ページ 69 | 今日もだらだら、読書日記。

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人類は衰退しました 7

 

わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は“妖精さん”のものだったりします。そんな妖精さんと人間との間を取り持つのが、国際公務員の“調停官”であるわたしのお仕事。ですが最近は、クレーム受付担当の様相を呈しておりまして…。「クスノキの里に学校を!」歴史を逆再生するスローガンによってわたしに回ってきた教師役。三人の問題児は、エスカレートする保護者の要求のもとにやりたい放題!助っ人教師の皆さんの顔面にもパイの嵐で、ついにわたしも暴走!?クスノキの里、潰滅…。 (「BOOK」データベースより)

「A拒んでますし!」
「ノンケにはちょっと強めのきっかけがいるんだ」
この人はもう手遅れなんです。

Yさんは至急B×Aに関する詳細レポートをまとめてください(真顔)

 憎さあまって可愛さ百倍の憎み愛カプで壁ドンとかどうしろというんですか!!体格差のせいで押さえつけられたら抵抗できないけど意思だけは屈しない受とか!!体格差で勝ってるけど微妙に自分の行動に戸惑いを感じちゃってる攻とか!!最高じゃないですか!!!97Pの挿絵だけで死にましたほんとうにありがとうございました!!!なんか本編関係ないけど死ぬかとおもいましたかわいい!!

 そんなわけで悪がき2人の壁ドン展開にYさんも私も大興奮なシリーズ第7巻。特徴的だったキャラクターデザインが変わってしまって新装版が出た時は正直かなりモヤっとしたのですが、間にアニメを挟んだせいか上手い事絵師変更の違和感はさほど感じずに物語りに入る事が出来ました。妖精さんだけはどうにも違和感ありますが、今だ……。

 3人の問題児とその後ろに立ちはだかるモンスターペアレントと対決する「妖精さんたちの、ちいさながっこう」。男子2人+女子1人の複雑な家庭環境および三角関係(含:BL)にYさんとともに萌え転がったりしてたのですが、それはそれとして主人公の魔女っ娘姿に萌えざるをえませんでした。三人の問題児達を突き放しながらも過去の自分と重ね合わせて最終的には見捨てないようすがとてもかわいい。だが正直色々な意味でB×Aに全てを持っていかれた気がしてならない。彼らの壁ドンについてYさんと語り合いたい。

 後半はヒトモニュメント計画の最中に記憶を失って目覚めた“わたし”が事態を解決するため奔走する「人類流の、さえたやりかた」。しょっぱなからクスノキの里が壊滅してて助手さんもYもお祖父さんもいなくて“わたし”は拘束されていたらしき痕跡があって、一体何が起こったのかと少しずつ遡っていきながら、正体もよく解らない“敵”に立ち向かう事になり……そこはかとなく感じていた違和感に対する答えが一気に突きつけられるラストの展開がすごかった。

 しかし、どちらの話もとてもおもしろかったけどなんというか妖精さんのいやし分が足りない。もっとしっちゃかめっちゃかにしてくれちゃっていいのよ!!

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ルートダブル - Before Crime * After Days - √Before

 
Shiri
 
原作
イエティ/レジスタ

2030年9月16日午前6時19分。研究学園都市・鹿鳴市の郊外にある巨大施設、原子力生物学機構第6研究所・通称『ラボ』にて、深刻な事故が発生する。ある目的のために施設を訪れていた高校生・天川夏彦たちは、その内部に閉じ込められてしまう。迫り来る炎の中、なぜか過去の記憶を鮮明に思い出す夏彦。だが、その記憶の中には、生き延びるための重要なヒントが隠されていた。奇妙な感覚、事故の本当の原因、そして残酷な真実―。最悪の極限状況の中で、壮大な人間ドラマがいま幕を開ける。 (「BOOK」データベースより)

 Xbox360で発売されたアドベンチャーゲーム「ルートダブル」のノベライズ。とある事件の顛末を立ち位置が全く違う2人の主人公の視点から追った物語で、今回発売された「√After」と「√Before」はひぐらし・うみねこでいう出題編のような位置づけになっています。√Bはごく普通の高校生“天川夏彦”が友人たちと共に、コミュニケーターと呼ばれる超能力者を狙うテロ事件に巻き込まれていく中で過去のトラウマと対面し、それを克服していく物語です。

