同盟国に行く予定だった天才少女の姉・グリンダが失踪。彼女の双子の弟のシャールが身代わりになることになってしまう。ドレス姿で王様の子供達の家庭教師をさせられることになったけど、子供達は一癖も二癖もある面々で……!?
あらすじを見ると女装物っぽい感じだったけど、女装物というよりも入れ替わり物として面白かったー。天才の姉を持つ平凡な弟の苦悩とか、男だとバレそうになるハプニングが満載でとても楽しい。しかも、本人は一生懸命バレないように努力したりして気を揉んでいるというのに、殆どの人たちは“彼女”の行動を勝手に良い方に良い方にと“解釈”してしまうので、噂と誤解がどんどんあらぬほうに一人歩きしていく展開が面白かった。姉のような天才を理解できないと考える一方、「彼女が居ればなんとかなる」みたいな、どうしようもなく彼女の存在に依存しているシャールの弟ぶりも可愛かったです。
個性豊かな王様の子供達や国の人たちに囲まれて、姉の戻りを待ちながらなんとかやっていく“彼女”なんだけど……一体何本のフラグを乱立させてるんですかこのフラグ建築士!!敵味方・性別すらも関係なくどんどんフラグが立ってしまう終盤の展開が面白すぎて!まだまだ入れ替わりは続きそうな気配ですが色々な意味でこれはどうなってしまうのか楽しみです。
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ROBOTICS;NOTES 2 キルバラッド・ファントム
「Robotics;Notes」の物語を登場人物の1人・神代フラウの視点から追うノベライズ第2巻。さりげなく出てくる「栗御飯とカメハメ波」の名前にふきだしたのは私だけじゃないはず。
原作ゲームでいうとフラウの個別ルート入る直前くらいまでのお話。個別ルートに入ってしまうと、基本的に海翔・アキとメインとなるヒロイン以外の動きが見え辛くなるので、物語の中でも特に殆ど動きのみえなかった淳和ルート間の彼女の動きが見れたのがとても面白かった。いつも通り変な事を言ってるフリして内面では深く動揺し、傷ついていたんだなあと思うと胸が痛い。そして彼女の気持ちを敏感に察するとか当然できなくて、すげない態度を見せる海翔がさすがすぎました。
あと、ちょくちょく挿入される過去のフラウ母の視点が…!!原作と某ノベライズを呼んでいるとあの黒幕さんめが!!という気持ちになること請け合いなのですが、ほんと、びっくりするほど何もかもが黒幕である彼の元に集結するようできているのが改めて……。
次巻ではいよいよフラウルートでの物語に踏み込んでいくのでどうやって物語を補完してくれるのか楽しみです。しかし、他のキャラクターのスピンアウトが入るってどれのことなんだろう。個人的には愛理ルートでのフラウの動きとか見たいんですがそういうのこないですか。
ゲジ姉たんにオススメの薄い本教えてもらいたい。
読了記録まとめ[2013年1月分]
1月の読了冊数は13冊でした。
2013年1月の読書メーター
読んだ本の数:37冊 / 読んだページ数:7825ページ
粘着音のつくりかたわろた。面白かったけど、エロゲ会社でのエロゲ製作と学園生活どっちの描写もいまいち盛り上がりにかけたかなあという気持ちが若干…。

“これからも彼らの日常は続いていく”とゆるっとほの暖かく締める終わり方がとても好きでした。原作にあったシリアス展開は一切挟まず、あくまで彼らの幸せで閉じきった日常のみを描ききって原作に帰って行くような終わり方が素敵。あと、会長と杉崎のキャッチボール話の破壊力やばい!!はがないコラボは買い逃がしていたので収録してくれてありがたかったです。

序盤からスガさんの熱意にきゅんきゅんさせられた!思うようにいかず試行錯誤を続ける日向を激励する先輩たちの頑張りが熱い。練習試合の真剣なぶつかり合いと、それとはうってかわっての試合前後の両校選手の仲良し具合にものすごくときめいた。セッター二人のコミュ障対決可愛い。キャプテン二人の昼行灯対決ニヤニヤする。西谷さんまじ旭さん大好きすぎて微笑ましい!旭さんのガラスハート……。そして田中先輩いつのまにそんなに意気投合しちゃったの!男子高校生全開すぎるやりとりにニヤニヤとまらなかった。

