本編6巻を読んだら明確にこれ本編で語られてないエピソードが間に入ってるよね!?という感じだったので取り急ぎ手つかずだった一旦短編集の方に戻ってきました(6巻の感想は大したこと書けなさそうなので7巻と一緒にやります)。「伝説の勇者の伝説」シリーズの幕間のエピソードを描く短編集です。
本編の別視点や幕間を描く短編集
というか初っ端の「すたーてぃんぐ・れじぇんど」がまず原作3巻のミルクとライナの初邂逅(というか再会)のエピソードになってるんですけど、全く同じことやりながら微妙に視点が違っていて…なんだこれすごいな……。本編の方はミルクの心情が割と多めに入っていてライナに対する執着とかライナの態度に対する戸惑いとかが入っていてややシリアス調、その一方外伝の方はミルク視点は割とバッサリ切り落とされていてコミカル調になっているというか……同じエピソードがなんだかんだと微妙に別の話になってるの凄いな……。本編3巻とこの本のあとがきで「かなり面倒くさいことやってる」って書いてあるけど本当にこれは面倒くさいことをやってるなと思う。同じく本編3巻クライマックス目前くらいのエピソードを描く書き下ろし「都会は危険がいっぱい」は、エピソード自体は本編とは関係ないのですが3巻を読了済みだと例の遺物で竜が生えちゃった村に他の村の経済が脅かされるくらい観光客が集まってたって話めちゃくちゃ背筋が寒くなりました。いやだってあの村ってさあこのあと……(ネタバレ)
書き下ろし、お話自体はいろいろな意味で強キャラすぎる女性達に振り回されて都会恐怖症になる誘拐犯達の迷走ぶりと、その迷走の結果何故か囚われのヒロイン(笑)と化すライナとそんなライナにわかりづらいデレが炸裂するフェリスが可愛すぎてニヤニヤしてしまうお話でした。いやほんとフェリスのデレはわかりづらすぎて可愛いな……。
ミルク→ライナ・フェリスの追いかけっこが楽しい!
ミルクとの出会い(ミルクにとっては再会)以来、どこにいっても神出鬼没に現れてはライナ達にちょっかいかけてくるミルクと愉快な仲間たちの暴れっぷりにによによしてしまう。「えきさいてぃんぐ・ちぇいさー」で敵のはずのネルファの兵士達と意気投合して後方父親目線になってる忌破り追撃部隊の面々が微笑ましすぎるんですけど、「都会は危険がいっぱい」で行きずりの民間人にまで可愛がられてるミルクさんのカリスマ性、もうカリスマってレベルじゃなくない?異能かなにかでは??一方のフェリスの方も、前述の書き下ろし短編のエピソードといい本編よりもラブコメみたいな展開が多くて楽しかったです。ライナと何故かBLカップルに間違われてカップリングにされそうになる「えきせんとりっく・かっぷる」の挿絵の二人の表情めっちゃ好きだな…………普通に読んでてライフェリ可愛いな〜って思う反面、この挿絵見てどうしようもなく「ライナは受けだよねわかるぅ〜〜」ってなってしまったので駄目だ……。