 √Aが「メルトダウンした原子力研究所の中で繰り広げられる極限系人間ドラマ/サスペンス」なので√Bを読むといきなりの女子高生ハーレム状態と学園異能モノ具合に驚くことになること請け合い。確かに√AでもBCと呼ばれる超能力の存在については語られてきたんだけど、表立ってこの能力を使うキャラクターが存在しないため完全にステルス設定化してるんですよね。

 9年前、偶然ラボでの事件に巻き込まれて大きな精神的外傷を負った幼なじみの少女と、彼女を巻き込んだ事を負い目に感じながら平穏な生活を望むようになった主人公。殻に閉じこもる事で閉じた世界の中で停滞していた彼らが、√Afterで語られたラボでのメルトダウンに巻き込まれたことを切っ掛けに少しずつその心を開き、BC能力を開花させながらかつての姿を取り戻していく姿が熱い。

 少しずつ前向きに変化していった夏彦に9年前の事故の真実の一端が襲いかかる場面は本当に衝撃的なんだけど、原作でこの事実を知ってからノベライズを読み直すと改めて……な場面が結構あって、面白かった。特に、夏彦の事をずっと見守ってきた彼女の行動の不自然さとその意味がわかると、なんというか胸にじんわり来るものが。周りの人々の本当の気持ちに触れ、自分がどれだけ彼女達に愛されて育ったのか目の当たりにすることで完全に「かつての自分」を取り戻す姿が頼もしい。

 原作ゲームプレイ済視点からいくと彼女の動きをはじめとして小説だからこそ見えやすくなっている行動がある一方で、微妙にカットされたり変更された展開が多かったのが気になりました。√Aでも渡瀬がトイレで“彼女”の幻影を見るシーンがカットされたりしてるんだけど、√Bは夏彦達の放課後ショッピングや徹夜カラオケの描写が削られてしまったのがちょっと残念。個人的に、平穏な日常を象徴する二大ほのぼのエピソードだったんだけどなあ、あれ。

 原作のままでいくと次の√Currentがかなり短いシナリオになるはずなので、これまでの微妙に変更された場面はそちらに関わってくる伏線なのか。多分グランドエンディングルートに行くんだろうけど√Doubleのグッド・ノーマルエンドがとても好きなのでそちらのエッセンスも盛り込んで欲しいなあというか、残りのルートの書籍化の際は小説ではないと見られないなんらかの仕掛けに期待したいです。

 なお、原作ゲームではどちらのシナリオから進めても良いつくりになっていて、時系列的には√Afterの前、もう1人の主人公である“笠鷺渡瀬”が記憶を失う前の物語になるんだけど、√Afterに関する重大なネタばらしがあるので個人的には√After→√Beforeの順番で読み進めることをオススメしたいです。というか、√Aはやはり渡瀬の正体知らないまま読んで欲しいよね。記憶喪失のヒーローまじかっこいい。

 そして大事なことなのでもう一回言うけどPC版は9月28日発売ですよ!!

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ルートダブル - Before Crime * After Days - √After

 
Shiri
 
原作
イエティ/レジスタ

2030年9月16日午前6時19分。研究学園都市・鹿鳴市の郊外にある巨大施設、原子力生物学機構第6研究所・通称『ラボ』にて、深刻な事故が発生する。救助に来たレスキュー隊の隊長・笠鷺渡瀬は、その現場で気を失い、記憶を失くした状態で目を覚ます。しかも、セキュリティシステムの誤作動で、爆発の続く施設内に閉じ込められてしまう。仲間との再会、襲い来る火の手、そして謎の惨殺死体…。最悪の極限状況の中で、壮大な人間ドラマがいま幕を開ける。 (「BOOK」データベースより)

 Xbox360で発売されたアドベンチャーゲーム「ルートダブル」のノベライズ。とある事件の顛末を立ち位置が全く違う2人の主人公の視点から追った物語で、今回発売された「√After」と「√Before」はひぐらし・うみねこでいう出題編のような位置づけになっています。√Aはレスキュー隊の隊長“笠鷺渡瀬”がメルトダウンを起こした原子力研究所「ラボ」の事故の最中、なぜか記憶を喪ってしまい??という所から始まる物語です。