伝奇系ちょいエログロ暗黒ラノベかとおもったらむしろ重たい設定をツマミに人外ヒロインたちとのちょっとかみ合わないサツバツとした下ネタ系会話劇を楽しむのがメインだったみたいな。前者を期待していたので、おおう、となったけど面白かったです。主人公は死にかけてるんだからもうちょっと瀕死ぶり強調しても良かった気がする

いろいろ開き直った葉露君のリリ姉へのぶっちゃけ具合にものすごいニヤニヤする。そして本編並行で進んでた2シリーズに綺麗なオチをつけてからの、シリーズ登場人物勢ぞろいの二次会のぐだぐだっぷりが最後まで彼ららしく、とてもたのしかった。生徒会の中だけではじまった閉じた物語にこれだけたくさんの人物が関わってきたのだなあとおもうと感慨深い。枯野マジツンデレ。あとオチがまさかの兄さん。

1年の時に旧生徒会メンバーによってフラグを立てられた(ただし杉崎側のみ一方的にw)杉崎が、色々合ってこんどは自ら新生徒会メンバーとのフラグ構築の為に奔走するお話。メインのお話も楽しいけど、旧生徒会メンバーや家族や幼馴染、そして学校では親友やら宿敵やらに支えられながら孤軍奮闘する姿が楽しかった。風見めいくとの相棒関係も美味しいなあ。


序盤の揺らがない夏川真凉さんどこいってしまったんだよ可愛すぎる…あと黒歴史ノートが過去最大級にズルい

実はギャグだよと聞いてはいたけど聞いてた以上にはげしくギャグだっためちゃくちゃ笑ったwww仲悪しな似た者同士は良いものです。

日高親子の昔の仲良し親子っぷりが可愛すぎる。何度も壁にぶつかって挫折を経験した昴の複雑な心情は原作ゲームでもうっすらとわかるように描写されていたけど、改めてロボットに対する情熱やただ真っ直ぐに夢に向かって突き進もうとするロボ部(というかアキちゃん)への内心の屈折した感情が見て取れて、とてもよかった。

「コスプレは脱がしちゃだめなんだ!!」まったくそのとおりだとおもいます描き下ろしの着衣じゃんけん!が!!個人的には、メインの話以外は全体的にもうちょっと受の子に恥じらいとツンがあったほうが好みなんだけど、攻めの子の着エロ関係のこだわりが大変美味しかったです。女装じゃなくても徹底的に受けの子を脱がさない徹底具合が素晴らしいと思いました。あと「恋愛マニュアル」の、普段寡黙なのに突然饒舌になる攻おいしい。

基本設定は知っていたけど、あらためて初手から既に全力で全滅エンドの予感しかしない…

その後の運命が明確になってしまったぶん、選ばれた子供たちがその時までをどうやって生きるかに焦点が…今巻で犠牲になった2人がどっちもとても良い子達なのでとてもやりきれない。

「精神がまともなの、加古と古茂田くらい」でなんとなくあーっとなった。加古はほんとに普通の少年の反応だよなぁ。そして本田さん色々壮絶…。

チズの最後せつない……。

うわあ、敵の正体うわあ………。マキちゃん良い子…。

キリエと田中さんの会話、考えさせられるなあ。先生はあれだけ色々あったのに変わらずドクズ……

コモの最期せつなすぎる……

アンコの話の最後の最後でジワっときた。ウシロが〜、というのはなんとなくそんな予感がしてたけど、最後のカナちゃん!?

ま、前巻から引き続きわかりやすい死亡フラグ会話はやめるだーー!!カナちゃんけなげすぎる…。マチちゃんの正体はとにかくコエムシがって……えぇっ!?

