うららの記事一覧 | ページ 115 | 今日もだらだら、読書日記。

うらら一覧

2009年上半期ライトノベルサイト杯投票します。

無事にコミケ原稿も終わったので、ラノサイ杯に投票します。

■ 2009年上半期ライトノベルサイト杯 開催のお知らせ(平和の温故知新さん)
↑詳しいルールや投票の仕方等はこちらから↑


今年から新規・既存の作品数が最大10作品内で自由になったので新規:既存=3:7になりました。
今回既存部門傑作多すぎです……。

新規部門

【09上期ラノベ投票/新規/9784757746466】
■ ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!(⇒感想:1巻/2巻

意外な展開にびっくりした枠。
美少女ゲームの世界・キャラを現実に投影できるという不思議なシステムを利用し、現実の世界でギャルゲーの主人公となってしまった高校生が繰り広げるラブコメ。ヒロイン達を落としてハーレムルート突入かと思っていたら、ゲームのシナリオが現実の世界設定に影響を受けて思わぬ展開になったり、自分の知らないところで投影されたゲームが主人公たちの日常に大きな影を投げかけたり…と予想外にハードな展開になっていくのが面白かった。ゲームシステムを構築した側にも様々な物語がありそうだし、今後の展開が楽しみです。あと高橋愛子可愛いよ高橋愛子。
オンライン書店bk1
 

【09上期ラノベ投票/新規/9784829133989】
■ 本日の騎士ミロク(⇒感想:1巻/2巻

今回のギャップ萌え枠。
剣を握るしか能のない直情バカのミロクが、剣を持たない「赤目隊」に配属されて…という、「吉永さん家のガーゴイル」の田口さんが贈る最新作。普段のバカで鈍感な所からは想像も出来ない、無双能力の持ち主なミロクのギャップ萌えも素晴らしいのですが、そんなミロクを見守る「赤目隊」の皆やジルサニア王国の人々の放つアットホームな雰囲気が大好き。

何よりフェリサ可愛いよフェリサ!!!一見無表情系クール娘っぽい雰囲気と中身のギャップがたまらない!!
オンライン書店bk1
 

【09上期ラノベ投票/新規/9784048678476】
■ 猫耳父さん(⇒感想

家族モノ燃え枠。
挿絵とコンセプトから、全力でネタかと思ったら“父娘+ペット”がテーマのハートフル・ホームコメディ作品。余すことなく描かれる「猫耳父さん」のキモい挿絵も素敵過ぎるのですが、思春期にありがちな父娘のすれ違いを、死んだペットの思わぬ活躍が埋めていくという展開が素敵でした。また、愛猫である“ネー”を火葬してもらうシーンが父娘の感情まで凄い丁寧に描かれていて、それが凄い印象に残る。家族モノ好きならこれは読むべき。
オンライン書店bk1
 

【以下次点】
サクラダリセット
七夕ペンタゴンは恋にむかない
この2つと「猫耳父さん」のうちどれに投票するかで真剣に悩んでいたのですが、最終的に
猫耳父さんだけ誰も投票してなかったのでこうなりました。

既存部門

【09上期ラノベ投票/既存/9784086304863】
■ 鉄球王エミリー 鉄球姫エミリー第五幕(⇒感想

今期の挿絵燃え大賞。
まさに「激動の展開」という一言が相応しかった「鉄球姫」シリーズ完結編。もうね、とりあえずエミリー姫がかっこよすぎて燃えるのです。彼女の打ち出す奇策とか、段々彼女のカリスマに惹かれていく家臣達とか、デレた猿騎士とか、ニヤニヤせずにはいられない。あと挿絵がいい仕事しすぎ。特に例の奇策が成った瞬間の挿絵には、今期最高にシビれた挿絵だったと絶賛したいです。鉄球と血風の踊るド派手で激しい最終決戦と、その後にしんみりさせてくれるエピローグも最高!

