“双 ” の検索結果 | ページ 10 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:双 (148 件 / 15 ページ)

身代わり伯爵の結婚

 

庶民的パン屋の看板娘、ミレーユ。双子の兄の予測不可能な行動のせいで、またも『身代わり伯爵』として登城することに!そんな彼女に、隣国の女公爵(特技:呪詛返し)との結婚話が舞いこんだ。彼女いない歴16年なのに(ちなみに16歳)!というか、そもそも女なのに!!さらには再び陰謀の予感が…?かくして、『身代わり伯爵』の笑いと涙の冒険がはじまる!!奇人変人美形筋肉増量中、超王道王宮ファンタジー第2弾。(「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

ひょんなことから伯爵である兄・フレッドの身代わり役を務める羽目になった庶民の娘・ミレーヌが繰り広げる王宮ロマンス第二巻。今回は、再び代役を務める事になった彼女が兄の結婚話やら肝試しやらに振り回されるお話。

キャラクターが増えて、横文字苦手な私には時々人物が判らなくなる事も多々あったんだけど、それ以上に個性豊かなキャラクター達のやりとり楽しい。っていうか、本編よりもフレッドが帰ってきた後のキャラクター達のイキイキとしたやりとりばかりが印象に残ったなあ。普通に聞いてプロポーズとしか受け取れないようなセリフの応酬を繰り広げてるのにまるで互いの気持ちが伝わってなくて二人でお互いに鈍感鈍感天然天然言い合ってるミレーヌとリヒャルトや、そんな二人に嫉妬の心を燃やしまくるミレーヌのお父さん(親バカ)や、ちょっとズレてるジーク&リディエンヌ夫妻の姿にニヤニヤが止まりません。

さりげなく新たな恋のフラグもたてられたり、その裏でなんだか不穏な動きもあったりして、続きがどうなっていくのか楽しみ。


2009年に読んだ本まとめ その1

遅まきながら年末はコミケお疲れ様でした。
ちょっと遅くなりましたが2009年の年間まとめ記事です。

2009年の読了冊数
 2009年 1月:18冊 [まとめ] 2009年 2月:19冊 [まとめ]
 2009年 3月:18冊 [まとめ] 2009年 4月:14冊 [まとめ]
 2009年 5月:31冊 [まとめ] 2009年 6月:22冊 [まとめ]
 2009年 7月:17冊 [まとめ] 2009年 8月:15冊 [まとめ]
 2009年 9月:15冊 [まとめ] 2009年10月:18冊 [まとめ]
 2009年11月:6冊 [まとめ] 2009年12月:7冊 [まとめ]
合計:200冊

ぴったり200!!もともと読了冊数は初夏をピークにして年末に向けて減少する傾向があるのですが、それにしても今年の年末は酷い。冬コミでどれだけ追い詰められていたのか…いや断じてレイト●教授にハマっていて読む暇がなかったわけでは(強制終了)


2009年の属性別オススメ

また全体の1割弱か!
去年と同じペースで選んでたら明らかにおかしいことになったので後で慌てて削りました。
あと、一部部門名変えたり、増やしたり。

●燃えた

鉄球王エミリー 鉄球姫エミリー第五幕
鉄球王エミリー 鉄球姫エミリー第五幕
戦闘城塞マスラヲ Vol.5 川村ヒデオの帰還
戦闘城塞マスラヲ5 川村ヒデオの帰還
本日の騎士ミロク1
本日の騎士ミロク1


なんか今年いまいち「燃え」が足りないなあと思ったのは、この項目常連のフルメタがいないからか(´・ω・)
無事に完結を迎えた「鉄球姫エミリー」&「戦闘城塞マスラヲ」がハンパなかった!!境遇は違えど、どちらもほぼどん底の状態から立ち直り、ハイ上がり……自らの手で勝利をつかんで行く姿に胸が熱くなります。「マスラヲ」は続編シリーズの刊行が決定しているようなので、そちらの文庫化も楽しみにしていきたいです。

「エミリー」には個人的に個人的挿絵が素晴らしかったで賞2009とか進呈したい。エミリー姫の奇策が成った際の挿絵が本当に素晴らしいのです。

最後の1枠は色々な作品が脳裏をよぎって非常に悩んだのですが「本日の騎士ミロク」で。「赤目隊」のみんなの家族のような関係も心地よいのですが、いざという時に本気出したミロクが個人的にドツボなので。「お前なんかニンジン一本で十分だ」は名言。