ウシロとマチの旅にジワジワ泣かされるわ二人のもどかしいやりとりにニヤニヤしたりしてたらこれだよ……これ…だよ……。

最後の最後でコエムシがかっこよすぎて困った件。ウシロの戦闘はもうちょっと綺麗に終ると思ったのに最後の最後で壊滅的に救いなかったなあ…。

エリス様ナイスFUTOMOMO!!(コメント書いてる最中にエラー出て消えたのでなんかもうこれだけ書いておけば良いような気がした)

ノーザルツ公の追及をかわしつつ、歴戦のオジサマを口説き落とすレティまじ男前!!クライマックスのやりとりで転がった。

だめだこの主人公なんとかしないと…。恭太郎より恭太郎を説得するアレスタがかっこよすぎたので、もうそろそろ彼に日の目を見せてあげてください。あと、姉ちゃん反則すぎワロタ。

正直、タイトルで判別できない短編集を完結目前に挟むのやめろしと思うんだけど、カリギュラと桜子の話はこのタイミングでないと入れられなかったよなあ。11巻の恭太郎の行動に対してフォロー入ってたのはよかった。

合宿からの遭難→お見舞いコンボとか、あと蛍君をふまえた微妙な三角関係っぽいアレとか、もうなんかほんとニヤニヤとまらないやばい。

2巻のラストがアレだっただけに、最初からクライマックスすぎる。片割れを見失った白が壊れそうになりながらギリギリの所から「真実」を見出していく展開がアツかった!しかし、本当にもとの世界で何があったというんだ…//あとがきからもれ出てくる流れが色々家庭内製手工業すぎてヤバい。本文に挿絵にコミカライズの下書きまでってどんだけ…

さいごのさいごで中○しだの生○だのと壮絶な生々しさだった…そこはファンタジーのままおわらせてくれよ!本編終了時点でメルルちゃん15歳も正直ギリギリ感ありすぎるけどカリギュラ様11歳はガチでアウトだとおもう。

テジュンが残念すぎて可愛すぎる。少しずつヨナ一行に感化されて良い方へと変わっていくのがアツかった!そしてヨナ姫かっこよすぎ。

主人公カップル関係ない所で三角関係デキたりほもゆりな四角関係が出来上がっている…!!太陽の孤立無援っぷりがさすがの不憫No.1男子だなあ。表紙見て一瞬最終巻かとおもったむしろヒドい引きで次巻につづいてた。

独占欲強いやんちゃ系年下攻×可愛い系で無防備男前な年上受美味しい…!!メインのカップリングが好きすぎるんだけど、途中からパパンが可愛すぎて目が離せなかった…どっちのカップリングも大変美味しかったです。親子でストーキングと盗撮しすぎふいた。

表紙と主人公の名前につられて正直すまんかった…序盤はアキちゃんがずっと彼シャツ状態だったので大変美味しかったです。それはおいておいて、すごい、主人公含め登場人物にキチガイしかいない(※褒めてる)サスペンスっぽい何か。色々導入部分という感じなので今後の展開が楽しみ。

サラシをはがす場面が大変いかがわしい。そして主人公の過去うわあ…TSだけじゃなくて、微妙に二重人格状態になってると見ていいんだろうか?伏線ばかり増えていく感じで、どういうふうに回収していくのか楽しみ。

びっくりするほど正統派なスポ根系近未来バトルものだった!主人公が自分の実力を自覚し、底辺から必死に努力して、今の自分に何ができるか考えて、必死に周囲に喰らいつき、おいついていこうとする姿がアツい。なんだかんだで潜在能力に目覚めそうな気配だし、色々一筋縄ではいかない黒幕もいそうだけどその辺も今後どうなっていくのか楽しみ。幼なじみとの無自覚夫婦具合がたまらなかったです。

用務員な芦屋も大変微笑ましいけどヒキニートストーカー生徒会長な漆原が可愛すぎてそれだけで元をとった気分に。しかしどうせ学パロなら原作をアレンジしながら踏襲する展開じゃなくて一通りキャラだしした後はオリジナル展開とかではっちゃけてくれてもいいきがするんだけど。そういえば恵美は普通に高校に通っていてもおかしくない年齢だった…(素で忘れてた)

