女子ばかりの楽園に転入してきた数十名の男子生徒たちが制服:女装をはじめとした不当な扱いを受け、女の子ばかりの生徒会に卑怯な手段を駆使して勝負を挑む!!というお話。deltazuluさんの感想で「面白いからという理由で、男子生徒の制服をセーラー服に」という一文を見たらもう居ても立ってもいられなかったんだぜ!!
どんな勝負を繰り広げるのかと思ったら、「かくれんぼ」「鬼ごっこ」と小学生のような種目が連発されてて、失格ギリギリの線でルールの裏をかきあう点ではかなりの頭脳プレイが繰り広げられている筈なのにやってることはまんま子供のじゃれ合いというギャップが楽しかった。特に鬼ごっこで男子生徒が(自主規制)になった時には思わず噴いた。さりげなく女装がクセになっちゃってる男子が居るっぽい(しかも似合わないやつに限って)のには思わず笑ってしまう。
このままこんなじゃれ合いが続くのかと思ったら、二番目の勝負の辺りから急にラブコメ色が強くなってきて、3つめの勝負は「デート」だと!?しかし、この手のラブコメの主人公らしい鈍感っぷりを発揮して女の子達の期待を片っ端から肩透かししていく主人公の罪作りっぷりにヤキモキしつつも、翻弄される女の子達の姿にニヤニヤしたり。
ただ、設備の不遇っぷりとか両勢力のトップが幼馴染同士とか…どうにもひとつ思い出してしまう作品があって、どうしてもそちらの突き抜けっぷりと比べてしまう事が多かったかもしれない。あとヒロインがラストで打ち明けた「裏から手を回した件」はもうちょっと主人公は怒っても良かったんじゃないだろうか。「可愛い我侭」で押し通すには、周囲の被害が大きすぎて素直に可愛いとは思えなかった。
それで購入の最大の決め手となった「男子生徒全員セーラー服」ですけど…まあ絵師さんがすでにバリバリエロゲ絵だったのでそこまで(エグイ意味での)期待はしてなかったけど、もうちょっとこう…男子の挿絵を増やしてくれてもいいのに。べ、別に柳谷のセーラー服姿を描けなんて何もいってないけどさ!うーん、あんまりエグい挿絵を入れると売り上げに響くんだろうなとかそういうのはなんとなく判るんだけど、正直こういうグラフィック的に突き抜け感のある作品で挿絵が女の子の萌え萌えなイラストばかりというのはどうしても物足りなさが残ります。うん、私がこのシーンで見たいのはお前じゃないんだ……みたいな感じ。
何より本文であそこまでやっといて芹沢の挿絵がないのはどう考えてもおかしいだろ!!芹沢の扱いは露骨に秀吉的な何かを感じただけに、そこまできたらもうちょっと頑張って昨今の男の娘好きに売り込んでも良かったと思う。バカテスの秀吉・おとまほのかなたん・生徒会の中目黒に張り合えるほどのポテンシャルを彼から感じたので、挿絵を入れなかったSD文庫編集部は本当にわかってないなあと思った。
「うらら」一覧
真・運命のタロット6 《星》はなんでも知っている
| [著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉 行方不明になった水元頼子の消息を追って1980年のニューヨークに現れた大河。《太陽》との戦いで記憶を失ったライコは《悪魔》の協力者・カインに保護されていたが、彼女を巡って謎の華僑財閥、ソ連の諜報部、米国国防省に「運命のタロット」関係者……と、様々な人間たちが動き始める…! | ![]() |
とりあえずぺらぺらめくって自称“ただれてる”なライコの挿絵見て噴いた!カインがこんなにライコ(ミーナ)に執着する理由も気になるけど、カインと《悪魔》の関係も色々と紆余曲折がありそう。《悪魔》ってあれだけカインにべったりなのに、イマイチ彼に対して無償の愛を注いでる感じじゃない気がするんだよね。前シリーズで、彼の後の協力者との関係を知っているからかしら。逆に、なぜか《悪魔》に対してツンツンなカインの態度の正体も気になるところ(小悪魔だけ褒めて《悪魔》はスルーなのはさすがに可哀想だと思った)
