ページ 67 | 今日もだらだら、読書日記。

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勇者リンの伝説 Lv.1 この夏休みの宿題が終わったら、俺も、勇者になるんだ。

 
karory

ユースタシア学園―そこは大陸を跋扈するモンスターを駆逐するために設立された“冒険者育成機関”である。夏休み。勇者課程の落ちこぼれのリンと、勇者になりたい伝記士課程の少年・カイに出された宿題は、5つのクエストへの挑戦とその伝記の提出だった。しかし、STEP1「仲間を集めよう!」で揃ったのは、マッチョなニート戦士―「遊ぶことこそが生きるための生業であるという、その辛さがお前に分かるか!」と、ドSな巨乳召喚士―「この寄生虫が!」の二人で…!?これは、新進気鋭な魅力で溢れる勇者パーティーが繰り広げる冒険の日々をまとめた(愉快な)伝説の記録である。 (「BOOK」データベースより)

 勇者養成機関のユースタシア学園で、勇者としての将来を期待されていたのになぜか伝記士課程に振り分けられてしまったカイは夏休みの宿題に苦労していた。そんな中、勇者課程でおちこぼれまっしぐらな幼馴染のリンに夏休みの宿題を手伝ってといわれて……!?富士見ファンタジア文庫大賞の金賞作品。

 活字アレルギーな伝記士となまくら剣装備のアホの子勇者がボケツッコミを繰り返しながら微妙な仲間達とともに夏休みの宿題(クエスト5個達成)を目指すお話。勇者とその仲間達の冒険を楽しむファンタジーというよりは変な人達の頭おかしい掛け合いを楽しむお話でした。

 使い物になるのかならないのか良くわからないニーナさんの召喚術(※異世界の一般人を呼び出す程度の能力)もおもしろおかしかったけど、それ以上にポロリ担当系筋肉男子のジルが色々な意味で頭おかしかったです。はじけるきんにく!そしてファンタジー世界だけど色々世知辛い感じの世の中なのがジワジワくる。勇者課程卒業したといって勇者になれるとは限らないとか世知辛すぎますよ!?

 個性豊か(オブラート)な仲間達が集まってあらぬ方向に向かって暴走するバカ小説…とおもってたら最後でなんか綺麗に落としてきた。良い意味で軽く読めるお話なのでちょっと疲れたときの気分転換にはちょうど良いかも。面白かったです。

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甘城ブリリアントパーク1

 

謎の美少女転校生・千斗いすずが、可児江西也を放課後の教室でデートに誘ってきた。転校初日から校内で噂になるほどの女の子に誘われるというのは、悪くない構図だ。ただし―、こめかみにマスケット銃を突きつけられてなければ、の話だが。しぶしぶ承知して向かった先は「甘城ブリリアントパーク」。ダメなデートスポットの代名詞として名高い遊園地だ。そこで西也はラティファという“本物の”お姫様に引き合わされる。彼女曰く「あなたにこの『甘城ブリリアントパーク』の支配人になって欲しいのです」…って、なんで俺が。(「BOOK」データベースより)

魔法も希望もあるんだよ(でも夢と奇跡はありません)。

 転校生の少女に半ば脅されるようにして連れてこられた寂れた遊園地「甘城ブリリアントパーク」。妖精のお姫様に魔法の力を与えられ、なりゆきからその遊園地の支配人として、二週間以内に10万人を集客しなければいけなくなってしまった西也。しかし、“中の人などいない”を地でいく、どこかで見たようなマスコットキャラの妖精たちはいずれも一筋縄ではいかない者ばかりで……というお話。

 なかじまゆか先生の可愛い絵柄を楽しみつつ主人公が遊園地再建しながら美少女とフラグを立てる系のラブコメかとおもったらむしろ完全にマインドがオッサンな妖精達がひたすら居酒屋で愚痴る話だった。な、なにをいっているのかわからねえとおもうが略。そして会話が生々しい。居酒屋でこういう会話してるサラリーマンのおっさん、いるよね!!みたいないらぬ生々しさが全開です。

 妖精の国のお姫様と妖精たちが人間達の「楽しいと思う心」を集めるために働いている、という設定はとてもファンタジーですが、あくまでその能力には頼らず、あくまで人間の力で事態を解決していく姿がよかった。地道な広告活動や赤字覚悟の集客行為をしてもやはり人間のできることには限界があって、そこで残りの人数を集客するためには汚い手も使う。魔法のような「チート能力」にはあっても頼らず、どこまでも地に足がついた方法で集客を模索していくのが面白かった。ぶっちゃけ、最後の野球場のアレは物凄くファンタジーだとおもいましたが!!普通の高校生が潜入+破壊工作なんかして証拠を残さずできるわけないだろというか、もうちょっと頑張ってそこの部分にもちゃんとリアリティを追求してほしかった気はする!!