●青春

とらドラ10!
とらドラ10!
SH@PPLE-しゃっぷる- 7
SH@PPLE-しゃっぷる- 7
とある飛空士への恋歌
とある飛空士への恋歌

青春ラブコメといえば私の中で、春に完結した「とらドラ!」がもう鉄壁作品だったのですがそのとらドラのかつての勢いを追いつけ追い抜けと猛攻かけてきたのが双子の姉弟の入れ替わりラブコメ「しゃっぷる」。二人のちょっとした我侭・悪戯心が様々な人々を巻き込んで、二人の力だけでは解読不能なまでに縺れ合う人間関係と恋愛模様にハラハラドキドキが止まりません!!個人的にはポスト「とらドラ」として最注目していきたい青春ラノベです。

そしてまだ2巻以降読んでないんだけど、ラブコメとして強力な破壊力を持っていそうな感じなのが「とある飛空士への恋歌」。三角関係の予感アリ、愛しあう者同志の対立フラグあり……ちょっと泣ける過去あり、でこちらも大変続きが楽しみです。

●L・O・V・E

黄昏色の詠使い10 夜明色の詠使い
黄昏色の詠使い10 夜明色の詠使い
紫色のクオリア
紫色のクオリア
ラ・のべつまくなし ブンガクくんと腐思議の国
ラ・のべつまくなし ブンガクくんと腐思議の国


「青春」とどっちに振ろうか悩んだけどやっぱり最後は愛だろ!と思ったのでこちらに……な、これも2009年完結作品だった「黄昏色の詠使い」。あんなに小さかったネイトがクルーエルを救うため、すべてを敵に回して孤独な戦いを繰り広げる姿が素敵でした。そしてそんなネイトを助けに来る人々の思いと心意気に胸が熱くなる。あとジジーズは素晴らしい。

一部地方で論議を醸し出した「紫色のクオリア」はSFだのラノベだの果てはラブプラスだのと色々話が飛躍しましたが、とりあえずやっぱりこれも原動力は「愛」だよね!!たったひとりの、最愛の級友のためにありとあらゆる物を駆使し、ありとあらゆるものを犠牲にしていくマナブの姿が印象的でした。

最後1枠はいまどき流行りの腐女子モノ×創作活動モノの美味しいとこ取りか!と思わせて置いて実は正統派ラブコメだった「ラ・のべつまくなし」。腐女子なヒロインとウブで堅物な主人公が徐々にひかれあっていく姿も良かったけど、ヒロインの明日葉を「等身大の腐女子」として描いている事が非常に印象的でした。

●床掃除小説部門

バカとテストと召喚獣6
バカとテストと召喚獣6
死神姫の再婚 鏡の檻に棲む王
死神姫の再婚 鏡の檻に棲む王
384,403km あなたを月にさらったら
384,403km あなたを月にさらったら


=「家で読んでたら悶えてゴロゴロ転がって床掃除ができちゃうラブコメ」部門!LOVE部門の最上級?

というわけで、3部門程に脳内ノミネートされて削ったり増やしたりされた「バカとテストと召喚獣6」!!!ぶっちゃけ「燃え」と「青春」と「床掃除」でどこに振るか真剣に悩みました。でも燃えも青春もひっくるめてゴロゴロするのでここに落ち着きました。公式が最大手すぎる6.5巻、悪友バッテリー燃えに鼻血が止まらない7巻も捨てがたいのですが、明久×姫路派としてはやはりとっても姫路さんのターンだった6巻を外して、2009年のラノベは語れない。姫路さんの精一杯のがんばりと、その頑張りに応えようとして本気全開モードの明久&その明久に華を譲ってガッツリサポートする雄二に激しく燃えた。っていうかvs常夏先輩戦はなんでいつもああ、熱いんでしょう。そしてエピローグの挿絵で(ラブコメ的な意味で)撃沈。姫路さんの天然小悪魔具合に撃沈。その後一週間位仕事手につかなかったのはいうまでもありません。

私の中での床掃除小説代表格といえば!な「死神姫の再婚」。正直シリーズ右肩上がりでどんどん破壊力が上がっており、もう今年刊行された2冊はどっちも無条件でゴロゴロ転がれるほどの素晴らしさです。正直物語の進行が微妙にどうでもよくなるくらい、ライセン夫妻をみつめてによによするのがナウい。

そして最後はエロありティアラ文庫から「384,403km あなたを月にさらったら 」。天然と思わせて置いてかなり小悪魔属性なヒロインと、自信家で自称・策士だけどその策略は割合穴だらけ…な主人公(女)がイチャイチャするお話。ぶっちゃけ登場人物は女子ばかり…という典型的な百合小説なんですが、性別なんかどうでもよくなる程度には二人の関係が素晴らしかったです。「コードギアス」のルルーシュ(の毎回のズッコケっぷり)とか好きなら是非読むべきです。