ライコ記憶喪失中&《魔法使い》は前シリーズの結末の通りで出てこられない状況で、大河やらカインやらリンダ&《星》やら《審判》やらにライコを狙う様々な国際組織を交えて外野がドンパチやってるお話で、やはり主役コンビ2人が殆ど出てこないのがちょっと物足りない。久しぶりの登場な大河も他の熟練の関係者達に推され気味で、基本的に後手後手に回りまくりだったのも物足りなさに拍車を掛けていたかも。大河には、そろそろ恋する男の子(?)の本領発揮でもうちょっと活躍して貰いたいところ。《星》や《隠者》やその協力者やらカインが一筋縄ではいかなすぎる、というのもあるんだけど…
全体的に今後の展開への伏線張りに終始している感じ+政治話が絡んできて、結構読むのが辛いなあ……なんて思っていたらモントーク研究所の話が…!!!思わぬところであの事件が残した傷跡を目の当たりにして、心が痛くなった。たとえすでに死んでいるとはいえ、自分の意思とは無関係に死後もその力を利用されているその姿が悲しすぎました。
次の巻では表紙を見る限りでは《魔法使い》の復活もありそうだし、今度こそ久しぶりに水元ライコ&《魔法使い》のコンビが見れることを楽しみにしたいです。ここからどうやって「教皇」での展開に繋がって行ったのかも引き続き楽しみ。しかし、次の巻の厚さは少女小説としておかしいよね!?「悪魔」越えしてそうなぶあつさに噴いた。
真・運命のタロット5 《悪魔》でも恋に生きる
| [著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉 自分たちが『メデューサの首』に潜入した事が原因で、マダムの息子を巻き添えにしてしまったことを気に病む《女教皇》は、《死神》とのフェーデが激化するのを目前にして一人マダムの元へ向かう。せめてもの罪滅ぼしに息子の死を告げようとするのだが、彼女の家には《節制》が待ち構えており…!? | ![]() |
ようやく合流した《魔法使い》に“嘘がつけない”という精霊の身体のせいで自爆しちゃった《女教皇》が漸く通じ合う場面が唯一の息抜きポイントでした。大事な事を言う一瞬だけ一人称が“《魔法使い》”から“俺”になっちゃう《魔法使い》萌えー。
しかし、“分岐”に至る前の《女教皇》とマダムのすれ違いも辛いものがあったけど、フェーデを終えて戻ってきた彼女を待ち受けていた展開が辛すぎた。大きな被害を食い止めるつもりで戦ったフェーデの結果、確かに被害規模は小さくなったんだけど、それでも失ったものが多すぎて。ティターンズの担っている使命を考えればこういう事態といずれは遭遇するかもしれない、ということはいつも頭の中にありましたがこれはまさに最悪のパターンという感じがする。為す術もなく彼女の手から零れ落ちていく生命の脆さに、やるせなさばかりが残る。自分をもだまそうとして、必死に現実から逃げようとする《女教皇》の姿が痛々しい。
個人的には、仲睦まじい《女帝》と《皇帝》の姿が見られたのがそんな中で唯一の救いなのですが、「運タロ」でのあの事件を考えると、この二人が仲たがいする時がいつかやってくるんだろうなあ……と思うと。ひいては彼女達の正体までを考慮してしまうともう本当にやるせなくなるなぁ…本当にどうなっちゃうんだろう。「どうなっちゃうんだろう」といえば、《恋人たち》も…あんなにいい子だったのに、その後の彼の姿を思い出すともう本当にやるせない!!今旧シリーズの2巻以降とか読み直したら、また全く違った感想が出てくるんだろうなあ。
次巻は「ニューヨーク編」が開幕の模様。カザフでの辛い思い出、そしてそもそもの記憶喪失の原因となっているであろう《悪魔》の協力者・カインとのやりとりが遂に明らかになる…?2つの辛い記憶を、引きこもってしまった《女教皇》がどうやって乗り越えていくのか。そして記憶は戻るのか?長い沈黙を破って遂に再登場するらしい彼のことも含めて、続きが楽しみです。
キスとDO?JIN! オタク王子のあぶない誘惑!?