 記憶が不確かなまま同僚のレスキュー隊員とともにある時は火事に立ち向かい、要救助者を助けながら研究所脱出の手がかりと、被爆を防ぐ為に1時間1本の摂取が必要な薬剤“AD”を求めてラボ内を捜索していくのですが、脱出の手がかりはまるで掴めないにもかかわらずADが人数分確保できなかったり他殺体が見つかったり……と割と絶望的な状況。徐々に生き残った人間達の間でも互いに不信が芽生え始めて…という流れは、本当に絶望的な展開しか予想できなくて、ゾクゾクする。

 記憶を失った渡瀬が、状況だけでなく時折聞こえてくる幻聴や自らの記憶の不整合さに不安と不審を覚えながらもとにかく仲間を救う為に出来る限りの事をしようと精一杯奔走する姿が不器用だけどかっこいい。苛酷な現実に押しつぶされそうになりながらも最後までなんとか活路を見出そうとする姿が印象的でした。そして、ゲームプレイ済だと最後に立ち上がったあの人の姿にニヤリとしてしまう。

 …しかし、良い意味でも悪い意味でも原作を忠実にノベライズしているだけ感が強くあり、原作ゲームプレイ済だとあまり買う意味がないかも。基本的に私なんかは、ノベライズはゲームとは別の視点や、ゲームでは描ききれない隙間、会話劇だけでは表現しきれない主人公以外の感情の動きなんかを少しでも描いてくれるのを期待して買うのですが。特に、今回ノベライズされた部分はエンディングをコンプしようとすると余裕で何度か読み直す羽目になるので…なにかプレイ済でも楽しめる仕掛けが欲しかったです。……個人的にはあと挿絵欲しい(表紙絵がとても良いだけに、本文に一切挿絵がないのは残念)

ただ、ゲームシナリオ→小説への落としこみというか、再現度は非常に高いのでゲーム未プレイの人がストーリーを追うのには向いているかと思います。ちなみに、PC版は9月28日発売ですよ!!!Xbox版はハード的に手が出せない……というかたは是非ともこちらを。分岐エンドがかなり多いので(殆どがバッドエンドだけど)、小説を読んだ後でも楽しめると思います。

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魔王様げ〜む! 3回戦

 

好色魔王の魔法で美少女メイドに変身させられた元勇者レイモンド。そんな彼を捜して、今度は人間界から美少女お姫様がやってくる! お姫様に正体がバレないよう、レイモンドは必死に美少女メイドを演じるが…。そんな彼に好色魔王のセクハラが乱れ飛ぶ!?(学研電子ストアWebより)

個人的お気に入り度数

 女子が好きすぎる魔王ディンゴに敗北し、姿を変えられて女子として魔王専属メイドとして魔王城で働く事になってしまった元勇者レイモンド(通称レモンちゃん)が繰り広げるTS系ドタバタコメディ第三巻。事実上「メガミ文庫」というレーベルごとお亡くなりになったと思われていた(リンク先参照)のですが、電子書籍という形で奇跡的に新刊刊行となりました。……という経緯があったので、紙媒体での刊行が絶望的なことくらいは小さい事だと……現実を受け止めないと……(遠い目)

 幼なじみの王女様の登場と同時に元の姿に戻れなくても自分の済んでいた人間の住む世界へと帰るという選択肢が提示されて、現在の状況と自分の気持ちを見つめなおす事を強いられてぐるぐるするレモンの姿が大変美味しかった。少しずつ育っていく気持ちを素直に表す事が、最後の最後まで“女”としての自分を完全に受け入れる事が出来ずないレモンが、ディンゴへの気持ちを男としての矜持と敵対心で覆い隠そうとする姿が微笑ましかった。微妙に解り辛い遠まわしな魔王からの愛情というかなんというかにもニヤニヤするわけですが、相変わらずのディンゴの平等すぎる全世界への女性への愛にふきださざるをえない。本当に、1回戦からこの魔王は歪まないな!!