●ダーク&欝

ぐらシャチ
ぐらシャチ
アンゲルゼ ひびわれた世界と少年の恋
アンゲルゼ ひびわれた世界と少年の恋

考えると、今年はあんまり特筆するようなグロい展開のラノベを読まなかったなあ…と考えつつ、とりあえずダークとか欝とか言われたら「ダブルブリッド」の中村恵里加さんの新作「ぐらシャチ」。ほのぼの異文化コミニュケーション物かとおもわせておいて、徐々に嫌な方に向かって突き落とされていく感覚がたまらない。中村作品入門としてもオススメだし、まだ読んでない「ダブルブリッド」ファンは全力で読むべき。

これは欝というより「LOVE」かなあ…と思いつつ枠が足りないのでこちらに…な、「アンゲルゼ」。「アンゲルゼ」と呼ばれる人間外の存在と関わってしまった少年少女達が必死に足掻いていく物語なのですが、少女小説とは思えない程のハードな展開の連続に、読み進める度にハラハラしてしまう。そんな中でも、徐々に異能を開花させていく主人公・陽菜と常に蚊帳の外に置かれながら彼女を助けたいと思い奮闘する幼馴染・もーちゃんの姿に心を打たれました。

●打ち切りじゃない、続きがでないry

ムシウタbug 8th. 夢架ける銀蝶
ムシウタbug 8th. 夢架ける銀蝶
真・運命のタロット9(上下) 《世界》。
真・運命のタロット9 《世界》。


2009年完結作品の「ムシウタbug」。一人の人間の少女のために数ある虫憑き達が一同に会し、本編「ムシウタ」に物語を繋げるという、素晴らしい終わりかただったのですが……ムシウタ本編続きまだー!?個人的にはムシウタもいいけど「消閑の挑戦者」の続きもぜひお願いします…

そして中学生時代からずっと気になっていて、この年になってようやく一気読みした「運命のタロットシリーズ」。時空を下り時には遡り、様々な時代で戦いを繰り広げる「タロットの精霊」たちと、彼らに協力することとなった人間たちが、徐々に『運命のタロット』と呼ばれる存在そのものの謎に迫っていく…というお話。時系列が頻繁に前後したり、最終的にはその時系列が●●●していたり……と、かなり複雑な構造の物語なのですが、とにもかくにも物語の最後にたどり着いた時の衝撃と言ったら……!!個人的には第二部ラストの終わり方で十分満足なのですが、入手難易度が非常に高い作品となっているので何らかの形で新装版を出して欲しいと思う今日この頃です。

●本年のベスト女装大賞

バカとテストと召喚獣6.5
バカとテストと召喚獣6.5
ラッキーメイド天くん
ラッキーメイド天くん
これはゾンビですか?1 はい、魔装少女です4829133708
これはゾンビですか?1 はい、魔装少女です


今年は妙に女装モノが多かったので特設部門で……といっても、そんなにたくさん読んだわけではありませんが(拍手とかで色々オススメ戴いたけど、なかなか時間が取れなくて読めてません。ごめんなさい!)

とりあえず性別フリーダムすぎ!!な「バカとテストと召喚獣6.5」が女装萌的に素晴らしかったです。女子の心をちっともわかってくれない男子陣に、女の子たちがちょっとしたお仕置きを……という話なのですが、もともと女装が似合う美少年として描かれていた明久や華奢な体格なムッツリーニはともかくあの人まで女装させられてしまうとは……しかも似合ってるとか、ただごとじゃない。6巻のアレといい6.5巻のコレといい、バカテスは本当にどっちの方向に爆走するつもりなのか気になるところ。

純粋に「女装」をメインにした物語でお気に入りだったのは「ラッキーメイド天くん」。女装させられた主人公の恥らい具合と、大好きな女の子の為に仕方なく(?)その女装姿すら武器にして彼女を支えようとする姿に、ニヤニヤがとまらない。ただ、色々な意味で描写が(性的に)赤裸々なので、女装少年・男の娘に幻想を抱く人にはオススメできません。

女装のインパクト大賞としては「これはゾンビですか?」シリーズの破壊力もものすごかったんだけど、こちらは結局最初のインパクトがとんでもないだけで本編的にはどんどん主人公の女装姿はどうでもよくなってしまうので、ちょっと不満だったり。普通に男の子の周囲に異能を持った女の子たちが集まるハーレムものドタバタラブコメとしてはおもしろかったです。

恒例の「腐女子向け」まとめは今夜にでもー。


H+P(5) —ひめぱら—

 