とりあえず読んでない人は、今からでも読むんだ!!
オンライン書店bk1
 

【09上期ラノベ投票/既存/9784048675932】
■ とらドラ10!(⇒感想

アニメとの相乗効果が凄かったよ枠。
今期前半の話題を掻っ攫った学園青春ラブコメ完結編。アニメが丁度いい復習代わりになって、何の設定忘れも無くこの世界に没入できたのも良かったけど、ままならない「進路」という名の現実や、大きな壁として立ちふさがる両親たちの姿に一度は逃げ出して、それでも前向きに立ち向かっていこうとする大河と竜児・二人の姿がどうしようもなくまぶしかった。ラブコメとしても面白かったけど、それ以上に最高の学園青春モノとして最後まで走り抜けたこの作品にリアルタイムで出会えた事を素直に喜びたいです。
オンライン書店bk1
 

【09上期ラノベ投票/既存/9784044266189】
■ 戦闘城塞マスラヲ Vol.5 川村ヒデオの帰還(⇒感想

熱血展開が素敵だよ+続編が楽しみだよ枠。
何の能力もないニートの青年がひょんなことからハッタリだけで超能力者だらけの「聖魔杯」に挑むというシリーズ完結編。前巻で自らの“能力”の正体を皆に知られ、失意の内に敵の罠にハマってしまい…というまさにどん底状態のヒデオが、相棒であるウィル子や仲間達の想いを受けて少しずつ這い上がっていく姿がかっこよすぎた!!クライマックスの熱さは特に半端ない。
続編として企画されているらしい「お・り・が・み」シリーズに登場した“彼女”とヒデオがコンビを組む話というのがとても楽しみすぎます。
オンライン書店bk1
 

【09上期ラノベ投票/既存/9784044288211】
■ ムシウタbug 8th. 夢架ける銀蝶(⇒感想

ところで本編完結編はまだですか枠。
「ムシウタ」シリーズの前史となる「bug」シリーズ完結編。群像劇の様相を呈していた本編シリーズと違い、アグレッシブに周囲を引っ張りまわす主人公・亜梨子の元に様々な人々が集まっていくという展開がとても好きだったのですが、特にこの最終巻で繰り広げられた一級指定の虫憑き達の競演にはニヤリとせざるをえない。最後の最後で打ちのめされ、再起不能になった亜梨子がふたたび立ち上がる姿も熱かった。本編に繋がる糸も何本か解き明かされ、ますます本編のクライマックスが楽しみになってきました。それで本編完結編と「消閑の挑戦者」の続きマダー?
オンライン書店bk1
 

【09上期ラノベ投票/既存/9784757748279】
■ バカとテストと召喚獣6(⇒感想

姫路さんのターン+明久のターンな時点で入れざるを得ないよ枠。
妖怪変化した召喚獣もオバカで微笑ましいF組面々の活躍も、今期最大のトラウマ挿絵だろう131Pのアレももちろん素晴らしかったんですが、もうラストのWデュラハンの大活躍がかっこよすぎるわ、エピローグでの姫路さん&明久のやりとりが甘酸っぱすぎるわで、もうテンション上がりすぎてやばい。明久かっこいいよ明久!!!。徐々に人外化しはじめる同性愛者コンビとか、本編の水面下で着々とフラグを立てていくムッツリーニ&工藤愛子とか、その辺の今後も楽しみです。
オンライン書店bk1
 

【09上期ラノベ投票/既存/9784829133903】
■ 生徒会の五彩 碧陽学園生徒会議事録5(⇒感想

表紙の時点でとりあえず入れざるを得ないよ枠。
正直、このシリーズにそれを期待するのはバカテス以上に無理だろうなと思ってたんですよ。それなのに敢えてやらかしてくれちゃった富士見ファンタジア文庫の方には足向けて寝れません。男子表紙!男子単独表紙!!鍵かっこいいよ鍵!!!本の中身も、良い意味で「いつも通り」な本編の面白さは折り紙つき。そして鍵がかっこよすぎて窒息しそうな『企業編』クライマックスにはしびれすぎた。
オンライン書店bk1
 

