“庭” の検索結果 | ページ 11 | 今日もだらだら、読書日記。

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半分の月がのぼる空 Looking up at the half‐moon

[著]橋本 紡 [絵]山本 ケイジ

風邪をこじらせて長期入院を余儀なくされた戎崎裕一は暫くすると余暇をもてあますようになった。病院を抜け出したことがバレて病室に軟禁されていた裕一は、看護婦の亜希子さんからとある少女の話し相手を頼まれる。彼女?秋庭里香はとんでもないワガママで、でも死に至る病を抱えていて…
 

病院を舞台にしたボーイ・ミーツ・ガールストーリー。ツンデレ少女の里香とごく普通の少年・裕一が織り成すラブコメ…かとも思いましたが、後半に進むにつれて二人の周りに“死”の影が付きまとうようになります。

橋本紡さんの本は「リバーズ・エンド」しか読んだこと無いのですが、こういう少年少女の描写とか、しっとりとした雰囲気が凄く良いなあ、と思います。裕一と里香のやりとりとか、亜希子さんとか他の病室の人々とのやりとりが凄く読んでいて楽しいというか、和む。他のラノベのようにあまり大きな事件が起こったりはしないのですが日常描写で魅せてくれる作家さんだなあ、と。基本的に日常描写よりもハチャメチャな展開の方がツボにくる私ですが、橋本さんの描く日常描写は凄くツボです。

ただ、個人的にはこれがシリーズとして8巻まで続いたというのがちょっと信じられないというか…1巻完結でも十分綺麗な気がするんですが、2巻以降がダラダラにならないといいんだけどなあ…。あと、クライマックスが何度読んでもリバーズエンドに見えます(待て)

「リバーズ・エンド」の1巻は凄く良かったのに2巻以降が凄く蛇足っぽくて正直要らないなあと思っていたので少し警戒してしまいます。2巻まで購入してあるので続きを読むかどうかは2巻を読んでから決めたいと思います。

しかしギャルゲーの主人公に「ゆういち」ってなまえが多いのはデフォ?


マルアークの種 片翼の記憶

[著]細江 ひろみ [絵]みかき みかこ

幼い頃に兄が療養していたサナトリウムで事故に巻き込まれた秀人は最近、過去の悪夢に悩まされていた。偶然買った本で見かけた、そのサナトリウムへと続く山の写真。悪夢の風景と亡くなった兄を求めるかのように訪れたその山で遭難し、野犬に襲われて気を失ってしまった秀人は怪我をして父の会社の研究所に運ばれ、そこで二人の不思議な少女と出会う…。
 

ちょっと不思議な雰囲気の漂う伝奇系ラブコメ。
なんか凄くギャルゲーにありそうなシチュエーションが炸裂で、「これなんてエロゲ!」とか思いながらも結構ハマってラストまで一気に読んでしまいました。

世間を知らないヒロイン二人が外の世界からやってきた秀人に興味津々で、とんでもない勘違いをしていたり、秀人が勉強を教えてあげたり、教えるために自分が頑張って勉強したり……とほのぼのとしたシーンが凄く魅力的。それぞれ心や身体に傷を持ちながらもお互いを労わり、少しずつ接近していく3人の関係が見ていて気持ち良いです。

特に亜里沙がネットで得た間違った常識を披露して色々勘違いする、
秀人とのトンチンカンなやりとりが凄くツボ。

「ねえ、どうしてイタズラ描きがないの?」
「え?どうしてって、僕は描かないよ」
「どうして?教科書にらくがきなんて、みんな描くものでしょ?」
「する人もいるだろうけど、みんなじゃないし。僕はしない」
「友達どうしで見せ合ったりもしないの…」
突然亜里沙はハッとして言葉を止め、あわてて「この話はやめましょうね!」と打ち切った。どうやら「友達が居ない秀人君」のために、気を使ってくれているらしい。


ここまでくると最早異文化コミュニケーション状態。

一見、常識的で博識に見える彼女のトンチンカンな一面が非常にツボでした。
ていうか最初から最後までこのラブコメ路線でいけばかなりの期待作だったのに!!

