急転直下の新章第二巻。『嫌い』を思い出したアリシアが再び立ち上がり、散り散りになった「家族」達の動きが見えてくる一方でいよいよ追い詰められていくアリシアの様子にハラハラする。死んでないだろうと思ったとは言え、あの人やあのキャラの元気な姿を見れたのは僥倖だったけど。
執拗に巧妙に彼らを追い詰めていくゼオルディスの行動もなんだか色々な意味で真の意図が見えない。なんかわざと国を破滅に導いてる感じもするというか、滅ぼされるのを待ってる的な印象もあって、不気味。真意の見えない『先生』勢力もいて、この不穏な雰囲気はまだまだ続きそう。
これまでとは一転、シリアスな雰囲気の本編も十ニ分に面白いんだけど、やはり早くあの夫婦のイチャイチャが見たい。アリシアの夢が酷すぎて再会の時にどうなってしまうのか逆に楽しみすぎるw
しかし今回は大きく成長したティルナードとセイグラムのやりとりだけでご飯10杯いけます!!譲れないものを守るために自身のトラウマの元凶であるゼオに立ち向かう覚悟と、そしてそれ以上の大きな重圧を覚悟して立ち上がったティルナードも凄いけど、セイグラムの判り辛い過保護っぷりにニヤニヤしました。反撃開始になるだろう次巻がとても楽しみです!
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恋愛モジュール
能力はあるけどコミュ障気味なプログラマーの島垣が、初のプロジェクトリーダーに任命される。同じチームに配属された新人SEの藤森は、島垣とは反対に明るく人懐こいイケメンで苦手意識を持っていた同僚の友人。仕事のやり方でぶつかり合う二人だったがとあるアクシデントをきっかけに藤森の部屋に泊まりこむ羽目になって……!?というお話。
甘やかしなイケメン後輩×甘やかされなコミュ障三十代なんだけど、年上の島垣が振り回される話のように見えて、なんだかんだで島垣を甘やかしたくて仕方ない藤森が見せる年下っぽい子供っぽさとそれを大らかに受け止める島垣の様子が微笑ましい。私はこの段落で「甘やか」を何回使いましたか。
2編目は桜井に言われて「甘やかされ」を自覚した島垣が色々な意味で自立しようとするお話なんだけど、藤森と付きあっている限り無理な気がしますね!!島垣の方が駄目そうに見えて、真の駄目人間は藤森だと思う。でも、こういう独占欲が先走った残念な攻は嫌いじゃないぜ!!
恐らく島垣の人間性の基礎を作ったであろうあとがき曰く「最強の小姑」こと島垣兄が本編に登場しないのが本当に残念でした。藤森を連れて実家に帰ったら島垣兄が「こいつと付き合うなら俺を倒してからにしろーー!!」って立ちはだかるみたいな残念な人たちの話が超読みたいです。むしろ島垣兄+桜井vs藤森が読みたい。本編で噂話程度の登場しかしていないのに、ここまで胸がときめくキャラも珍しいのではないでしょうか続編が出るなら残念な兄をぜひ!!!
両思いになった直後の藤森の『運用保守より開発が好き』は多分笑う所。
僕は友達が少ない
ヤンキーっぽい顔と外見のせいで友達が出来ない転校生・羽瀬川小鷹はある日の放課後、『エア友達』と話しているクラスメイトの三日月夜空と出会い、友達が居ない者同士で新しい部活を立ち上げる羽目に。最初誰も集まらないだろうと思っていたが、予想外に残念な人たちが入部してきて……というお話。「ラノベ部」のジャンル不定無節操バージョンというか、基本的に残念な人たちが駄弁ったり好き勝手したりというあたりは変わらず。モンハンしたり、ギャルゲーしたり、演劇したり、プールに行ったり。
個人的にはモンハンをする話と、演劇する話が好き。モンハンは仲悪い人たちが協力ゲーをやった時の定番展開という感じだけどガチでゲーム本編を忘れ去ってお互いの妨害に命を懸け始める夜空と星奈のドタバタが可愛い。そして演劇話の腹筋崩壊具合ときたら……「ラノベ部」のリレー小説の破壊力も大概に酷かったですが、平坂さんの描く『複数の人たちが一つの話を作ろうとする話』の面白さは本当にヤバいと思う。
あと、小鷹の過去話がとても好きだった!!背中合わせは最高の友情エッセンスです!!うまい!!オチを見るにどう考えても男子同士の友情じゃなかったけどそれはそれとしてうまい!!