 2回戦までのノリを持続しながら一応続きが出ても出なくても問題ないような終わりかたになっていて、良くも悪くもここが落としどころなんだろうなあ……というところで落ちた感じ。刊行の経緯からして、完全な打ち切りエンドじゃないのはむしろ救いなんですが。フリーダムさと不遇作品拾い上げに定評のある一迅社文庫あたりが拾い上げてくれるか、もしくは同人誌で続きが読めたりしないかなあ。まだまだ展開させようのありそうなお話だったので、ここで終わってしまうのはとても寂しいです。

あと受注限定生産でも構わないので、紙媒体でください。

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“夕顔” ヒカルが地球にいたころ……(2)

 

取り憑かれ、うっかり友達になってしまった幽霊のヒカルのため、その“心残り”を晴らす約束をした是光。ヒカルが示した次の相手は、内気な引きこもりの少女だった。夜にだけ咲く儚い花のような少女、夕雨。閉じた世界で幸せに微笑む彼女と過ごすうち、徐々に放っておけない気分になる是光だったが…。何故か約束の内容を告げないヒカル。そんな中、夕雨を不登校にした“怨霊”の噂が学園に蘇る。その正体を前に、是光は―!?大人気シリーズ第2巻、登場。 (「BOOK」データベースより)

 是光が頼まれたのは、かつてヒカルと心を通わせた引きこもり少女・夕雨との『約束を果たす』ことだった。ところが、その約束の内容が判然としない。ヒカルも教えてくれず、困っているところになんだか話がややこしくなってきて……というお話。

 是光のフラグ建築力が順調すぎる。このままだと平均で1巻1人ずつフラグを立てていく感じになってしまうがよろしいのか!!今回の夕雨はともかくとして、知らないところでフラグを建築して一切気づいてない是光が罪作りすぎて、是光の反応に一喜一憂する式部さんが可愛すぎてつらい。

 日陰で傷みを解り合おうとするヒカルと彼女と似たような傷みを持ちながらも日向へ連れ出そうとする是光。全く対照的な二人に夕雨が惹かれていく姿が甘酸っぱく、彼女に関わった人間達が少しずつすれ違ってしまった結果ともいえる真実はせつなかった。正直今回も式部さん可愛すぎたので是光の初恋にかんしては「なん……だと…!?」となってしまった自分がいるけど。

 ヒカルの死の真相といい、後ろに色々と黒いものが見え隠れしていてそっちが明かされていくのも楽しみ。

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アニソンの神様

 
のん

「はじめまして!エヴァ・ワグナーです。一緒にアニソンバンド、やりませんか?」―アニソン好きが高じて、ドイツから日本へとやってきた少女、エヴァ。彼女の夢は、アニソンの聖地・日本でアニソンバンドを組むこと。今、その夢が動きだす―。第1回『このラノ』大賞作家が描く、音楽と青春、『CHA‐LA HEAD‐CHA‐LA』から『太陽曰く燃えよカオス』まで、すべてのアニソン好きに贈る、友情物語。 (「BOOK」データベースより)

宝島社様より献本をいただきました!
 アニソン大好きなドイツ人の女の子・エヴァには「いつか日本でアニソンを歌いたい」という夢があった。日本への留学の話に飛びついた彼女は憧れの地で“アニソンバンド”を作ろうと、メンバー集めに奔走する…というお話。

 ドイツからやってきたエヴァをボーカルに、才能は髄一だけど周囲に溶け込めず孤立しているギター、隠れオタクのドラム、ボカロPのキーボード、ナンパなベースと色々な意味でばらばらだった5人が少しずつ1つのバンドとしてまとまっていく姿がとても青春でした。また、「アニソンもの」ということでオタクとしては凄くニヤニヤできるネタが多いんだけど、それ以上に「アニメソング」というジャンルだからこその懐の深さというか、アニソンのなんでもあり感が物語を絶妙な感じで包み込んでいる感じというか、そういう雰囲気が凄く良かったです。

 しかし、作中のアニソンの選曲がイチイチ絶妙すぎるんだけど、クライマックスのライブシーンの選曲は本当に卑怯。1曲目から2曲目の入りでもう無条件にテンション上がってしまうわけですが、3曲目マジ卑怯。アニメ見て無いけど曲は知ってるってオタクも大量にいるはずの超名曲ですよね。(というか私もアニメ自体は見て菜いんだけど)

 エヴァがカラオケで歌う場面やライヴシーンの、なんともいえない臨場感も凄くぐっと来るものがあって、とてもよかったです。面白かった!

