魔王さま、地デジテレビを買うの巻き。あらすじ読んだとき絶対この話のラスボスは1巻で出てきたNHKの集金のおじさんに違いないとおもってたら既に大家サイドで解決してた!なんてこった!テレビの話は、むしろニート堕天使こと漆原が執着しないのがちょっと予想外だったのですがそうだよね……彼はネットの申し子……アニメ見るならネットで見るよ……(魔王城にある旧型PCで動画再生可能なのかはこの際置いておいて
とりあえず序盤の一流ニート堕天使vs三流ネカフェ難民大天使で萌え死んだわけですが、物語はフリーターネタが減ったせいか予想以上に天界・魔界入り乱れてのシリアス展開。恵美の両親や千穂まで巻き込んでの総力戦でした。天界の話が絡むと漆原が活躍するなあ……「一流のニート」語りで盛大にふきだしましたが、双方の情報を整理する探偵役を務める中盤はびっくりするほどの漆原無双。味方側でも突き抜けて年齢を重ねている事もあり、まだまだ色々魔奥や芦屋のしらないネタを握っていそうな感じ。
人間側は千穂ちゃんがうっかり○○しちゃったり(アルティメットまどかにしかみえなかったのは私だけで良いです)、いよいよ本格的に梨香と芦屋にフラグが立ったり……でこちらも目が放せない。梨香さんは今回で履歴書が出ていよいよレギュラーメンバー昇格なのか。次巻もとてもたのしみです。
シリアス分多めで魔奥の労働ネタは少なかったけど某うどんチェーンの話とか、新人バイトの教育の話とか、値切りの話とかなんだかんだで庶民ネタも忘れてはいないあたりがさすがすぎる。そろそろこういう小ネタで短編集とか出せるんじゃないですかね!本編シリアス気味だからそろそろ、ね!!ニート堕天使とネカフェ難民天使ズの怠惰な一日とか見たいですね!!
ところで、大変個人的に今回の「あとがき」にぐっ……となりました。言葉にうまくできなくてもどかしいけど、あの震災ってやっぱり何かを決定的に変えてしまったんだなあというかなんというか。
▼ 最近の記事
魔法少女育成計画
宝島社様より献本をいただきました!
このマスコットキャラがゲスい。
16人居る魔法少女の枠を半分にすることになった。週に1度、人助けをすると貰えるキャンディの数が一番少なかった魔法少女を発表し、その娘を魔法少女でなくす。魔法少女でなくなるとは、『死』を意味していた。最初は平和的な方法で魔法少女枠の争奪戦をしていた彼女達だったが、脱落=死のルールをはじめとして様々な事実が明らかになり、次第に追い詰められていく。あまりにもあっけない最初の魔法少女の『死』からはじまる物語の転落具合が凄かった。
ちょっと希望が見出せたと思うと即それ以上の絶望によって行く手を塞がれていく絶望感がはんぱない。ちょっとギスギスし始めた時に絶妙にそれを煽るような追加ルールが出てきたり、魔法少女内も当然一枚岩ではないので騙し騙されて殺し殺されていく展開が本当に凄かった。殆どの魔法少女達の事情は深く触れられないんだけど、死んだ後に描かれる「本来の姿」だけでも彼女達の想いや無念が透けて見えてきて、辛い。
マスコットキャラが外道な魔法少女モノというとどうしても「魔法少女まどか☆マギカ」が出てくるけど、キュウべえが根っこから別次元の生物だったのに対してこちらのマスコット役を務めるファヴはある意味魔法少女達なんかよりもずっと人間臭いのでタチが悪い。そして端々から感じる悪趣味さがどこまでも本当にゲスい。まじ、ゲスい。
個人的には「まどか☆マギカ」よりも「扉の外」を思い出させる悪趣味さだよなあ、と思う。ゲームマスター側に感じる悪趣味なゲスさとか、プレイヤー達を意識的に追い詰めるために存在する追加ルールやアイテムなんかのあたり。
とてもよい悪趣味さだった。そういうの好きな人なら超オススメ。
↓あわせて読みたい
しずまれ! 俺の左腕
宝島社様より献本をいただきました!
