃え」展開が影を潜ませてしまった部分があるので個人的にはその辺がちょっと残念だったりしましたが、とても楽しかったです。3巻は舞台を学園に戻して大炎上の予定らしいので、次巻を楽しみに待ちたいところ。

……しかし、個人的に今回の再萌えポイントは、やはり舞姫の風呂を(本人公認とはいえ)覗こうととするSEOをさりげなーくガッツリ雪国が牽制するシーンだと思うんだ。


グランドマスター! 総長はお嬢さま

[著]樹川 さとみ [絵]松本 テマリ

宗教集団ミトラーダで島の警護をしていたハルセイデスは突然都に呼び出され、数十年ぶりに誕生した「姫総長様」率いる騎士団の団長として諸国巡礼の旅に付くよう命じられる。しかしこの姫総長・シアシーカがとんだ変わり者で、お付となった騎士団の面々も寄せ集めの変わり者ばかり。彼らを立派な騎士団の一員として鍛えなおす為、ハルセイデスの苦難の日々が幕を開ける…!?
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コワモテだけど律儀で生真面目な青年・ハルセイデスと自称“コワれた”お姫様・シアシーカを中心に、一癖も二癖もある一同が繰り広げるお気楽ファンタジー。

メイン2人の強力な個性は勿論だけど、とにかく出てくるキャラクターたちが脇役に至るまで全てが魅力的で、とても面白かったです!団員も腰みの姿の妖しげな異邦人とか、美少女と見紛うような美少年会計士、ちょっぴりふくよか(婉曲表現)な双子、無口で不気味な雰囲気を漂わせる黒ずくめ…などなど、個性的な面々ばかり。個人的には時々突飛もない行動力を発揮する双子と、騎士団唯一の癒し系な「おとーさん」・シンドーさんが何気にお気に入りでした。

そんな彼らを必死に「立派な騎士団」へと鍛え上げようと、敢えて嫌われ役を引き受けて彼らをスパルタしていた所為でゴーレムだのなんだの影で言われてしまうハルセイデス。しかし、シアシーカの言葉を切っ掛けに少しずつお互いの距離が縮まっていく姿は心が和みます。最終的にハルさんはカタブツのように見えて、実はとても良いツンデレですよね、というオチ。

ヒロインにして作品の紅一点・シアシーカについては序盤はあまり好きになれない部分もあったのですが、読み進めるにしたがってだんだん彼女の人間としての奥深さみたいなのが見えてきて、そうしたら一気に好きなキャラになりました。ただの天然娘ではない所がまた良いです。さりげないハルさんとのやりとりにもニヤニヤ。

圧倒的なキャラクターの魅力に牽引されて、ぐいぐい最後まで読み進めてしまいました。2巻以降は購入してないのですが、また機会があれば続きにも手を出してみたいなあ。

余談ですが「みりおんぐらむ」さんの感想で樹川版「ダナーク村」と表現されていて、物凄く納得した次第です。確かにこのノリは紛れも無くダナーク…!!(主人公がツンデレ男、的な意味で)


ふたかた

[著]わかつき ひかる [絵]巻田 佳春

トラックに跳ねられて死んだ少女・桂瑞希は成仏できずに幽霊となり、双子の弟である高志に取り憑いてしまう。高志の身体を乗っ取った瑞希はいつも通りに女子制服を身に纏い、学校に登校しはじめてしまう。高志は彼女の無念を晴らし、なんとか成仏してもらおうと試みるが瑞希は学園内で催される「美少女コンテスト」に出場したいと言い出して!?
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男の身体の中に女の子の幽霊が?…という設定から、女装というよりはTSモノに近いのかと思いきや、序盤で多少TSモノ的な要素があるものの結構ガッツリ“女装モノ”でした。ただ、これはちょっと読む人を選びそうかなー…。女装少年がファンタジー世界の産物だと思っている人にはあまりオススメできません。「アイドルはトイレいかない!」的なそういうノリの人。

なんていうか、女装回りの描写が完全に「萌え」ではなくて「エロい」だと感じました。これは作者さんの本業がジュブナイルポルノ方面であるからこその特性なんだと思うんだけど…女装シーンや女の子達の行動に関して恐ろしく現実的な描写が多く、文字の向こうに「リアル」が透けて見えてしまう。その透けて見えるリアルが私の中で「萌え」の発現に対してブレーキをかけてしまっている気がします。特に、高志の裸を見たときの瑞希の、アレに対する反応が壮絶でしたよね。いろんな意味で。

なんていうか、この本を読んで、自分の女装萌えに対するスタンスが完全に「偶像崇拝」的なんだなあと思い知らされた。良くも悪くもこの作品に出てくる女装少年は「現実」なんですよね。トイレ行くところまでしっかり描かれるアイドルというか。

