真伝勇伝・革命編 堕ちた黒い勇者の伝説8 | 今日もだらだら、読書日記。

真伝勇伝・革命編 堕ちた黒い勇者の伝説8

 

伝勇伝につながる、堕ちた黒い勇者の"はじまり"の物語、クライマックス!
戦場の死神クラウが倒れ、劣勢に追いやられた革命軍。だが、クラウの叫びに呼応した敵兵の寝返りで、戦線は崩壊の手前で維持されていた。そんな状況で、奇蹟を起こしてみろと迫るルシルに、シオンは――!?

父王と対面し、王から紋章を奪ったシオン。状況を変えるために中立派の貴族の屋敷に向かうがその頃最前線ではクラウが倒れ、絶体絶命の大ピンチに。ミラーからの援軍も見込めない。そんな絶望的な状況の中、ルークは膠着し続ける戦況に違和感を覚え……果たして、シオンは奇跡を起こして革命を成すことができるのか。

そしてシオンの戦いは続く

伝勇伝第1巻でライナが収監されていた空白の期間を描く革命編、最終巻。ラスト1冊前になっても……というか最終巻になっても全く革命の終わりが見えず、どこからあの1巻ラストの状態に繋がるのかと思っていたら王が急死して終わるという酷くあっけない幕切れ。いやでも、元はと言えば勝利条件は王を殺すことではなく、シオンが現王以上の求心力を得ることだったわけなので当然といえば当然なのか。しかしこの絶妙に終わり方の後味の悪さ、実にローランドの気持ち悪い人外システムそのものだなあという感じで味わいがありました。

そして革命を成し遂げてもシオン達の戦いは終わらない。彼等に反抗する貴族達がしぶとく国の実権を握っていて邪魔を……というのは伝勇伝本編でも幾度となく描写されてきましたが、予想以上にライナが釈放された時点で国内しっちゃかめっちゃかな状態というか、ライナの前ではデキる王様を気取っていても水面下でアップアップしてたんだなあ……としみじみしてしまった。そして彼等の戦いは「伝勇伝」「大伝」へと続く。

やだー!!「とり伝」終わらないで〜〜!!!

「堕ち伝」とともに完結となる雑誌掲載短編の最終回「はっぴー・あんはっぴー・どりーまー」はライナが禁呪を受け、シオン達がそれを解くため奔走する……と見せかけておいて実は幼い頃の記憶がなく自分の誕生日もわからないライナの誕生日祝をするため、ローランドのみんながライナのサプライズパーティを企画するお話──を、例によって大伝のライナが懐かしく回想している話。もうだからそのオチになる予感はしてたけどほんと卑怯だっていってるじゃないですかもぉ〜〜!!!!!「伝勇伝」本編での実質的な平穏な日常終了イベントがシオンの誕生日だったのに、とり伝の最終回がライナの誕生日回だなんて完全に狙ってるじゃないですかやだーー!!!

ローランド編の登場人物が全員集合な挿絵があまりにも眩しくて、もうあまりにも最終回の挿絵で、こんなん笑いながら泣いてしまう。たとえフェリスがジャジャーン!!!とかいいながら自分の誕生日アピールに余念がなくてもオチが女体化シオンのバブみに包まれておっぱい貰う展開でも泣いてしま…………冷静に考えると最後の最後で与太話っぷりも凄いな!?

富士見ファンタジア文庫の雑誌掲載の番外編もの、割りと本編が取り返しの付かないほどシリアスになってしまってそれでも平和だった頃のなんでもない日常の話やってて温度差と尊さで風邪引く、というのわりといろんなとこで遭遇するやつなんですけど(東レやロクアカの短編もそう。フルメタはおそらく日常回の終了に合わせて短編も終わった)、伝勇伝の雑誌掲載短編はとにかくとり伝が本編時系列に追い抜かれてシリアス一辺倒の「大伝」に向かうにつれてその温度差を自ら強調してくる方向性で、どんなに面白い話やってても最後に大伝ライナの回想だったのさってオチが入るだけでこちらとしては泣かされてしまうのでクッソ〜〜〜〜〜!!!!!!!という感じでした。読者が時差で泣くことを熟知した上で計算でやってくるの卑怯(褒めてる)なんですよ……。

本編読むのに必要な要素があるから〜でめちゃくちゃ惰性で読んでた「とり伝」に「終わらないでーー!!!!!」って叫ぶ日が来るとは思わなかったけどマジで雑誌掲載分これで完結なの耐えられない。本編まだあと5冊あるんですが……!???

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