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ついカッとなって「レジンキャストミルク」を再読した

とある裏設定を聞いたのをきっかけに、衝動的に「レジンキャストミルク」の再読祭りをしました。再読時の読書メーターの感想を元に、各巻の感想とお気に入りの場面・台詞をまとめています。

布教エントリを兼ねておりますが、作品の雰囲気を知ってもらうためのネタバレ+後半の各巻感想は割と普通に先の展開のネタバレに関する言及があります。本編は現在(2021年7月)BOOK☆WALKERさんで全巻読み放題になっておりますので、気になる!というかたは気軽に手を出してみてください。

あらすじ(※軽くネタバレあり)

物語の舞台となる現実の世界【実軸(ランナ)】から枝分かれし、生まれては消えていく無数の世界・【虚軸(キャスト)】。虚軸が滅ぶ際に実軸に現れる意識体【虚軸】達は実軸に生きる人間を【固定剤(リターダ)】という存在にすることで、実軸に留まることが出来る。固定剤となった人間が大切にしていた何かを『欠落』させることによってその欠落の間に入り込み、その代わりに彼らに人ならざる力を与えるのだった。

【全一(オール・イン・ワン)】という虚軸の少女・城島硝子の固定剤となった主人公・城島晶は父親に取り憑いて母を連れ去った虚軸【無限回廊】を排除するため活動していた。昼間は平凡な高校生としてなんでもない「日常」を送りながら、その裏では協力者である固定剤の少女たちと共に虚軸を狩り、【無限回廊】を追い詰めようとする。

個人的に推してる所

学園ラブコメな「日常」とダークな能力バトルな「非日常」が両立する世界観

昼は平穏で楽しい学園生活を送りつつ、その裏では自らの「本当の日常」を崩壊させた【無限回廊】を追って戦いを続ける。ちょっと(というかだいぶ)変わった少女達との平穏な学園生活と、それぞれの【虚軸】を駆使したダークな異能バトルが代わる代わる訪れる展開がとにかく楽しい!そしてそんな平穏な学園生活が少しずつ、虚軸の脅威によって侵食されていく後半の展開がたまらない。

漢字にカタカナや漢字のルビを振る、中二力の高い文章

各巻感想に好きな場面紹介を入れているのですが、スレイヤーズの詠唱を暗記して育ったリアルタイム世代としてはとにかくこれでもかというほどルビを振りまくった文章がめっちゃ好き。そういうのにときめきを感じる人は絶対に読んでほしい。漢字にカタカナのルビを振るバトル描写だけでなく、内心の言葉に、その更に奥に潜む本心をルビで振ってくる演出とか本当にたまりません。

魅力的なキャラクター達と、彼ら彼女らを犯す「非日常」

主人公・城島晶を中心に絡み合い、そして彼らの関係性が虚軸という「非日常」によって犯されていく。最初はお互いの利害の一致から行動を共にしていた(と晶は嘯いている)はずの主人公たちが、少しずつ本当の「仲間」として形を代えていく姿は胸に来るものがありますが、彼らの「日常」を彩っていたはずの平凡だった同級生達が、非日常からの侵食を受けて少しずつイビツに形を変えていく姿も必見です。

各巻感想

「レジンキャストミルク1」
後の展開を知ってから読むと色々新しい発見が多いなあと実感。最後までの二人の関係を象徴するような、冒頭での里緒と晶のやりとりが大好き。真綿のように優しく、しかしじわじわと晶に言葉を浴びせる里緒の言葉が容赦なくて、とても好き。晶が「泣けない」のは最後までの裏テーマでしたよね。そして、蜜の強い思いを知ってから改めて読むと、直川との対決で蜜が発した言葉に胸がきゅんとなって仕方が無い。

「晶は泣けないんだよ。晶の後悔は、悲しみは、涙は欠落してる。死んでしまっているの」
欠落という二文字が、僕の口を塞いだ。
そんな僕に、ゆっくりと目を瞑り、里緒は──僕の親友は、震える声で
「だから……里緒が代わりに、泣いてあげようと思うんだ」