そんなこんなで「女装少年モノ」としての部分にはイマイチ萌えられなかったのですが、むしろ本線のストーリーが凄く面白かったです。勝気でワガママだった姉の幽霊に最初は振り回されるばかりだった高志が彼女の知られざる一面を目の当たりにし、自ら嫌がっていた女装をして姉のために奔走する姿には思わず胸が熱くなりました。ストーリー展開やキャラクターは、全体的にベタではあるんだけどそのベタさがとても良かったです。キャラクター的には華道家元の娘・すみれのキャラクターがとてもとても素敵でした。後半で本性を露にした後の言(?)動とかほんとに素敵過ぎる。

続編があるなら、本性丸出しにしたすみれさんには、是非大暴れしていただきたいです(笑)

なお、余談ですがこのエントリを書いてる中の人は腐女子でありますよ。
確かに読んでるものが男性向レーベルに偏ってることは否定しないけどねっ。
いや、なんか「ラノベ読みの一般的な男性の意見」と受け取られそうな形で、この感想が取り上げられていたようなのでとりあえずそこだけははっきりさせておきますね…多分一般的な「男性の」意見と私の感想はまた違うものだと思うので。(うん、個人的に、瑞希の取った「あの行動」は同じ女としてちょっと信じられなかったんだ?……最近の若者は進んでいるわねー的な。)

それにしても最近、「女装萌え」ってすっかり男性の持つ萌え属性になっちゃったよね?…(´・ω・)


リトルバスターズ!SSS Vol.1

[著]糸井 健一 他  [絵]ひづき 夜宵 他 [原作]VisualArt's/Key

“家庭科部の活動が忙しい”と言って草野球の練習もそこそこに姿を消してしまうクドリャフカ。そんな様子を見たリトルバスターズの面々はこっそり彼女のあとをつけることに。追跡がバレないよう、面々が考え出した必殺の作戦とは…!?
   個人的お気に入り度数
「Alles ist im Wandel」さん方面からピンポイントに超強力な布教電波を受信しました。
「腐女子ネタ」「女装少年ネタ装備」と言われたらもうね……もうね!!

というわけで全年齢美少女ゲーム「リトルバスターズ!」のヒロイン3人にそれぞれスポットを当てた短編3つを収録。基本的にゲーム本編をやった人向けのつくりになっているのでキャラクターや設定に対する説明がまるでなく、少々戸惑った部分はありましたがその辺は無視しても全然楽しめる物語になっています。(きっとこれを読んで“結局、リトルバスターズって何さ!?”と思う人はゲームをやれということなのだ…このくらいの説明不足はある意味ゲーム本編に興味を向けさせるという点に於いて上手いと思うので、ゲームノベライズとしては上出来だと思う)

まああれです、内容はどうでもいいんです。そんなもんは飾りです。

第一幕、第二幕が素晴らしい女装ネタ小説。
これ以上に何と語る部分があろう。
いえ、勿論3幕も凄く良かったんだけどね?公式サイトで見たときから唯湖さんが気になるキャラだった私としては。

第一幕はもうちょっと女装した理樹へのセクハラとか、弄りネタがあってもいいかな?と思ったのですが、特に素晴らしいのが腐女子ヒロイン・西園美魚をメインとした第二幕。校内で開催される男子禁制のサバト…もとい同人誌即売会に女装した理樹が潜入するというストーリーなのですが、自分やその友人達を元にしたBL同人を見てオロオロワタワタする理樹の様子が非常に可愛い!その後の対決?で自分から自分達を使った同人誌を読み上げる羽目になってどんどん撃沈していく男子メンバーの姿にも大爆笑してしまいました。

正直、「腐女子ネタ」については幾つか違和感を感じる部分はあったのですが(確かに最終的にヤることは同じなんだけど、受攻逆になったら交わされるやり取りも会話も全然変わってくるんだよ!?リバカプで、セリフまで同じでキャラ名だけ違うとかって普通にありえないよ!!)、逆にステレオタイプな腐女子像を上手いことギャグにしていて、このくらい現実から乖離してるほうが個人的にはギャグとしては素直に楽しめた気がします。腐女子や同人ネタは現実にあんまり忠実だと心が痛い時があるのよね……うふふ。

とにかく、女装理樹タンで存分に女装萌え成分を補給させていただきました。本当にご馳走様でした。
しかし、リトバスってこんなに素晴らしい男子萌えゲームだったのか……
今度出るという「エクスタシー」で、女装理樹のCGがあるとかいう情報が出たら、買っちゃいそうだよ、マジで。


【以下、全く本の感想とは関係ないBL的余談。】

VisualArt's/KeyというとAIRクリア、Kanonは名雪ルート中盤で放置中の私ですが、
実は商業BLゲーで一番ツボにハマったゲームが、Visual Art'sブランドの作品だったりします。