【09上期ラノベ投票/既存/9784757748880】
■ 死神姫の再婚 鏡の檻に棲む王(⇒感想

「おなか痛い」最高枠。(別名:ゴロゴロ少女小説枠)
黒い噂は多いけど実は領民思いで誠実な成り上がり貴族・カシュヴァーンと、とある事情で「死神姫」と呼ばれる事になったちょっと変わり者のお姫様・アリシアの夫妻が繰り広げるラブコメ。やたらと初々しく甘酸っぱい主人公夫妻のもどかしいラブラブ具合も最高なのですが、ティルナード&ノーラとか、レネ&バルロイとか、ジスカルド夫妻とか、周囲のキャラクターやカップルたちの魅力が高いのも素敵。色々波乱がおきそうな、今後の展開にも期待です。もうとりあえず、新刊が出るたびに悶え転がる羽目になるのでほんとなんとかして…いいぞいいぞもっとやれー!!
オンライン書店bk1
 

【以下次点】
さくらファミリア!3
ばけらの!2

気がついたらものすごく…杉井光枠です…。
ぶっちゃけ、前回(2008下半期)にこの2つが来てたら(特にファミリア)間違いなく投票してたと思うんですが、今回本当に投票したい作品が多すぎました。



GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン2(下)

[著]川上 稔 [絵]さとやす(TENKEY)

武蔵・英国・三征西班牙、三国の様々な思惑を抱えて始まった英国と武蔵の「合同学園祭」。ホライゾンとデートをすることになったトーリだが、二人の周囲では武蔵総長であるトーリとの相対権をめぐり、英国“女王の盾符”と武蔵の面々が激突を繰り広げていた。一方、“傷あり”に呼び出された点蔵はその人物の意外な正体を知る事に…
   個人的お気に入り度数
日本一「アツい」学園系ファンタジーライトノベル!!!(某雑誌の宣伝文調に)

発売前からその値段とそこから算出されるページ数に、数多のラノベ読みを戦々恐々とさせたGENESISシリーズ第二巻完結編。まさかシリーズ4冊目にして「終わりのクロニクル7」越えをやらかしてくれるとは思ってませんでした!しかも物語りはまだまだ全然序盤なんだ…ぜ…。

感想で書き切れない位に様々なキャラクター達の魅力がふんだんに凝縮された物語は、まさに文字通り「圧倒的」。今回のメインはもちろん点蔵と“傷あり”(あと、ネシンバラとシェイクスピアコンビと、立花夫妻あたり)になるんだろうけど、その他のキャラクターたちにもちゃんといろいろなところで魅せ場があるのが凄い。バカだけど色々な意味で「バカとなんとかは紙一重」なトーリも光ってたし、少しずつ感情を取り戻していくホライゾンとの掛け合いも楽しい。あと、長らく燻っていた魔女コンビが大復活するシーンは、挿絵も合わせてスカっとさせられるシーンでした。

個人的にはどんどんギャグキャラとしてキャラ立ちしていく本田姉妹から眼が離せません。特にみんながシリアスやってるシーンでも彼女が出てくるだけでギャグになる、本田・正純の破壊力がハンパないぜ……やることなすこと曲解されてキャラが崩れていく姿は、「終わりのクロニクル」のヒオを思い出すなあ。二代と立花・誾の勘違い会話の破壊力も酷かった。

あと、何気に「実況通神」シーンが楽しいですね。各国の味が凝縮されすぎてて面白可笑しい。交渉しながら、こっそり皆に褒め称えてもらってる妖精女王可愛いよ妖精女王。そしてすっかり傍観者ポジションでニヤニヤ実況してるK.P.A.Italiaのインノケンティウスの冷やかしっぷりにニヤニヤする。

次の巻はIZUMOで一息つく話になるのか…?しかしこのシリーズの勢いだとそのまま次の国との相対に突入してしまいそうな気も…新たに加わった新キャラ達がどういった活躍を見せてくれるのかも楽しみ。しかし、シェイクスピアは絶対ネシンバラにくっついて武蔵に来るんだとばかり思っていたのに残念だ…。