最後の1Pが反則過ぎる!!未来の王としては優しすぎるレティの考え方にいろいろなことを気づかされ、そして憧れていくアストリッドの姿にニヤニヤした。あとノーザルツ公とレティの似たもの同士が故の奇妙な信頼関係美味しい。
読書メーター
おこぼれ姫と円卓の騎士 少年の選択
いつか来るだろうとおもってたけどついに来たアストリッド回!前巻からの続きで山火事の対処に向かったレティ。デュークとクレイグを現地に残したまま一度王城に戻り、大規模な支援を取り付けたまでは良かったが、戻りの道で襲われて!?……というお話。
なんというか、2人の兄達とはむしろ仲が良いのにそれを許してくれないお国の事情が本当にやりきれない。本人達に争うつもりはないのに周囲がそれを煽り立てる状況が辛かったです。しかも、それをやってる本人達はそれが彼らの為になると思っているのがまたなんというか…。
そんな中、レティとふたりきりになってしまったアストリッドが、未来の王としては弱点にすらなりうるレティの「優しさ」に触れ、これまで以上に感化されていくのがとてもよかった。殺してしまう事よりも難しい、「全員を生かしたまま事態を解決させる」ということをレティの命令ではなく(レティの言葉に感化されたからとはいえ)自らの意思として行おうとする姿に胸が熱くなりました。
また、物語の幕間で展開される過去未来の王たちとのやりとりがまた、良かったなあ。“失恋王”という間の抜けた渾名からは想像できないような重いものを背負ったルートガーの姿に、ゾクリとしながらもかっこいいとおもってしまった。
しかし、色々な意味で最後の1Pに全部もっていかれた感がぬぐえない!!これまで恋愛色が殆どなかったデュークとレティの関係ですが、これは今後は色々と期待しても良いということですよね!?色々な意味で次巻から本気出しそうなデュークとの関係の進展にもワクワクが止まりません。続きが楽しみ…!!
アーマード・マーメイド
「きるらぶ」「ひめぱら」の風見周さんの富士見ファンタジアでの新シリーズ。陸地や人間を喰い荒らす怪物“陸喰い”と戦う戦士“マーメイド”を養成する学校に補欠で滑り込んだ主人公・旭がチームメイトたちと最初はいがみ合いながらも少しずつチームとして成長していくお話。
気持ちだけは一人前だけど実力も才能も底辺な主人公が最初は気持ちばかりが空回りだった所から実力を認識し、落ち込んだりしながらも少しでも弱点を補おうと努力を続ける姿がアツい!潜在能力自体は色々ありそうな雰囲気なのですが、あくまで努力して強くなるというのが良かった。スポーツじゃないけど、爽やかスポ根系なノリ。あとバトルのクライマックスでキメゼリフを吐ける主人公は良いものだ!!!
そして、幼なじみの夕海との両片想い的夫婦っぷりがたまらない!!恋人同士ではないけどお互いを大切に思い合ってることがしっかりと伝わってくる様々な仕草の描写が、本当にかわいいかった。わかりやすすぎるツンデレなリズも可愛い。女子生徒が殆どの学校という設定だけど「ひめぱら」の時のような過剰なエロ描写もなくて読みやすかったです。個人的にはこのまま下手に新キャラだしまくってハーレムにするとかじゃなくて、現在の関係性をあくまで主眼に据えて4人の関係をじっくり描いていって欲しいなあ。
過去の夕海の「事故」に関することとか明らかに一筋縄ではいかなさそうな黒幕の存在とか、今後どういう風に展開していくのかも気になる。続きがとても楽しみです。
ノーゲーム・ノーライフ3 ゲーマー兄妹の片割れが消えたようですが……?