「恭太郎さま!メインディッシュの準備ができましたわ!」港町ナトリアの館で、カタブツ侍少年・神来恭太郎を待っていた美味しい料理。それは、エリス作の豪華な刺身の盛り合わせだった。しかし、活きのいい魚の切り身が盛られた器は、船の形をしたベッドに横たわった半裸のエリス!?こ、これはいわゆる○○○○!?最強のご奉仕技が恭太郎に炸裂する!そんな彼に追撃が!!「メインディッシュを食べてくださいまし…」なぜ恭太郎の食事が、そんな嬉しい、いや悩ましいことになったかというと、カルタギア帝国からのある申し込みのせいで…。嬉し恥ずかしなハーレム・ライフは今度こそ限界ギリギリです。 (「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

宿敵・カルタギア帝国との講和を受けて攫われていた2000人の王仕様たちが変換されることとなり、その際に本来他の国の人間である恭太郎は後宮を追われる…という話になり、その話を聞かされた下4人の王女様達が恭太郎を引き止めるため決死のラブアタック作戦を…!!というお話。

今回のテーマはギャップ萌え!というわけで甲斐甲斐しく恭太郎の世話をするしおらしいエリス、ギャップを見せようとSM嬢になりきろうとして別方面の才能を開花させてしまうレイシア、大胆にも公衆の面前で羞恥プレイに挑戦!で大胆さを見せようとするアルト、うってかわって大人の魅力と持合の純粋さで迫るメルル…と相変わらず頭の悪い(褒め言葉)エロが満載。しかし5人の「らしくない」大胆さはこのままでは後が無い…と思っての事なわけで、いつになく恭太郎のカタブツブリにもどかしさを感じてしまいました。素直に理由を話した方がオチる可能性は高かった気がするけど、それはそれで双方にしこりが残りそうだし、作戦に失敗して落ち込んでいる王女達の姿が痛々しい。一方、彼女達の作戦には参加しなかった第一王女・ユフィナも憧れのガイルーンと恭太郎の間で揺れ動いており…エロ増量ながらも端々からシリアスの雰囲気が漂ってます。

しかし、全作戦に失敗した王女たちがピコルから指示された最終作戦には思わず噴出してしまった。そういえば、確かに●●●禁止的なキマリがありましたね……開き直って恭太郎をモノにしようと迫る王女たちと、彼女達の大胆さに圧倒されて思わず襲撃も忘れて様子を見守ってしまう刺客達の興味津々な様子に大爆笑。

ラストは少しシリアスな終わり方でしたが、単にハーレム要員追加の前準備なだけという予感がしなくもなく…色々な意味で、次回に期待(笑)


SH@PPLE?しゃっぷる? 7

 

巡りめぐって季節は秋。読書、スポーツ、…食欲の秋!最近元気のない一駿河さんのため、僕、淡谷雪国はせっせと総菜パンをデリバリー。そんな日々の中で、青美女学院は生徒会選挙の時期に。「会長」で無くなれば、舞ちゃんは安心して青美に帰ってこられ、入れ替わり生活は…おしまい!?「しかし、雪国さまはよろしいのですか?」と、さゆねさんは僕に問う。僕は…それで―いいわけないじゃないか!この想いを伝えるラストチャンスは、選挙後のダンスパーティーだけ。舞ちゃんは何だか怪しいし、古葉さんは家に押しかけてくるし、ドタバタ続きだけど、今度こそ。…オトコ雪国、キメます―。 (「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

「入れ替わり」終了を前に、風雲急を告げるシリーズ第7巻。

前巻くらいから少しずつ不穏な匂いを漂わせていた様々な事項が一気に表面化して、とにかく翻弄される。舞姫が、雪国が、皆が「良かれ」と思ってやったことが次々と裏目に出て、悪い方向に転がっていく様子には本当にはらはらした。双子を叱咤する胡蝶の宮のかっこよさには思わずキュンとなったけど、まさか彼女の提案があんな結果を生んでしまうなんて……。

前半の舞姫とのやりとりをみるかぎり蜜の心に映っているのは雪国ただ一人だと思うのに、入れ替わりの事を知って自らの気持ちが判らず戸惑う彼女の姿が心に痛い。実際、蜜だって「女の先輩を好きになってしまった」という事実と向き合って、漸く心を決めた所でこのどんでん返しはないよね…。一度同性の先輩を好きになったんだ、と受け入れてしまった以上、そして雪国と舞姫の入れ替わりが頻繁に行われていた以上、「本当の舞姫」に惹かれてしまったかもしれない自分を否定する要素が無いわけで……ああ、もっと早い時期にこの誤解が解けていたら、と本当にやきもきする。

双子の入れ替わりの終わり、蜜の転校。蜜の想い、雪国の想い……と様々なものが絡み合って身動きが取れなくなった所でのこの引きは強烈すぎます!早く続きを!!