後半。秀人と和葉が犯したたったひとつの“ひとだすけ”をきっかけに自由は無くても幸せだった箱庭生活は終わりを告げます。

…ということで物凄い勢いでストーリーが展開し、読者置いてきぼりのまま終了。正直なところ、各登場人物の動機や描写が薄すぎて感情移入できなかったです。秀人と和葉、和葉と蒲生所長、蒲生所長と亜里沙、そして秀人と秀一、親子の関係に至るまで、折角の美味しい設定なのに何もかもが描写不足。いくら軟禁状態で暫く過ごしたとはいえ秀人が和葉を命を投げ出してまで救おうとするのはなんかおかしい気がするし、いくら恩人とはいえ亜里沙が所長にそこまで惚れ込む理由も“一目惚れ”じゃ弱い気がします。正直彼女は恩以上の仕打ちを受けているはずなのに。また、秀人が元々淡白な性格だからか、イマイチ父親に関する描写も薄いんですよね…電話を研究所側から止められていたという設定はなんとなく読めますし。もっと秀人が研究所に居る間、連絡の無い父親に対して不安や疑念を抱いたり父親に会えない事に寂しさを抱くような描写があれば違ったんだと思いますが…

全体的に1巻に詰め込みすぎて上手くまとまってないという印象を受けます。リュックサックにお菓子を詰めすぎて重要な道具がポロポロこぼれてしまった感じ。3巻?5巻くらいでキャラクターや設定をじっくり掘り下げてくれれば確実にお気に入りの一作として紹介できた気がするので、非常に残念です。ていうかもうラブコメ部分だけでいいよこの話。

そしてエピローグ。なんか何も成長していないっぽい秀人君の姿が非常に印象的。なんだこのダメ男は!!こういう展開になったら、何もかもを捨ててでも二人を探しに行くか、いつか彼女達に見合う男になってみせる!!と一念発起するのかと思うのが筋というもんでしょう。それなのに何もかもを捨てるまでは踏ん切りがつかずに家に引きこもり、性能の良い兄貴との実力差を見せ付けられて半ニート状態になり、ギリギリの成績で中学卒業ってなんですかこのダメ男は。(ネタバレ)

これだから最近の男はダメだとか言われるんだよ!!
和葉や亜里沙が自分達の信念に基づき、最後まで“自分”を通して見せたかっこよさに対して、こいつはあまりにも情けなさ過ぎます。結局この作品を通じて秀人が自力で得た物なんて何も無かったわけです。兄貴には表面上勝ってるけど全面敗北したようなもんだし。ていうかマジ、ラストでニヤついてるんじゃねえとか思う。お前のそのふがいない半年を土下座して恥じるとかできないのか。

ライトノベルの中だけでいいので、女の子も男の子に夢を見せてください。


化物語 上

[著]西尾 維新 [絵]VOFAN

地獄のような春休みの冗談と、悪夢のようだったゴールデンウィークが明けた5月初め、僕は階段から落ちてきたクラスメイト・戦場ヶ原ひたぎを受け止めた。3年間クラスが一緒で、病弱で、存在感がまるでない少女、戦場ヶ原ひたぎ。受け止めた彼女にはまるで“重さ”と呼べるものがなかった…!?
 

なんかこれは凄い。予想以上になんか凄い。
怪異(物の怪)に憑かれた少女達を救うため、春休みに“吸血鬼”という怪異に憑かれた主人公・阿良々木が奮闘する姿を描いた短編集なのですが、とにかく各キャラクターが濃い。そして主人公のツッコミが激しい(笑)ライトノベルのツッコミ主人公と言えば即座にキョンを思い出す昨今ですが、キョンが静かなるツッコミなら阿良々木は偉くテンションの激しいツッコミ。各話ヒロイン達との掛け合いは最早テンションの高いギャグ漫画を読んでいるよう。こういうノリが小説と言う媒体で表現できるとは正直思わなかったです。これは面白い!!