空の不在から始まるシリーズ第3巻。2巻ラストの流れからもわかっていたことだけど、もう開幕からクライマックスすぎた。片割れを見失った白が壊れそうになりながらもギリギリの所でステフの何気ない一言から「真実」を見出していく展開が凄い!まさかの真犯人と、白への信頼と自分自身の彼女への想いの強さだけを頼りに狂気のゲームに身を投げ出す空の姿はとてもアツいんだけど、それと同時に自分よりも片割れの存在のほうが重い二人のありかたが、改めて恐ろしくアンバランスに見えました。なんかほんとうに、絶妙なバランスで成立しているよな…。そしていじめっこと弄られっ子が増えたよ!!
ゲームに勝ち、強力な協力者を得た上で改めての対獣人種戦は、ギャルゲちっくなガンシューティングゲーム。色々とどうみてもぎゃ○がんです本当にありが略。前半のゲームでは白が空への思いの強さを試される展開だったけど、後半は見事に逆。色々な意味で、白のシューティングの腕がはんぱなさすぎて面白いんだけど、それ以上に些細な条件で敵味方が入れ替わってしまうシステムを利用した駆け引きが面白かった!そして獣人種が彼らの勝ちを揺るがさない様に何重にも仕掛けてきたチートを時には容易周到に、時には紙一重で突破していくのがアツかった。常勝故にゲームで勝つことを楽しめない、楽しんではいけないと考えているいづなと、薄氷の上を歩くようなギリギリの駆け引きを愉しむ故に常勝な“空白”。似ているようでまるで違うありかたに、すこしずつ感化されていくいづなの姿にとてもニヤニヤしました。
それにしても、彼女が見た空の“記憶”といい、現代日本を模したステージで兄妹が見せた反応といい、なんか彼らの過去にはまだまだ色々とありそうなんだよなあ……。次巻は海棲種とのバトル!ということでそちらも楽しみなんだけど次回予告のタイトルはあくまで仮の深夜テンション的なアレなんですよね?いや、私にはご褒美なんですけど……兄が○○○○て……。
ところで、あとがきからもれ出てくる流れが色々家庭内製手工業すぎてヤバい。本文に挿絵にコミカライズの下書きまでってどんだけ…
おこぼれ姫と円卓の騎士 将軍の憂鬱
従姉妹の結婚式でデュークを連れ隣国に向かうことになったレティ。彼女には、結婚式のついでに済ませたい用事があった。ところが、旅の最中にアクシデントが起きてつれてきた従者がデューク以外使い物にならなくなってしまう。しかも、イルストラ国では、肝心の花嫁が行方不明になるというとんでもないトラブルが発生していて…
隣国でつれてきた従者達もおらず、デュークも他の事件の調査に向かわせて……とほぼ孤立無援の中、イルストラ国で起きているトラブルの対処に奔走するレティ。なぜか花嫁の不在を執拗に疑うノーザルツ公の追及の目をかわしていく手並みは鮮やかなんだけど、これまで「何の力もない王女」として世間の目をあざむいてきたからこその、知識はあっても経験不足な彼女の弱い部分が透けて見える展開が面白かったです。たとえ人知を越えた能力を持ち、王となる運命を背負っているレティも完璧ではないんだなあ。
そんな状況の中、デュークに代わり彼女の傍に付くことになった“国境将軍”クレイグ。現国王との不和によりナイトオブワン候補筆頭ともいわれた信頼を捨て、わざと最前線に身を置く彼の気持ちをほぐし、少しずつ自分へと目を向けさせていくレティのタラシっぷり……もとい手腕はさすがでした。
王としての考えと彼ら自身の考えが別にあると示唆しながらふたりのわだかまりを解き、彼が一度諦めた夢を再び叶えさせる為に手を伸ばすレティが本当にかっこいい!特に、クライマックスのやりとりにはシビれました。
そして気になるフラグを残しつつ次巻へ続くなんだけど、一難さってまた一難のハードな状況、レティがどうやって立ち向かっていくのかとても楽しみ。
H+P(13) ‐ひめぱら‐
シリーズ完結編。ハーレムエンドになるのは既に既定の路線という感じだったけど、うーん、予想以上の範囲の広さでハーレムが形成されてるなあ。
