

港町パッツィオで儲けた香辛料でを売りに行ったロレンスとホロ。仕掛けられた罠を見抜き、その弱みで武器の信用買いを行った二人は意気揚々と教会都市リュビンハイゲンへ向かったが、罠に嵌められて大損を出してしまう。一転して破産の危機に襲われたロレンスは危険な賭けに打って出るのだが…
ほのぼのとした前半から打って変わって、後半の展開は非常にハード。少しだけの援助を求めた際に“そんな非常時に女(ホロ)を連れ歩くとは何事だ”といわれて援助を断られてしまった場面では思わず読んでいて背筋が凍りました。そして裏切りに次ぐ裏切り…とにかく一度エンジンに火が付けば最後まで気が抜けません。文句なしに面白かったです!
…ただ、やっぱ前半がちょっとダルい。私自身があまりただほのぼの?としているだけの小説が得意ではないというのが大きくあるんだけど、ちょっとホロとロレンスの微笑ましい掛け合いに萌えるだけで読み進むにはキツイものがあった。二人の掛け合い以外の部分が良くも悪くも硬いからかな。でも「Missing」みたいに薀蓄が多くても楽しめた作品は私にも結構あるわけで…。
「物凄く面白い」「ホロとロレンスの掛け合い超サイコー」という点においては否定しないんだけど、去年の今頃の「狼と香辛料」フィーバー思い出すと、やっぱりちょっと「想像してたよりは」面白くないなあとか思っちゃって残念な感じ。我ながらどんだけ面白い作品を期待していたのかという感じなんですけど(笑)
何の前情報も無しに読めばもっと素直に楽しめたのかなあ?