リア充高校生が爆発したら、左手に魔王が憑依していた。な、なにをいっているかわからねえとおもうがry←あらすじ
左手に憑依した魔王は無類のゲーム好きだった。ことあるごとに左手を操ってはネトゲやソーシャルゲーをやりこもうとする魔王を抑えようとする主人公・紳士だけど、その行動が結果的にどうみても邪気眼にしかみえなくて……という周囲とのディスコミュニケーション具合が楽しい。
そんな奇妙な一身同体生活を送るうちに魔王の可愛いところが少しずつ見えてきて、いつしか……という流れは少々強引に思えたけど、魔王への気持ちを自覚した後の紳士の恋する男子高校生具合はたいへんニヤニヤできました。彼女を護る為に強くなろうと思って空回りし、魔王と引き離されても彼女を助け出す為に頑張る男子高校生の妄想力マジ最強。
個人的には、魔王を追う勇者や警察の特殊部隊が動き出してからが本番かなあという印象。浪人生で超豆腐メンタル系ヤンギレ勇者・赤井川兎や頭髪に不安のある大鳥局長とのやりとりが楽しかった。シリアスバトルの最中にヅラだの浪人だの入ってイチイチ脱力させられるグダグダ具合は好き嫌いわかれそうだけど、個人的には結構好きです。
あと、幼なじみの2人が可愛すぎる。邪気眼認定されてクラスメイト達が距離を置いても、引きながらも以前と変わらぬ付き合いをしてくれる二人の友情って実は凄く貴重なものだとおもうんですが、正直恋する幼馴染暴走特急・巻名ちゃんが濃厚すぎて友情とか幼馴染とのほのLOVEとか感じてる場合じゃない感。健気可愛いんだけど、健気可愛いんだけどいろんないみで強キャラすぎる!!!
君の隣で見えるもの
東北の田舎町にとある事情で里帰りした都会っ子が、田舎の人々と交流しながら年下の従兄弟と相思相愛になるお話。
うーん、正直、東北弁に対するフォローがあとがきまで行かないと一切無いのがちょっとキツかった。かなりガチで東北弁なのですが、音が似てるからと共通語であてはめて意味を取ってたところが最後に答え合わせしたら全然違う意味で……みたいなの多数。なんらかの形で注釈が欲しかったなあ、と。
正直メインの二人はあんまり好みじゃなかったなあとおもうんだけど、方言の話はともかくとして田舎特有のゆったりとした雰囲気とか、そういうのが伝わってくるのが凄く良かったです。雪かきの話とか翌日筋肉痛とかニヤニヤする。
それにしても、元彼の城田先生が清々しいまでのクズで思わず笑った。
読了記録まとめ[2012年5月分]
5月の読了数は感想書いてない再読本2冊を含め21冊でした。
……うち12冊がBL……もう何のブログだかわからない……ラノベの感想を求めてうちに来てくださってる方にはほんとうにすいませんでも自重しない。
今月のオススメマンガ
今更過ぎるくらいの定番だけど「プラナス・ガール」最新刊が絆可愛すぎて死んだ。「魔法のアメ」からはじまってまさかのメイド祭に転がり、ウェディングドレスに飛び跳ねるよ。「男の娘」という単語はあまり好きじゃないけど、こればかりは至高の男の娘モノとして全力で押したい。絆かわいい。
あとなんか色々な人からオススメされて手に取った「月刊少女野崎くん」が猛烈に面白かった!無骨でごつい外見なのに少女漫画家の野崎君に惚れてしまった女の子がなぜかアシスタントにされてしまうお話。少女漫画家なのに恋する乙女の気持ちなど1ミリもわからない野崎君のすっとんだ発言の数々にふきださざるをえない。あとみこりんマジヒロイン。
5月の読書メーター
読んだ本の数:29冊 / 読んだページ数:6193ページ続きを読む
ごめんなさいと言ってみろ
出版社のパーティでいけすかない男・と大喧嘩をしてしまった少女漫画家の律は、親友だとおもっていた元担当編集・能代からとんでもない事実を聞かされる。そのショックから立ち直る暇も無く、能代から久々野とのコラボ企画を持ちかけられ…というお話。