16P epilogue 終らない終らない始まらない

「レジンキャストミルク2」
虚界渦開放!な無限回廊vs有識分体戦がとても好きです。乖離に至る病(クリアランスゼロ)の詠唱も好きなんだけど、里緒から晶への強い信頼の見え隠れするやりとりにニヤニヤした。先の展開を知って居ても、晶の守りたがっている「日常」が次々と突き崩されていく様子はやっぱり容赦ない。なんだかんだで動揺してる殊子先輩可愛いです。芹菜ルートは……なんだかんだで晶側としてはここのエピローグでカンペキに閉ざされてるよなあ、と思ったり。

目を……。
「『小町(Zero)』。虚界渦を開放する(アンダーゲート・オープン)
──開く。
「おいで、世界。……『乖離に至る病(クリアランスゼロ)』」

瞬間、世界が変化した、、、、、、、

126〜7P Chapter2 歯車の逆回転における矛盾的プロトコル

「レジンキャストミルク3」
決して傷つけ合うつもりではないのに、すれ違って傷つけあっていく登場人物たちの動きが胸に痛い。客観的に見たら悪い事をしている訳ではない筈のあの人やあの人の行動が、酷く醜悪に見える。そして、再読すると改めて蜜がどれだけ「初めての友人」であった君子を大事に思っているかが見えてきて、胸がキュンとなる。「怒り」以外の感情を表現できないだけで、本当は誰よりも感情豊かな蜜の不器用な優しさが可愛すぎる。

そうか。硝子は、僕が姫島姫の身体を壊してしまわないか心配なのだ。
それならば大丈夫だ。何も心配はいらない。
姫島姫は無傷でちゃんと助け出してやるから(完膚なきまでに肉塊にしてやるから)

254P Chapter4 Helter skelter

「レジンキャストミルク4」
最悪の状況からの逆転劇が、たとえ仕組まれたものだとしても熱かった。晶を遠回しに叱咤する里緒と晶のやりとりや蜜を激励する殊子からの「贈り物」ににやにやする。何事にもとらわれない殊子と里緒のそれぞれ唯一といえる大事なものが蜜であり、晶なんだろうなあ。『敵意』でしか感情表現が出来ない蜜が彼女の唯一の友人であり恩人である君子へ向ける不器用な『優しさ』と哀しい決意に胸が熱くなった。失われた物も多かったけど、なんとか取り繕われた日常に戻っていく君子と姫の姿に胸が熱くなった。

自分が君子に近づく事は許されない。それならば、、、、、
彼女に近づくすべてをの悪意を、自分はことごとく引き受けよう。
あの優しい子が、自分のような人間と関わらずに済むのであれば。
「私は……」私は……

251P Chapter8 Strawberry fields

「レジンキャストミルク5」
辛うじて取り繕われていた晶の「日常」がいよいよ崩壊するお話。
硝子の虚界軸『世界の終わり(カーテンフォール)』が解放されるまでの経緯と、それによってもたらされた結末に鳥肌。エピローグでのやりとりがかなり美味しいだけに、良司と晶の関係はもう少し掘り下げてほしかった気がする。

硝子は言う。
「……終焉を、開始しますか(Over - Killing or Mega Dying)?」
僕は応える。
罪は僕に(Yes)罰はお前が(Jesus)

300P Chapter4 世界の終わり

「れじみる。」
お弁当対決の蜜の可愛さは異常。そして「あの」お弁当をちゃんと全部食べてあげようとする殊子先輩に萌える。ああ美しきかな姉妹愛。速水姉妹ネタというと殊子先輩の意外な弱点が明らかになったり取り乱す蜜が可愛すぎな海のお話もとてもすき。そして夏祭りの里緒の話のラストで胸がキュンとなった。里緒の話は6巻への伏線になってるので5巻&6巻の間のタイミングで読むのがベストです。……ところで、姫島姫と殊子のデートの話は2巻が出る直前の電撃hpに載ったらしいです。なんという鬼畜プレイ……流石電撃の黒い太陽ェ…

