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このラノベの女女間の巨大/複雑感情が好きだ!

同性間のクソデカ感情の話が好きだ。普段は男男間のクソデカ感情をこよなく愛していますが性別は問わない女女もやぶさかではない!という気持ちで前から以前作ったまとめの女性バージョンをやりたいなと思っていたんですが、最近「悪役令嬢の中の人」がバズったりしてちょくちょくその手の話題を見るので今しかない!!と自分の好きな作品を簡単なジャンル分けしつつまとめました。

↓あわせてどうぞ↓

タイトル通りの記事です。 このラノベの男同士のクソデカ感情いいよね!!というタイトルを独断と偏見で25タイトル紹介します。長年まとめ記事作るよ作るよって言い続けて気がついたら...

悪役令嬢・悪女

まきぶろ「悪役令嬢の中の人」→感想
…わたくしはただ、エミならしていただろうことをやっただけよ。
推しだった悪役令嬢レミリアに憑依転生したエミと、彼女の憑依体験によって愛を知ったレミリア。エミの持っていた異世界の知識を得たレミリアが本質・悪のまま、「エミのレミリア」として徹底した善性を演じながら復讐を完遂していく展開が良かった。定期的にレミリアが見せるエミへの執着、彼女以外の登場人物への酷薄なコメントがたまりません!
永瀬 さらさ「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました」→感想
引き抜け。自分はプレイヤーだ。アイリーンを、自分が選んだ主人公を勝たせる、プレイヤーなのだ。
前世の記憶を取り戻し破滅回避を目指す悪役令嬢・アイリーンと、遅れて記憶を取り戻したヒロイン・リリア。記憶を取り戻してからはあくまで「ゲームプレイヤー」としての立場を貫くリリアが同じ転生者であるアイリーンへ向ける執着、悪役令嬢よりもずっと「悪役」らしく振る舞う彼女がアイリーンの生き様に触れ、真実の愛に出会って「ヒロイン」に戻っていく姿が印象的でした。いや悪のヒロイン・リリア様ほんと最高なんだ……。
中村 颯希「ふつつかな悪女ではございますが 〜雛宮蝶鼠とりかえ伝〜」→感想
──あなた様こそが、わたくしの、ほうき星なのです。
病弱なこと以外は完璧な雛女・玲琳と彼女を妬む嫌われ者の鼠姫・慧月。呪術によって入れ替わってしまったふたりが陰謀だらけの雛宮で様々な事件に立ち向かっていく物語。一応ヒーロー的な存在はいるけど、本質は女女のバディ物なんだよなあ。真逆のふたりがお互いの持っていない部分に憧れ合う展開が大変楽しく、徐々に明かされていく玲琳の複雑な内面が印象的でした。

親友・ライバル・相棒

うえお 久光「紫色のクオリア」→感想
ただし、あたしは決して、ゆかりを忘れられない──だから。こんな世界は、必要ない──
自分以外の人間がロボットに見える少女・毬井ゆかりと普通の女子高生・波濤マナブ。過酷な運命に翻弄されるゆかりを救うため、彼女から与えられた異能を駆使してマナブが永劫の時を駆け抜けるすこし不思議な物語。前半のゆるいやりとりからハードな時空SFになる展開がたまらなく面白い、ゼロ年代の大傑作なので未読の人はみんな読んで欲しい。あとコミカライズが最高です。
二月 公「声優ラジオのウラオモテ」→感想
忘れてないでしょうね、歌種やすみ。あなたのライバルは、夕暮夕陽だってことを。
デビュー3年目で声優としては曲がり角の「歌種やすみ」と新人実力派声優・「夕暮夕陽」。実はクラスメイトだったふたりがお互いのない部分に憧れながら最強最大のライバルとして実力を競い合う物語。主役二人のライバル関係がとにかく心地よく、周囲の力を借りながら成長していくやすみとやすみからの憧憬に応えるために独りで抗う夕陽という関係性も良かった!
谷尾 銀「ゆるコワ!〜無敵のJKが心霊スポットに凸しまくる〜」→感想
彼女と一緒ならば、何だって楽しい。退屈ですら楽しいのだ。
元柔道部の女子高生・桜井梨沙と悪魔的頭脳を持つ茅野循の女子高生コンビが怪異やヒトコワ案件に自ら飛び込んでいくホラー小説。循が時折覗かせる梨沙へのわかりにくい好意と執念、その好意を全て理解した上で彼女との関係を楽しんでいる梨沙という関係性が良かった。「黒津神社」の後味の悪さが最高に好き!!
橘 公司(Speakeasy)「いつか世界を救うために -クオリディア・コード-」→感想
そう。ほたるは夢の中でずっと──舞姫に手を伸ばし続けていたのだ。
天河舞姫と凛堂ほたるの過去の「約束」と「再会」の物語。最強のガワの中に年齢相応の脆さを隠し持つ舞姫と彼女のための「剣」としての在り方を貫くほたるという関係性が大変良かったのでアニメも合わせて観てほしい。なお、この物語にネームド男性キャラは登場しないのでそこを頭に入れて読んでください。ほたると舞姫の幼馴染百合も良かったけど、私は利害関係からはじまる真里香と來栖の百合が好きです。