二次創作専門の私にとっては、ホントこのジャンルでツボに来るって珍しいんですよ、一応。
基本的にショタゲーなのですが、選択次第でヤンデレ攻化する主人公の双子の弟が実にツボでした。
わざと弟がヤンデレ化するBADエンドルート行ってニヤニヤしたのも良い思い出だ…。

リトバスSSSを読んで、このゲームが無性にやりたくなったので、ついでにちょっとだけ布教してみました。
ビジュアルアーツさま、ここのブランドの次回作まだですかー!?とか思いつつ、
きっと私がツボにハマったということは世間的には……と思わなくもなかったり。

女装少年萌えは突き詰めるとショタ萌えにたどり着く予感がするので、
今こそこのゲームが再び脚光を浴びても良い筈だ!!たぶん。
そういえば主人公の琴耶も素晴らしい弄られキャラで、女装CGあったなあ…。

B000F1HWFKぼくらはみんな、恋をする

pekoe 2006-05-26
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ダブルブリッド7

[著]中村 恵里加 [絵]たけひと

元捜査六課のアヤカシ・八牧厳は、自分と自分の仲間たちを脅かす“兇人”を殺そうと決意した。自らが返り討ちに遭う事まで想定して仕組まれた殺人計画を実行に移す為、彼は偶然懐かれてしまった一人の少女を捜査六課に押し付ける。一方、山崎太一朗は自らの狂気と戦いながらも“童子斬り”を切り離す為、大田の言い残した僅かな希望に縋るのだが…
   個人的お気に入り度数
とにかく希望の無いこのシリーズの中でも格別に救いの無い、シリーズ第七巻。

空木を探すという一筋の希望に縋りながら少しずつ正気を喪って行く太一朗、意識を乗っ取っていた右目を切り離して以来身体の様子がおかしくなっている優樹と、主人公格2人がダブルで絶望的な展開。双方から少しずつでも確実にお互いに関する“記憶”が失われていく様子が悲しかった。太一朗が実家に電話をかけるシーンとか、赤川と太一朗の噛みあわない会話とかで今後の展開がなんとなく予想がついてしまうのがまた…。

もうとにかく、太一朗サイドは精神的に、優樹サイドは肉体的に痛い。特に優樹の傷に関する描写は、シリーズ屈指のグロさです(個人的に一番痛いのは1巻の描写だと思うんだけど、それに追随するレベル)

唯一、八牧と彼が拾った少女・未知のやりとりが地味に平和で面白かったりするのですがこの2人も既に“終わり”が見えてしまっているので痛々しくてしょうがない。特に八牧さんは冒頭から思いっきり死亡フラグ立ててますから…そんな彼がお風呂に入って浦木に会いに行くシーンは爆笑でしたが。

八牧さんと未知の関係は凄く好きでした。“利用するだけの関係”といいながらもいつのまにか未知に情が移ってしまっている八牧の姿がほほえましいんだけど、状況を考えると切なくてしょうがない。大田と八牧のやりとりも最高でした。八牧さんはあんな風貌してるのに実に良いツンデレですね(台無しだ!)

しかし、当時リアルタイムに読んでいてちょうどこの頃から刊行ペースが落ち始めたのだと記憶していますが、今読んでもこの引きはあんまりだ!!!


SH@PPLE?しゃっぷる? 1

[著]竹岡 葉月 [絵]よう太

ちょっと引っ込み思案な少年・淡路雪国が一目ぼれしたのは双子の姉・舞姫の通うお嬢様女子中学に通う生徒だった。その事を知った舞姫は自らのガス抜きを兼ねて、雪国と“学校交換”を行う事を持ちかける。女だらけの学校生活に最初は戸惑うばかりの雪国だったが…?!
   個人的お気に入り度数
タイトル、あらすじからして完全な萌え系百合コメだとおもって周囲の評価待ちかな?と思っていたのですがこんなエントリ書いた後でスルーするのもなんだろうと思い購入。結果、大当たり。露骨な萌え要素は殆どなく、びっくりするほど正統派な入れ替わりラブコメでした。つか公式あらすじに「バラ色の生活を目指す」とか書いてあるのがいかんと思うですよ…。

一目ぼれした女の子・蜜に一目逢いたいという気持ちのままに姉の提案を受け入れ、女子高に潜り込んだら、姉・舞姫の意外な学校での姿が見えてきてそれに疑問を抱いたり、高嶺の花だと思っていた蜜の意外な一面が見えてきて動揺するわ驚くわ……それでも、今度は“等身大”の彼女を改めて好きになっていく、という過程が非常に素敵でした。天然な雪国がその邪気のない行動でライバルのお嬢様・典子の毒気を抜いてしまうシーンでは思わずニヤリ。勿論、男女入れ替わりならではの着替えシーンも忘れてはなりません。もうとにかくベタベタな展開が心地よかった。