──包丁は、逆手に握られていた。
舞鶴蜜。
料理を作るどころか、キッチンに立つのも、これが生まれて初めてである。

105P 第2話 ドキドキ☆お弁当WARS

「レジンキャストミルク6」
里緒と晶の出会い話周辺のやりとりの破壊力やばい!守ってきた「日常」を破壊されたことで「非日常」の仲間達へと目を向ける晶、感情を手に入れた硝子をはじめ、それぞれの「虚軸」達の中で意識変革が起こり、本当の意味で彼らが『仲間』になった巻だけど、同時に突きつけられた真実はどうしようもなく痛くて。しかしそれにしてもネア先生の虚界渦開放のインパクトはマジパネエです!ネア先生可愛いよネア先生!!

「相手は僕の両親と兄貴だ。笑えるくらい個人的な戦いだ。ただの家庭の事情って奴だ」
全員を見渡し、睥睨し、高飛車に、
「でも関係あるか。お前ら全員……いいようにこき使ってやる」

310P epilogue-2nd Wish You Were Here

「レジンキャストミルク7」
殊子先輩の「あの行動」から始まる一連の場面は、既に結果が判って居ても涙が止まらないシリーズ屈指の神展開。そしてエピローグを読んだ後に冒頭文に戻った時の、殊子と晶の電話の場面の真意に気付いた時の衝撃といったら。「どうでもいい」と嘯きながら、誰よりもこの世界が大好きだった殊子先輩の想いを無駄にするまいと最後の決戦に臨む晶と硝子の姿が、最後まで素直になれなかった蜜の素直な気持ちが、とにかく胸に痛い。

「ありがとうございます。……殊子先輩」
初めて彼女に使った、心からの敬語に、親愛と感謝と後悔を込めて。

16P epilogue-1st アンサー

「レジンキャストミルク8」
彼等の胸の中に確実に生きている『あの人』の存在にどこかしこでほろりとしました。最終決戦前の晶側 / 無限回廊側それぞれの言葉の応酬と、これまでの総決算のような出し惜しみなしの総力戦が熱すぎる。そして、里緒と晶の親友関係が本当にやばい。エピローグの、彼女の最後の一言に籠められた様々な思いに胸をえぐられる。綺麗に終ったワケじゃないあたりが逆にこのシリーズらしいなあと思わせる、よい完結編でした。

「……きみの幸せを、祈ってる」
彼女は振り返らない。振り返らずに、
「祈るだけならタダだもんね。……酷い人」

345P epilogue She is not all

「れじみる。Junk」
晶の女装をどうしてちゃんと挿絵で描いてくれなかったし!!!
その後の蜜とネアを描く4話「ありがと、ばいばい。」が大好き。元の少女に戻ってしまった蜜の葛藤と、そんな彼女の背中を押して送り出そうとするネアの想いに胸が熱くなった。そして速水姉妹大暴走な温泉話にもによによが止まらないww 「キラの旅-the coordinated world-」でふきだしたのは私だけではないはず。

穏やかに、佐伯ネアは笑った。
「欠落は、あなたの分まで全部私が持っていてあげるわ。だからここで捨ててしまいなさい。過去を抱え込んでおくのはね、若者じゃなくて、大人の役目よ」
守りたくても、何もできなかったからね。

215P 第4話 ありがと、ばいばい。


ちなみに再読のきっかけは作者・藤原祐先生の下記の発言


読み返してみると、里緒は本当に一貫して性別がはっきりとわかる表現をされていなくて、あれだけ晶と一緒に居るポジションだったにもかかわらず芹菜にヤキモチを焼かれる事もなく……本当に正しい意味で「ヒロイン」ではなく「親友」ポジションだったんだなあ、と実感した次第でした。

「里緒」という名前だと確かに女性名前でも男性名前でも通用するし……で、読んでいくとむしろ実は男性なんじゃないかとか考え始める不思議なんだけど、今流行の「男の娘」じゃなくて、どちらかというと無性別的な印象?良い意味で性別を感じさせない存在だったんだろうなあ。

(こちらの記事は2010年に書いた記事に作品紹介部分などを加筆し、2021年7月に再公開したものです)


空色パンデミック2

 