俺様系で傲慢で尊大な久々野と、プライドが高くて男前だが意地っ張りな律の喧嘩ップル具合にときめきがとまらない。謝る気がないわけじゃないけど毎度いい具合に久々野に煽られて謝罪の言葉をひっこめてしまう律の姿に超ニヤニヤする。自分とは正反対に男らしい外見の久々野にコンプレックス刺激されまくる姿も美味しかった。
そんな二人が出版社の企画でコラボをすることになり、最初は断るつもりだったのにお互いの『作品』に夢中になってしまって……という流れがとてもたのしかった。特に、コラボ小説の第一稿を読んでその世界に引き込まれていく律の姿なんか、こっちまでその世界に引き込まれていく感じで。普段はぶつかってばかりなのに全く作風の違う二人がこれまでの彼らの持ち味を生かしあったまま、新しい世界を切り開いていく姿にわくわくする。
しかし、メイン2人のやりとりにワクワクが止まらない反面、能代の空気読めなさ・天然だからこそ邪気なくダイレクトに律のトラウマを抉ってくる姿がちょっとキツかったです。お前もうちょっと空気を……お願いなので空気を読んでください……。
きみがいるなら世界の果てでも
「マンガ家シリーズ」最終巻。漫画家仲間の律から「東海林に負担をかけすぎ」と指摘されて以来、自立しようと頑張る二木だったが思いは空回りするばかり。挙句、東海林に怪我をさせてしまって落ち込む彼の前に高校時代に世話を焼いてくれていた先輩があらわれて……というお話。
この人たち、お互いがいないと本当に何もできないんだなあ…!!二木の人間としての破綻ぶりも前巻以上でしたが、二木を失った東海林が予想以上に何も出来ない人すぎてふきだす。普段のしっかり者ぶりのイメージが強いだけに終盤の破綻ぶりには吹くしかない。
高校時代に二木の世話を何かと焼いていた先輩・甘利との三角関係(?)が中心なんだけどまさかああいう展開になるとは思ってませんでした……予想以上に重い展開に愕然としたけどオチを聞いてある意味納得というか、「嫌な奴」というイメージしかなかった甘利のイメージが一気に「かわいそうな残念な人」に変更された瞬間でした。先輩頑張れ超頑張れでも悪い事いわないから二木は諦めろ。
「マンガ家」シリーズ主人公総出演で、それぞれのスタンスを語ってくれたのも面白かったです。第二作だけ後回しにしてこれ先に読んじゃったんだけど、これは全部読んでから手を出すべきだったなあ。
カゲロウデイズ -in a daze-
ニコニコ動画にアップされている人気VOCALOID曲「カゲロウデイズ」を中心にした楽曲シリーズの小説版。表題曲にいたるまでの物語を描いた前日譚的なお話です。
謎の美少女ウィルスにPCを乗っ取られてしまった引きこもりの兄と何故か勝手に他人の『目を惹きつける』という異能に近い力を持つ超人気アイドルの妹。二人はそれぞれの事情でとあるデパートで起きた事件に巻き込まれ、『メカクシ団』と呼ばれる不思議な一団と出会う……というお話。ちょっと不思議な能力と独特なキャラクターを持った登場人物たちが繰り広げるやりとりが凄く面白く、そして中二かっこよかった。これは色々な意味でラノベ向けなお話だなあ。あと、挿絵が凄くよい仕事をしてる(「みたい!」と思った場面に入る+大変雰囲気に合ってる)
小説や漫画と違って聞いた人がそれぞれ、さまざまな解釈が出来るのが曲の醍醐味だと思うので、最近のボカロ小説化の波はどうなのかなーと思っていたけど、そういうのは置いておいてひとつの物語として楽しめました。主軸となる「カゲロウデイズ」の物語は次巻以降、存在を匂わせだけで終わっているので、この登場人物たちとどう絡んでいくのかがとても楽しみです。
ちょっとこれは、CD欲しくなりました。
棒投げ橋で待ってて