一方、雪国の学校に潜り込んだ舞姫の方も負けてはいません。元々女の子なのにすっかり王子様扱いで、挙句の果てに“兄貴”呼ばわりされてしまうサッパリとした性格は……うん、確かに女の子にウケるわ、この子。可愛い弟の為に人肌脱いじゃう姿は物凄くかっこいい。そして彼女を兄貴と慕うオタク集団SECの面々がまたいいヤツらばっかりで…性別を感じさせない舞姫とのやりとりには思わず噴出してしまいました。

ラストのオチはちょっと強引に感じなくも無かったんですが(通り魔の正体あたり)萌え全開なあらすじとイラストからは想像もできないほど王道で可愛くてアツくて楽しい入れ替わりモノ。女装男子萌え的な展開は殆ど無いので、そっちの耐性無くて遠慮してる人も是非読みましょう。むしろ「女装男子モノ」だと期待して読むとちょっと物足りないかも?

ただ、こういう物語に萌え全開なイラストがついているのはある意味勿体無く感じたりします。
これはぜひとも女の子にも分け隔てなく読んでほしい作品。温泉ネタらしい次巻に期待です!


この作品読んでて、「何かににてるな?」と強烈なデジャヴを感じていたのですが、
昔なかよしでやってた高瀬綾の「せりなリニューアル」って作品に似てるんだなー。
こっちは女の子同士の入れ替わりモノで女装要素はないのですが、
「SH@PPLE」が気に入ったならおそらくツボに来るんじゃないかと。
併せてオススメしてみたり。
せりなリニューアル (講談社コミックスなかよし)


女装萌えなライトノベル作品をその場の勢いでまとめてみた(修正版)

まいじゃー推進委員会さんの「落ち着け、その中の人は男なんだぜ?……なTS(性転換)ライトノベル」というエントリ(※サイト消滅のためリンク削除済)が何故かTSモノまとめエントリになってしまったことに血涙したその場の勢いで女装モノまとめエントリをやらかしてしまいました。基本的に「“女装”が該当キャラクターの特色の一つとして認識されており、それがシリーズの中である程度特色となっていること」というのを基準にして選んでいます。あと自分が読んだことのあるラノベ縛り。一応各キャラの作中での女装滞空時間率も載せているので御参考ください。

紹介形式上一部作品の紹介文に重要ネタバレが含まれる場合があります。
(※2022年7月18日:リンク切れを修正&紹介部分の文章などを調整しました)

2008年のラノベ界が誇る、二大人気(?)女装キャラ

誰が呼んだか「第三の性別」・木下秀吉(バカとテストと召喚獣)
滞空女装時間 : 30%以下 | 嫌がり度 : 20%(演技派)
傾向 : やや男性向 / むしろ性別「秀吉」向
一見美少女にしか見えない美少年にして、名実共に第三のヒロイン。文月学園「女装が似合う男子生徒」ランキングで「アンフェアである」という理由で候補から除外され、修学旅行に行けば一人だけ風呂を別にされ、水着のポロリでプールが血に染まる。ヒロイン二人を遥かに上回るサービスシーンの連続に、撃沈した男性の数は数知れず。ほぼ毎回女装シーンがあるのも一種のお約束です。
女装でスパッツはギリギリアウトでは!?白姫彼方(おと×まほ)
滞空女装時間 : 70%程度 | 嫌がり度 : 98%(最近下がってる?)
傾向 : ほぼ男性向 / 男だと思っているのは本人だけの予感
「かなたん」の愛称で親しまれる、男の魔女っ子。男なのに変身後の衣装がスパッツというのは冷静に考えるとセクハラでは……?それなりに男らしい性格をしているものの、わりと総受気質。クラスメイトの男女双方や魔女っ子仲間は勿論、母親や猫にもセクハラされつつ愛されちゃってます。最近はぼちぼちTS展開が混ざってきたので女装好きとしてはハラハラして見守っています。