史上最強の姉・神来桜子との最終決戦!みたいな大きなイベントごとはあったものの、基本は両想いになったトレクワーズの五美姫とのイチャイチャラブラブがメイン。正直、恭太郎の考えには色々モヤモヤしてしまうことも多いんですけど、姫様達も納得済みのハーレム展開だし、世界観的にはいけない事じゃないしな…。ただなんというか、恭太郎はよくも悪くも「ハーレムラブコメの主人公」という、物語にとって都合の良い存在から抜け出せなかったなあと思う。
明かされた一連の物語の真相を聞くと、正直恭太郎よりもガイルーン視点でこの物語を見てみたかった気がします。まあ、それやるとジャンル変わっちゃうんだけど。あと、さりげなく物語の裏で展開されてるアレスタの恋物語にニヤニヤしました。色々な意味で凄い所に着地しちゃったけど、幸せになれてよかったねアレスタ…。
エロ描写、シリーズ初期の奇をてらったエロは笑って読んでたけど途中から変に奇をてらいすぎてあざとすぎて引くわ、逆にマンネリだわみたいな感じになりその辺は本当にきつかったんだけど、シリーズ終盤、お互いに素直になってからのエロコメ描写はとてもよかったです。良い仲になったお姫様達とのイチャイチャは見ていてとても可愛かったです。
しかし、色々な部分をファンタジーな設定で誤魔化して綺麗に落としにかかったんだから、最後まできっちりとファンタジーを貫いて欲しかったというか、ラストでお姫様達が次々に中に出せ云々言い出す場面とか、カリギュラ様が第二次性徴迎えたからもうヤっても大丈夫とか最後なんでこんなに生々しいの!?
メルルの見た目もかなりギリギリアウトじゃないかなって思うんですけど、カリギュラ様11歳とか年齢的にはアウアウにも程があってマジ誰か止めろ……。
H+P(12) ‐ひめぱら‐
「判決をくだしますっ!神来恭太郎被告を死刑に処すっ!」突然言い渡された判決に恭太郎はただただ呆然とするしかなかった。「俺がいったいなにをした!?」そんな叫びに対して提出された証拠はどれもえろえろな事件ばかりで!?秋祭りに行けばお姫様たちから誘惑され、呪いのぱんつ事件が起きれば強引にでもお姫様たちのぱんつを脱がしにかかる。ちきしょう!主人公ばっかりいい目に遭いやがって!!と羨ましがられながらも、恭太郎のはーれむ地獄(天国)は今日も続く―ちょっとエッチでらぶらぶなエピソード満載!そしてカリギュラもついに××しちゃう!?大興奮の最新刊登場。 (「BOOK」データベースより)
富士見は完結目前にトラップ的に短編集まぜてくるのそろそろやめませんかね凄い心折れるんですけど!かといって短編集出さないまま完結すると未収録短編を放置したりするからほんとこのレーベル油断ならない……
カリギュラと桜子が主従関係を結ぶまでのあれこれを描いた番外編「神来桜子には誰も敵わない」がとてもよかった。王女としての矜持は持ちながらもどうしても我侭王女という一面が強かったカリギュラが自分よりも圧倒的に強い桜子に振り回されながらも、少しずつ彼女の強さと優しさに心を開いていく姿がとても可愛いんだけど、11巻ラストだけだと色々な意味でキャラが掴みきれてなかった恭太郎の姉・桜子という人間を最終決戦前に掘り下げてくれたのが良かったと思う。現在の恭太郎にとっては恐怖ばかりが先行する姉かもしれないけど、頭が硬いだけでなくてちゃんと誠意を持って話せばわかってくれる人物だと解っただけでも、今後の展開に対して明るいものが見えた気がしました。
前巻ラストの恭太郎の発言には本気でイラッとしてて、その件に関するフォローが一応はいってたのも良かったんだけど、なんか本当に色々と紙一重なこれ……何のフォローもないままじゃなくて良かったけど、どうしても言い訳っぽく感じてしまう部分も多かったし、切腹しようとしていた時点までは、どうかんがえても一連の発言や行動は「逃げ」だったと思うので……うーん。最終巻でこの気持ちをふっとばしてくれるようなかっこいい姿を見せてくれることを期待したいです。