しかし、元々が圧倒的に設定ガチガチな話な上、その大量の設定をふんだんに使って畳み掛けるようにストーリーが展開されてくるので、正直こちらの理解が追いつかないところで物語が疾走してる感がキツイ。個々のやりとりには凄くニヤニヤできるんですが、あまりにも情報量が多すぎて自分の頭の中で1つの「物語」としてなかなか繋がってこない…。面白いのは判ってるのに自分の理解が追いつかなくて楽しみきれてない感じが物凄くもどかしかった。

ほんとに各巻4?500P程度で分冊してくれたら逆にゆっくり楽しめる気がするのですがそれじゃだめなんでしょうか…。京極夏彦は「分冊版」っていうのがあるらしいよ?ね?って呟いてみる。つか物理的な問題として、一気読み推奨な話なのに一気読みすると腕が痛くなるのは致命的だと思う。


本日の騎士ミロク2

[著]田口 仙年堂 [絵]高階 聖人

赤目隊の作戦が功を奏し、なんとかホラキア軍を退けたジルサニア王国。捕虜となったジュジュの幼なじみにしてホラキア国王子・ベンヤミンの口からもたらされたのは、ミロクの生まれ故郷でもあるオウガンの魔導士がホラキアを陰から操っていたという情報だった。講和条約と姫の講演を行うため、急遽ホラキアに向かう赤目隊の面々だが…
   個人的お気に入り度数
変わり者揃いの王国騎士団「赤目隊」に入隊したミロクが、破天荒な王女様・ジュジュに振り回され、こきつかわれつつも難敵に立ち向かっていくファンタジー第二弾。今回は前巻でも不穏な影を覗かせていたミロクの故郷・オウガンが本格的に「ジルサニアの敵」として登場し、自らの立ち位置にミロクが葛藤するお話。

ジルサニアの王女ジュジュ、ホラキアの王子ベンヤミン、オウガンの皇子であるミロクとシェンラン。肩書きは同じでもそれぞれ違う立ち位置にいる4人が様々な思いをもって自らの国を思い、憂い、互いの護りたい者ため相対していく姿が印象的。たとえそれが未熟な想いでも誤った道であっても、誰も彼もが自分の国やそこにいきる人々のために一生懸命で、その姿が清々しく映る。特に、ヘタレヘタレと思っていたベンヤミンの成長っぷりには驚かされました。ラストのベンヤミンの演説はマジかっこよすぎる。

なし崩しに祖国と対立することになってからはじめて祖国とジルサニアのどちらを取るかで葛藤するミロクは残り3人の王子・王女達の姿と比較するとあまりにも考えなしだなあ、と思うわけですが(もちろんオウガンがジルサニアを攻める可能性自体が元々低かったというのもあるんだろうけど)、迷いを振り切って『どちらも救う』という第三の選択を選び、かつての友と相対する姿の凛々しさといったらない。っていうか名乗り合いのシーンがかっこよすぎなんですけど!!!うわあああミロクかっこいいよミロク!!!(ゴロゴロゴロ)

しかし、シェンランはカラー絵からしてふつうに女の子にしか見えないなあ…どうせならもうちょっと性別不詳系美形キャラっぽく描いてほしかった気が……挿し絵だとふつうにかわいい女の子なので、文章から受けるキャライメージとのギャップに時々戸惑いました。むしろふつうにシェンランでもいいじゃない……確かに「お兄ちゃん」の破壊力は妹萌え属性ない私ですらグラっとくるほどやばかったですが!いやでも、シェンラン×ミロクでもいいじゃない……(いろいろだいなし)

まだまだいろいろな部分で未熟なミロクと、とにかく肝心な所で言葉の足りないジュジュを暖かく見守る赤目隊とジルサニア王家の人々のアットホームな雰囲気も前巻から引き続き最高です。というかフェリサ最高です。あの外見のクールさと、口の悪さ及び中身のえげつなさが醸し出す壮絶なギャップが最高すぎます!!もっとフェリサ目立てばいい…むしろ彼女主役のスピンオフ短編とか超みたい……フェリサかわいいよフェリサ…!!

