ハウゼル女王国の女王候補の手によって魔物堕ちしてしまったクロード。聖剣の乙女としての力を振るうヒロイン・アメリアに対して聖剣を失ったアイリーンは圧倒的に不利な戦いを迫られる。果たして、無事クロードを取り戻し、ハッピーエンドを迎えることが出来るのか。
オールスター状態の最終決戦が楽しい!!
これまで登場した歴代ゲームのヒーロー・ヒロイン達が勢揃いで繰り広げる、バトル主体の展開がとにかく楽しい!中盤から物語に大きく関わってきたセレナやレイチェルはもちろん、引っ込み思案というか保身第一だったサーラの活躍に思わずニヤリとしてしまう。リリアが「プレイヤー」から「ヒロイン」になるまで
アイリーンがクロードと愛を貫くための物語であると同時に、「プレイヤー」として物語を一つ上のレイヤーから俯瞰し続けたリリアが愛の力で真のヒロインになるまでの物語だったなと。彼女が少しずつセドリックに心奪われていく様子はそれとなく描かれていましたが、その彼女の想いが「聖剣の強さ」という形で昇華されていくのは胸が熱くなる思いでした。自らがプレイヤーであると嘯きながら、大切な「ヒロイン」達を──「一番推せるヒロイン」であるアイリーンを守るために彼女が、自らの「愛」を武器に敵に立ち向かう姿は文句なしの「ヒロイン」で、もう本当に涙なしには見られないんですけど!!あと電子書籍版の特典SSずるいんですけど!!!???(めちゃくちゃ泣いた)
個人的にリリア様の株は1巻の空気ヒロインからプレイヤーとして覚醒し、後半に行くにつれ爆上げ状態だったんだけど今回は特に本当に最高すぎてもうね……もう……。
「乙女ゲーム」であることに拘った展開も良かった
「ヒロイン」としてのリリア様の話をした直後に言及するのもアレなんですが、なんというかクライマックスを打開する鍵になるのが「プレイヤー」としてのリリア様の考察厨としての一面だというのがまた最高なんですよね。一連の出来事を紐解き、理論的に解法を導き出すのはまさしく「プレイヤー」である彼女にしかできなかったでしょうし。最後は乙女ゲームの世界らしく「愛」が鍵となり現実を覆していく展開が大変に胸アツでした。最高に熱いクライマックスから念願の年齢制限フィルタ突破な幸せいっぱいのラストシーンまで、全部盛り感が本当に楽しかったです。本編はここで完結なのかな?なろうの方にそれとなく短編とかもあるようなので、もう一冊くらい短編集が出てもいいのになと思ってみたり。
ところでリリア様の結婚式では新婦の希望通りにアイリーンがリリア様の手をとってあげて欲しい。超みたい。