 キャラクター的には、西也の「ナルシストな友達居ない元子役」という設定は結構面白いのに割とその辺生かせてなかった気がするのが残念。っていうか、どうみても“ナルシスト”って設定が浮き上がってる気がするんですよねえ……友達居ない設定は今後学校での描写が増えたら自動的に生かされてきそうな気はしますが。便所飯してるのには噴出すしかなかった。

 西也とモッフルのいけすかないやつと書いて強敵と読む感じの関係はかなり好きでした。だがクライマックスの野球場はいろんな意味で無理がry

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蒼穹のカルマ2

 

「―ッけ、結婚してください―ッ!」鷹崎駆真に、出会い頭にプロポーズしてきた新人騎士・松永衛二。しかし急いでいた駆真に男の相手をする暇などない。入念な準備、完璧な計画―そう、すべては二週間後に迫った蒼穹園騎士団内で行われる重要な武会のため…ではなく―在紗の誕生日のために。彼女は手に入れなければならない。何を?在紗のプレゼントを!!急がなければ無くなってしまう。店に着いた駆真の一瞬の油断。振り切ったはずの衛二に再び邪魔をされ、売り切れてしまう商品。こうなったら武会に参加するしかない!!そこにはある心境の変化が。「騎士の誇りに目覚めたんだ」と駆真は宣言するのだが―。 (「BOOK」データベースより)

 空の魔女と呼ばれる女騎士・鷹崎駆真が愛してやまない姪のためひとり迷走するシリーズ第二巻。相変わらず駆真さんゆがみなかった……まじ駆真さん在紗だいすき。

 妹の誕生日プレゼントのために手に入れようとしてどうしても手に入れられなかった限定品のぬいぐるみが商品になってるときいて、彼女の誕生日パーティとぶつかるからという理由で出場する気がまるでなかった騎士団の武会に急遽参戦する事になった駆真さん。とにかくとっとと負けて家に帰りたい、と策を弄して負けようとする彼女と、色々な思惑により勝たせようとする上層部のやりとりがいろんな意味でカオスでした。ここまで暴走してるのに外面はそんなところ1ミリも見せないクールビューティでとおしてるんだから、いろんないみで凄いな…

 1巻が色々な意味ではっちゃけすぎだったのでそれから考えるとちょっと大人しめなイメージの2巻だったけど、個性豊かな新キャラたちや相変わらずゆがみなさすぎる駆真さんの行動に今回も笑わせてもらいました。駆真さんの愛する姪・在紗にも何か秘密がありそうだし、続きがどうなるのか楽しみです。

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問題児たちが異世界から来るそうですよ? ウロボロスの連盟旗

 

箱庭の下層が“魔王連盟”に襲われたことで、煌焔の都に“階層支配者”が集結することに。魔王を倒すコミュニティ“ノーネーム”も抜擢されるが、黒ウサギが休暇のため、問題児3人はフリーダムに遊び始める!そんななか主従関係を結んだジンとペストは、旧知の仲である北の“階層支配者”サンドラに出会う。だが彼女は顔をフードで隠し、黒ウサギもかつて負けたギフトを持つ、“魔王連盟”のリンと殿下と行動を共にしており!? (「BOOK」データベースより)

 「ノーネーム」の連盟交渉も大詰めを迎える中、いよいよ彼らから旗印を奪った「魔王連盟」が動き出すシリーズ第6巻。

 ウィル・オ・ウィスプがつれて来た連盟最後のコミュニティのメンバーが予想外すぎる。しかし、再登場したあのひとなかなかいいキャラですよね。是非ともここは、元敵にありがちなツンデレキャラで頑張って欲しいです。

 前の巻も凄かったけど、今回もジンの活躍が凄かった…!!一切そぶりを見せないまま正確に現在自分達の巻き込まれた事態を把握し分析し、タイミングを見計らって対峙する手腕には本当に驚きを隠せない。いやなんかちょっと、十六夜という師匠の存在がなければここまでの急激な才能の開花はしなかったでしょうが、あくまで将来性を見込まれた実力不足のコミュニティリーダーではなく、実力共にキワモノ揃いの「ノーネーム」を御するに相応しい知識と統率力を兼ねそろえてきた感じなのが本当に感慨深い。