基本は残念な人たちの日常を描く残念なお話という感じなんだけど、小鷹が星奈とプールに行く話や小鷹の過去話の展開を見るに、ちゃんとラブコメ要素も仕込まれている印象。キャラもまだ出揃ってない印象だし、機会があれば続きも読んでみたいです。
嘘と誤解は恋のせい
隣のサラリーマン・和久井に密かに片想いしている大学生の結哉。想うだけで十分……と思っていたら自宅に入り浸っている先輩の騎一が「授業でアンケートを取ってる事にして隣とお近づきになれ」と言い出す。アドバイスの通り、先輩お手製のアンケートを持って隣の家に行くことになったが……というお話。
騎一先輩の作ったアンケートの内容が突拍子なさすぎて、さらに引っ込み思案を通り越して残念の域に突入してる結哉の挙動不審具合と、そのキョドりっぷりにほだされていく和久井さんの姿ににやにやしてたら、後半はむしろ和久井さんの頭のほうが残念だった。何かにつけて脳内で結哉にキュンキュンしてたりエロ妄想してたりでお前の頭が残念。
脳内でひたすら残念な妄想ばかりを繰り広げる和久井さん(終盤に至っては完全にヤりたくて仕方ない状態)に対して一度酒の勢いで餌やった後は自前のネガティブ妄想を発揮して全力で逃げ回る結哉の、両思い後のすれ違いっぷりに笑いが止まらない。アホだなあこの人たち!!(※超褒めてる)
メインの2人よりも、なかなか進展しない2人の間を引っ掻き回して強引に波風を立てていく騎一先輩の確信犯具合が一番美味しかったかも。続編もあるそうなので、こちらもそのうち読んでみたいですw
のうりん
ガイアが俺にもっと耕せと囁いている
県立田茂農林高校――通称『のうりん』。そこは、農業に青春をかけた少年少女の集う、人類最後の楽え――
「牛が逃げたぞおおおぉぉぉぉ!!」
うるさい! あらすじくらい静かに言わせてよ!! あー、おほん。
ぼくの名前は畑耕作(はた・こうさく)。ここ『のうりん』に通う、ちょっぴりアイドルオタクな高校生だ。
そんなぼくの通う学校に転校してきたのは、憧れの超人気アイドル草壁ゆかたん……!?
方言幼馴染、メガネ美少年、ラブリー小動物、巨乳少女! 妄想系女教師! パンツ! 足フェチ! そして、謎の転校生……
ここには青春の全てがあるッ!!
奇才・白鳥士郎が送る農業学園ラブコメディー! 今、収穫の秋(とき)!!
うーん、「なんらかの事情で笑顔を失った元アイドルに、農業を通して笑顔を取り戻して貰う」っていう物語の主軸そのものと、予想外にがっちりしてた農業ネタ(しかも「銀の匙」とかで一部話題になった畜産方面ではなく、畑作稲作方面ネタなので新鮮でした)自体は凄く面白かったんだけど、物語を彩る下ネタ全開なギャグが単純に合わなくて、キツかった。もう単純にこれは、自分には合わなかった。あとフォントサイズ弄りは大事な場面で効果的な場面で使うからよいのであって、一世代前のテキストサイトのノリでガンガン使われると萎える。
下ネタ以外だとやたらネット(というか2chまとめブログ系)で話題になったネタを仕込んでいたり……で、まあ元ネタ知ってれば「ぷぷっ」ってなるけど、ネットやってない層を全く想定してないよなあ、とも。「まさか、<クライム>の<カタリスト>を<オラトリオ>なしで」ネタをまさか普通に出版物で見る事になるとは思わなかったです。
主人公置いてきぼりにして展開されるヒロイン2人の主人公争奪戦もなんかイマイチついていけなかったなぁ。それとなく伏線貼ってるのはわかるんだけど、林檎がしょっぱなから「主人公は私のもの」状態の独占欲丸出しで意味判らない。せめて林檎が主人公に惚れたきっかけになる伏線くらいは1巻で回収してほしかった……
R.I.P. 天使は鏡と弾丸を抱く
宝島社様より献本をいただきました!