元の姿とギャップがあるからこその「女装萌え」である。派閥のあなたに

“お嬢様”の正体は…跡見忍・鳴海千尋・藤間陽向・涼橋萌流(みずたまぱにっく。)
滞空女装時間 : 90% | 嫌がり度 : 不明(忍さんはおそらくノリノリ)
傾向 : どちらかというと少女向け?
表紙右側、他。お洒落に無頓着で男の子みたいに見える女の子が、名門女子校の「お嬢様」4人のお手伝いさんに……でも実は4人は男の子で……というお話。独特のテンポのある性別逆転系ほっこりラブコメ。女子校でのお嬢様としての姿と、寮での「素」に近い彼らの姿のギャップが良い感じでした。
真の姿はイケメン王子様。カーリーガード・アリソン(カーリー)
滞空女装時間 : 90% | 嫌がり度 : 50%(本意ではない)
傾向 : 格調高き百合のかほり。実態はベタベタな少女漫画。
表紙左側。主人公に色々と良くしてくれる同性の親友にして美しい黒い髪を持つ少女。しかしてその実態は……異国の王子。ヒロインの事が好きなあまり「残念なイケメン」になってしまう2巻が個人的には超ポイント高いですよろしくお願いします。
ファミ通文庫で一度打ち切りになって講談社文庫で新装版と続巻が出ているのですが、椋本夏夜さんの描くカーリーが完璧すぎるので挿絵も収録してほしかったんですって未だに暴れる。
性別を偽り生きる若武者・碓井貞通(魍魎の都シリーズ)
滞空女装時間 : 99% | 嫌がり度 : 0%(ノリノリ)
傾向 : 少女向/ギャップに萌えましょう
表紙左側。様々な苦難に遭い、自らの保身の為に性別を偽って生きる事を余儀なくされた、源頼光四天王の一人。本編ストーリーを見ると割りと現状をエンジョイしているように見えますが、外伝「花に嵐の喩えもあれど」では貞通の知られざる過去が明かされます。「男性として」の貞通とのギャップ萌えもしっかり完備。「女装はギャップだ!」という貴女にオススメしたい作品。

人の好みは人それぞれ。……女装の理由も人それぞ…れ…?

ただし記憶は残らない。葉山辰吉(えむえむっ!)
滞空女装時間 : 不明 | 嫌がり度 : -100%(ノリノリである)
傾向 : これをBLを言って良いのか悩む。
表紙になってなかった。ドM体質な主人公を見てもヒかずに優しくしてくれる貴重な親友。しかしてその実態は1巻時点での恋のお相手…!?というわけで、賑やかで不良のような元の外見と、おしとやかな和風美人な女装挿絵のギャップでの破壊力はバツグン。主人公との関係はBLといえなくもないような、人格もスイッチしてしまうのでBLではないような……と悩むやつ。
F組に降臨した裏アイドル(?)・アキちゃん(バカとテストと召喚獣)
滞空女装時間 : 10%未満 | 嫌がり度 : 100%(ただし終盤では慣れた)
傾向 : 良くも悪くも秀吉と方向性逆だった。
「女装の似合う男子生徒」「同性愛の似合う男子生徒」「こいつにだけはバカといわれたくない」ランキングで三冠を達成し、気がついたら数冊に1回くらいのペースで女装をさせられており、親友とは常時同性愛疑惑をかけられる可哀想なバカ。女装時の姿は“アキちゃん”としてブロマイドまで販売されているようである。序盤の恥じらいぶりがめちゃくちゃ好みだったんですが、原作終盤では完全に慣れちゃってましたね……。

男女の双子は女装のサイン!?入れ替わり系女装ラノベ

双子の姉と入れ替わって女子校へ…淡路雪国(SH@PPLE)
滞空女装時間 : 70% | 嫌がり度 : 90%
萌え傾向 : 割りと王道の双子入れ替わり系ラブコメ
クールでかっこよくて同性からモテる姉と平凡でちょっと弱気な弟。見た目はそっくりな双子が入れ替わってお互いの学校に通う入れ替わり系学園ラブコメ。基本的に2人の入れ替わりをきっかけにして入り組んでいく関係性を楽しむ正統派なラブコメなんですが、4巻のカラー挿絵が最高に「女装萌え」だったのでヨシ!!!
死んだ姉のために自ら女装して……桂高志(ふたかた)
滞空女装時間 : 60% | 嫌がり度 : 120%→30%
傾向 : ちょっとエロい
表紙左。交通事故で死んだ双子の姉・瑞希の霊に取り憑かれ、気がついたら女装させられていたという実にかわいそうな弟くん……と思いきや、とある事情で姉の為に自ら女装の腕を磨くハメに。こちらも結構正統派な青春ラブコメですが、割りと生々しい描写が多くて萌えというよりはエロに近いかも。

なんなら男子の姿とか出て来ない

女装したらモテまくり!?藍原ヒカル(アストロ!乙女塾!)
滞空女装時間 : 99% | 嫌がり度 : 30%(最初は嫌がってたけど…)
傾向 : 対読者よりも作中ヒロインがなぎ倒されてる
表紙右。なんの取り得もないオタク少年が何故か女装したら「完璧な美少女」になってしまい、その可愛さで並居る美少女達を陥落させていく。女装姿で女性のハーレムを築いていくという異色作。終盤はなぜか異能バトルでした。なお最初に女装させられてから基本的に戻らないという徹底ぶり。
見た目は美女だが心は漢・すめらぎ(ゼランディーヌ 〜性悪ないばら姫〜)
滞空女装時間 : 100% | 嫌がり度 : -30%(おそらくノリノリである)
萌え傾向 : 見た目はどうみても百合。
表紙右。田舎から出てきた純粋無垢なヒロインを振り回す、ワガママサドデレゴスロリ女装少年。ちょっとイった笑顔で日本刀を振りかざす姿は、性癖に刺さる人はめっちゃ刺さりそう。見てくれは百合ですが「百合」として萌えるには無理があるくらい中身が男性なんだよなあ……ちなみに男姿は出てこなかったです。