あの結衣さんの「劇場型」発作の日以来、僕は確信を持てずにいた。僕の彼女への好意も、彼女の空想の産物なのかもしれない―。そんなある日、教室で今井さんという子に突然声をかけられた。「あなたに話がある。私の名はブーケ・ザ・ボマー」新手の空想病患者?もう本当に勘弁してほしい。だが彼女がもたらした世界改変をめぐる真実に僕は驚愕する。そして再び世界の命運を賭けた戦いが始まった!狂騒と純真の「ボーイ、ミーツ、空想少女」第2巻。 (「BOOK」データベースより)

発作的に自らの空想の世界の住人になってしまう「空想病」の少女・結衣と彼女に気に入られてしまった普通の高校生・景が繰り広げるボーイミーツ「空想少女」第二段。今回は前巻からの続きで、解決していた結衣の「空想病」による影響が実は未だ現実世界に影響を及ぼしていて、景は再び世界を救う為水面下で奮闘することに……というお話。

前巻以上にどこまでが空想でどこからが現実か判らないお話になってきました。最後でキレイにオチはついたけど、「実はやっぱり●●でした」ってオチにはなったもののどこまでそのオチで解釈していいのか全く書いてない!読んでいる側からすると同時に物凄く煙にまかれた感が否めませんでした。いえ、この煙に巻かれる感じこそがこの作品最大の魅力なわけですが。

こんな、空想と現実の境界線がつかめない状態で結衣への恋心が「結衣自身によって強制されたものではないか」と不安になってしまう景なのですが、そんな景の不安を打ち払うような森崎との会話が凄く良かった。1巻のエピローグから、森崎はマジでいい男すぎる!!「俺に構わず先に行け!!」なやりとりも好きなのですが、「その方がかっこいいじゃん」な理論展開にはとてもにやりとした。

そしてまた最後の一行で爆弾が投下されてるよ!!とりあえず3巻も凄いらしいので楽しみです超楽しみです。


空色パンデミック1

 

「見つけたわよ、ジャスティスの仇!!」「…はい?」高校受験の朝、駅のホームで僕はその少女と出逢った。彼女―結衣さんは“空想病”。発作を起こすと正義の使者とかになりきってしまうらしい。以後なぜか結衣さんは何かにつけ僕の前に現れる。空騒ぎに付き合ってられない。最初はそう思っていた。彼女を守るため世界を敵にまわして戦うことになるなんて、思いもしなかった―。えんため大賞優秀賞受賞、狂騒と純真の「ボーイ、ミーツ、空想少女」。(「BOOK」データベースより)

発作的に自らの空想の世界の住人になってしまう「空想病」の少女・結衣。高校受験の日に偶然彼女の「空想」に巻き込まれてしまった主人公は、何故かその後も彼女につきまとわれることに。なんだかんだで彼女の空想につき合わされていくうちに……というお話。

ちょっと不思議要素を孕んだ、それでも普通の少年少女達が繰り広げるボーイミーツガール……だとおもって読んでいたら、後半以降の展開に度肝抜かれた。結衣の空想が世界に広がり、空想が現実を侵食し、どこまでが『空想』でどこからが『現実』かわからなくなっていく。足元が揺らいでいくような感覚。空想が空想のまま終らず、周囲の人たちの認識を捻じ曲げて現実までをも書き換えていくのが凄かったです。

そしてこの作品のキモは色々な意味で最後の1Pだと思うのです。いえ、あまりにも自然に書かれているので最初全く気付かなくて、読書メーターの感想を見ていて読み直して噴出したのですが!!この落ちてるように見せかけてちっとも落ちてない最終ページ凄い。もうなんていうか「最終ページが本編」と断言してもいいくらいじゃないか。

2巻がここからどう展開していくのか、とても楽しみです。



ライトノベル春の100冊フェアを勝手に捏造企画に便乗した

絵空さんの「ライトノベル春の100冊を勝手に捏造企画」に便乗。
角川春のライトノベル100冊フェアに便乗して「角川も春も関係ねえ!!俺のお勧めの100冊を読めエエエエ!」と叫ぶ企画です。基本的に1作者1シリーズ縛り、レーベル問わず(ただしティアラ文庫やBL系は除く)で選出しました。