そしてキャラクターは主人公含め全員が魅力的ですが、やはりズバ抜けているのがメインヒロイン・戦場ヶ原ひたぎ。文房具を武器として持ち歩く超攻撃的サドデレヒロイン…かと思いきや、2話以降では阿良々木に告白とも取れる愛の言葉をぶつけてみたり、嫉妬してみたり…と可愛い一面を見せまくります。素晴らしい暴言と攻撃性はそのまま、すっかりデレデレヒロインへ進化!?自らを“メンヘル処女”と称してしまうあたりも非常に素敵です。まさに戦場ヶ原ひたぎ、蕩れー!!

ただ会話が面白いギャグ小説かと序盤ではおもわせておいて、根っこにある部分は重い。新興宗教にハマって家庭を捨てた母親を持つひたぎ。母親の家にたどり着けないまま迷い続ける真宵、そして母親の形見の“猿の手”を持ちひたぎに憧れる後輩・神原駿河。全てが綺麗に解決した訳じゃないけど、より良い解決法を探して奮闘する主人公に好感持てました。

シリアスパートとギャグパートのテンションの高低が激しくて、シリアスパートに入るとちょっと違和感拭えなかったりするけどこれはこれでアリかと。下巻も楽しみです!



閑話休題。
今回講談社BOX初めて購入したんだけど、個人的には奇をてらいすぎな装丁はちょっと微妙…。こうなるとちっとも値段的にも装丁的にも“ライト”じゃないですよねえ。購入した後、気になる本は電車の中で読むのが基本な私には「外箱から取り出して中身を取り出す」のが物凄い羞恥プレイだったのと、外した外箱を潰さないように持ち帰るのが非常にホネでした。値段1000円くらいで、普通の新書版文庫として出してくれればいいのに…。

あと、これはあまり関係ないけど
購入した書店に置いてあるBOXシリーズ、何冊か酷い箱潰れ起こしてました(´д`;)
危うく手にとるところだった。ヤバかった…。


塩の街 Wish on my precious

[著]有川 浩 [絵]昭次

突然降って来た隕石により人々が次々に塩の柱と化し、塩で埋め尽くされるという“塩害”に見舞われた世界。社会機能が凍結した世界で偶然であった秋庭と真奈は、隕石が落ちた場所に程近い街で静かに暮していた。二人の前を、様々な人々が通り過ぎていく…
 

今「空の中」「図書館戦争」ですっかり有名になってしまった有川浩さんのデビュー作。

次はいつ自分が死ぬか判らない、世界の終末といっても過言ではない極限状況でも生きようとする人々を描いたストーリー。塩害に立ち向かう人々を描くのではなく、そこで懸命に生きようとする人々の姿をどこか冷静な主人公二人を軸にして描いたストーリーは、良くも悪くも新井さんの「ひとめあなたに…」を思い起こしてしまいました。どちらも終末ものだけど、凄くしっかりとラブストーリーなのです。

一つだけ気になったのが、デビュー作で完結作品だから仕方がないとはいえ最後の締め方は少々展開が強引というか…それまでの淡々としたゆっくりした時間の流れを感じるストーリーとはまるでベツモノに感じた点。あれよあれよという間に燃え展開になっていてびっくりした(笑)クライマックスでは必然的に二人が「世界を救う」という展開になりますが、個人的には序盤のような滅び行く世界で生きる人々の姿を最後まで描いてくれてもよかったんじゃないかなとか思ったり。

入江が真奈を前にして言った台詞がこの物語の真髄を改めて現しているようで、凄く印象的でした。一言で言えば、世界を巻き込むラブストーリー…ではなく、ラブストーリーに世界を救うという事実が便乗しているというか。こういう話はかなり好きなので今更ですが有川さんの本をもっと色々読んでみたい所です。


同人系女子をラノベにはめようと考える試み

元ネタ:ちょいオタ娘を攻略するためのライトノベルはこれだ! (ウィンドバード::Recreation)

自分の周りでは割合真面目な本は読むけど「ライトノベルを読んでいる」という同人オタ娘は少ない。人気どころ(キノ、マ王、戯言等)や昔の作品(スレイヤーズ&オーフェン)を読んでいたという人は良く聞くけれど、それ以上の未アニメ化マイナー作品にまで手を伸ばしているのは殆ど居ない気がします。

というわけで、同じ同人オタ娘として人気作品からどうやって同人オタ娘をマイナーラノベに引っ張っていくかいくつかのパターンに自分なりに考えて見ました。
といっても自分はお世辞にも世間のラノベサイトの人ほどラノベを読んでいるとは言えないので(しかも読んでいるのは微妙どころばかり…)、もし良かったらどなたか適当に補足していただけると喜びます。特に同じ同人娘ラノベラーの皆様!