番外編:1回キリの女装イベント系で好きなやつ。
■ いーちゃん (クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子
 赤い人の依頼で女子高に潜入することになり、そこの制服を着ることになるネタが。
 ちなみにセーラー服です。まぶしいゼ!!!
 挿絵は……手元にないので確認できません。ありましたっけ?
 コメント欄で御指摘いただきましたが挿絵あったそうです。
 当初はもうちょっと女装ネタを挟む予定もあったとか……な、なんて残念な!

■ 渋谷有利 (息子はマのつく自由業!?
 少女レーベルは除外しようかと思ったんですが、せっかくなので一応。
 小さい頃の有利が母親に女装させられる話があります。挿絵もあり。正直、超萌えた…。

■ 椎堂密 (殺×愛 4?きるらぶ FOUR?
 文化祭で女子生徒の制服を着て女装するネタがあります。通称“密子”ちゃん。
 挿絵もありますが…個人的にはもっと気合入れて描いてほしかったぜ…。

■ 城島晶 (れじみる。Junk
 同じく、こちらも文化祭の出し物で女装するハメに。こちらはメイドさんです。
 挿絵がミニキャラしかなかったことに、本気で絶望した……orz

■ 二階堂勇樹 (疾走する思春期のパラベラム 灰色領域の少女
 ライバルグループの頭の少女との取引で、なぜか1日メイド体験をすることになる映研部長。
 しかしこのシリーズのキモはやはり勇樹の女装ネタよりも副部長・尾褄とのBL疑惑でしょう。
 条件を聞いてまるで勇樹の彼氏のようにワタワタする尾褄の姿は必見です。

■ ネイト・イェレミーアス (黄昏色の詠使い6 そしてシャオの福音来たり
 男子禁制の女の園に飛び込んだボールを回収する為、同級生達の手により女装を余儀なくされるネイト。
 なんだこの破壊力。素養あるとは思っていたけどここまで可愛いとは思わなかった…必見!!


少年伯爵は月下に奏でる

[著]流 星香 [絵]おおきぼん太

レオニールと血の契約を結び、“二人で一つ”の吸血鬼となったベルナルド伯爵。一行は化け物達の襲撃を避けながら街の外にある修道院に身を寄せていた。一方、ベルナルドのいなくなった伯爵邸では彼の双子の弟がベルナルドの身代わりとして据えられる。影武者として育てられた彼の立ち振る舞いは完璧だった筈なのに、なぜか王子に正体を見抜かれて!?
   個人的お気に入り度数
うーーーん、なんかシリーズが進むにつれ、ますますJUNEラノベ化が進んでいるご様子。1巻でそこはかとなく漂っていたホモ臭がかなり露骨になりつつあり、本編そのものよりもそっちが鼻について物語り自体が素直に楽しめなくなってきました。二次専腐女子の私としては、ここまで狙った展開に突っ走られるのはちょっと…。

対の吸血鬼となることを余儀なくされたベルナルド&レオニールがのっけから全開です。本文中に「小動物を可愛がるような?」というフォローはありますが、それにしたって一応男性を姫抱きにするのがデフォな男って色々とどうかと思います。そして今回登場する双子の弟・ルディの可愛さはまさにBL世界からやってきたものとしか思えません。あきらかに総受け。女の子まできゅんきゅんさせちゃう美少年とか、もう発想がBLだよね。いっそ本番ありのBL小説としてルビー文庫から出してくれた方が、余程割り切って読めるのに。

あと本編の物語自体は悪くないと思うんだけど、全体的に展開が駆け足過ぎるかな?という印象が。今まで会った事もなく、今後も会うことはないと思っていたであろう弟をいきなりあだ名呼びする兄伯爵(一体いつそのあだ名を考えたんだっ!?)とか、それまであんなに渋っていたのに突然実家に戻ってしまう辺り(ていうかお祖父さんは何も言わなかったのか!?)とか、弟伯爵のピアノの話とか、無茶な展開に猛烈な違和感を感じた部分がいくつかあり、全体的にキャラクター・物語の動き方が唐突に感じる。文章もイマイチテンポがよくないというか、同じ語尾を使って畳み掛けるように事実だけを描写していくようなカンジで、なんか物足りない印象。

特にルディのピアノの件は強引にまとめすぎ。そんな気の持ちようの違いくらいで動物呼べるようになったら世の中は天才ピアニストだらけだと思うっ!!!