ぐらシャチ

 
双 

この春高校生となる少女・秋津島榛奈は、全国うっかりランキング10位以内にノミネートされる(弟・孝雄談)以外はごく普通の女の子。海辺で祖母の形見であるオカリナを吹いていた彼女は、急な高波にさらわれたところを「ある生き物」に助けられるのだが──?そしてその「出会い」から、榛奈の日常は少しずつ波乱を含み始め、そして──。『ダブルブリッド』の中村恵里加が贈る、かなり奇抜なボーイミーツガール&ファーストコンタクト・ストーリー、満を持して登場!(公式サイトより)

個人的お気に入り度数

ちょっとぼんやりしてるけど普通の女子高生が言語を解する不思議なシャチと出会う、ガールミーツ謎の未確認生物モノ。

感想:すごくいつもの中村恵里加だった!!
どこか飄々としたキャラクター達が淡々と創り上げる独特の爽やさとグロさが共存する不思議な空間は、もう読んだことある人なら「中村恵里加でした」と言う感想ひとつで片づけられそうなレベル。

主人公の榛奈と謎のシャチ・グラボラスとのちょっぴりピントのズレたやりとりにニヤニヤしていたら、徐々に雲行きが怪しくなってきて……中盤以降は人間とは別種の生き物であるグラボラスの持つ無邪気な残酷さがグサグサ刺さるように。グラボラスの無邪気な好意を素直に受け入れられず、少しずつ疑心暗鬼と自己嫌悪にかられていく榛奈が見ていて痛々しいのですが、正直同じ状況に遭遇したら普通は疑心暗鬼くらいにはならないとおかしいよ!無差別動物殺人の時はひそかに、いつ飼い犬が犠牲になるのかと戦々恐々でしたとも。

基本は榛奈とグラの関係に終始するこの物語ですが、個人的にはグラ(というか…モゴモゴ)の友人となる平八が好きだったなあ。別人のようになって奇妙な言動を繰り返すようになった親友に戸惑いながらも当たり前のように受け入れ、新たな関係を築いて行こうとする姿に彼の人間としての大きさを感じる。

1巻完結と言われても不思議ではなさそうな本編だけど、続編があるなら平八さんにはもっと大きく活躍して頂きたいところ。こっそり2巻を楽しみにしてみたいと思います。
とりあえず、中村恵里加作品好きならオススメ!読んだことが無い人は、入門編として是非。

それで、ソウル・アンダーテイカーの2巻まだー?


4840229430ソウル・アンダーテイカー (電撃文庫)メディアワークス 2005-02

by G-Tools


ざ・ちぇんじ! 新釈とりかえばや物語 後編

 

男として宮廷に出仕した綺羅姫だが、帝は不可解な態度をとるし、弟が尚侍として後宮に上がることになるし、愛妻の三の姫は最近、何かと恋の"いろは"について聞きたがって来るしで近頃はため息をつくばかりの毎日。そんな中綺羅の親友である宰相中将は綺羅への「奇しの恋」を自覚してしまう。意を決して綺羅の居る右大臣亭へと足を向けたが…

個人的お気に入り度数

男勝りの姫様と女の子らしい若君という双子の姉弟が繰り広げる新釈「とりかえばや」物語、完結編。

姉君の「結婚」に弟姫の「後宮入り」といよいよのっぴきならないところでギリギリの攻防に加えて帝やら三の姫やら女東宮やら宰相中将…と二人を巡る様々な人々が交錯し、そんな中で最初に「元服したい」と言ってしまった責任感で一人で矢面に立とうとする姉君の姿にハラハラしていましたが、最終的には絡まった糸を解して綺麗に収まってくれたことにホっとしました。前巻の自由奔放ぶりを知っていると、序盤の姉君の落ち込みぶりは見てて目に余るものがありますが、その後の行動の堂に入りっぷりは思わずニヤリとしてしまうものが。

そして何よりも後編の見所は立派に成長した弟姫の雄姿。後宮に上がったことを切っ掛けに、前巻のヒスっぷりからは見違えるように立派になって……女東宮に秘密を打ち明けた時のやりとりには思わず笑ってしまいましたが、なんだかんだいって根は女の子な女東宮や姉姫を上手い事あしらっていく姿には男の子の底力を見た気分でした。

正直、事情も知らずに振り回されてしまった三の姫や帝が可哀想に思えなくも無いのですが(宰相中将は自業自得なのでスルー)、なんだかんだいって誰もが幸せになる終わり方だったのが嬉しかったです。

個人的には、帝にはいつか本当のことを打ち明けてあげてほしいなあ。


ざ・ちぇんじ! 新釈とりかえばや物語 前編

 

時は平安。権大納言は自分の子供であり双子のように瓜二つの容姿を持つ母違いの姉弟のことで心悩ませる日々を送っていた。姉の「綺羅」の方は凛々しく男勝りな性格で、男姿で活発に遊びまわっており、弟の「綺羅」は繊細すぎる程繊細な心の持ち主で母の言いつけにより姫として育てられていたのだった。周囲の人々は姉を「綺羅君」、弟を「綺羅姫」だと思って疑わなかったが、やがて周囲の男児達が元服していくのに感化された姉の綺羅姫が「元服したい」と言い出してしまい…!?