熱血作品系で釣るのもやりたいんですが、周囲に同じベクトルの熱血キャラ萌えな友達があまり居ないのでイマイチ具体的な案が浮かびません。とりあえず私なら9S→フルメタ→禁書→終わりのクロニクルというルートでいくかも(最後明らかに厳しい)

1)キノの旅→しにがみのバラッド。
(とにかく同系統で攻める:→アリソン→リリアとトレイズ→半分の月が昇る空)
(ここから別の人気挿絵画家に繋げる:→バイトでウィザード(研修生編)→バイトでウィザード(長編)→ダブルブリッド)
(人気作品につられがちなオタ娘向け:→涼宮ハルヒの憂鬱→灼眼のシャナ)

とりあえず元々本を読むのが得意ではないオタ娘を人気作品と挿絵で釣ってみるルート。

キノの旅としにがみのバラッドは文句なしに女性受けしている作品だと思うので、そこから挿絵つながりで釣っていく。ウィンドバードさんのエントリでも同じルートが紹介されてますが、「ポストガール」とかは読んだことないので、とりあえずストーリー的には短編系で釣ってみた。「半分の月は?」は未読なので合ってるかどうかよくわからないですが。
バイトでウィザードに繋げるルートはいきなり作品の傾向が変わるので相手がバイトやダブルブリッドが苦手な系統かどうか確認取らないと厳しいかも。「ダブルブリッド」は大分ハードルが高いです。
ハルヒに繋げるルートはアニメを見せてから原作に繋げるのが吉?

2)(西尾版デスノート)→戯言シリーズ
(ファウスト系:→その他の西尾作品→空の境界)
(低温主人公責め:→Missing・夜魔→レジンキャストミルク→殺×愛)
(低温展開責め:→ブギーポップ→桜庭一樹作品)
(薀蓄大好きな人向け:→Missing・夜魔→文学少女)

戯言とか、元々文章を読むのが好きなオタ娘を薀蓄や低温主人公で釣ってみるルート。

戯言→Missingは実際友人に勧めて成功してるので結構高確率でハマってくれます。あとMissingは空目と俊也でカップリング作る人が多いようなので腐女子にも人気。やったことないですが桜庭作品もうけそうな予感。あと元々戯言が好きなオタ娘は多いですが、知らないなら敢えて現在話題性のある西尾デスノから行ってみるのがよいかなーとか。ちなみにこのルートのオタ娘には「ダブルブリッド」の評判も割合悪くなかった(少なくても4巻までは)。あと成田作品がウケてましたね。
ファウスト系は詳しくないのでとりあえず有名どころということで空の境界につなげてみましたが実際どのくらい読者が被るんだろう。

3)今日からマ王!←→少年陰陽師
(男コンビが大活躍:→イリーガルテクニカ)
(ひたすら人気同人作家系で釣る:→さよならトロイメライ→ランブリングカレイド→最後の夏に見上げた空は→ヒドラ)
(腐女子に人気な漫画家で釣る:→カスタムチャイルド→キーリ)
(マ王からコミカル系攻め:→スレイヤーズ!(第二部以外)→バイトでウィザード短編→涼宮ハルヒ)
続・コミカル系攻/劇薬編→学園キノ→キノの旅→ドクロちゃんです→ドクロちゃん)

完全な腐女子をかなり強引にラノベ道に落とそうルート。
このルートだと始めが「機動戦士ガンダムSEEDノベライズ→イリーガルテクニカ→」と後藤リウでつなげていくのもアリかも。ついでに間に平井つながりでファフナーを入れて、沖方作品につなげるという手も。特にSEEDはストーリーに不満持ってる人が多いから読ませやすいですw
人気同人作家で攻めるのは大分厳しいな…トロイメライは未読なのでランブリング・カレイドとどちらから先に読ませればいいのか判らないです。

劇薬編はパロディ大好きな腐女子達に捧ぐ。色々と素人にはお奨めできない。

番外編)今日からマ王!→フルメタル・パニック→スクラップド・プリンセス→涼宮ハルヒ→とらドラ!