完結作品は意図的に途中までしか選んでません。
「ここまでは読んで欲しい」「ここまで読んでハマらなかったらもういい」くらいの心持ちで選んでます。
ややなんで打ち切られたし系多めなのは仕様です。
初心者向けとかそういうことはありませんむしろクロウト向けの面持ちあり(特に電撃文庫)

見たい人は続き読むからどうぞー。
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学校の階段2

 

晴れて生徒会公認になった階段部。次は学校公認の部に昇格よっ!と張り切る九重の指令で顧問獲得と女子部員増員へ奔走させられる幸宏たち。しかし、執行部の妨害でうまくいかない。しかも裏では刈谷ですら警戒する生徒会長が暗躍していた―。そんな中、階段部の存在が理事会をも巻き込み校内入り乱れての階段レースへと発展するのだが…。はたして「階段レースなら最強」を証明できるか!?ビバ青春の無駄足!大反響の学園グラフィティ第2弾。(「BOOK」データベースより)

ものすごくいまさらですが、1巻再読して続きに手をつけ始めました……学校の階段を走って上ったり下りたりする「階段部」の面々を描く、学園スポコン(?)第二巻。今回は生徒会から正式に「部」として認められた階段部が正式な部昇格を目指して奮闘するかたわら、「階段部」誕生のきっかけに迫るお話。

顧問探しからはじまって、部員獲得、書類提出?…と外交的なお話が中心になったせいで1巻よりもスポコンというより学園ラブコメの香りが強くなっていた印象。でも、階段部設立のきっかけを作った九重vs刈谷の夜の階段レースにはものすごく心がときめいて、ワクワクする。

さまざまな紆余曲折があって陸上部と階段レースをする羽目になって、1巻では三枝に散々翻弄されていた神庭が逆に相手を翻弄する展開には、彼の成長を感じ取ってにやりとしました。

そして1巻でさんざんいがみ合っていた神庭と井筒がすっかり仲良くなっているのに盛大に噴いたそしてちょっぴり萌えた!1巻を再読した時はあまり感じなかったのですが、1年生コンビのほかにも刈谷&遊佐の(元)生徒会コンビとか、何やら不吉な言動をしていた三枝など、何気に男子分が美味しい。特に神庭&井筒と刈谷&遊佐には今後もぜひとも活躍していただきたいところです。私が男子萌え的な意味でワクワクします。

しかし、2巻の殊勲賞はなんといっても小夏姉ちゃん&大津先生だとおもうんだ!!典型的な「厳しいから生徒には嫌われるけど教え子思いな先生」だった大津の躊躇いと、まっすぐに生徒の味方であり続けようとする小夏。立場は違うけれど同じ思いを奥底に持っている二人のやりとりにニヤニヤが止まりませんでした。

……それにしても、1巻再読したあとに初読時の自分の1巻感想読み直したら「小夏のキャラが薄い」とか書いてて、当時の自分はどこに目を付けていたのかと……再読時の感想は「小夏ちゃん可愛いよ小夏ちゃん」だったという不思議でした。


読書遍歴を振り返る流れに便乗する その1(小学時代編)

あこやさんちの「読書遍歴を振り返ってみる」エントリを読んで、色々ホイホイされたので便乗してみます。
ラノベ関係の読書遍歴は以前書いた「懐かしのラノベを語ってみる」エントリで殆ど書いてしまったので、今回は基本的に「ラノベ以外」で。

うちは小さい頃から割りと、親が両方とも本を読ませよう本を読ませようと必死になってる人達だったので何かと本が家にある家庭でした。幼稚園時代からとりあえず本棚だけは完備されてたような記憶が……

小学生時代その1:絵本関係

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おおむら ゆりこ
福音館書店 1967-01-20

ぐりとぐらが作る巨大カステラ私も食べたいです(正座)
それはいいけど、読み直してみるとこのネズミたち、結構腹黒……ゲフンゲフン

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岩崎 ちひろ
岩崎書店 1972-01

「本を読んで泣いた」の初体験だった気がする絵本。
自分の事を話さない女の子が、人を助けて死んでいくお話。
うちは家族そろっていわさきちひろが好きだったようで、結構いわさきさん挿絵の絵本が多かった。そして現在手元に残ってる絵本もいわさき率激高だった。

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Dick Bruna
福音館書店 2000

「ミッフィーちゃん」は私も邪道だと思いますが、長いことうさこちゃんの名前を「ブルーナ」だと勘違いしていた私には何も言えない。それ作者の名前だから!