 メインの物語はジンとペストの主従関係に主眼を置きつつ、飛鳥の新しいギフトと、そして連盟最後のコミュニティまで登場して次巻への布石は十分、という感じ。物語の決着は次巻にもちこされた感じなので盛り上がりには欠けるけど、とにかくもう次がどうなるのか楽しみで仕方ない引き方でした。

 なにより、7巻目にして初めての十六夜・黒ウサギメイン回っていわれたらもう期待するしかないじゃないですか!次の巻が本当に楽しみです。

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俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる6.5

 

夏川真涼は、隣の席になった季堂鋭太を見て、すぐにピンと来た。「ホモだわ、この男」春咲千和は、前から気になっていたことを、なにげない風を装って、幼なじみの鋭太に聞いてみた。「夏川真涼ってコいるでしょ?」季堂鋭太は、元カノができる前、「自演乙」が結成された初夏に、“かわいい妹”と出会う。「やっと会えました、美晴のおにいちゃん」『GA文庫マガジン』に連載されていた「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる+H」を完全収録!さらに書き下ろし短編はカオルの秘密が明らかに!?裕時悠示×るろおが贈る甘修羅コメディ。 (「BOOK」データベースより)

表紙の美少女……一体なにry

 GA文庫マガジンで連載されていた中編とカオルのひみつに迫る書き下ろし短編を収録した番外編。パチレモンのカオルの回答がイケメンすぎて惚れました抱いて!(鋭太を) その後の鋭太の回答まじ歪みない。パチレモンの編集者のコメントもゆがみない。

 「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる+H」は、突然あらわれた謎の少女・美空美晴が鋭太に猛アタックし、彼女と幼なじみが振り回される話。真涼と千和が珍しく共闘する展開が個人的にとても美味しかったんだけど、終盤無駄にかっこいい鋭太が美晴のついたとある『嘘』に騙されなかった理由で盛大にふいた。鈍感主人公のガード硬てえ!!!ほんと、それさえなければかっこよかったのに!!

 真涼が鋭太を『ちょっと気になる男子』として認識し、黒歴史ノートを獲得するまでの話が描かれていたのも面白かったです。まさかのそんな理由……!黒歴史ノート自体は偶然だったけど、鋭太に目をつけたのは偶然じゃなかったんですね。

 「カオルのカオリ」は親友・カオルからのお願いで何故か鋭太が彼女にも幼なじみにも元彼女にも婚約者にも内緒で“カオリ”という女の子とデートする羽目になるお話。どうみてもカオルの女装にしか見えない彼女との、不思議な1日。カオルだろうと思いながらもやはりカオルの妹というのが本当なのかと思ってしまう場面もあり、結局正体不明なままの彼女と過ごしながらも、親友に感じる不思議な居心地のよさを感じてしまう流れがとてもよかった!!男だか女だかどっちだかわからない不安定感とか、恋人としての甘酸っぱさと親友としての居心地のよさが共存する不思議な感覚と、ひょっとしたら相手は親友なんじゃないかという軽い背徳感がたまらない!!今回の件でますます不明瞭になった感じのあるカオルだけど、個人的にはもうここまできたら性別不明瞭を貫き通してほしいなあ。性別:カオルでいいよ。ホモならホモで 私 は 大 歓 迎 で す が 。

 彼/彼女とのやりとりがなんだかミステリアスでどこか甘酸っぱく、そして微笑ましいお話でした。色々な意味でここで実は女子でしたとかそういうバレがきちゃうのかとハラハラしていたけど、大事な所は曖昧のまま綺麗に落としてくれて本当に良かった!