鏡に映らず、自分に向けられた攻撃を「反射」してしまう謎の男・フィリップはひょんなことからはちあわせた少女・アンジェリーナを襲撃者から守りながら彼女の妹を助けるのに協力する羽目になる……というお話。
全体的に淡淡とした語り口といい、ライトノベルというよりも翻訳モノの海外SFサスペンスを読んでいるような読み口だなあ。クールでハードボイルドだが情には弱いダークヒーロー・フィリップがカッコよすぎる。そしてびっくりするくらいアンジェリーナが萌えキャラとして描かれていない(決してけなしてるとかそういうのでなく、どこまでもアンジェリーナはフィリップの「引き立て役」に徹しているというイメージを受けたというか…)。
フィリップの正体といい「吸血鬼」の話といい、謎が謎を読んでうやむやにした感じのラストは色々「その先」を想像させる感じで心地良いモヤっと感がありとてもよかったです。
挿絵が乙女ゲー系で有名なかただったり……と、露骨に女子を釣ろうとしてる感じですが、確かにこの内容は「女子にも読んで貰いたいラノベ」かも。というか、一般女子の嫌う「ラノベ臭さ」がほぼ無い気がするので、ラノベが苦手な女子に読ませて感想を聞いてみたい。
読了記録まとめ[2011年9月分]
9月のラノベ読了冊数は4冊でした。予想以上に読んでなかった。
境界線上のホライゾンを読もうと思いながら他の細々としたラノベに手を出し、オマケでBL漫画をオススメして貰ったのを読んだりして何が言いたいかというとホライゾンが全く進んでませんやばい。
今月読んだマンガピックアップ
発売ごとに読んでいたら設定がわからなくなってた「忘却のクレイドル」を1巻から通読。知らない間に普通じゃない身体に改造されてた少年少女達が廃墟となった島で織り成すお話……なんだけど、設定やキャラが複雑でこれは通読じゃないとなかなか判り辛いお話だったなあ。
最後は「ナイトメア☆チルドレン」を思い出すようなちょっと切ない終り方で個人的にはとてもよかったです。
9月の読書メーター
読んだ本の数:27冊 / 読んだページ数:1994ページ続きを読む
私的「女子にも読んで欲しい」ライトノベル32選
秋の原稿は終わらないけど「俺的ラノベ32選」の流れに便乗した。後悔など1ミリもしていない。
以前からやるやる詐欺していた「男子萌えラノベまとめ記事」のためにしたためていたリストの転用です。適当に追加したり削ったりしたら32個になった不思議でした。そのため、「男子萌えできるラノベ」というあたりに充填が置かれています。元々女性ファンへの人気の高い某ラノベ(デュラララ、ハルヒ)や少女小説系は敢えて除外しました。
解説文の長さがまちまちなのは32作品も紹介しようとすると体力が足りないからなんです。最初はもっと短くするつもりだったんです……
【現代×バトル系】
(01) 賀東招ニ「フルメタル・パニック!」 (⇒感想) 本編全12巻&短編全9巻(完結済)+スピンアウト(以下続刊)。紛争地帯で育った傭兵の少年と、気が強く逞しい女子高生が織り成すボーイ・ミーツ・ガールなミリタリーロボットアクション。 |
(02) 岩井恭平「ムシウタ」 (⇒感想) 本編11+1巻(以下続刊)&外伝全8巻。人間に異能を与える代わりに夢を喰らう『虫』に取り付かれた少年少女達が織り成す異能もの。ある者は“虫憑き”と呼ばれてさげずまれ、ある者は大人たちの組織に組み込まれて良いように使われながらもいつか普通の人間に戻る日を夢見て、そして自らの信念のために倒れていく姿が圧巻。物語も大好きだけどかっこうさんかっこいいよかっこうさん。 |