次巻はいよいよオウガンとジルサニアとの対立が本格化しそうな感じ。というか●●…だと…。物語がどの方向に転がっていくのか、とても楽しみです。


ラノベ部3

[著]平坂 読 [絵]よう太

留学生のリアを加え、それでもいつもどおりまったりとした日々を過ごすラノベ部の面々。ある日、漸く自室の片付けがひと段落したリアが文香達に教えてもらった書店に向かったところ、意外な人物と出会って……
   個人的お気に入り度数
ライトノベル部こと「軽小説部」の面々が部室で他愛もないことを語り合ったりする学園小説シリーズ、完結編。今回はラノベ部内を駆け巡る恋愛戦線に大きな動きが!?

小ネタ一杯で軽いノリで楽しめる文章の数々には相変わらずニヤニヤが止まらないのですが、やはりリレー小説の破壊力の高さが異常。人が変わるごとにどんどん勝手な方向に変わってしまう物語も凄いんですが、今回は何より文香パートが酷い。漢字の少ない、子供のような文体とはうってかわったグログロな展開に噴出しました。っていうか今回の文香は隠し切れない黒オーラ出てた気がするんですがきのせいですか!リアの気持ちに気付いた途端告白したり…と、この作品で一番黒いのは実は彼女なんじゃないかという気がしてきた……

竹田を巡る恋愛戦線は駆け足で終わってしまっていてなんだか物足りない部分も多かったですが、ずっと文香に自らの正体を隠していた暦が…とか、いろいろな部分にきちんと決着がついていってスッキリした終わり方ではありました。(しかし、文香と暦の見開きカットは正直必要だったのか…?ここは普通の1P挿絵でよかったと思うんだけど)それにしても、暦は様々な意味で将来が心配です。文香の妹と共に変な方向に足を踏み外さないようにしていただきたい…

そして堂島かこいいよ堂島。彼の“日常系”作品に対する考察は自分の趣味嗜好とも繋がるものがあって面白かった。個人的には、このシリーズではやっぱり堂島が好きだったので、彼の出番が結局最後まであんまりなかったのはちょっと残念です。

元々小ネタの集合体みたいなラノベなので、マンネリと言われる前にまとめてしまう方が綺麗な終わり方なのかもしれないけど、盛り上がってきた恋愛戦線とか暦の小説家としての・少女としての成長はもうちょっと長い時間をかけて眺めていたかったかも。あと1?2冊くらい読みたかった気がするなあ。特に女性陣3人に振り回されるヘタレ竹田、という構図がもうちょっと見たかったなぁ!!あとラストで出てきた暦の母親が素敵すぎなんですが彼女の出番は!

最後までニヤニヤほわほわ、楽しく読ませていただきました。
次回作もこんなノリの日常系ラノベになるそうなので、そちらもちょっと気になる。楽しみです。

最後に、自分の見つけたもので、元ネタ作品が明記されていなかった系のネタ一覧。
今のところネタまとめやってる感想記事がなかったようなので……ほぼ自分用まとめメモ。
続きを読む


H+P(4) ?ひめぱら?

[著]風見 周 [絵]ひなた 睦月

未だお姫様に手を出そうともしない恭太郎に業を煮やしたピコルは情に厚い彼の性格を利用し、一計を企てる。それは「お姫様達5人の寝室に忍び込み、理由を明かさず下着の中に仕込んだ“あるモノ”を取ってこい」というものだった!ピコルの計画通り5姉妹の寝室に忍び込んだ恭太郎だが…
   個人的お気に入り度数
富士見ファンタジア文庫で異彩を放つエロコメ第4弾は短編集。とはいえ敵国絡みのネタがないだけでいつも通りという説が。しょっぱなから「ちちおん」で噴いた。あと、ピコル&アレスタの「出番ない組」に加わりつつあるアルト姫哀れすぎる…

3巻で「次はこれ以上エロくなる」みたいなことが書いてあったのでどんな大惨事になっているか戦々恐々でしたが、意外にエロは控えめだったように思えます。というか、個人的にはエロエロなお話よりもお姫様達とのほの甘い日常を描いた短編の方が印象に残っているかも?あ、あと夜這いの話でヒロインはアレスタだとおもった私は多分間違ってない。

特にレイシアと城下に買物に行くお話と、エリスが恭太郎にキスをねだる話が可愛かった。特に後者。エリス様可愛いよエリス様!!!「恭太郎のことなんてなんともおもってませんのよ!」って言いながら恭太郎の一挙動一発言に胸を踊らされ、心の中でキュンキュンしちゃってるエリス様が可愛いのなんの。こういう、糖分高めのツンデレもいいよなー!私が恭太郎なら全力でエリスルートを選ぶね!!