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死神姫の再婚 -四つの愛の幕間劇-

 

「死神姫」アリシアと「暴君」カシュヴァーン。金で買われた夫婦関係の二人はある日、ちょっと変わった新婚旅行へ行くことになるが…?『FB Online』で連載された「お手軽新婚旅行」を始め、カシュヴァーンが怪物となっていく過去を描く「成長痛」や、再婚したにもかかわらず、アリシアの王子様を決めるべくルアークと対決する「今さら王子様選挙」など、四つの「愛」に満ちた短編集。 (「BOOK」データベースより)

 死神姫の再婚シリーズ短編集第二弾。過去編を除き、基本的に時系列順になっているのが興味深いというかカシュヴァーン様が少しずつ残念な嫁バカになっていくのがとてもわかりやすい短編集。+「オトキュン!」に収録された学園パロディ短編が掲載されています。

 最初の2編はFBオンラインに掲載されたせいもあるのか、序盤のまだまだラブラブには程遠い2人の話。「お手軽新婚旅行」ではまだまだツンツンしてるカシュヴァーン様が大変新鮮でしたが「恋も剣技もお代次第」では既に色々仮面がはがれまくったあとという感じが大変美味しい。剣のお稽古にかこつけてアリシアのキスを強請るカシュヴァーン様まじ残念。

 個人的に一番好きだったのはカシュヴァーンの少年時代から『怪物』とよばれるようになるまでを描いた「成長痛」でした。父に疎まれ、トレイスの姉・リリアを父に奪われたカシュヴァーンが少しずつ思いつめていく様子が痛々しい。暴君の道を歩みながら、そして唯一の理解者となってしまったトレイスに依存してそれ故にすれ違っていく。口ではどんな風に言っても最後は自分を信じてくれると思っていたトレイスすら神に奪われたカシュヴァーンが静かにトレイスと決別する姿が、どんなに強がっても父親のように大事な人間を切り捨てる事だけはできないカシュヴァーンの甘さが、切なかったです。

 しかし「成長痛」の後に読む「今さら王子様総選挙」の、なんてカシュヴァーン様どうしてこうなっ幸せそうなこと!!シルディーンの内乱を乗り越え、今まで以上に強い絆で結ばれたカシュヴァーンとアリシアの幸せそうなバカップルぶりにニヤニヤがとまらないんですがもう今すぐアリシアを押し倒したくておいしく戴きたくてたまらなそうな、発情期まっただなかなカシュヴァーン様マジ残念!!!

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(仮)花嫁のやんごとなき事情 -離婚できずに新婚旅行!?-

 

「新婚旅行に行かないか?」―とある事情で身代わり花嫁中のフェルに、突然鬼畜な策略家の旦那様・クロウが言い出した。彼とは離婚大前提の(仮)結婚なのに冗談じゃない。と抵抗するフェルだったが、どうやら旅先にはクロウの“陰惨な過去”が関与しているらしい。仕方なくラブラブ夫婦を装うフェルにさらに襲いかかったのは…げっ、旦那様と同じ寝台!?フェルのニセ新婚生活第3弾。 (「BOOK」データベースより)

 自分と顔がそっくりな王女・シレイネの身代わりで隣国の“毒龍公”クロウの元に嫁いだ庶民の娘・フェル。さくっと離婚して大金ゲットの筈がなかなか離婚できないばかりか、今度は新婚旅行に行く羽目になってしまって!?なシリーズ第3巻。

穢して!!!しまおうか!!!(床ドンッ)

 巻を追うごとに独占欲が先走り、どこかの怪物王子様とは別の方向に残念な方向に進化していくクロウがフェルを手のひらの上でころがしてる様子が相変わらずもうすきすぎてたまりません穢してしまおうか!!!(挨拶)序盤のひざまくらでもうしんだと思いましたが、ラストの「穢してしまおうか」の破壊力で床が抜ける床ドン!!!

 徐々にクロウへの気持ちを無自覚に募らせてきたフェルが可愛くて可愛くて……。離婚するという最終目的は揺らがないにせよ「離婚するにしても嫌われたいわけじゃない」と思ってたり、愛の言葉を掛けられてもそれが自分ではなく本来はシレイネが受け取るべき言葉だ…と考えてしまったりで、もう完全に気づかないのは本人だけ状態なのが可愛くてかわいくて!!

 しかし、そんな女の子らしい一面を覗かせながらも旦那様の無実を証明する為に奔走する行動力はさすがでした。色々彼女のバックグラウンドにもなにかありそうな気配なんだけど、それはそれとして、やっぱり身近な人のために一生懸命になれる行動力こそが彼女の最大の魅力ですよね。ほんと、可愛いなあ。

 次巻、いよいよフェルが自分の気持ちを自覚したところで遂にラスボスの風格すら漂わすあの人が動き出すのか!?色々な意味で続きが楽しみです。

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STEINS;GATE‐シュタインズ・ゲート‐ 変移空間のオクテット(2)