小学生時代その2:日本の児童文学編

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杉浦 範茂
講談社 1987-05

まだ自宅にある児童文学その1。
岐阜から東京に迷い込んでしまった飼い猫が野良猫の「イッパイアッテナ」と出会う話。

これもよかったけど続編の「ルドルフたびだちひとりだち」も好きでした。
正直仲間になったブッチーが可愛すぎると思うんだぜ…

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ヒロナガ シンイチ
講談社 1999-11-15

斉藤洋というとこっちもはずせません。しかし内容覚えてません。
はつかねずみな宇宙人と小学生の男の子が色々するお話。

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理論社 1980-03

珍しい白猿の子供たちが、中国から両親の待つインドに向けて旅するお話。
なんか全体的に「●●に向けて旅するお話」が好きだった。ルドルフとかもそうだし…

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瀬川 康男
理論社 2000-04

ホッキョクグマの子供たちが北極の動物たちと仲良くなったり遭難したりする話。セイウチの子供と仲良くなったら、母親がセイウチを……なシーンが超衝撃的だった。大自然の摂理な感じ。
脳内類似品として「ながいながいペンギンの話」なんかも。

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ひらい たかこ
講談社 1999-04-15

柏葉葉子作品は色々好きな作品があるけど、一番印象に残ってるのはこれ。
日常世界から異世界に迷い込んじゃう系の話も大好きでしたねー。「霧の向こうの不思議な町」「地下室からの不思議な旅」とか。子供の頃は、電車に乗るといつ電車が異世界に繋がってしまうのかとワクワクしてました。
中学生以降は、電車に乗るたびいつ電車が止まらなくなって惨劇の幕があけてしまうのかガクガクしてました(※最終電車的な意味で)

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前川 かずお
ポプラ社 1978-02

小学生の読む児童文学の定番だと信じている。

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三木 由記子
講談社 1980-11-10

小学生の読む児童文学の定番だと信じているその2。特に印象に残ってるのは「十二ヶ月」シリーズ、「月のたまご」シリーズ、「黒の銀行」に「水色の魔界」あたり。基本ほのぼのした作風なんだけど、十二ヶ月とか水色の魔界とか月のたまごとか、時々めっちゃくちゃダークだよね…。

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永井 郁子
あかね書房 1987-12

作りもしないのに料理関係の本を見てにこにこする子供でした。
わかったさんのおかげで長らくクッキーつくりにハマったけど我が家にはオーブンがなかったのでそもそも全く上手く焼けなかったという罠が……


小学生時代その3:海外の児童文学編

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E.H.シェパード
岩波書店 2000-06

ディズニー映画の「プーさん」が好きすぎて、原作も手を出して死ぬほど読み返した。
今では「●ィズニーとか邪道です、シェパードの挿絵最高です」と叫ぶような原作信者になりました。

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Tove Jansson
講談社 1979-08

ムーミンシリーズは殆ど読みましたが、一番読み返したのはこれだったような…
洪水で離れ離れになったムーミンファミリーを呼び戻すため、ムーミンパパ達がなぜか「演劇」をする話。

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井伏 鱒二
岩波書店 2000-06

amazonに書影あるのは井伏鱒二版だけど、手元にあるのは前田三恵子さん翻訳版。
動物語を喋れるドリトル先生と、ドリトル先生の家の動物たちのお話。

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久米 元一
あかね書房 1990-04

確か小学生向けアニメ上映会で見て、そこの売店で原作もゲットしたという思い出。
白いオオカミと、その飼い主(?)の少年が狼の保護地域を目指して逃避行するお話。なんか全体的に食べ物の描写がおいしそうだった記憶が。