しかし、恐らくメインヒロインポジションな気がするユフィナの影が薄いなあ…レイシアとエリスの猛攻に押されてどんどん影が薄くなってる印象があるんだけど。正直キャラの魅力としても今のところレイシア&エリスの方が上なので、今後の彼女の(ラブコメ的な)活躍に期待したいところ。…いえ、エリスルートだったらそれはそれで私はうれしいけどね!!

次巻では一気に話が動きそうな気配なので、次巻も楽しみです。あー、でもエロはやっぱりもうちょっと控えめにしてほしい………とはいえ、エロが薄めの今回は正直物足りなかったんだけどもう自分どうしたらいいのか…orz


生徒会の六花 碧陽学園生徒会議事録6

[著]葵 せきな [絵]狗神 煌

学園祭という大仕事を終え、今日もゆるゆると生徒会室に集った面々……だが今日は妙にやる気がない?!学園祭で使用された大量の物品が『忘れ物』として生徒会室に届けられていたのだ。仕方なく片づけに精を出す事になったが…
   個人的お気に入り度数
なん……だと……<「卒業編」

毎回本編以上に「企業編」での杉崎のイケメンっぷりを楽しみにこの本を読んでいた身としては、「卒業編」の杉崎失踪という現実に絶望した!物凄い私情挟みまくりだけど絶望した!!確かに本編はいつも通りの面白さで大いなるマンネリ万歳ではあるんだけど、今回はとにかく、鍵のイケメン分が足りないよ!!!五彩のかっこいい鍵はどこいったんだ!!

これまでは本編の方でもどこかしらかっこいいところを見せてくれてた気がするのになあ。唯一「夢見る生徒会」ではちょっぴりだけ鍵が男を見せるのですが、この話での鍵の空回りっぷりが酷く、その後のヒロイン達の反応がまた酷く…。気持ちはわからなくはないけど!それでもあれは能力的にどうしようもないじゃん!!物語自体も、マンネリ化防止のためにちょっと毛色を変えたのかもしれないけどあんまり面白くなかった。これを入れるならいつも通りのおきらく極楽な短編を2編収録してくれた方がよほど嬉しい。

…と、私情入りまくりのぼやきはとにかく、それ以外はいつも通り面白かったです。鍵はもういっそ、真冬ちゃんに取り入るために腐男子になればいいと思います。特に第三話「喋らない生徒会」の破壊力はまさに最凶。言葉でのコミュニケーションするのを禁止され、口パクで会話を始めたらどんどん曲解されていって、どんどん周囲の人を巻き込んで…という展開に大爆笑。あと第四話「抗う生徒会」もヤバイ。二次元と三次元の区別がついてない深夏とのやりとりに爆笑した。

あと忘れちゃいけないのが、「えくすとら」。特にマギル先生の独白は「ぶっちゃけ“碧陽学園生徒会議事録シリーズ”なんて誰も使ってない」「最近、このシリーズってマンネリだよね」「このラノ上位入り確実」とか色々ツッコミどころ満載過ぎて噴いたwwwそして忘れちゃいけないのが鍵と深夏のやりとりだなあと…まさにあれは、クラスメイトのツッコミに、全面的に同意。

しかし、えくすとらのラストがよりによって鍵と深夏のあのやりとりだっただけに、その会話と対象的なエピローグが気になる。さすがにここまできて、飛鳥エンドはありえないと思うんだけど…「夢見る生徒会」で、これまで一切本編には登場しなかった林檎・飛鳥が登場したのも今後への伏線?