ジャンル越境(文芸より)作品

新井 素子「あなたにここにいて欲しい」
あなたにここにいて欲しかった。欲しかった。すでに過去形。
少し不思議な能力を持つ祥子といつも一緒だった幼馴染の真美。祥子のことなら何でもわかっていると思っていたのに、祥子は自分と同じ異能を持つ女性と出会ってから様子がおかしくなって……共依存だったふたりがお互いから脱却して新たな関係性を築いていく物語で、本音をぶつけ合うクライマックスが最高に好き。
桜庭 一樹「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet」
あたしは藻屑にはまっていた。かわいそうで、苛立たしくて、きれいで、汚くて……。
田舎で理不尽さに抗う少女・山田なぎさと都会から転校してきた不思議な少女海野藻屑。未だ幼い少女ふたりが織りなす現実からの逃避行劇。『砂糖菓子の弾丸』という言葉の通りのふわふわと甘ったる藻屑とのやりとりと、戻ってきたなぎさを迎え入れる少しだけ優しくなった世界の姿が印象的でした。ミステリー文庫時代のイラストの表紙好きだったんだけどなくなっちゃったんだよな……。

百合・恋愛関係

七斗 七「VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた」→感想
「好きになりそうはもう好きなんよ!手遅れなんよ!好きなら私のこと落としに来いよ!」
下ネタ担当の2期生・聖様を中心にした物語がとても良かった。女性だけのVtuber企業という閉じた虚構の世界を舞台にした物語の中で性的マイノリティの話に触れてくるの凄く印象的だったし、コンプレックスを克服し想い人と相思相愛になった聖様がただのバカップルになるの大分面白かった。他にも様々な形の女同士の関係が描かれているのでそういうのが好きな人にもおすすめ!
向坂 氷緒「384,403km あなたを月にさらったら」→感想
四月までの私は、月の海にひとり。理世のいる地球に焦がれて、いつもひとりきりで宇宙を見上げていた。「……地球って、すごい」
最後に、TLレーベルから本番ありの百合作品を。かつて愛した幼馴染の女の子を追いかけて女子高に入学したら、彼女は破廉恥な噂のある「魔女先輩」の「お気に入り」になっていて……というお話。自分をクールだと思っているけど色々と抜けてる主人公が状況に翻弄される姿が楽しく、そんな彼女を小悪魔のように翻弄する幼馴染とのやりとりが大変可愛い、エッチな百合作品でした。


2021年に読んで面白かったラノベ10選

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

2020年から職場がリモートワークになり、本を読む時間が上手く作れない!!と嘆いていたのも記憶に新しいですがリモートワークも2年目に突入し、それなりに自分の時間の作り方もわかってきたかな…と思わなくもない今日このごろ。今年もリモート生活が続くようなのでもう少しペースを作って本を読んでいきたいです。これは別で書くかもしれませんが今年の後半は諸事情から旧作読むのがメインになってしまって新作が追いかけられてないのがやや悩ましい所(面白い旧作って時間持っていかれるよね!!)。今年はマジで2巻や3巻が読めてない〜という作品が多いんですが、好きラノの投票までには少し崩していきたいですね!締め切りはいつだ。