   
原作
5pb.×ニトロプラス

秋葉原の街中で起きた爆発。それは岡部倫太郎、いや“鳳凰院凶真”への挑戦状であった。忍び寄る闇の力が秋葉原を覆わんとする時、光の使徒たるラボメンの新たな“力”が覚醒する…!?これは夢か現か。それともただの妄想の産物に過ぎないのか―数多の謎が拡散と収束を繰り返す“混沌の世界線”で、世界の未来を賭けた最終決戦が始まる。 (「BOOK」データベースより)

 シュタゲの番外編的ゲーム「変移空間のオクテット」のノベライズ第二巻。第1巻でクライマックス以外の原作殆どの内容をやってしまっていたので2巻では一体何をやるのかとおもっていたのですが、「オクテット」の世界線よりも更に「妄想」よりの世界線を舞台に何故か『機関』に狙われることになってしまった岡部と、いつもとちょっと違うラボメンたちが繰り広げるオリジナル展開ストーリーでした。なにこれ困惑するほど面白い。1巻はほぼ、原作をなぞっているだけだったというのに!!

 岡部が携帯電話に向かって適当に話していた厨二病的な「設定」の数々が現実化してしまったトンデモ世界。一方、ラボメン達も岡部の口先だけの「設定」や願望を反映して謎のパワーアップを遂げており……と、次々に謎の力を発揮しだすラボメン達の大活躍がちょっと面白すぎるんですが、その一方で「オクテット」の世界線の設定をさりげなく補強・補完していたり、シュタインズゲート世界線到達後の岡部と紅莉栖の関係にさりげなく触れるような展開があったり…と、要所要所で胸を熱くさせてくれる展開が楽しかった。ツッコミ不在すぎるオカリンとダルの息のあった厨二病会話がジワジワくる。あと、ルカ子さんがキャラ変わりすぎててもう……抱いて!!(オカリンを)

 そして若干流れは変わってしまったけど最後の『疾風迅雷のナイトハルト』と『狂気のマッドサイエンティスト・鳳凰院凶真』のやりとりはやっぱいいなあ。岡部の厨二病っぷりをいつも通りのノリで揶揄しつつも、なんだかんだでノリノリなところを隠せない西條さ……ナイトハルトさんのノリの良さが大変に楽しい。ラストはちゃんと原作通りに落としてくれて満足でした。面白かった!

 しかし、本当に1巻が悪い意味で原作通りなのが損してるノベライズすぎて……もうちょっとうまいこと1巻の方も調理できなかったのかなあ!もったいない。

「では、ここでお別れだな。疾風迅雷のナイトハルト」
「またいつか会えることもあるだろうさ、鳳凰院凶真」
「フッ、それが運命石の扉の選択ならばな。では、そのときまで。エル・プサイ・コングルゥ」
「エル・プサイ・コングルゥ。ふひひ」

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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 降臨、蒼海の覇者

 

いよいよ始まったアンダーウッドの収穫祭!飛鳥と耀は狩猟祭に参加し、十六夜は縁日荒らしを、ジンは“ノーネーム”の連盟旗を作るために動き出す。そんななか黒ウサギは、神格を返上したことで最強の“階層支配者”を退くことになった白夜叉に連れられ、魔王“平天大聖”の元に向かうが…!そしてお待たせしました!「水着着用が義務!!」(by白夜叉)の“ヒッポカンプの騎手”のメインゲームが始まりますっ。 (「BOOK」データベースより)

 数ヶ月遅れで開催されることになったアンダーウッドの収穫祭を舞台に、様々な思惑が絡み合うシリーズ第5巻。

 水着!とか縁日!!とか食べ放題!!!とか全体的に箸休め巻なイメージだけど、その裏で各面々の成長や、信頼、今後への伏線張りを着々と行ってる感があってとてもたのしかった!飛鳥や耀の成長も勿論だけど、例え大きな手札を持っていたとはいえ大手商業コミュニティの長と互角に渡り合うジンの成長が本当に凄かった。

 自分が育てたといってもいいジンの、そして同じ問題児仲間である飛鳥や耀へ向ける十六夜の考えが少しずつ変わってきているのも感慨深かった。今アニメでやっている原作序盤の展開を見ているとけっこう十六夜って彼女達を自分よりも下というか、仲間となってからは庇護すべき対象としてとらえていた感じが強かった気がするんだけど、そんな十六夜が3人を同志として信頼して大事な局面を譲る場面が多かったように感じられて。