うーん、とにかく、悪くは無いけどちょっと自分には楽しめない作品になってしまったかな?。
近いうちに続巻が出るようだけど、2巻で切りで。

そういえば、今回表紙のベルナルドの髪の色がちゃんと金髪になってますね。
白髪のときは某エクソシストにしか見えなかったんですが、金髪になったらレオニールとあわせて某ガンガンの焔の大佐×豆錬金術師にしか見えません。本当にありがとうございました。


【オマケ。】 この本の説明文が、なんかすごかった。

人気急上昇!!ツンデレ伯爵とオレサマ軍人の最強コンビが放つヴァンパイア・ファンタジー!!
「討ちもらすな」大切な人たちを守るため、求血鬼となった美少年伯爵・ベルナルド。「我が主の命とあらば」正義を貫くため、ベルナルドの〈対〉なる給血鬼となった凄腕の軍人レオニール。怪物を殲滅する彼らをよそに、都ではベルナルドの代わりをしていた双子の弟が、兄の存在を知り、暗殺を企てていた!!月明かりの導きのもと、ここに『血の契約を』——!!ツンデレ伯爵とオレサマ軍人が贈る主従ファンジー第2弾!

(角川書店公式サイト説明文より)

これがビーンズの豆寄せかっ!!!

ていうかベルナルドは貴族として誇高い少年ではあっても「ツンデレ」ではないよ…ね……?なんでもかんでもツンデレツンデレ言うのはよくないと思うんですけども。


バカとテストと召喚獣3.5

[著]井上 堅ニ [絵]葉賀 ユイ

持ち物検査で大量の持ち物を没収され、試験召喚実習でクラスメイトの女の子にボコボコにされ…その日も散々な目に遭わされた明久は、帰り道に偶然出会った小さな女の子から「お姉ちゃんのプレゼント」の話を聞かされる。なんとか彼女の力になってあげたいと思って悪友の雄二達と共謀し、プレゼント資金を捻出するためとある計画を考案するのだが…明久と葉月の出会いを描く「予習編」他、本編の合間を埋める短編集!
   個人的お気に入り度数
すいませんもうなんていうか明久 か わ い い よ 明 久 。

世間が秀吉の水着の話題で持ちきりなところ、一人明久萌えを貫こうと思う今日この頃ですが、今回は全体的に、もう何事かと思うレベルで明久が可愛かったです。秀吉の水着は白黒なのにカラーページで明久のあどけない寝顔持ってくるバカテスに感動した!!

章数の関係等でこの作品の一つのウリとなりつつある「バカテスト」が殆ど無かったのは残念だったのですが、章頭のコントは相変わらず素晴らしい破壊力を発揮してくれてました。どれも破壊力バツグンでしたが、個人的にはやはり保健体育コンビのコントと、ラストの鉄人の人生相談が(腐的に)ヤバかったですね。

新たな「性別:秀吉」の犠牲者が……

なお、この感想には腐的な内容が大量混入しています!苦手な人は御注意ください!




「バカとテストと召喚獣?予習編?」
姉の美波にプレゼントをあげようとする葉月の為、資金捻出しようと高校1年生時代のバカが奔走します。やってるメンツも同じなら、やってることもいつもと変わらぬ無謀な賭けな訳ですが、なんかこの頃から明久の弄られポジションは確立されていたんだなあ。あれがきっかけに《観察処分者》に認定されたのだと考えると、雄二達はもうちょっと責任を感じてあげてもいいんじゃないかと思う。同時に、持ち物検査の話とかから明久の金遣いの荒さとかが見て取れて「アンタ、そんな金の使い方してたら確かに食費なくなるよ…」って生暖かい目でうっかり本を眺めてしまった私なのでした。

それにしても、この短編は挿絵が素晴らしすぎる。
3巻最後のアレも相当心に突き刺さるものがあったのですが…
無防備な明久の表情が可愛すぎ!!(あれ?)

ラストは何気に姫路さんとラブラブで素敵です。あと「文月新聞」噴いた。明久、同性愛が似合う男子はまあいいとして、女装が似合いそうな男子部門でも1位(秀吉は除外)だなんて…!!!