(03) 鎌池和馬「とある魔術の禁書目録」 (⇒感想) 本編22+2巻(以下続刊)&外伝何冊か。科学と魔術が交錯する異能バトルアクション。主人公格3人(男子)がそれぞれ違ったかっこよさを見せてくれるのが楽しい。凄いキャラ多い。 |
(04) あざの耕平「東京レイヴンズ」 (⇒感想) 1〜5巻(以下続刊)。現代を駆ける陰陽士のたまごたちが繰り広げる異能アクション。春虎と冬児の友情に悶えたり、大人組に転がったり出来ます。 |
(05) 成田良悟「越佐大橋シリーズ」 (⇒感想) 1〜5巻(以下続刊)。「デュラララ」が好きならこっちも読むといいと思います!無法地帯の「越佐大橋」で繰り広げられるお話。狗木・葛原・戌井の三つ巴関係にはもう震えるしかない。 |
(06) あざの耕平「Dクラッカーズ」 (⇒感想) 本編全8巻+外伝全2巻(完結済)。「レイヴンズ」「BBB」の作者が描く、現代を舞台にしたドラッグで異能バトルなお話。水原と物部の友情具合とか、物部と甲斐のライバル関係に転がればいいと思う。あと執行細胞トリオうまい。 |
【青春×バトル×友情系】
(07) アサウラ「ベン・トー」 (⇒感想) 本編7巻&短編2巻(以下続刊)。夜のスーパーで繰り広げられる、「半額弁当」争奪戦を描く……ベントー争奪アクション?来期アニメ枠。「熱さの無駄遣い」ってこういうこというんだなーなどと考えながらも不覚にも胸が熱くなる不思議です。 |
(08) 井上堅二「バカとテストと召喚獣」 (⇒感想) 本編9巻&短編3巻(以下続刊)。テストの点数によって強さが変わる「召喚獣」を使ったバトルで下克上を狙う最底辺クラスのお話。女子より男子が可愛いという不思議が発生したり、雄二と明久の友情が公式が最大手サークルだったりします。 |
(09) 蝉川タカマル「青春ラリアット!!」 (⇒感想) 1〜2巻(以下続刊)。バカ日本代表とその悪友とバカ日本代表に惚れてしまった暴走少女が繰り広げるドタバタラブコメ。ラブコメだけど変に恋愛恋愛してない、男子2人+女子1人の友情おいしいです。 |
(10) 川上稔「連射王」 (⇒感想) ハードカバー・上下巻完結。シューティングの「ファーストプレイ・ワンコインクリア」に青春を掛けるゲーマー達の物語。竹さんとコウの師弟関係とも友情ともライバルともいえない関係がとても美味しい。川上作品の中では破格の少ページ数なので、川上作品入門としてとてもオススメ。 |
【青春×ラブコメ!!】
(11) 本田誠「空色パンデミック」 (⇒感想) 全5巻完結済。空想を現実だと思い込んでしまうという奇病を抱えた少女と普通の少年が織り成すボーイ・ミーツ・「空想少女」。どこからが空想でどこまでが現実なのか。足元が揺らぐような読書感覚が新鮮で、それでいて王道なストーリー展開が楽しい。あとさりげに脇役の同級生男子がかっこいいのです。 |
(12) 庵田定夏「ココロコネクト」 (⇒感想) 1〜6巻(以下続刊)。文研部に所属する5人の高校生達が次々と奇妙な現象に巻き込まれて……!?という青春系異能ラブコメ。現象こそ異能だけど、そこで解決されるのは等身大の高校生らしいどこにでもある悩みで……というのがミソだと思う。主人公格5人の恋愛事情と友情関係も美味しい。 |
(13) 杉井光「さよならピアノソナタ」 (⇒感想) 全5巻完結。「神様のメモ帳」の作者が描く爽やかでちょっぴり切ない青春小説。内容は美少女×クラシック×ロックだけど、主人公(男子)が金髪の美少年と一夜を共にしたりします。 |