今年もこちらの記事で紹介した作品をそのまま「マニアック・ライトノベル・オブ・ザ・イヤー2021」に投稿しています。

お気に入りの新作6選

紫 大悟「魔王2099 1.電子荒廃都市・新宿」→感想
ファンタジー×サイバーパンク技術の融合が楽しい近未来SF。
2021年の新作の中で一番おもしろかったと思うのはやはりこれ!!科学世界と融合し、その恩恵を受けて一気に進化した魔導技術。その科学の恩恵に預かれない「時代遅れ」の魔王が配信者として生計を立てつつ力を取り戻していくお話。世界観に加えて魅力的なキャラクター達の行動が楽しく、何より魔王と勇者の不倶戴天の敵同士だが誰よりもお互いのことを理解している関係性がめちゃくちゃ好き。3巻待ってます!!
七斗 七「VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた」→感想
テンポ良い会話劇が楽しめる「企業Vtuber」モノ。
Vtuberである主人公やその同期・先輩後輩との小気味の良い掛け合いと、彼女たちの掛け合いをもり立てるコメント欄での反応を気楽に楽しめる。アンチや炎上のいない「優しい世界」なのが心地よく、そんな中で思う存分に暴走する個性派揃いのVtuber達の奇行が楽しかった。企業Vtuberモノということで、ゆるくても確かに存在するお仕事モノ感がまた(Vtuber世界に疎い者的には)新鮮。
小田 一文「貴サークルは“救世主”に配置されました」→感想
転生戦士×同人作家。リアルな弱小サークル描写が面白い!
「同人誌100冊完売しなければ魔王が復活して世界が滅ぶ」という一見荒唐無稽な設定、それを達成するまでの展開にしっかりとした肉付けが行われているのが凄く良かった。またマイナージャンルの弱小二次サークルの描写のリアルさに震えました。2巻の小説サークルの描写には個人的には違和感が強かったのだけど、凄く面白かったので3巻が出てくれるといいな。
コイル「オタク同僚と偽装結婚した結果、毎日がメッチャ楽しいんだけど!」→感想
程よい距離感の関係がたまらない、オタク男女の同居生活モノ
郊外にあるそこそこ立派な家で、自立したオタク男女同士が程よい距離感を保った共同生活を送る。キチンとした生活基盤を得た上でオタク活動をしているという上質な暮らし感が心地よく、タイトル通り「メッチャ楽しい」が伝わってきてこちらの心も健康になった。ラブコメとしてはこれからのお話だけど、無事2巻の刊行も決まったのでどうなっていくのか楽しみだなー。
栗原 ちひろ「死んでも推します!! 〜人生二度目の公爵令嬢、今度は男装騎士になって最推し婚約者をお救いします〜」→感想
「推し描写」が健康に良すぎるやりなおしモノ。
推し描写が健康に良いオブザイヤー。婚約者を「推し」すぎる余りにやり直し人生が始まった途端に彼を守るために全力で当たり前の女性としての生活を捨ててしまうヒロインと、そんな主人公にタジタジ……と思わせておいて実はメロメロなヒーローと、やはり「推し」パワーの高い周囲の人々のやりとりが最高に楽しかった。明るい話の中でひっそりと進んでいくシリアスな気配にもわくわく。
まきぶろ「悪役令嬢の中の人」→感想
異世界憑依×ヤンデレ百合×悪女な復讐劇。
自分の体に憑依してきた転生ヒロインのことが好きすぎて、彼女の代わりに完璧な復讐を果たしてしまう悪役令嬢のお話。憑依される前は未熟な人格だった主人公が転生ヒロインとの心の交流を得て心のスキマを埋められて、良い人になる……のではなくて完璧な悪女として大成してしまうのが、悪女モノとしてもヤンデレ百合としても最高に面白い。気に入ったらなろう版の未収録短編も読もう。

2021年に読みはじめて面白かったシリーズ2選

餅月 望「ティアムーン帝国物語 〜断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー〜」→感想
ポンコツだけど応援したくなる「やりなおし」劇。
一度は断頭台の露と消えた世間知らずのお姫様が幼少期から人生をやり直すことになり、断頭台を回避して気楽な生活を送るためにポンコツな頭をフル回転させて未来改変に挑むお話。一度は没落生活を送ったお陰で他人の心に寄り添えるようになった彼女が、復讐を恐れるあまり角の立たない解決を必死に模索していくうちに思った以上の評価を受けて行く展開が楽しかった。
鏡 貴也「伝説の勇者の伝説」→感想
過酷な状況下で少しずつ前を向こうとする主人公の姿が印象的
とある異能が原因で「化物」扱いされ続けてきた主人公・ライナが自分の考えに共感してくれる相棒や親友と出会い、少しずつ前向きになっていく展開がアツい。しかし、彼が望むような綺麗事だけでの解決ができるほど世界は甘くはなく……と闇の中で只一つの光を掴むような展開から再び闇に引きずり込まれていくような終盤の過酷な展開が衝撃だった。諦めることをやめたライナが前を向いて、親友のシオンに背を向ける第一部のラストがとても良かったです。続編を読むのが楽しみ。

今年「も」面白かったシリーズもの2選

羊 太郎「ロクでなし魔術講師と禁忌教典19」→感想
クライマックス目前の展開がノンストップで面白い…!!
ロクアカはもう2桁巻くらいのところからずっと面白いんですけど、グレンの師匠・セリカの足跡を辿りながら物語の中で大きな謎とされてきた「メルガリウスの魔法使い」の真実に迫っていく最新刊が本当に本当に面白かったんですよ……戦力的にも大きなパワーアップをする巻で、いよいよ次巻からはじまる最終決戦がどうなっていくのかが楽しみ。
衣笠 彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編5」→感想
極限状況で行われるクラス内での駆け引きが最高に面白かった!!
2年生編になってから全体的に話が大きくなりすぎて、キャラクターの把握で手一杯になりがちだったよう実ですが、久しぶりに学年別の争い、しかもクラス内での駆け引きが重要になるお話でめちゃくちゃ面白かった!!仲間を犠牲にしてポイントを得るか、ポイントを捨ててクラス内の団結を促すか……という究極の質問に対して各クラスがそれぞれの結論を出していく展開が最高に熱かったです。