個人的お気に入り度数

古本屋で偶然置いてあるのをみつけて、懐かしさの余り思わず買ってきてしまいました!「とりかえばや物語」を下敷きにした、双子のような容姿の姉弟とその周囲の人々が巻き起こすコメディ。

綺羅姫の「元服」からトントン拍子に綺羅君の「裳着」に、そして……と、当事者達の思惑をよそにどんどん物語が取り返しのつかない方向に転がっていってしまい、それに当事者たちが翻弄される姿に思わずニヤニヤしてしまう。大体元凶の一言を放つのは姉の綺羅姫の方なんだけど、話が大きくなってから「あれっ、なんでこんなことに……」と我に返って綺羅がなんだか可愛い。特に主上とのやりとりは、はたから見ると完全に両想い状態なのに綺羅が女であることを隠しているばかりにどんどん話が変な方向に転がっていって、お互いがお互いに自発的にすれ違いまくってどんどん事態が悪化していく姿に微笑ましくなってしまいました。こ、こいつらかわいいなあ!!

前巻では宮中で華々しく活躍する綺羅君(※姉)とその周囲の人々を中心に描かれるので、綺羅姫(※弟)の方は殆ど日が当たらないんだけど、ラストでとんでもない爆弾を投下されて遂に「取換え」騒動の渦中に飛び込んできそうな勢い。以前読んだとはいえ殆ど結末あんまり覚えてないので、後編でどんなオチがつくのかとても楽しみです!


身代わり伯爵の冒険

 

町のパン屋の看板娘・ミレーユ。色恋沙汰に生まれてこのかた御縁が無く、ひたすら実家のパン屋の商売繁盛のことばかり考えていたが、ある日謎の青年に拉致(!?)され、死んだとばかり思っていた父親の元に連れてこられてしまう。しかも、成り行きから双子の兄・フレッドの身代わりとして王宮に出仕することになってしまい…!?

個人的お気に入り度数

ついったーで「鈍感×鈍感とか、天然×天然とか、両思いなのに進展しなくていつまでももどかしい関係なカップリングの話が読みたい!」と叫んだらオススメされたので手にとってみました。きっぷのいい町娘・ミレーユが父方に引き取られた双子の兄の身代わりとして男装し、陰謀渦巻く王宮に潜り込む…というお話です。

商売根性溢れる庶民派で、どこか破天荒な女の子であるミレーユが見せる、女の子らしい一面がとてもかわいい。プロローグの暴れっぷりからして彼女に周囲が振り回されるのかと思いきや、慣れない男社会に振り回されたり、陰謀渦巻く貴族たちのやり方に憤ったり心を痛めたり…という姿に若干の驚きと、それ以上の愛おしさを感じました。王宮での鬱憤を晴らそうととった行動とその顛末には爆笑したけど。

そんなミレーユが「身代わり伯爵」となった時から影に日向に彼女に付き従い、次第に惹かれていくのが兄の親友・リヒャルドなわけですが…恋愛ごとに不慣れで不器用な二人のすれ違いから、それが解きほぐされるエピローグまで思う存分に楽しむ事が出来ました。「王道ファンタジー」と謳うだけあって、素晴らしい王道展開にニヤニヤがとまらない。王道すばらしいよ王道。

しかし、完全にドツボにハマったのは終盤でミレーユの兄・フレッドが登場してからでした。何、この素晴らしすぎる兄貴!!!笑顔で人を惑わす昼行灯ぶり、自分大好き妹大好きなナルシストっぷり、そしてミレーユとリヒャルドの恋路をさりげなく進展させようとする策士ぶりに最初から最後まで胸がキュンキュンときめきまくりました。もう、わたし、フレッドの親衛隊に混ざってもいい……。

ミレーユとリヒャルドの淡い恋の行方や二人の周囲を渦巻く陰謀といい、素晴らしすぎる萌え兄貴といい、いろいろな意味で素晴らしかったです。少しずつ、続きも読み進めていこうとおもいます。とりあえず兄貴にもっと出番を!!!


バカとテストと召喚獣6.5

 

文月学園の学園紹介ムービーで、校歌を披露することになった木下優子。しかし、何でもカンペキな優等生に見える彼女は、実は歌があまり得意ではなくて……悩んだ末に、自分と瓜二つな双子の弟・木下秀吉との入れ替わりを画策するが!?

