上半期ラノサイ杯第一位の作品。「ライトノベル読もうぜ!」さんの感想を読んで以来、密かに気になっていたのですがラノサイ杯がキメ手になって漸く手にとって見ました。
噂には聞いてたけど噂を遥かに超えてバカだーーーっ!!!
なんていうかもう、とにかくバカです。バカとしかいいようがありません。バカな奴らがバカばっかりやってるお話です。やっばいこれはドツボ。
学園ではクラスの待遇に差を付け、その代わり下のクラスの生徒はテストの成績によって強さが決まるという“試験召喚獣”を使ったバトルを他のクラスに挑み、設備を入れ替える事が出来るという方式で生徒達の向学心を煽るシステムを採用しており、これがまた面白い。イマイチバトルシーンは迫力が無くて単なる成績の見せ合いっぽい印象は受けるんだけども、このシステムを考え付いただけでも90点はあげちゃう。だって自分のテストの成績で召喚獣の強さが決まるとか、下克上可能とか、すごく楽しそうじゃないですか!私だったら自分の召喚獣に腕輪装備させるために頑張って勉強しちゃう(かもしれない)よ!?張り切ってテスト受けまくっちゃうかもしれないよ!?日本の教育機関はゆとり世代対策として早急にこの「試験召喚システム」の実装を急ぐべきだっ!!
ひたすらバカな話ではありますが、成績がほぼ全てを決めてしまうシステムの中、最低な成績のFクラスが悪知恵を駆使して上のクラスを攻略していく姿は結構熱いです。こういう“明らかに敵わない相手に向かって勝ちあがっていく底辺の人々”というようなお話は凄く好き。これだけ持ち上げておいて、ラストにちゃんと恐ろしいオチをつけてくる辺りにも「ギャグ小説」としての一種のこだわり的な何かを感じます。あと、章ごとに差し込まれる「バカテスト」は本気で笑いが止まりませんでした。オバカ全開な回答も面白いんですが、それ以上に先生の冷静なツッコミに爆笑してました。
キャラクター的には瑞希や美波と明久のかみ合わないやり取りにもニヤニヤしていたのですが、大方のご推測の通り秀吉にハァハァですよー。個人的にはもう少し男の子らしさを強調してくれると萌えるのですが、まあでもああいう女の子だと見ても非常に好みなキャラクターでした。ただ、制服がブレザーで秀吉のカットがいい具合に上しか出ないもんで、男性だと思わせる要素が皆無なんだよなー。好きなキャラではあるのですがびしょーねんキャラとしては失格ですね。
そういえば瑞希が明久と雄二の関係を危ぶんでいるというシーンがありますが、個人的には秀吉×明久を押したい。
キーワード:カット (34 件 / 4 ページ)
カッティング Case of Mio
[著]翅田 大介 [絵]も
恐ろしく美少女で頭も良いが左腕に血の滲んだ包帯を巻いてリストカットの跡を晒し、クラスの中でも孤立している少女・西周ミオ。そんな彼女に一目惚れした相坂カズヤはミオに告白し、付き合うことになった。暫くはお互い隣り合って静かに本を読むだけの毎日が続いていたが、徐々にミオも心を開き始める。ところが、ある日ミオが通り魔に襲われて…
「リストカット」という題材自体は正直好きではないのですが、表紙絵に惹かれて購入。序盤の主人公の明らかに高校生らしからぬ言動にウンザリしかけたりしましたが、ミオの態度が変わってくる辺りから語り部である主人公・カズヤの態度も少しずつ変化してきて、それ以降は一気にストーリーに引き込まれました。正直、前半の主人公の言動をどれだけ許容できるかで相当評価が変わってしまいそうな作品です。まあ、その後も基本的に主人公は過剰なまでの気障発言を連発し、私たちを間違った意味でクラクラさせてくれますが……いいんかこんな高校生…恐ろしく美少女で頭も良いが左腕に血の滲んだ包帯を巻いてリストカットの跡を晒し、クラスの中でも孤立している少女・西周ミオ。そんな彼女に一目惚れした相坂カズヤはミオに告白し、付き合うことになった。暫くはお互い隣り合って静かに本を読むだけの毎日が続いていたが、徐々にミオも心を開き始める。ところが、ある日ミオが通り魔に襲われて…
最初は会話もせずに本ばかり読んでいて周囲からも異様な目で見られていたのが、ミオがカズヤに話し掛けた事をきっかけに、本当に少しずつ二人の距離が縮まっていくという過程が凄く良かった。初めてのデートで緊張したり、互いの家に行って勉強したり……と、だんだん行動が普通の高校生カップルになっていくのが本当に素敵。
ただ、そういうもどかしい二人の関係が凄く気に入ってしまったので、中盤でミオが通り魔に襲われて以来の近未来SFっぽい設定がちょっと蛇足に思えてしまったり、みなかったり。後半を読んでいくと蛇足な設定ではない事がちゃんと分かるんだけど、そこにたどり着くまでが遅い。なんか普通にこのまま、リストカット少女と重度の中二病患者である主人公がお互いを感化しあって良くなっていく話でも良かったのになあとか思って、少し残念。
主人公が今まで自分に感じていた違和感の正体に気づいたり、ミオがリストカッターである真の理由が明かされる後半は、ある意味このストーリーで微妙に思っていた部分の種明かしを受けているようで面白かったです。確かにミオがただのリストカッターだったらもっとどろどろした話になっていた可能性が大きく、上手く説明を付けたなあと。ラストは青春らしい、熱い展開で最初予想していたのとは大きく違ったけど、楽しく読めました。
個人的には、主人公が中学時代にお世話になった元生徒会長・沙姫部先輩が非常にツボ。やはりラノベの生徒会長キャラは一味違うぜ!!