結局のところ、この引き方には物凄い惹かれてしまうんだよなあ…。


メイド刑事9

[著]早見 裕司 [絵]はいむらきよたか

いつになく取り乱した梶が海堂家にもたらしたのは、葵がかつて所属していた清瀬のレディースが何者かに襲われ、壊滅したという知らせだった…!その事件を皮切りに、彼女の身近にいる人間が次々と狙われていく。犯人の目的は、葵と貴美香を戦わせる事で……
   個人的お気に入り度数
黒須姉妹との対立が激化する中、清瀬のチーム壊滅から始まって葵の周囲の人々に次々と魔手が伸びていく…というシリーズ完結編。

大切な人たちが傷ついていくのに何もすることができない葵の姿がなんとももどかしい。とくに、ルカの危機は巻頭カラーで示唆されている出来事だったので「ルカ、にげてにげてー!!!」と叫びたくなったり。朝倉老人の大活躍はもうちょっとじっくり見たかった気がしますが。メイド刑事と背中合わせに戦う姿がかっこいいよ朝倉老人!7巻の「執事探偵」にニヤニヤしてた私ですが、普通にメイド刑事ならぬ「執事刑事」ができたんじゃないですか朝倉老人!!外伝としてどっかでやらないものかしら。

そして貴美香…真奈香が始末された時点でこの結末も半ば予想できるとはいえ、葵と貴美香の仇敵コンビで善香に…という展開もみてみたかった気がする。

後半は、ひとしきり直接攻撃した後は海堂が政治的に陥れられて…とますます追い詰められていく葵達。しかも、彼女を追っていくうちにとんでもない陰謀にぶちあたって…という展開。書斎での葵と海堂のやりとりが唯一の息抜きと言うか、真顔で口説き文句連発な御主人様にとてもきゅんきゅんします。動揺してる葵がまた可愛いなあ!!あと、窓際族と思わせておいて……な狭間警部の大活躍にニヤニヤする。

ラストはなんか、突然ファンタジー(違)な展開になっちゃって「!!???」だったけど、シリーズすべてを通しての熱い展開は健在だったのでこれはこれでアリ…なのかな。個人的には結局ニキータさんの正体はなんだったんだろうとかとても気になるので、執事刑事と合わせて番外編で1本出してほしい気がする。

最後の展開を読んで
葵「わたくしと御主人様の冒険はこれからでございます!」
とか言いたくなったのは私だけでいいです。


黒椿姫 雷鳥の暗殺者と公爵令息

[著]魚住 ユキコ [絵]カワハラ 恋

グロンヴァール王国の第一王位継承者として、幼い頃から側近の者達の裏切りや死別を繰り返してきた王女・エルダ。人間不信に陥った彼女は自分の命を狙いに来た暗殺者・レイフェンを敢えて従者として雇う事に。暗殺者と暗殺対象である二人の奇妙な生活が続く中、野心家の公爵令息・ヒースコートが彼女に求婚を申し入れ…
   個人的お気に入り度数
ためしに3冊ほど買ってきたティアラ文庫最後の一冊は、暗殺者とお姫様のちょっとエッチな主従ラブ。ところで全くストーリーと関係ありませんがヒースコートがスザクにしか見えないの私だけですか……。

個人的に「幼い頃から暗殺組織で育てられた暗殺者が暗殺失敗して暗殺対象と同居生活送る内に情が移り、暗殺組織に連れ戻された暗殺者を暗殺対象が無茶を承知で助けに行く」というシチュエーション(長)が大好きすぎて困る私としては、好みドンピシャ。人間不信のエルダがいろいろな事いいながらレイフェンに少しずつデレていく様子にもニヤニヤで、暗殺者モノとしても主従モノとしても文句なしにドツボ。最後にレイフェンの素性が意外なところに通じていくのも面白いんだよね。彼の正体が明らかになった時は思わず唸りました。「どう上手くやっても身分的に結婚は無理だろ…身分的に」という二人なので最後の設定は上手いなあって思いました。