映画版のグラフィックは、どう見ても主人公がウッソ(Vガンダム)

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Michael Ende
岩波書店 1976-09

大人になってから、時間どろぼうさんは本当にいるんだ!!って悟った。


長くなったので、中学校以降の読書遍歴は別エントリに……


ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc3

 

俺たちの絆は次元すら越えられる!……はず?
いつも優しく世話好きな春姉。そして天真爛漫で甘えん坊な妹、夏海。俺こと都筑武紀が〈世界改変〉によって手に入れたヒロイン――愛する家族だ。しかし、その二人の様子が近頃おかしい。春姉は隠し事があるみたいだし、夏海の態度もどこか変だ、ぞ?ちょ春姉、その人は誰? え、実の父親!? しかも二人を引き取りたいって……それって都筑家存亡の危機じゃないか! どうする俺――!! 選択肢無限の真世界を奔走する、青春ADVノベル、待望の第3弾!

「メモリーロンド」の一件で傷ついた理恵も回復し、なんとかこれまでの日常を取り戻した武紀たち。ところが、今度は春海が隠し事をしているようで…。不安に思っていたところ、春海と夏海の実父だという男が現れ、二人を引き取りたいと言い始める。それは、既にこの世から消えたはずの、武紀が展開しなかった「ファンディスク」のシナリオ通りで…!?

ギャルゲーの世界を現実に投影してしまった主人公と、彼の手によってこの世に投影されたヒロイン達が織り成すラブコメ第三巻。今回は、あらすじの通り春海・夏海姉妹を中心とした都筑家家庭崩壊(?)編。2巻読んだときに「そういえば、すっかり春海夏海姉妹が空気だなー」とか思っていたら、そこからこんな物語が展開するとは。オープニングの淋しそうな姉妹の姿がとても印象的でした。

春海・夏海の実父が登場し二人を引き取ろうとするという、武紀が展開しなかった「ファンディスク」の内容と酷似した現実の展開から、更にこの物語のシステムに対する疑惑が提示されていく、謎解き的な展開が面白かったです。今回は結局……でしたが、火種自体は残したままの終わり方となったので、これが今後の伏線へと繋がっていくのかな?とはいえ、ゆうきが自分のシナリオを評して「ファンディスクらしい甘々展開」と言った通り、ファンディスクで破滅的な展開になる可能性は低そうな気がしますが…

武紀がヒロイン達の中から「誰か一人を選ぶ」事で現在展開されている「シナリオ」にも終わりが訪れてしまうのか、それともただ現実の人間と同じように誰かを選んだ後もこれまで通りの日常が続いていくのか。それとも今回おぼろげに提示された「ハーレムエンド」という新たな展開を選んで未知のシナリオに突入するのか…、今後の展開が非常に楽しみです。

それはそうと遂に高橋愛子ルートの可能性が垣間見えたわけだが!!
今回も良い男前だった高橋愛子さん、個人的には是非とも正ヒロイン昇格していただきたいものですがいかがなもんでしょう。いやまあ、攻略不可ヒロインだからこそ輝くキャラって感じもするんですけど。

FBオンラインで連載中の「シルバーブレット」側のキャラクターもさりげなく関わってきたみたいなので、そろそろあちらの外伝も読むべきかなぁ。文庫化してから読むか、先にオンラインで読むか結構悩ましい…。


Gosick 〜ゴシック〜

 

日本から西欧の小国・ソヴュールに留学している少年・久城一弥はひょんなことから図書館の塔の上に居る変わり者の少女・ヴィクトリカと出会う。ある日、殺人事件の解決に協力したヴィクトリカへのお礼としてヨットクルージングに出かけた二人は“幽霊”が現れると言う船の事件に巻き込まれ、その謎に挑むことに…

今のうちに買わないと挿絵つきで読めなくなっちゃうよ!」という脅迫観念(違)の元、今更読み始めました。(←どうやら挿絵付き「Gosick」が別途出るようですよ!)第一次世界大戦後のヨーロッパの小国を舞台に、日本の帝国軍人三男の少年が少し不思議な女の子に振り回されるというおはなし。同じミステリー文庫の「しずるさん」シリーズのような、安楽椅子探偵モノなんだとなぜか思い込んでいたのですが、普通にミステリーしてました。