| [著]小林 来夏 [絵]由良 七海が同人活動を始めてから早10ヶ月。イベントにサークル参加していた七海を訪れた高橋が連れてきたのはなんと“コミックエンペラー”代表の芹沢と、その甥っ子の美少年・日暮克巳。年少ながらも大手同人作家として活動している克巳は、七海に「こんな落ち目のジャンルには見切りをつけて、売れ線作品で稼ごうよ!」と言い出すが… | ![]() |
正直、萌えが一定の基準値を突破しないと二次創作できない自分にとっては克巳のあれは一種の才能だよなーと思ってしまうわけですが、正直リアルで彼みたいなのが身近に居たら多分キレると思う、私。物語を読んでる最中も、その言動やら態度やらにイライライライラ。っていうか落ち目ジャンルで何が悪い!!ジャンル規模小さいのの何が悪いというんだ!!例え言ってるのが好みドンピシャの子悪魔美少年だとしても、言っていい事と悪い事があります。ど、同人っていうのはなあ…同人っていうのはそういうものじゃないんだよ!!ぎ、技術よりも愛が重要なんだよ!!たぶん!(…以上、弱小ピコサークルの心の叫びでした。)物語の中盤以降、彼が芹沢やら高橋やら蝶子さんやら西南北やらに言葉のフルボッコを喰らう様子を見て、とてもスッキリしたのは内緒です。
たとえ技術が高くても漫画が面白くても、不思議と作品やキャラへの愛が篭ってない作品っていうのは魅力に欠けると思えてしまう不思議。妄想大爆発のトークとか、書いた本人は後で読み直すと死ぬほど恥ずかしかったりするけど読むほうにとってはかなり面白かったりするよね。っていうか、それが二次創作の醍醐味だと思うんだよなあ。やはり愛がない二次創作は、どんなに良いものでも魅力半減なのです。ただ克巳の場合、少なくても「漫画を描く事」を楽しんでいるのは十分に伝わってくるのでその辺は難しいなあと。あと芹沢への愛は痛いほど伝わってきた!っていうかマジで克巳×芹沢本を、誰か出すべき。
そして思わぬ所で蝶子さんと響が変なコンビ結成してて噴いた。いや、何気にいいコンビすぎて噴いたというべきか……絶対ウマが合わない二人だと思っていただけに、今回の意気の合いっぷりには笑いました。
そして恋愛面では……あれ、これは西南北ルートだとおもってたけど高橋ルートに分岐してしまったのか?西南北が凄い勢いでかませ犬臭を発している気がしてしょうがないのですが……次巻は恋愛寄せらしいので、次で三人の関係がどう動くのか、期待です。
それにしても、ラストの短編での執事には久しぶりにしてやられた。
序盤のスーパー変人ぶりは周囲の変人ぶりも相まって薄くなってきちゃった印象が残念ではありますが、なんかもうむしろ「実はさみしんぼ」キャラで売ったらいいと思う。人知れず三十路突入で腹抱えた。
真・運命のタロット4 《審判》はレクイエムを歌う
| [著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉 『メデューサの首』に、あのラスプーチンの遺骸が利用されていると知った《魔法使い》と《女教皇》は施設を破壊しようと試みる。ところが二人を止めたのは最強のティターンズと言われるタロットの精霊・《力》だった。彼女によって《魔法使い》とは別の場所に飛ばされてしまった《女教皇》は、《力》のパートナーである《審判》に出会い… | ![]() |
敵である《正義》側が普通にいい人っぽくて、味方側の《力》&《審判》がとてもうさんくさいということもあって、自分のやることは自覚しているものの色々と揺れる《女教皇》。実際、ティターンズのやっていることは“アカシック・レコードの運命に従う”ってことなんだから、マダム・ゴーリキーの言うように「運命に従って死のうとしている誰かを護ろうとするプロメテウスvsそのまま殺させようとするティターンズ」って構図はあってもおかしくないんですよね。というか今回の《死神》と田村のコンビはとにかくとして、プロメテウスが事態を悪くするような改変ばかり起こそうとするのには何らかの理由があるのかなあ。どうせなら何かいいことすればいいのに…とか思ってしまう。
今回一番大きな動きといえば、《女教皇》が遂に自らの象徴の力を思い出した事か。かなり応用範囲の広そうな能力だし、今後この能力をどうやって使いこなしていくのかという辺りも楽しみ。確か《月》の体験で出てきたときでも全能力を使いこなせてなかった気がするので、今後の物語における大きな切り札になっていくんじゃないかなあ、と期待。しかし、そろそろ《女教皇》は記憶を取り戻しませんか…括弧文字で表記するの面倒くさい私がいるよ!