っていうか、今回の件で見えてきた桜子の性格からして、11巻ラストの発言はむしろ墓穴掘ってるよなぁ…どうなることやら。
H+P(11) ‐ひめぱら‐
「『お嫁さんになっちゃうのは誰だ!?ラブラブちゅっちゅウィーク!』開幕なのじゃ~!」カルタギアから無事にトレクワーズに戻って来た恭太郎と五美姫たち。しかしホッとしたのも束の間“淫魔の左目”と呼ばれるサキュバス・ディルケーがサキュバスの女王・ネレゲイドを復活させてしまう。だが“男性経験”のない姫さまたちにはサキュバスに対抗しうる力はない。そこでピコル師匠の提案で、恭太郎がユフィナ達の中から一人、えっちをする相手を選ぶことに…。かくしてトレクワーズのお姫さまたちによる恭太郎“誘惑”合戦が幕を明けた!果たして彼と“えっち”するお姫さまは誰なのか。 (「BOOK」データベースより)
ついに復活してしまったサキュパスの女王・ネレゲイド。彼女の“魅了”に立ち向かうには処女を捨てなければならない…ということで、とにかく1人でもいいから五美姫の誰かとえっちをしてくれ、とピコルに頼み込まれてしまった恭太郎。同時に、サキュパスへの耐性をつけるためお姫様達と出来る限りたくさんキスをするようにと頼まれるが……というお話。
駄目だこの主人公なんとかしないと。
これカタブツじゃなくて「ヘタレ」って言うんだよね知ってた。結局、自分が「1人としかエッチしたくない」って言ってるくせにその1人を選ぶ事が出来ず逃げ出し(本人は「立ち向かう」っていってたけど、恭太郎がネレゲイドに勝てる見込みが全くないのは誰もが解ってる話で、そんな特攻はただの逃げだとおもうので)、アレスタに説得されて全員を選ぶっていいだしたとおもったら今度は姉の命令で……ってちょっと不誠実にも程があるよ。いや、前巻であれだけ良い感じになっていたユフィナと結ばれなかった時点でハーレム展開なんだろうなあという予想はしていたけど、最後のアレがちょっと本当に、なんだかなあ。正直、今回の恭太郎の態度には胸糞悪さしか感じない。
なんか、描写自体はエロいものの、これまでのあざとさばかり感じていたお色気展開とはうってかわったお姫様達の初々しい反応とか恭太郎が全員の気持ちを知ったからこそできる可愛らしいかんじのエロスとか、5人が仲良し姉妹であるがゆえに恭太郎を独り占めしたいと思う一方で「誰か1人を選んで欲しくない」と感じるジレンマ・心の葛藤が物凄くしっかり描かれていただけに、それに応えるべき恭太郎の態度のグラつきっぷりにイライラしました。いやほんとうに、こういう話ならハーレムエンド自体は悪くない流れだとおもうんだけど(特にこの物語の場合、絶妙に全員と恭太郎の好感度が一定になっているので「1人だけ選ぶのが無理」というのもわかるんだよな)、本当に恭太郎が「男らしくあれ」と思っているなら一度決めた気持ちを曲げないで欲しいというか、ほんと最後のアレ酷い。
まあ、最終巻でもういっかい一転してなんとかおねえちゃんと対決して元鞘納まる展開なんだろうけど、姉さん圧倒的すぎで笑う。スレイヤーズでいう「郷里のねえちゃん」がうっかり本編出てきちゃったくらいの破壊力だったわけですが、もう間違いなく彼女がラスボスになるの確定っぽくて、どうなることやら。正直、楽しみといっていいかわからないけど、ここで止めたら胸糞悪すぎて辛いので最後までちゃんと読みたい気持ちです…。まあ、ハーレムラブコメとしてはこのくらいの主人公で丁度いいんだろうけど、やっぱり女の子萌えするにはちゃんと男の子のほうに惚れるだけの魅力があって欲しいんだよね…。
しかし、アレスタが一世一代の大活躍すぎて、ちょっとは彼にも日の目をあててやってよと思うレベルでした。というか、恭太郎を連れ戻す時のアレスタがかっこよすぎる悔しい!
あと、エリス様の破れストッキングの挿絵なんでカメラさんあと30センチ下げてくれなかったんですかエリス様のフトモモ!!