角川・富士見の人気作品から徐々に電撃にハメていくルート…と見せかけて今流行りの男のツンデレで釣るルート
正確に言うとヴォルフラム→カシム(子供時代宗介)→相良宗介→シャノン→キョン→高須竜児という感じで。ただし事前に該当キャラがどのようにツンデレか熱く語っておく必要があります。
え、宗介は最強のツンデレですよ!?
かなめに対してのデレデレっぷりとか。

つまり最後はどうみても趣味です本当に有難うございました。



番外編2)マリア様がみてる→しずるさんシリーズ→カーリー→レジンキャストミルク

なんとまいじゃー推進委員会さんからTB頂いてしまったので追記。「マリみて」のような女子高ノリが大好きな百合姉妹達に贈る、コバルト系から電撃の深みまで誘ってさしあげるルート。

実は「カーリー」は絶対に同人オタ女子向けだと思っていたので入れるパターンを考えていたのですが『人気作品から繋げる』というコンセプトを考慮すると自分の読んだ作品でつなげられそうな人気作品がありませんでした…。むしろ絶対「マリみて」から繋げるべきなんだけど私が「マリみて」を未読という。

女の子2人の一歩間違えると妖しい友情関係を軸に、とりあえず「ブギーポップ」で有名な上遠野作品を読ませて後は挿絵つながり。椋本夏夜って結構こっち系好きな女子には受け良さそうだと思うんですがどうでしょう。「レジンキャストミルク」は人を選ぶので駄目そうだなと思ったら「Add」か「マテリアルナイト」あたりに繋ぐと良いかと。裏ルート名は「オタク女子はもっと椋本夏夜にハマるといいよルート」。


いつのまにやら色々なところから言及戴いてて嬉しいやら恥ずかしいやら。
「彩雲国物語」と「ウィザーズブレイン」「お・り・が・み」は近いうち必ず読んでみようと思います。

ところで…凄い今更ですが、元にした記事への言及リンクを忘れていた事に気が付きました_| ̄|○
いえ、一応記事リンク自体は微妙にあったのですが肝心の記事への言及がないとか…ネタ記事初心者で申し訳ないです_| ̄|○


夏に読みたいラノベを考えてみる

以前から自分がマイナー嗜好だとは自覚していましたが遂に数値的にマイナーだと認定されてしまいました。
でも、むしろつきつめるとラノベサイト杯で7票以上支持のあった作品を1つも読んでない私はもっとマイナー嗜好の方に配置されても良いのではないかと思うのですよね。他の方は推してないだけで1?2作品は読んでるだろう…というかこの場合「マイナー」というより「偏食家」っていうのかな(笑)

そんなこんなで仕事中の気分転換にラノベリングを眺めてたら
同じサイトさんでこんなエントリーを発見したので考えて見ました。

夏に読みたいライトノベル

…といってもシリーズモノの1巻だけとか除外なので、殆どでてこない…
シリーズしばりがなかったら「消閑の挑戦者2」とか「インフィニティ・ゼロ-夏-」「フルメタルパニック!揺れるイントゥ・ザ・ブルー」とか挙げてみるんですが。

とりあえず思い浮かんだのが以下の3つ。


オンライン書店ビーケーワン:少女には向かない職業少女には向かない職業

発売:2005.9
発行:東京創元社
桜庭 一樹著

posted with 簡単リンクくん at 2006. 8. 3
オンライン書店ビーケーワン:ひとめあなたに…ひとめあなたに…

発売:1985.1
発行:角川書店
新井 素子〔著〕

posted with 簡単リンクくん at 2006. 8. 3
見事にグレーゾーンの連発ですね!
ノベライズに越境作品に角川「文庫」。
そもそも新井素子ってラノベ…?とか思ったんだけど「ライトノベルファンパーティ」さんでは新井さんのインタビューとか載ってた記憶があるので敢えてラノベ扱いで。「トロピカルパフェ事件」がラノベならきっとこっちもラノベだよ!!

