とりあえず伝説の勇者の伝説2 無気力のクロスカウンター | 今日もだらだら、読書日記。

とりあえず伝説の勇者の伝説2 無気力のクロスカウンター

 

やる気度マイナス100%(前巻比)
超ど級無気力人間ライナと絶世の美女にしてだんご命の剣士フェリス。「勇者の遺物」を見つけだすという当初の目的はどうなってしまったのか?短編5本に書き下ろし中編を加えた脱力系ファンタジー短編集第二弾。

ルーナ帝国での様々なトラブルを乗り越え(半分くらい自業自得だった気がしなくもない)、隣国イエット共和国に向かうライナとフェリス。山に囲まれているおかげで他国との交流が少ないこの国に向かうためにはとある問題があって……「伝説の勇者の伝説」シリーズの幕間のエピソード+書き下ろしの過去編を収録した番外編短編集第2巻。

チキチキ☆国境突破チャレンジ!!!

ルーナ帝国からイエッタ共和国に向かうためにライナとフェリスが登山に挑む「くらいまー・くらいまー」と登山を断念した二人が一転海路でイエット共和国を目指す「ぱいれーつ・あたっく」のノリがめちゃくちゃに好きだな……いつものフェリスとミルクのどつき合いに、短編のオリジナルキャラ(になるのかな?)のエステラを含めた掛け合いがとても楽しい。っていうか書き下ろしを除くと2巻のラスト、海中で遭難したまま終わったんですがいいんですか!?

あと、ルーナ帝国編は兵士として働いている女性が殆どないせいでフェリスが男性だと間違えられるネタが多くて男女逆転ぶりが楽しいなあとおもっていたら初っ端の「くえすと・いん・ざ・ぱーく」で遂にライナが女装してしまった。挿絵だと背中側しか描かれてないんですけどもう見るからに似合ってない女装なんですよね!!最高だな!!!

現在を知っていると最初から最後までしんどい過去編

書き下ろしの中編「暗殺者の見る夢は……」はローランド帝国軍に暗殺者として使われていた少女・ビオが最後の仕事と言われてライナを殺しに行く話。もう流れからして完全に殺す気で送り込んでますよねとか現在の伝勇伝の物語を知っている限り絶対にこの二人が幸せになれるわけないよねとか色々察してしまえてしかも概ねその通りなのがなかなかしんどいものがある。ずっと人を殺して生きてきたビオが、生まれてはじめて自分に優しくしてくれたライナと共に生きる未来を、叶わない未来を見てしまうのはほんとうにしんどいし、ローランドの軍部がライナにやろうとしてるのいつかの原作でアルアにやられた拷問に近いのがまたこれまでライナが何をやられてきたのか想像できてしまってきついし、彼女の今際の際の行動によって暴走はできないライナ(これもういっそ暴走してしまったほうが楽になれたのでは…という気持ちになってしまうけど、そしたらそれはそれでライナは一生後悔し続けるんだろうしなあ…)がますますしんどい。

もうぜったいこういう終わりになるのは見えてるっていう話なんだけど、覚悟をしてたよりも遥かにやるせない気持ちになるお話でした。それにしてもほんとうにさすが(シオンが革命する前の)ローランド汚い本当に汚い。

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