(14) 壱月龍一「ラ・のべつまくなし」 (⇒感想) 全3巻完結。ラノベ作家×腐女子の恋物語。変に誇張されない、等身大の腐女子ヒロイン像が凄く良かった。ラノベが好きな全ての人にもお勧めしたい。 |
【ファンタジー×バトル!!】
(15) 海冬レイジ「機巧少女は傷つかない」 (⇒感想) 1〜6巻以下続刊。殺された家族の仇を討つため機巧魔術の最高学府に入学した少年が、自動人形の少女と共に戦うというお話。主人公が助けたヒロインと次々にフラグを立てていく系の異能バトルラブコメですが、ライバルにして喧嘩友達のロキとのやりとりが死ぬほど美味しい。背中合わせの友情は良いものです。 |
(16) 細音啓「黄昏色の詠使い」 (⇒感想) 全10巻完結。「色」を媒介に自分の心を詠び出す“名詠式”を学ぶ学校にやってきた、既存の5色とは違う色を纏った少年と赤の色を纏う少女が繰り広げるファンタジー。美しい旋律と鮮やかな音色に彩られた物語は是非とも女性にもオススメしたい感じ。あと爺二人の年甲斐もない背中合わせの大活躍に萌えたのは私だけじゃないはず。 |
(17) 渡島健康「魔王様げ〜む」 (⇒感想) 1〜2巻以下続刊。勇者として魔王を倒しに行ったら、女好きの魔王の手によって女の子にされてしまって…!?という性転換系ファンタジー。魔王に反感を覚えながらも少しずつほだされていく主人公が、現状に心地良さを感じる一方で男としての矜持を捨てられないという葛藤具合がたまらない。魔王ディンゴとのやりとりは極めて「やおい的」だと思う私がいる。 |
【ダーク×ファンタジー×ミステリー】
(18) 水瀬葉月「ぼくと魔女式アポカリプス」 (⇒感想) 1〜3巻。“普通”を嫌う普通の男子高校生が、ひょんなことから喪われた種の復活を願う魔術師達と、彼らの依代となった代替魔術師達がお互いが持つ“根源闇滓(ルート・アンシィ)”を奪い合うという血みどろの戦いに巻き込まれてしまうお話。TS(性転換)要素があるので苦手な人は注意ですが、主人公の悪友・草太が大変よいキャラなのでショタ攻好きには全力でオススメしたい。草太×主人公もあるよ!!(ただし主人公は以下略) |
(19) 田口仙年堂「魔王城」 (⇒感想) 全5巻完結。望まずに強大な力を持って生まれてしまった「魔人」達と、その子供達の「先生」に任命されてしまった青年達の物語。その力を疎み、利用しようとする人間達に完全と立ち向かう主人公・エイゴの姿が本当にかっこいい。 |
(20) 虚淵玄「Fate/Zero」 (⇒感想) 全6巻完結(同人版は全4巻完結)。人気ゲーム「Fate/stay night」の前日譚となる、“もう一つの聖杯戦争”。それぞれの信念を持ってあるときはぶつかり合い、あるときはすれ違っていく人間と英霊達の姿が熱く、哀しく、儚い。「Fate」本編未読でも楽しむ事ができるので、(作者は違うけど)女の子の為の「Fate」入門編としてオススメしたい感じ。 |
(21) 甲田学人「Missing」 (⇒感想) 全13巻完結。ちょっとワケアリな文芸部の4人+人間外の少女が、主に学園を舞台に巻き起こる怪奇現象に立ち向かう(遭遇する?)お話。かなりグロい描写があるので苦手な人は注意。クールな“魔王様”や番犬属性の俊也、自称凡人の武巳をはじめとして美味しい男子キャラが揃っております。 |