5月のまとめ&面白検索ワード
4月の検索ワードネタが結構自分でやってて面白かったので今月もやってみます。
オススメ作品は右柱でやってるのでやっぱりカットで。
しかし、今月は新刊の感想があまりなかった所為か
面白い検索ワードがあんまりないなあ…。
作品別
■彩雲国物語■アニメ第二期の影響でしょうか?
新刊発売頃からずっと1位独占中です。
■黄昏色の詠使い■
1巻の感想に飛んできたみたいな。
す、すいません2巻は積んでます…電撃の新刊が出るまでには何とか。
■おと×まほ■
「いつも感想中」のhobo_kingさんに敗北宣言されてしまったりした所為か、堂々の検索ワード総合第三位。
ちなみに個別記事別アクセスランキングでは堂々の1位でした。うひー。
しかしこの作品、やはり主人公の彼方がちっとも男らしくないのが女装ネタスキーとしては不服でした。界隈の感想でも、「可愛ければ性別なんかどうだって!」という感想ばかりで不服気味な私です。それじゃあ彼方が女の子でも全く問題ないじゃない!嫌がり方もそこまで激しくなくて、ツンデレ程度のエッセンスにしかなってませんしねえ。
でも、かの名作魔法少女ギャグマンガ「プラネットガーディアン」みたいな勢い嫌がってしまうともうジャンルが変わってしまうような?(プラガ好きだったのでそれはそれで読みたいですが/笑)
これからも当ブログでは女装少年の萌えポイントはギャップだ!!と熱く主張したい所存です。
以下は面白検索ワードのコーナーです。どうぞー☆(笑)
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断章のグリム2 ヘンゼルとグレーテル
断章のグリム 2 発売:2006.7 発行:メディアワークス [著]甲田 学人 [絵]三日月 かける |
1巻の「ホラーじゃないよ!メルヒェンだよ!」以上の衝撃だよ。
きっと甲田学人氏と私達で「グロテスク」の考え方が違うんだろうけど、あまりにも無謀な発言だと思うけどなあ…。
と思って、「グロテスク」で検索してみた。
グロテスクの意味、語源、由来を解説。気味が悪く異様な印象を与えるものを指す。15世紀のローマで発見された古代模様に由来する語。
つまり、甲田さんの定義している「グロ」は生理的嫌悪を及ぼす表現というよりは
人として「奇怪」という方向なのでしょうか。確かにそれなら今回の作品が「スプーン一杯のグロテスク」というのも頷けます。
…いや、まあ、多分世の中の人は本来の意味のグロじゃなくて「生理的嫌悪を及ぼす」意味でグログロいってるんだと思うんだけど…。
こういう場合、今回のような最早現実にはありえない描写よりも、「現実に起こりそうな」リストカットシーン(夜魔の「薄刃奇憚」など)やMissingで怪奇に取り付かれた少女が自分の目に硝子の破片を突き刺すシーンの方がキくと思うんだよね。
すいません、大分話がそれました。
しかし、どのブログ感想でも皆このあとがき発言について触れてるのが笑えるw
今回の感想は…うーん、なんか今までより全然感情移入できない、というか…イマイチ話に挽きこまれない。どこがどうというわけでもないんですが…。だからこそ「夜魔」も「Missing」も「断章のグリム」の1巻も怖いながらに大好きだったんだけどなあ。
ご本人が「グロテスク」をわざと意識して書かれた所為か、あまりにも現実離れした光景に移入できない。移入する暇も無く気が付いたら終わってた…というカンジで少し残念です。
童話の解釈とかは相変わらず面白いと思いました。
とりあえず、次巻ではグロとか気にしなくていいからいつものノリを、おっかなびっくりしつつ期待…してます…よ?(笑)