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"葵" ヒカルが地球にいたころ……(1)

 

「心残りがあるんだ」恋多き学園の“皇子”ヒカル―その幽霊が、是光の前に現れそう告げた。このまま幽霊につきまとわれ続けるなんて冗談じゃない!と渋々“心残り”を晴らす協力をすることにした是光だが、対象の左乙女葵―“葵の上”と呼ばれる少女は、頑なに話も聞こうとせず、生徒会長の斎賀朝衣にも不審がられ、敵視されるハメに。そんな時、ヒカルの死にまつわるある噂が聞こえてきて―!?野村美月が贈る、ミステリアス現代学園ロマンス、堂々開幕。 (「BOOK」データベースより)

 気はいい奴だけどとにかく目つきや表情がきついせいでヤンキー呼ばわりされたり噂に尾ひれがつきまくって皆に敬遠されている是光が、学園のイケメン皇子の幽霊になつかれてしまい、彼の“心残り”を晴らすために行動することになるお話。

 それぞれの理由から友人関係に恵まれず、孤独を感じていた是光とヒカルが、だんだんとかけがえのない「親友」になっていく姿がたまりませんでした!!上手く笑えない不器用ヒーローと、上手く泣けないイケメン皇子ってもうその組み合わせだけで萌えるんですけど!!それだけでなく、ヒカルが女の子にだらしなくなってしまった理由とか、ヒカルが是光に声をかけた理由とか、是光の字が上手い理由とか是光が謝られることが苦手な理由とか細かいところでジワジワツボを刺激してくる。凄くジワジワくる。

 男子二人のやりとりだけでもうご飯おかわりいけるんですけど、女子がまた物凄く可愛い。クールビューティなツン女子だと思われていた式部さんの意外な一面が暴露されるところからどんどんデレが入ってくる流れとか本当に可愛すぎて、困る。葵がかたくなに閉ざしていた心を少しずつ溶かしていくのもよかった。

 ヒカルが死んだ理由や彼を取り巻く人間関係など今後に続くような謎も多くあって、続きが楽しみでしょうがないです。

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オカルトリック 02

 

元狐憑きの探偵助手・玉藻と、超絶美女の引きこもり探偵・ねえさん、向上心溢れるメンヘラ・イソラちゃん(キーワードは女子力! )。ギリギリのバランスを保っていた三角関係は、意識不明だったイソラの姉・舞花の目覚めと共に、次のステージに移行する――過剰で真摯な愛情が織りなす、混沌とした関係はどこへ向かうのか!? オカルト? マジック? ファンタジー? 夢と現実と過去が絡み合う、未だかつてない物語をご堪能あれ!

宝島社様より献本をいただきました!

 狐憑きの探偵助手・玉藻と引きこもりのオカルト探偵のねえさんと、最強メンヘラ・イソラたんが繰り広げる物語。

 なんか最初から最後までどこまでもイソラたんのメンヘラキ女っぷりに振り回され、そして圧倒された感が強いんだけど同じくらいねえさんの過去から現在に繋がるまでの物語の破壊力も凄かった。イソラの妄執ともいえる強く凶悪な愛と、どんな酷い目に遭っても手放せなかったヒトカケラを一身に注ぐねえさんの愛と、全てを知り、そしてその上で受け止めようとする玉藻の愛と。うまく言葉にできないけど、3人の綴ろうとする「愛」があまりにも強烈で。それぞれの「幸福」を追い求める3人の繰り広げる、文字通りの「愛」の物語に圧倒された。

 ラストがまた、終わってみるとここ以外に落としようが無いって思うくらい絶妙な所に落とされてて。確かに、この3人がそれぞれの形で「幸福」になるにはこの形しかないよなあ。イソラとねえさんが本当に幸せなのかどうかはわからないけど、そうなってると信じたい。だって、これは3人の「愛」の物語であると同時に「幸福」の物語でもあったんじゃないかなと思うのです。

 ほんと、面白かった。次回作も楽しみにしてます。
 玉藻のメイド服姿に挿絵がなかったのだけが心残りです。

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GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン4(中)

 