個人的お気に入り度数

なんで、なんで表紙がアキちゃんじゃないんだよおおおおおおお!!!!!(血涙)

ひどい、酷いよ!!確かに優子さんも可愛いけど短編集は女装縛りだと信じてた私のテンションと胸の高鳴りを発売日より1ヶ月も前に、早々に打ち砕いた罪は重いんだからねっ!も、もうバカテスなんか……バカテスなんか……畜生浴衣最高すぎるぜコンチクショウ…!!!!!

……というわけで、少々(?)取り乱しましたが、長らく謎のベールに包まれてきた木下優子のグラフィック初お目見えに波乱含みの夏休み、そして三人称で語られる雄二・翔子の過去話を収録した短編集です。なんていうか、…すいません、バカテス舐めてました。面白すぎます……輸血パックを、輸血パックを下さい……。

アタシと愚弟とクラス交換
現在FBオンラインでも同時公開されている、木下姉弟を中心にした短編。なんていうか、以前から「バカテスってBLネタ多用する割りに腐女子キャラいないよな」とか思ってたらこんなところに隠れていたとは、灯台元暗しだったぜ…しかもショタ好みとか、優子さんとは美味しい酒が呑めそうです(正座)

いつも通りのドタバタ騒ぎの中、さりげなくバカとなんとかは紙一重な所を炸裂させる明久とか、秀吉のちょっと違った一面が見れたり…となかなか楽しい短編でした。

僕と海辺とお祭り騒ぎ(前編)

ひょんなことから、海辺にやってきた明久と雄二がナンパにいそしむ事になるという、世にも命知らずな一編。正直、明久と雄二がナンパの対象にならないのは女性陣の必死のガードのタマモノだと信じたいのですがどうなんでしょう。二人とも、ヘタにナンパしようという気を起こさずに素で接してたら逆ナンの一つや二つ余裕できそうな気がするんです。明久は可愛い上に母性本能くすぐるタイプだし、雄二はオトコマエなので普通にお姉さん受け良さそうだよね……。

次々にナンパが失敗していく姿にはニヤニヤが止まらないのですが、一方でさりげなくムッツリーニに対して好意的な態度を取る愛子とか、6巻ラストの姫路さんの態度に戸惑う明久など、次の巻でまた恋愛要素が一気に進展しそう。しかし、明久と姫路さんの過去には何があったんだ?気になって胸のときめきが止まらないよ!!!

次の短編集は是非、明久の小学生時代の短編をお願いします。姫路さん→明久への気持ちの根幹に関わる部分っぽいから、少なくても絶対に何らかの形でやるだろうけど。いや、ほんと楽しみ。

僕と海辺とお祭り騒ぎ(後編)

キタキタ来たあああああああああ!!!!!!!

正直、浴衣押しの秀吉萌え話とかかと思ってたら、よもやの男子萌え回。3巻以来ご無沙汰だったアキちゃんが再登場しただけでも正直眼福だというのに、香美に雄麗だと……もうなんだ、萌えすぎてしんでしまう!!!!!特に雄二の女装は「見たいけど原作ではきっとやってくれないであろう展開」ナンバーワンだったので、正直嬉しすぎた。しかも今回はちゃんと挿絵があるんだぜ……雄二が邪魔でアキちゃんをイマイチ堪能できませんが!いやでも3人とも可愛い!もうどうしろと!!!

ミスコンでの審査員と女装悪友トリオのやりとりがいろいろな意味でたまらないのですが、3.5巻でも発揮した明久の勘違い炸裂なトンチンカン会話がもう、私を萌え殺す気かと。メイクで演劇魂発動して見境無くなる秀吉とか、明久トランクス派発言とか萌え殺す気かと。下着はつけてませんとか趣味はお料理ですとか明久お前そんなに萌え殺したいのかと。
しぬよ!!!萌えすぎて死ぬよ!!!持ち帰りたいよこの子かわいいいいいいい!

あと、次の短編集は是非、明久の幼稚園時代の短編をお願いします。スカートはいた明久の幼稚園時代が、見たい…!!!いやむしろ、一度でいいので吉井家に24時間密着してください!!正直、玲姉さんと明久のやりとりが見たくてたまらないよ!!!もう明久なんか、姉さんにおしおきで女装させられればいい!!!