小児科病棟勤務の堅物看護師・雨市のもとへ、ある日突然、超お坊ちゃまの押しかけ女房がやってきた!幼い頃に一度だけ会ったことのある美貌の財閥御曹司・桜里は、生きがいを探すため、人並みの常識を教えてほしいと雨市に頼み込む。生活能力皆無のお坊ちゃまに庶民の暮らしぶりを教えながら日々を過ごすうち、桜里のことを可愛く思うようになる雨市。しかし、彼らのたどたどしい恋の行く手には、オヤジギャグ好きなハンサム小児科医・佐川や、桜里をとんでもなく溺愛する両親&二人の兄が立ちはだかる。堅物×お坊ちゃまの純情のゆくえは…!?大量書き下ろしの番外編は、おちゃらけドクター佐川と冷徹美形な桜里の兄・不律のスラップスティック・ラブ。 (「BOOK」データベースより)
新人看護士をしている雨市の元に、祖父母が使用人をしているお屋敷で一度だけ遊んだことのある名家のお坊ちゃま・新宮桜里が何故か自分をたよって押しかけてくる。やりたい事をさがしたい、という彼を暫く自分の部屋に置くことになったが……というお話。
二人がくっつくまでの経緯も可愛く面白くはあるんだけど、そんなことより2編目以降の新宮のご家族が面白すぎて笑いが止まらない。攻を縛り上げて大木から吊るす兄二人、親馬鹿通り越して何故か息子に銃を向けちゃう父、そして赤毛のアンフリークで破天荒すぎる母……と面白い人材にことかかなすぎ笑った。そしてそんな人たちに全力でラブシーンを邪魔されまくり、自棄になって事を致そうとする二人の姿に爆笑。しかしこれ、後日談では2人についてはサラっとしか出てこないんですが、きっと雨市君は色々な意味で抑圧されすぎて残念な紳士攻になる未来が見える気がする……桜里はエ○ビデオに行動左右されすぎだとおもうんです絶対マニアックなのみせて「今日はこれの通りに」とかいいだす未来が見える。
しかし、個人的には後日談にして番外編の「そして今週のふたりは…」が面白すぎてやばかった。桜里を溺愛する新宮一家の中でも群を抜く桜里バカの兄・不律が雨市の同僚にして桜里をたきつけた張本人である医師・佐川の元を訪れる話なんだけど、色々な意味で軽薄だった佐川が段々不律に夢中になっていって、ひたすら弟バカ一直線で周りが見えてない不律を振り向かせようと画策していく数々のやりとりにニヤニヤが止まりませんでした。不律さん良いツンデレ。
きみがいなけりゃ息もできない
「マンガ家シリーズ」第一作。色々な意味で人間として破綻している売れないマンガ家・仁木と、どうしてもそんな仁木の世話を焼いてしまう幼なじみの腐れ縁・東海林のお話。
タイトルの通り「君が居ないと息も出来ない」人間として最低限の行動すら東海林に依存しきっている仁木の破綻っぷりがどこまでも突き抜けているんだけど、実際東海林の歪んだ独占欲を内包した構いたがりっぷりも相当だと思った。これは受けが仁木だからこそ成立する話というか、仁木が普通に最低限の生活が出来る人間だったら一周回って東海林が破綻してた予感しかしない。なんか監禁とかしはじめてもおかしくない。
漫画家としてのブレイクを切っ掛けに仁木と距離を取る東海林が、どうみても仁木に未練たらったらなんですが、仁木の方は漫画家生命にも関わる大きなトラブルに巻き込まれて。ある意味自分の中に引きこもるタイプの仁木らしい立ち向かいかたがあまりにもカッコイイんですが一方で物凄くやせ我慢してるのが伝わってきて。その後の展開も含め、静かに熱い展開がとてもよかったです。なんか「元の木阿弥(むしろ悪化)」という言葉が脳裏をよぎるけど気のせいだ!!
綻びかけた二人の仲を強引に再度結びつけた仁木の大ファンで東海林のお得意先の娘・茜の行動力が男前すぎて惚れる。実は性的な意味でも色々いっぱいいっぱいだった東海林が彼女の前でのみ時折漏らすド本音にニヤニヤが止まりませんでした。この二人はなんだかんだいってその後も良い友人になってそうだ。
なお、新装版書き下ろしの「きみがいたんじゃ転居できない」は東海林と仁木の大学生時代の再会エピソード。生来の構いたがり体質に負けてなるものかと仁木に対して必死にツンツンする東海林が面白すぎてたまらないのですが、かませ犬ポジションの高島が残念な紳士すぎて盛大にふいた。