《力》や《審判》の意味深発言の通りに、なんだか嫌な方向に物語が転がっていきそうで漠然とした不安が。というか、あれだけ意味深に言われると《女帝》《皇帝》がプロメテウスに寝返った理由とかも改めて気になってきちゃう。そして重い展開続きの中、中盤の《正義》コンビ+カーシャと《女教皇》《恋人たち》のやりとりが凄い癒しになってるのですが、その分ラストのあの展開がうわああああ痛いいいいい!とにかく続き続き…!!
余談ですが《節制》は能力がえげつない分、出るとかませ犬ポジションだなあ、とか失礼な事を思った私です。
7月の新刊予定がおかしい件
まろんさんや絵空さんも日記でぼやかれてますが、7月新刊ヤバイ。
元々、ラノベ系の新刊を買ってる冊数は月平均10冊行くか行かないか、多い月で12?3冊程度の分量なのですが、それを踏まえて7月の購入予定をご覧ください。判りやすいように番号入れてみたよ!!
7/10…電撃文庫
(01)とある魔術の禁書目録18
(02)GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン2下
(03)神様のメモ帳4
(04)アカイロ/ロマンス4
7/15…GA文庫
(05)メイド刑事9
(06)おと×まほ8
7/18…ガガガ文庫
(07)とある飛空士への恋歌2
7/20…ファンタジア文庫
(08)生徒会の六花 碧陽学園生徒会議事録6
(09)本日の騎士ミロク2
(10)H+P (4) —ひめぱら—
(11)いつか天魔の黒ウサギ4
7/24…スーパーダッシュ文庫
(12)ベン・トー4
7/25…MF文庫J
(13)ラノベ部3
(14)剣の女王と烙印の仔 II
14冊……だと……
スニーカーとファミ通文庫に購入予定が無いのが不幸中の幸いとしか言いようがないですがこれはおかしい。境界線上のホライゾンはページ数的に平均的なラノベの3冊分強とみなしていいとおもうので、実質17冊くらいの分量ですね!
っていうかスーパーダッシュ文庫とMF文庫Jとか、現在レーベル全体でこれしか追ってないわけですが、なんでそれが都合よく全部出てくるんですか?(つかなんで「ラノベ部」延びたんだよ!!)「迷宮街クロニクル」と「人類は衰退しました」を加えればGAとガガガも完璧。
特に電撃と富士見の各4冊がやばいです。
数少ない作者買いの「アカイロ」「境ホラ」「神メモ」「ミロク」「ひめぱら」が勢ぞろいでとか「生徒会」の新刊とか全体的に切れないシリーズが多くて、買うだけ買って積みそうな予感が…ギリギリ読まなくてもいいかなあと思うのは灰色表記してますが、これだけあって買わなくても我慢できそうなのがこれだけって。「いつ天」はあらすじ見る限り紅月光回っぽい予感がするし!!
っていうか「境界線上のホライゾン」まじ自重(ページ数的な意味で)。2上は、発売日2日前にゲットして読んでるあいだに富士見新刊出ちゃったわけですが……下は上よりもページ数多いわけですが……どうすんのこれorz
特に運タロ読み始めた5月くらいから、これまで殆ど出してなかった新刊積みが大量発生してしまっているのですよね。現時点で「彩雲国物語」「アクセルワールド」とかが順調に読み切れずに積読に移動しているわけですが……もうこのままだと7月どうなんのこれ…ぜんぶ運タロが面白いのが悪いんだよ!毎回嫌なところで切れるから!!