そしてメインの2人もいいんだけど、公爵令息・ヒースコートの腹黒っぷりが良い!!笑顔で本心隠して酷い事を考えてるかませ犬キャラって正直最高じゃないですか!!人間不信で警戒しまくりなエルダとのやり取りには、本当にニヤニヤした。あと、彼の忠実な騎士であるアナベルが良いキャラすぎたので、ぜひともイラストで彼女の雄姿を拝みたかったです。個人的にはヒースコートがラスボスくらいの展開でもいいんじゃないかと思っていたのですが、ラストのエルダとのやりとりが最高すぎたのでむしろこのオチはありあり。

そんなこんなで、最後までとにかく楽しく読めました。買ってきた3冊の中では一番お気に入りかも。続きは…さすがに期待できないのかな。こっそりとシリーズ化に期待してみます。


ヴァンパイア・プリンセス

[著]水戸 泉 [絵]南国 ばなな

若くして、死んだ人間を“屍鬼”として復活させることが出来る「リリス」になってしまった少女・ファウスリーゼ。屍鬼達は本能的に彼女に恋心を抱いて従ってしまうので本当の恋を知らぬ彼女だが、ただ一人・真木名という男だけは違っていた。そんな真木名が拾ってきた少年は、ファウスリーゼがかつて短い間を過ごし、忘れられなかった人間に瓜二つで…
   個人的お気に入り度数
キスとDO-JIN!」シリーズ書いてる小林来夏さんの本職名義でティアラ文庫創刊ラインナップのヴァンパイアもの。屍鬼達の争いを避けるために個人的な関係を築く事を出来る限り避け、淫魔でありながら純潔を護り続けてきたファウスリーゼが、屍鬼でありながらなぜか彼女の命令に従わない真木名に犯されてしまって……というお話。

すごくエロエロだった。
創刊ラインナップはこれしか買ってませんが、先日読んだ「紅の勾玉」くらいがティアラ文庫のアベレージラインだとしたら突き抜けすぎだと思われる。本番が確か4回だか5回だかあった。いや水戸さんのBLは以前読んだ事あるので予想してたけど!!

割と典型的な「最初はイヤイヤだったのに段々それが快感に…!」的なお話。ゴーカンからはじまる恋もあるよ系。とりあえずエロシーンがとても読み応えがあったよ、くらいしか感想が出てこない…いや一応褒め言葉なんですが。若いうちから「リリス」となり、無条件に屍鬼達から愛されてしまうため愛されるという事のを理解できていないファウスリーゼが、少しずつ真木名への思いを自覚していくという過程が素敵。

ただ、個人的には彼女の周囲にこれだけの人間が居るのに真木名以外が相手のエロが殆ど出てこないのには不自然感を感じたかも。彼女の決めた命令に逆らえない屍鬼である鳴瀬や純情少年っぽい波留がエロに絡んでこないのは仕方ないとはいえ、ラスボスである“彼”とは一悶着くらいあっても良かったんじゃ…と思ってしまう同人脳。この手の小説で微妙な立ち位置の幹部級の敵が触手攻撃してくるというお約束だけは忠実に護ってましたが、そのくらいか。敵にけしかけられた男子生徒が処女厨丸出しの発言をかまし出した時にはうっかり爆笑した。

後書きでページ数制限を大幅に突破してかなり圧縮を迫られたみたいな話がありましたが、実際本来もっと長い小説だったんじゃないかなあと思わせるような消化不良感をなんどか感じました。もうちょっと色々な展開があったのに物語をとりあえず終わらせるために真木名とファウスリーゼの関係だけに絞って収録しました、みたいな。というかいっそ波留とか居ない方が物語のバランスとしては綺麗だったんじゃあ…。作中では彼が一番ツボだったので、主役級の扱いっぽく物語りに絡んできた割には思いっきり脇役だったのが残念。もういっそ上下巻で連続刊行にしちゃえばよかったのに。

……波留が出てきた瞬間、真木名×波留とか、真木名が波留を連れ込んでファウスリーゼと3Pとかそういう展開をうっかり期待した私は、そろそろ一度どこかの神社で邪念をお祓いしてもらったほうが良いでしょうか。