 各々の様々な成長を描く一方で、やっぱり爽快な俺TUEEE要素も忘れちゃいないのがこのシリーズの楽しいところ。前回の戦いを経て今まで以上に成長した問題児達3人が力を合わせて戦う“ヒッポカンプの騎手”は本当に楽しかった!大きな実力を持つけど過去のとある出来事がきっかけで何事にも本気を出せなかった蛟劉が十六夜との戦いでその熱さを取り戻す展開はアツい。

 昇格にむけての連盟の準備も着々と整い、色々なことが明かされて、今後の展開がますます楽しみになりました。

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はたらく魔王さま!7

 
029

『訪問販売』―漆原が悪徳訪問販売業者に騙された!代金を取り戻すため事務所に乗り込んだ魔王の運命は!?『捨て猫』―帰宅した魔王が懐に抱えていたのは、銀色の捨て猫だった。飼い主を捜す魔王たちだったが…?『お布団』―アラス・ラムスの布団を買いに行くことになった魔王と恵美。仲良し家族といった雰囲気に、恵美は頭を抱えることに。『はたらく女子高生』―千穂がマグロナルドでバイトを始めたきっかけとは?まだ普通の女子高生だった千穂と、新人時代の魔王のお話。「電撃文庫MAGAZINE」掲載の短編3本に、書き下ろし中編1本をプラス。 (「BOOK」データベースより)

 電撃文庫MAGAZINEに掲載された短編にちーちゃんと真奥の出会いを描く中編書き下ろしを加えた短編集。

 あらすじ出た時から物凄い期待してたんだけど、漆原が訪問販売に騙される「魔王、誠実な商売を改めて決意する」が色々な意味で期待以上だった。珍しく責任を感じてしおらしくしているのに、結局芦屋がいないと自宅すら警備できない自宅警備員・漆原さすがのニート駄天使すぎる。まだとても慣れているとは言えない人間達の社会に振り回される元魔王軍TOP3とは対象的に、横からやってきてキビキビと事態の解決を図る女子3人がとてもかっこよかった。そしてラストの漆原デレにニヤニヤせざるをえない。

 真奥が拾ってきた捨て猫に情が移ってしまう面々を描く「魔王、捨て猫を拾う」と真奥と恵美がアラス・ラムス用のお布団を買いに行って各所で夫婦扱いされたり微妙な距離感にわたわたしたりする「魔王と勇者、お布団を買いに」も相変わらずの地についた生活感満載でとてもたのしかった!そしてどたばたと楽しい物語の中、異世界の魔王とは思えない真奥達の人間臭さに困惑する恵美と鈴乃や、現在の家族のような関係がいつまで続くのかと様々な意味で考えてしまう恵美の様子がとてもよかった。

 「はたらく女子高生 ? a few days ago ?」は進路に悩む千穂が偶然放課後に立ち寄ったマグロナルドで起きたトラブルをきっかけにしてマグロナルドでのアルバイトに応募するお話なんだけど、千穂ちゃんと出会ったばかりの真奥の常識の抜けっぷりヤバイ。仕事に関しては気配りまで完璧なのに、それ以外の日常知識が抜け落ちすぎな真奥さすが過ぎる……色々な意味で、あれでも本編開始時の真奥は色々社会勉強した後だったんだなあと実感するお話でした。

 勿論バイト先の選択も良かったんだろうけど、その一方でバイト先でこれだけ和やかな人間関係を築けたのは彼女自身の人柄と、たゆまぬ努力のお陰なんだなあ。仕事を少しずつ覚えながら、なんだかんだで少しずつ真奥に惹かれていく千穂ちゃんが始めての気持ちに翻弄される様子がもだもださせられて大変可愛い。まだ自分の気持ちを自覚しきっていない千穂ちゃんの姿が可愛すぎる。

 その一方で木崎店長のかっこいい大人ぶりにひたすらシビれる話でした。物事の考え方も物凄く憧れるけど、彼女の人材を見抜く目ってわりと尋常じゃないよね。

「そんな先のことなんか考えなきゃいい。来年のことなんを言えば鬼が笑う。大人になったって一年先のことも分からないのに、君達のような子供にそんな大味な選択を迫る今の大人社会の尻の穴の小ささはまことに嘆かわしいな」
 そして木崎は、はっきりと言い切った。
「進路というのは、明日のために今日、何をするかを考えることだよ。一年先のことは分からなくても、明日自分が何をしたいかくらいは分かるだろう?」

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