真タロ、あと8冊か……(遠い目)
ひぐらし。1
| [原作] 竜騎士07/07th Expansion [著]御門 智 [絵]南向春風、かたのん、まことじ、松下ゆう、Pマン、春原ロビンソン 誰も自重しなかった結果がこれだよ!ひぐらしであり、ひぐらし『ではないなにか』のパロディ世界がここに。 自信を持ってお送りする問題作です! ちなみにブラッド成分はカバー以外だと富竹の鼻血くらいしかないです。(※公式サイト解説文より引用) | ![]() |
そっちがニコ動ならこっちははてブ風にタグ付けしてやんよ!!!あらすじ紹介部分を自分で考える気力も起きなかったよ!!!良い意味でも悪い意味でも悪ノリしすぎな「ひぐらしのなく頃に」……ではない何か(公式いわく)。「ひぐらし」好きよりもニコニコ動画中毒者にお薦めしたい一冊。
有名動画の中の人を本文挿絵に迎え、レナが「ゆっくりしていってね!!!」だったり、三四がロリでトミーと入江と小此木がロリコンだったり、富竹が流血の惨事だったりデスク●ムゾンだったり■リオだったりスペ▼ンカーだったり、魅音が「あるぇー?」と空気読めなかったり、詩音がサトシ君的な意味で暴走したり、◎ゅるやネタが入ったり、世界名作劇場だったりします。い、意味が判らないと思うがこれがこの本の真実なんだ……信じてくれ…。各話タイトルの所についてるニコニコ動画風のタグコメントがじわじわ笑いを誘う。
ただ、個人的には「リトルバスターズ!SSS」的アンソロジーのようなものを想像していたのでちょっと物足りなかったというか、求めていたものと違ったかも。同人誌なら「これは良い悪ノリwww」って手放し絶賛するけど、あまりにもひぐらし以外に必要な事前知識(特にニコ動や一部同人による改変ひぐらしキャラの知識は必須)が多すぎて、これを商業誌の「半公式」という形でやる事に大きな疑問を感じます。うーん、こういうのは非公式にやるから面白いんじゃないのかなあ。しかもナンバリング打たれてるってことは1冊で終わる気が無いんですよね、多分これ…。
一応メイン?となっている昭和58年を乗り越えた部活メンバーの同窓会話は普通に面白かったので、なんだかもったいない気がする。なごみ文庫は「華蝶仮面」完結以降ご無沙汰してたけど、一体どの方向に迷走してるんだ…。
真・運命のタロット3 《力》よ、と叫ぶ者
| [著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉 “改変”による全面核戦争を目論む《死神》達によって時間を飛ばされた《女教皇》と《魔法使い》がたどり着いたのは1962年のソ連だった。そこで《正義》とその協力者に遭遇し、戦闘が始まってしまうのだがそこに加勢にやってきたのは新たなるタロットで…… | ![]() |
かつてのフェーデで相対したのとはまるで正反対の《恋人たち》は、ホント何があったんだろうとしか……もともと仲間だったっぽいことは確かに匂わされていましたがそれにしてもこっちの彼はいい人すぎるよね。そしてさりげなく、セーラー服を着た《女教皇》を見たときの《魔法使い》の反応に超ニヤニヤする。
ライコが《月》の体験によって垣間見た「あのフェーデ」と今回のフェーデが《女帝》《魔法使い》という二人を中心に勢力が反転したような状態になりながらも舞台が整いつつあるのがとても気になる。目的が似てるということもあるけど、これって何らかの関係性があって仕組まれてるんじゃないかーみたいな感じが…。しかし、それには最重要ファクターだったあの人の存在が足りないよなあ…とおもっていたら、最後の最後で思いもよらぬところから“彼”の存在が!このフェーデがこの先どう転ぶのか、気になって仕方がありません。
あと、年表では明らかにされていない『結婚式』がどの地点で行われているのかも気になります。《恋人たち》の発言からすると、少なくても《女教皇》が彼女の結婚式に出てたのは確定っぽいので今後のシリーズで出てくるのかな?前シリーズで明らかになった彼女の正体を考えると、その地点がエンディングシーンになっててもおかしくないとおもってたんだけど…