奥州上越関東の安定化のための外交作戦として、里見生徒会長を招き入れ、列強三国へ外交官を派遣することを決定した武蔵。その結果、最上家へ里見義康とアデーレが、上越露西亜の上杉家にトーリ、ホライゾン、メアリ、点蔵、ミトツダイラが、伊達家には鈴とウルキアガが外交官として赴くこととなった。だがその一方、武蔵内部に潜入した伊佐、穴山たち真田十勇士は密かに活動を始め、更には武蔵の眼下、水戸領地に対し羽柴勢が戦闘を開始。事態は急速に動き出す。各国に分割統治された中世の神州・日本を舞台に繰り広げる、壮大な戦国学園ファンタジー、第四話中巻。 (「BOOK」データベースより)

もうやめてあげて!ネシンバラのライフはゼロよ!!
 凍ってるのをいいことに、ことあるごとにネシンバラをネタにする武蔵面々が外道すぎる。そしてシェイクスピア再登場うれしすぎる。

 総長連合・生徒会やその他の面々が伊達・上杉・最上への外交大使として赴き不在の中、武蔵では内紛が持ち上がり……ということで、メインだけでも舞台が4つに分かれ、この他にも潜入中の真田十勇士やP.A.ODA+M.H.R.R.勢、蜻蛉切の件もあって失意中な二代などからの視点もあったりして割りと全体的に舞台転換が激しい巻。

 「交渉するとすぐ戦争にもっていきたがる」ネタで容赦なく弄られて涙目な正純が可愛すぎるんだけど、その裏でどんどんチートキャラ化していく鈴さん……隠密組のステルスをものともしない鈴さんの気配察知能力やばい。鈴さんとアデーレは小動物可愛い。ウルキアガ、外交中でもしっかり点蔵と協力体制でエロゲに熱中してるのが歪みなさ過ぎて可愛いんですが時折成実に対してみせる真面目な台詞でとてもニヤニヤできますね。あと、アニメでネイトの「貧乳回避」を見た直後に賢姉の「巨乳防御」でたいへんわらった。

 とりあえず、テンション修造系ショタ(?)の片倉小十郎君の挿絵を早くおねがいします。

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俺の悪魔は色々たりない! 白の祓魔師と首だけ悪魔

 

「ガキ、俺と契約しろ」右目を代償に、首だけの大悪魔・サブナクと契約した少年イト。イトは祓魔師として働く傍ら、サブナクの体を探すはめに!赴任先は、天然お花畑な眼鏡司教様(でもS)や、空気の読めない発言を連発する見習い神父たちとくせ者揃いで!?「愛してるぜ、イッちゃん」「気色悪い事言うな!」第10回ビーンズ小説大賞奨励賞受賞・ビーンズ最凶の問題児集団が放つゴシック退魔ファンタジー、開幕。(「BOOK」データベースより)

 ビーンズ文庫の新人さん。あらすじからどうみてもドS俺様×男前男子のにおいをかぎつけましたので思わず!!ひょんなことから首だけの状態で封印されていた大悪魔・サブナクを復活させてしまった少年が契約で悪魔の力を使い、サブナクの首から下を捜したりするお話。

 主人公のイトと大悪魔のサブナクが大変良いケンカップルでした。軽口を叩き合いながらもなんだかんだでお互いを掛け替えの無い相棒のような存在だと思っていて、時折お互いにそういう本音を垣間見せるのが美味しい。あと個人的に聖女様がマジイケメンすぎてシビれたので続編が出るなら是非とも彼女の活躍をお願いします!サブナクに正体(?)あばかれたときのやりとりがたまらないです!!

 ただ、「あざとく」ならない程度にニアホモ系ケンカップル匂わす程度を狙って、そのあざとさを消しきれなかったみたいな感じやや気になった…。時折、全年齢移植されたエロゲをやってるときみたいな、本来あるはずのシーンを別のものでさしかえてるみたいなもどかしさを感じるというか。うーん。ビーンズ文庫買うと時々ある、この「BLレーベルで読みたい」的感覚。メインじゃなくてもいいけど、こういう男くさい話だからこそしっかりと女の子分が欲しかった気がします。結構うやむやな書かれ方してたけど、作中にちゃんとした性別:女子ひとりもいなかったです……よね?(以上ネタバレにつき保護色色)

 このあざとさがもうちょい薄かったら少女小説というよりもむしろ少し前の角川スニーカーあたりとかにまぎれこんでそう。

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