ヨットに乗りにきたはずが、なぜか不吉な噂を持つ“幽霊船”に乗ってしまい、噂の通りに同乗者がどんどん死んでいってしまうという状況の中、見た目は可愛らしい少女なのに、老獪な印象を持つヴィクトリカが時々垣間見せる少女らしい一面が可愛らしかった。作家・桜庭一樹というと「推定少女」や「少女には向かない職業」のイメージが私の中で非常に強く、そういう作品と比べると「Gosick」は「らしくない」印象を受けたのですが、読み終わってから再考すると、「EVE THE LOSTONE」が持っていた雰囲気に近いのかなあとか思いました。いえ、展開が無茶すぎるとかそういう意味ではなく、あくまで持ってる雰囲気が!逃げ場の無い閉鎖空間の中で、徐々に“死”が間近に迫ってくる感覚とか、そういうあたりが。過去の「QueenBerry号」での、エレベーターのトラップはトラウマすぎる…。

ミステリーというよりは少年少女の冒険話として面白かったです。Twitterで「角川つばさ文庫から出せばいいのに」という意見を見て「なるほど」と思ったのですが、青い鳥文庫とかと一緒に並べたい気がします。

個人的に、「あわせて読みたい」児童文学は「クレヨン王国と水色の魔界」。
1円玉の話がトラウマすぎる。


406147295Xクレヨン王国水色の魔界 (講談社 青い鳥文庫)三木 由記子
講談社 1991-06-15

by G-Tools


フォルマント・ブルー リミックス

 

奇病に侵され、18歳の誕生日に生命を落とす事を運命づけられた少年・楷名春希。絶望のままに無気力な毎日を送る彼は廃棄場で自らの事を「シンセサイザー」だと言う少女・庭瀬伽音に出会う。彼女との出会いを経て、少しずつ生きる気力を取り戻していく春希だが…

富士見ミステリー文庫の「フォルマント・ブルー カラっぽの僕に、君はうたう。」を加筆+文庫未収録の短編を加えた新装版。不治の病に冒された少年と自分の事を「電気の歌姫」と名乗る少女が出会い、二人の過去や未来に立ちふさがる出来事を乗り越えていく、というお話。

笹野響哉の存在が序盤から示唆されていること、敵側の事情がある程度明かされてくること、ラストで主人公が死の運命から逃れた事に対する説明が加えられていた事など、富士ミス版では結構唐突に思える事が多かった伽音が攫われてから先の展開に対するフォローが加えられていて、旧版よりも判りやすくなった印象を受けました。楽器屋の主人と庭瀬教授の関係とか伽音の出自なんかも、富士ミス版では明かされてなかったっけ…?とにかく、そんなに多くを加筆しているわけではないのですが、説明不足だった部分に細やかな修正が施されていて、これだけの加筆でも結構雰囲気変わるものだなあ。

主人公達と同じくらいに、チョイ役のはずのガルバニックの辿った顛末が胸に残る。主人公達よりも誰よりも、色々な意味で「悲劇的」な運命をたどったのは彼だよなあ。ガルバニックとしての「それ」と、若き音楽家だった「彼」が誰も知らない所で鬩ぎ合い、破滅へと進んでいく姿が切ない。

音楽の奏でる美しい雰囲気と、人間という種の醜さという対称的な要素が同居する物語ですが、個人的にはやはり春希と伽音がコンテストに応募する用の音楽を一緒に作っていく場面が好きです。なにかを創り上げていく場面というのは、凄くワクワクするなあ。そして「心音」を音素材として撮るシーンは、別に何もしてないのにエロいですよね!!

同時収録の短編「皇帝の棲家には、電気仕掛けの歌姫。」は、ピアニストを目指す一人の若者が、春希と出会う前の伽音と出会うお話。存命の頃の庭瀬親子の人間関係等が透けて見える一方、普通に良い青春話だーと思っていたら、オチに噴いた。そ、そう来るのかーーーっ!