あと、文華が告白してた“碧川先輩”って……年表の記述を見る限り間違いなく……だよなあ。両親が?と書かれているのを見ると、どうしても文華が…とか都合のいい展開を妄想してしまう。ひょっとしてまだ「真」になってから登場していない彼女も、今後物語の渦中にかかわってくるような展開がありうるのかしら。逆に、ここまで身内にタロット関係者だらけで、一人だけ蚊帳の外なんだとしたらほんとうに不憫な子だ…
SH@PPLE?しゃっぷる? 6
シリーズ第6弾はずっと胡蝶の宮のターン!!胡蝶の宮が雪国(ニセ舞姫)と蜜を巻き込んで繰り広げる許婚騒動と舞姫と芝目達SECが請け負っていた依頼が絡み合って意外な展開を見せていくお話。
誇り高い“蝶間林家の長女”“ローズ・ロワイヤル盟主”としての胡蝶の宮と、健気で一途な普通の女の子としての蝶間林典子の間で揺れ動く彼女の姿がとても素敵だった。また、思い悩む彼女の心情がビシバシと伝わってくるだけに全てをふっきった終盤の彼女の行動には胸が熱くなるものがある。
こういう状況で出てくる許婚って悪役が多いというか自分の中ではそんなイメージがあるんだけど、ちょっと手段を選ばない部分はあるものの純粋に一途に胡蝶の宮を思っての結果ちょっと暴走しちゃってるだけの人、というキャラクター設定が個人的にはかなりニクイなぁと思った。スペックは雪国よりも数段上・性格的にも悪くなく、雪国と違って自分のことを愛してくれるという藤ノ原剣と、振り向いてくれるかもわからない雪国を天秤に掛けて、それでも雪国を取るという選択は彼女の中ではどれだけ大きい事か。大きな何かを振り切って、それでも自分の進みたい方向にまっすぐに歩いていく彼女の姿がとてもまぶしかった。
そんな彼女の活躍の裏で、蜜と鳥子が仲良くなったり…とまた新しい関係が生まれてきているのも事実。蜜も恋愛対象として“雪国”を意識し始めた描写が増えてきて、思わずにやりとしてしまいました。そして芝目あんた……そこでコクらなくてどうするんだっ!!!
ラストで不穏な伏線が貼られたことだし、次回はいよいよ雪国と蜜の関係が進展するターン?続きがとても楽しみです。
そしてシリアスムードをぶち壊す後書きのフリーダムっぷりに噴いた。
っていうかそろそろ「新異装戦士SH@PPLE」が文庫化してもいい頃のはず。
「学園キノ」的な何かっぽい感じで、外伝小説出せばいいよ!!
真・運命のタロット2 《正義》は我にあり
| [著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉 “改変”を起こそうとする《教皇》達と対峙する《女教皇》と《魔法使い》。《教皇》達は“改変”を起こすためにゴーリキー教授を狙うが、ゴーリキー教授は自らの研究成果によって生み出した“虚数強化体”を使って、彼らに立ち向かう。どうやら、彼は『運命のタロット』の誕生に深く関わる事になる人物らしくて…… | ![]() |
1983年に戻ってきた《女教皇》と《魔法使い》や《愚者》達との会話を聞いてると、じわじわ来るものがある。彼らへの態度はまだしも、本来の“彼女”の身近な人々であったはずの片桐先輩や佐倉くんやら安西さんやらにも余所余所しい言葉を使う姿に違和感を感じざるを得ないというか、序盤の平和な学園ラブコメっぽかった頃を思い出すと無性に切なくなる。そして、ますます「女教皇」から「教皇」の間で起こったであろう一連の出来事に関心が向いてきます。《女教皇》に転写されるまでの間に、もう一度でもいいからかつての学友たちと会話する機会があったんだろうかとか、そんなあたりが。
しかし、漸く舞台がかつての場所に戻ってきたというのに一難さってまた一難。《死神》とその協力者が二人にフェーデを挑んできて…って飛ばされたのはよりによってあの時代ですか!特に死神の協力者である“彼女”の出番はあそこで終わりだと思っていたのでびっくり…って、よく考えたら時間を自由に遡れる物語である以上未来で退場したくらいで出番がなくなるはずないのか。ある意味運タロで出てきた《太陽》コンビよりもラスボスっぽい二人組みというかなんというか…。
シチュエーションや状況的にはどうしても「神の家」で明かされたあの《魔法使い》の過去話への導線か!?と思ってしまうのですが、あの物語で登場したときの《女教皇》と《魔法使い》に至るには、お互いに様々なピースが欠けている様な気がするし、お互いの勢力も正反対だし…うーん……一体これからどうなるの!?とりあえず続きがとても楽しみです。
《正義》は良いショt(強制終了)