「僕と暴徒とラブレター」
早い話が明久vs暴徒(=F組全員)。
ラブレターを貰った明久を、ブチキレたF組の面々が追い詰めようとするのですが、いつものように団結して襲ってくるF組連中を明久が悪知恵駆使しながらなんとかやりこめつつ、なんとかラブレターの中身を見ようとするお話。明久は散々作中で「バカ」扱いされてるけど、頭の回転自体は悪くないと思うんだよなあ…。

ラストはバカテスらしい、良い意味での「肩透かし」でした。素晴らしい。

「俺と翔子と如月ハイランド」
雄二の視点から語られる、ラブコメ重視の1本。
明久の策略で敢行された翔子と雄二のデートをいつもの面々がサポート(?)しようとするお話なんですが、いつもと違ってちょっぴりしおらしい翔子さん&何気に翔子の事が大事なことをうかがわせる雄二のカップルぶりが素敵。そしてど天然ボケカップル・明久&瑞希のやりとりがほほえましくてたまらなかったです。いやあ、美波には悪いけど、やっぱこの二人この上もなくお似合いだよ…!!!

もはや途中から邪魔してるのか応援してるのかわからない明久の行動ですが、折角のイベントを台無しにしてしまった人物に対して本気で怒る明久の姿はめちゃくちゃかっこよかったなあ。

雄二と翔子の過去にはまたなんか複雑な何かがありそうな感じですが、ラストの翔子さんの態度を見る限りそんなの雄二の杞憂でしかないんじゃないかと思う。本当に、この二人には幸せになってもらいたいなあと実感してしまった一本でした。

「僕とプールと水着の楽園」
発売前から世間を騒がせまくった、注目の書きおろし。
学校のプールを1日だけ自由に使っていいという許可を得た明久達いつものメンバーが、プールに集うというお話ですが、秀吉の水着が破壊力抜群すぎる。正直姫路さんや翔子よりも刺激的なのは反則ではないかと!!珍しく女扱いされるのを嫌がったり、明久達の態度に文句をつけようとする秀吉が可愛らしい。秀吉の艶姿は……実際に本作を購入してご覧下さい。正直……凄いです。

それにしても、この話でさらっと語られた姫路&島田コンビが映画にいった話が凄く気になります。どうやら美波は合宿前に姫路さんにライバル宣言自体はしてたっぽい…?いつになくギスギスした二人の姿が印象的でした。

あと、明久の予想を遥かに飛び越えた貧乏生活に、電車の中でうっかり噴出した。栄養失調のはずなのに体力あるのは、きっとガスや水道を極限まで切り詰めてのサバイバル生活のタマモノなんだろうなあ…鉄人は可哀想なのでたまには明久に何かおごってやってください。カロリーのあるものを。

「ゼリーとところてんとコーラでベトベトになった」明久と雄二にうっかり萌えてなんかないやい。

「僕とバイトと危険な週末」
正直私はこっちの秀吉の方が破壊力高かったんですが。
両親から仕送りを止められた明久が、苦肉の策で喫茶店のアルバイトをしようとしたらいつのまにか雄二・ムッツリーニ・秀吉の3人まで付いてきて更に客でいつもの面々が……というドタバタ話。秀吉は普通にウェイトレス服、残り3人はウェイター……っていかん、萌え死ぬ。

大方の予想通りまともな接客などてんで出来ない明久が、まるで「はじめてのお使い」に出場した子供をみつめる親のような目でお客さんから見守られてる姿があまりにもほほえましすぎます。正直、萌えで死ぬことってほんとにあるんだなと思った。三途の川が見えたよ…。

使い捨てキャラだろうと思ってた某コンビがさりげなく復活して明久とコントを繰り広げたりしてたのも楽しかったですね。彼らのやらかした事件は許しがたいものだけど、出来れば今後もギャグ担当として明久とああいうオバカなコントを繰り広げてほしいものです。

そして最後は3巻の引きに負けずと劣らない、凶悪な引き。(超個人的に)
新キャラ登場フラグだけ立てて終わるってどういうことーーー!!

なんかこのフラグ具合だと4巻には登場しそうな予感がしますし、3巻の凶悪な巻く引きから今すぐにでも読みたくてたまらない4巻がますます楽しみになってきちゃいました。これなんて放置プレイ!?


ちなみにそんな素敵なフラグがたった問題の人物「玲(あきら)」ですが、私の脳内で

姉説・兄説・双子の弟(一卵性)・双子の姉(二卵性)・同じ年の従姉妹(←hobo_king説)が互いに並び立ち、
第二次スーパー吉井大戦を開催中です。
誰か助けてください。そのうち一卵性双子あたりが「あきひさキャノン」とか「アキちゃん爆弾」あたりをぶんなげ出してもなんら不思議ではありません。

腐女子としてはぜひとも双子の弟もしくは兄説を支持したいところですが、表紙に使えそうな人材がそろそろ不足してきていること、3巻で美波が投げた爆弾に絡ませるような思惑を感じる事から姉か同い年の従姉妹あたりが優勢な気がしますね。それで、4巻の表紙がいきなり新キャラとかもありうる。

双子の弟と明久がダブルで表紙を飾ったりしたら私は生涯井上先生を称えたいと思います。(ありません)

続編が、喉から手が出るほどに、楽しみです。