(22) 綾里けいし「B.A.D.」 (⇒感想) 本編6巻+短編2巻以下続刊。異能を持った女の子が悪意を持ってふしぎ事件を解決……する振りして事件を(依頼者的に)BADエンドのほうに誘発します。ショートショート形式です。出てくるキャラほぼ全員狂ってます。そして狂気な兄妹に総愛されな主人公(男)(腹の中に子供が居る)(※ついったーで書いた解説が気に入ってるのでそのままコピペするの巻) |
【「中二」は男女共通の萌えです!!】
(23) 川上稔「終わりのクロニクル」 (⇒感想) 全14巻完結。佐山はラノベ界でも歴代5本の指に入る変態かっこいい主人公だとおもう。終盤で繰り広げられる佐山の演説と、「Ahead,Ahead!Go Ahead!」「Tes.!」のかっこよさは異常。あと男×男で最後まで行っちゃうラノベ。ちょっと分厚いけど「境界線上のホライゾン」ほどじゃないので気にするな!! |
(24) 林トモアキ「戦闘城塞マスラヲ」 (⇒感想) 全5巻完結。引きこもりがひょんなことから人間外が集まるバトルロワイヤルに参戦する羽目になり、口先だけでバトルを乗り切っていくお話。ヒデオのかっこよさはまさしく「かっこよさの無駄遣い」だとおもう。 |
(25) 柳実冬貴「Re(アールイー):バカは世界を救えるか?」 (⇒感想) 全5巻完結。非日常に憧れる邪気眼まっさかりの高校生が、本物の異能を手に入れて……!?というお話。物語開始時点ではただの中二病でヘタレなバカだった光一が少しずつ本当に「かっこいいバカ」になっていくのがたまらない。最終巻のラストバトルのアツさやライバルである《能力泥棒》との関係もたまりませんでした。 |
(26) 鏡貴也「いつか天魔の黒ウサギ」 (⇒感想) 本編8巻&外伝3巻以下続刊。「15分間に最大7回死ねる」という呪いを受けた高校生が、小さい頃に結婚の約束をした少女(人間外)を守るため戦う学園異能バトルもの。大兎とヒメアのバカップル具合は「末永く爆発しろ!!」状態ですが、月光様の俺様ツンデレに萌えるために読んでも問題ありません。本編の能力インフレに疲れたら「紅月光の生徒会室」で月光デレに萌えると良いと思います。 |
(27) 西尾維新「戯言シリーズ」 (⇒感想) 全9巻完結。「戯言だよ」が口癖の普通の(多分)青年・いーちゃんが個性的な脇役達に囲まれて、段々人外バトルものになっていったりするお話。西尾維新をラノベとみなしてよいかどうかは諸説あるとしても、西尾維新独特の掛け合いのテンポのよさと、台詞のかっこよさはやっぱりシビれると思う。いーちゃんと人識の関係が好きでした。 |
【萌えコメだって美味しいですよ?】
(28) 葵せきな「生徒会の一存(碧陽学園生徒会議事録)」 (⇒感想) 本編9巻&外伝5巻以下続刊。どちらかというと「議事録」よりも短編の「黙示録」のほう。杉崎を慕うショタっぽい容姿の美少年が登場したり、クラスメイトと喧々諤々なやりとりが美味しかったり、主人公を慕う後輩(♂)がいたりして男子萌え的に美味しいです。 |
(29) 田尾典丈「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!」 (⇒感想) 本編全8巻+外伝全4巻(…で、年末完結予定)。ギャルゲーの世界のヒロイン達を現実世界に投影したら?というお話。これなんてギャルゲ?な世界観ですが、現実と二次元の誤差が二次元とは違った結果を生んでいくのが面白い。4巻以降男子萌えが凄い勢いで増えて女子向けに美味しくなります。 |