とりあえず他にも色々浮かんだのですが「空」と「海」を連想する作品は自分的に全面的に「夏っぽい」らしいです。とりあえず舞台が夏だったものだけ選出してきました。「最後の夏に見上げた空は」とか「海辺のウサギ」は既に載ってたので除外。

あと微妙なラインなのが「グリーン・レクイエム」でした。
やはり「海」のイメージが強烈だったんで思い出したんだけどざっと確認した限り「グリーンレクイエム」は夏。でも続編の「緑幻想」が大分微妙なライン。というかこれはラノベなのk(略)でも普通の人の第一印象は「いちめんのなのはな(=春)」だとおもうので除外で…。

ちなみにこの中で一番オススメなのは「ひとめあなたに…」。
世界最後の1週間を前にした人々の話。
チャイニーズスープの話は新井素子作品の中でも有名な話になるんでしょうか?


せっかく挙げたので、「ひとめあなたに…」を久しぶりに読み返そうとおもいます。


バイトでウィザード 双子の飼育も銀玉次第!

オンライン書店ビーケーワン:バイトでウィザードバイトでウィザード

発売:2006.7
発行:角川書店
[著]椎野 美由貴 [絵]原田たけひと
外伝シリーズ4作目。
なんか今回は全体的にしんみりとした話が多かったような…
「星降る夜のわすれもの」は一条兄弟の絆の強さというか、
豊花の女の子らしい一面が覗けて良かったと思います。
これといい花火の話といい今回美味しい所持ってきすぎです、豊花。

逆に家庭教師の話は個人的にはイマイチ破壊力が足りなかったです。
ギャグ話だと「クレイジーベビーでほふく前進!」がツボ。
最後の一行が色々な意味であの兄弟らしくて良いです(笑)

また、少年エースに掲載された「あの日をもう一度?」は、本編の内容を踏まえて考えるとほんと切ないというか、しんみりしてしまうストーリーでした。ほんと、あの二人には幸せになって欲しいよ…。

そういえば、先月でた本編「唱えよ安らぎの歌、と星は輝いた」を最終巻と勘違いしててコメント欄でご指摘を頂いて修正したのですが、冒頭に書いてしまったためbk1に送ったトラックバックにしっかりその文章が残ってる?…と頭を抱える毎日です。bk1に連絡したら消してくれるのかな、ああいうの…。


砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

オンライン書店ビーケーワン:砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

発売:2004.11
発行:富士見書房
[著]桜庭 一樹 [絵]むー
posted with 簡単リンクくん at 2006. 5.26
ちょっと暗い家庭環境を抱えたちょっと冷めた女の子(?)とだいぶおかしい家庭環境を抱えただいぶおかしい女の子(!)という、「推定少女」や「少女には向かない職業」と同じ系統の話。最初にバッドエンディングを提示してあって、その経過を追っていくという形。

「少女には?」とは違って、大人達がいい味出してる。特に担任の先生と主人公の兄。特に担任はある意味「大人になった主人公はこういう人間になるのかもしれない」というのを象徴しているような。先生の最後の独白にはしんみりしました。大人にしても別に何もしていない訳ではなく、ただちょっと何もかもが遅かっただけというのが判っただけでも少しは救いに思える。メインキャラクターは死なないけど「少女には向かない職業」の方が現実に対して救いが無いまま終わってしまったなあという印象だったので、こちらの方が好きかも。

「どうやら心配してくれていたようだった。社交界には、優しさもあった」


砂糖菓子のような甘い現実逃避の世界から戻ってきてみたら、案外現実だって二人が思っていたほど苦くは無かったんだよ、と。エピローグを読むと「もう少し二人が“現実”に目を向けていたら、このような事にはならなかったのではないか」と思ったりして。