あと「はふぅ……」が可愛すぎるんですがどうしたらいいですか。

雄二と翔子と幼い思い出
バカテス初の三人称で語られる、雄二と翔子の小学生時代のお話。

前の短編で散々騒いでおいて言うのもあれなんですが、この短編がまた物凄く良かった。雄二がかつて「神童」と呼ばれる天才少年だったこと、過去に翔子との関係を大きく変えてしまうような「何か」があったのは以前から示唆されてきましたが、これをずっと気に病んで雄二が翔子との関係を拒んでいるんだとしたら、本当に二人とも不器用で、最高に愛らしいなあ。

それまで「学力」ということにしか判断基準を持っておらず、自分より「下」の人間を見下してばかりいた雄二が自分の無力さを知り、己の矮小さを知った瞬間の衝撃が、ストレートに伝わってきて、なんか本当に凄かった。翔子のために敢えて泥を被った雄二の不器用な優しさと、そして雄二の思いを推し量って学校側に真実を告げなかった翔子と、全てを知り、二人の姿を暖かく見守る雪乃さんの言葉に胸を打たれました。

直前の短編がテンション高すぎなギャグ短編だったということとのギャップもあるのかもしれませんが、打って変わってのシリアス話に、頭を殴りつけられるような衝撃を受けた。なんか…本当にいいなあ、好きだなあこういう話。次の短編集が出る際には是非ともまたこういうシリアス話をやってほしいです。できれば今度は明久と瑞希の小学生時代で!!(まだいうか)

いやー、ほんと、萌え的な意味でも家族モノスキーとしても、お腹一杯な短編集でした。本当にご馳走様でした。アニメも本格的に情報が出てきてますます盛り上がりそうな感じだし、12月に出るらしい7巻が本当に楽しみです。


愛百合女学院へようこそ

[著]成田 空子 [絵]CHI-RAN

「私服で通学できる」という校風に惹かれて、全寮制の女子校・愛百合女学院に転入した帰国子女の森永苺。ところが、パンフレットは5年前に作られたもので、私服登校した苺は転校初日から退学を言い渡される事に!?風紀委員や生徒会のお姉さま方から逃げ回っていたら、なぜか全校生徒の憧れの的・生徒会長の愛羅様に助けてもらって…
   個人的お気に入り度数
ティアラ文庫創刊ラインナップの百合枠。ガチの百合萌えはあんまりないのでスルーしてたのですが、ティアラ文庫チャットで話題になったりと色々気になってきたので手を出してみる事に。

読んでみた感想ですが……うまく言葉には出来ないけどなんか全体的に百合っぽくない…。昔のキャピキャピ系少女小説の文体で書かれた生徒会長モノBL小説、という印象。自分としてはあんまり百合ん百合んしててもヒいたかもしれないので苦手な読み味じゃなかったけど、正統派な百合を期待して読むとションボリだろうなあ。

主人公の御相手役である生徒会長・愛羅様が始終壊れっぱなしで、「本来の顔」を見せてくれる場面が本当にちょっとしかなかったのも残念かも。恐らく「普段はクールビューティ装ってるキレモノだけど、実は可愛いもの好き」的なキャラなんだとは思うんですが、その辺が描写不足で。もうちょっと表側のキリっとした「全校生徒憧れの美女」みたいな部分を出してくれればよいギャップ萌えキャラだったと思うのですが。

主人公についても、「勘違いしてたからって制服指定の学校で私服着てきていいって話にはならないだろ!!!」としか言えない。特に序盤の主人公の行動は、自己中心的なモノ以外の何も見えてこないので、正直不愉快でした。しかもその無茶な主張が、学院長やら生徒会長やらの取りなしで上手い事通ってしまうので、読んでる側としては非常にストレスたまる。こんなに「一度痛い目見た方がいいよ!!!」って思った主人公もめったにいないよ!!

途中で「制服を着たがらない」理由はちゃんと提示されるものの、それなら学校側に事情話してスカート丈調整してもらえばいいじゃん?とか……結局、本音は「制服なんか着たくない!可愛い私服が着たいの!!」なんじゃないの、としか思えないのがなんとも。帰国子女だからどうこうっていうよりただのワガママだよねーこれ…。

愛羅さまのセクハラが彼女の持つ過去のトラウマに触れてしまい、お互いの距離が離れて……というあたりは結構面白い展開だと思ったんだけど、そこから仲直りまでの描写があまりにも軽くて、なんだかなーと思ってしまう。

主人公の舌ったらずでイライラを誘う喋り方といい、世間知らずで自己中心的な性格と言い、ただの変態さんな生徒会長さんといい、キャラクターには正直あまり魅力を感じなかったのですが、変態全開な生徒会長の奇行を眺めるのはそれなりに面白かったし、生徒会長の繰り広げるセクハラの数々はとてもエロかったので、軽く気分転換に眺めるエロ小説としてはOKという感じでした。感想書き始めると文句ばかりでてくるんだけど、不思議と「つまらなかった」わけではないんだよね…ううむ。

ただ続きがあるならもうちょっと各キャラクターを掘り下げていってほしい気がします。苺のルームメイトや意地悪双子とか、結構いいキャラだったのに殆ど掘り下げが無くてとても惜しい。