(30) 松野秋鳴「えむえむっ!」 (⇒感想) 全12巻。太郎のドM具合に耐えられれば、普通に男子萌えできるラブコメだと思うんです。お互い日陰者同士な辰吉との友情は普通に美味しいよね。 |
(31) 伏見つかさ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」 (⇒感想) 1〜9巻以下続刊。メインは主人公と妹の微妙な兄妹関係なのですが、最近京介と京介の親友・赤城のやりとりが恐ろしく美味しい。秋葉原のえろいお店に行ったり、シスコン対決したりと高校生らしいバカバカしいやりとりがたまりません。 |
【ばんがい!】
(32) 入間人間「多摩湖さんと黄鶏くん」 (⇒感想) 多分単巻完結。ゲーム部と称してバカップルがひたすらギリギリな感じのゲームをするだけのお話。「キスババ抜き」ネタの薄い本がいっぱい出たらいいので女子にも読んで欲しいです(最悪) |
NO.6♯1
人類の理想を実現した未来都市・No.6。エリートとして都市で英才教育を受ける事になっていた紫苑は嵐の夜に偶然「ネズミ」と名乗る少年と出会い、彼をかくまった事を切っ掛けにそれまでの生活を追われる。4年後、公園の管理局で働いていた彼は奇妙な事件に遭遇して……というお話。
“理想的な都市”といわれているNo.6の裏側が、紫苑が事件に巻き込まれていくにつれ少しずつ見えてくる展開が面白い。犯罪も危険も何もない理想都市なんて裏があるに違いない、と思ったら予想とおりで……異端者は“排除”し、不要な情報は流れないよう“統制”する、揺り籠の様な管理社会から弾かれてしまった人間達が受ける仕打ちに背筋が凍り、少しずつ身を危なくしていく紫苑の姿にハラハラした。自分の読み進める速度がもどかしいと思うほど物語に没入したのは久しぶりかも。
物語りも面白いけどキャラクターもとても良かった。特に頭は良いがどこか天然で時にずばりと物事の真実を見抜いてしまう主人公の紫苑と、都市の“外”からやってきた謎の少年・ネズミの関係には思わずニヤニヤしてしまう。物語は始まったばかりという感じでこれから二人がどのような形で“No.6”の謎や秘密と対峙していくのか、続きが楽しみです。
砂漠の薔薇と海の星 灼熱の悪魔はささやく
初恋の相手との婚儀の直前に、ビアラン王国の第一王子・アルバルトによって攫われてしまったマルフォーネ王国の王女・ルセリア。アルバルトは初恋の相手は自分だと主張し、ルセリアを自らの宮殿に幽閉してしまう。しかし、彼女には大きな秘密が隠されていて……!?というお話。
ただひたすらヒステリックにそして頑なにアルバルトを拒んでいたルセリアがある場面から唐突にデレるので「!?」となった。なんか物語の必要上強引にデレた感じがするというか、割りと真面目にルセリアがアルバルトにデレる要素が見当たらない。いえ、物語で描写されてない部分で色々と彼の良いところに触れる何かがあったのでしょうが、その辺の描写がちょっと足りない。物語の本線の方も伏線の張り方が露骨で話の先が見えてしまう。(ていうか“パーフェクトファントム”て……)
一度デレた後は「ツンってなんだっけ……」状態だし、アルバルトも初期の鬼畜具合と終盤のデレデレっぷりがどうも繋がらなくて、そういう二人の気持ちの変化を見たかった私としては凄く残念でした。いう事を聞かないルセリアをアルバルトが父親のハーレムに放置する展開とか、個人的にはとても酷くて良かったと思ってたら。
前半は結構面白いなあと思っていただけに、どうしてこうなった。