でもこの後味の悪さというか後味の寂しさが桜庭一樹という人の作品なんだろうなあ、と思う。

それはそれとして、Mに目覚めてしまったクラスメイトの今後が心配です(笑)


少女には向かない職業

オンライン書店ビーケーワン:少女には向かない職業少女には向かない職業

発売:2005.9
発行:東京創元社
[著]桜庭 一樹
GYAOでドラマ版をネット配信するとのことで読んでみました。
その前からタイトルに惹かれるものはあったのですが?…。

「中学二年生の一年間で、あたし、大西葵十三歳は、人をふたり殺した。
夏休みにひとり、それと、冬休みにもうひとり。
武器はひとつめのときは悪意で、もうひとつのときはバトルアックスだった。」

という印象的な文章で始まり、主人公こと大西葵がいかにして人を2人殺すに至ったかという顛末を描いています。ミステリー関係のレーベルから出てる割には特に謎解き要素はありませんが富士見ミステリーも似たような感じなのでそんなものなのかな、ミステリーレーベル。

きわめて普通の女の子がちょっと変わった女の子に出会い、変わっていくという過程は同氏の「推定少女」と似たようなイメージですが、「推定少女」よりも格段に救いがありません。また、全編通して描かれる各キャラクターの行動や心情が非常にリアルで、“殺人”という非日常を描いた小説でありながらそんな事件はどこにでも転がっていそうにも思えて別の意味でゾっとするものを感じます。特に女の子内の「グループ行動」の醜さって奴は色々な漫画でも取り上げられるネタではありますが人殺しのシーンよりもゾっとしました。

また「ド田舎」+「ゴスロリ少女」というのも情景を想像すると非常にミスマッチで異常性が引きたってて良いです。ただ最近都会っ子にはゴスロリ少女はちょっと珍しいくらいの存在程度でしかない気がするので田舎とセットでちゃんと想像しないと「なんでゴスロリ?」って感じになりそうな…私は↑の単語の組み合わせで真っ先に「下妻物語」を思い出してしまいました。

どこか稚拙な殺人計画といい、等身大の少女達のリアルな心が感じられて面白いと思います。オススメ!


推定少女

オンライン書店ビーケーワン:推定少女推定少女

発売:2004.9
発行:エンターブレイン
[著]桜庭 一樹 [絵]高野 音彦
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8. 2
「小説版EVE」の作者さんの作品という事で
だいぶ前に古本屋で購入してそのままになってました。

父親に重傷を負わせた(?)主人公が、ゴミ箱の中から発見した
美しい少女“白雪”とともに逃走する、といったような話。

白雪のキャラのノリとか、「カスタムチャイルド」思い出しました
(発売はカスタムチャイルドのほうが後ですが)
まあある意味典型的なツンデレ少女という感じなので
○○に似てる?みたいなのは野暮ですけど。

「逃げようぜ、巣籠カナ」ってセリフがピンポイントでツボった(笑)
かわいらしい美少女がこんな男の子っぽいセリフを使うという
ギャップが逆に魅力的。
キーリの「なんてありがたい神様なんだろう、しんじゃえ」レベルで来ました(言いすぎ?)

逆に微妙だった点を上げると
主人公のカナの口調が何度聞いても女の子に聞こえない。
一人称「ぼく」が痛いんだよ…女の子が使うならせめて「僕」でお願いします。
ボーイッシュな女の子という設定にしてももうちょっと女の子らしい口調でよかったんじゃないかと。

てかアマゾンのレビュー見てたら「主人公の少年」って言われてたしね。
内容も百合くさいといえなくもないし、少年と勘違いするのも納得。

大人の嫌らしさがこれ以上ないってくらい描写されてて凄いです。
実際、こういう大人は沢山居るんだろうな?って…妙にリアルで。
そして子供の感覚もこんなものなんだろうなーって思えた。

後半の宇宙人との対決部分はスリリングでかなり好みでしたv