これが魔法使いの切り札 1.黎明の剣士 | 今日もだらだら、読書日記。

これが魔法使いの切り札 1.黎明の剣士

 

強さじゃない。“楽しく生きる”ために魔法使いになるんだ
剣士リクスは戦い以外の人生を求め魔法学園へ入学するも、魔術師の適正皆無と判定される。それでもリクスは持ち前の戦闘能力ゴリ押しで学園生活をこなし、新たな生き方を掴むべく自分なりの“魔法”に挑んでいき?

傭兵をしていた少年・リクスは平穏な人生を志し、エストリア魔法学院に入学した。ところが、特待生として学園側から招待を受けているにも関わらず、最初の授業で魔術師の適性なしと判断されてしまう!?魔術の授業を物理でゴリ押ししながら同じ境遇の物静か(?)な特待生の少女・シノと共に魔術師として生きる道を模索していくが……!?

ワケアリ少年×少女のボーイ・ミーツ・ガール系魔法学園物

戦いとは無縁の人生を送りたい凄腕剣士の主人公と、望まずしてその身に重い宿命を背負わされたワケアリ少女のボーイ・ミーツ・ガール系魔法学園物。様々な策謀渦巻く学園を舞台に、魔術師同士のしがらみや決まり事など知ったこっちゃないとばかりに物理で解決していく主人公・リクスの姿が爽快で、そんな彼が無自覚に無茶苦茶やりながらもクラスメイト達とわちゃわちゃしている姿が大変楽しかった!最初はとりつくしまもなかったもうひとりの特待生・シノがリクスの体当たりのフォローによって少しずつ態度を軟化させていくのが大変可愛いし、かませ犬っぽいイヤミなクラスメイトもいるにはいましたが、これもうどうかんがえても「実はいいヤツ」ってパターンだし……後半でめちゃくちゃ遠回しに気遣ってくれるところとかニヤニヤしちゃうんだよな……。あと教師コンビがめちゃくちゃいいですね……善意がわかりづれえカタブツツンデレ・ダルウィン教師と面倒くさい面倒くさいいいながら面倒見が良いクロフォード先生めっちゃ良くないですか……これは薄い本が厚くなるな……。

一方、物語が進むに連れ明らかになっていく《宵闇の魔王》の遺産を巡るどす黒い陰謀。シノの正体、そして明かされていくリクス自身の望みと本当の能力……。いやもうリクスみたいな破天荒なキャラの本質がそういうものなのって、本気を出すと感情のない人形になっちゃうって設定めちゃくちゃ性癖直撃なんですが……リクスの普段と戦闘時の挿絵の温度差が凄すぎて……良すぎる……。

「人間」を愛する故に人間をやめようとする少年の献身と、そんな彼をこちらに引き戻すために忌憚し続けてきた自分自身を受け入れる少女の願いが激突するクライマックスがめちゃくちゃ良かった。いやもう、学園モノらしいワチャワチャ感も王道ボーイミーツガールも楽しめるめちゃくちゃ楽しい新シリーズでした!次巻はリクスの古巣の傭兵団の面々が登場するようで、どうなっていくのか楽しみです。

それにしても直前に「ロクアカ」最終巻読み終わったばかりで、意味ありげに『愚者の霊薬』とか『黎明の剣士』とか出されるとめちゃくちゃ反応しちゃうんだよな。スターシステム的なやつかもしれないけどロクアカの終わり方考えるとどうにでもリンクできそう……愚者だしなあ……いやあんまり前作のこと考えながら新作読むのもアレなんですけど……。

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