うららの記事一覧 | ページ 120 | 今日もだらだら、読書日記。

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セイバーマリオネットJ 11.機械乙女は少年の夢を見るか?

[著]あかほりさとる [絵]ことぶきつかさ

メソポタミア号の位置情報を手に入れ、ニューテキサスを出発した一行。しかし、気がつくと小樽はなにもわからないまま一人灼熱の砂漠を彷徨っていた。行方の知れないライム達を探そうとする小樽だが、そんな彼の前に次々と現れるセイバーマリオネット達は少し様子がおかしくて…
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SMガールズ セイバーマリオネットJ〈11〉機械乙女は少年の夢を見るか? (富士見ファンタジア文庫)
クライマックス目前のシリーズ第11弾。小樽、試練の回。物語のキモともいえる「小樽が好きなのは“乙女回路を持ったライム達”かそれとも“ライム達という人間の女の子にきわめて近い存在”か」におぼろげな回答が与えられるお話。

彼女達と『人間の女の子』の違いをまざまざと見せつけられ「それでもお前はライム達を選ぶのか」という、小樽本人も無意識に回答を保留していた疑問に対する迷いを突き付けられていく。試練の中で彼女達は紛れもない「人間」であり、その中で繰り返される甘い夢は、すべて彼女達が人間であれば実現できるもので、決して今のままでは手に入らないもの。ローレライが突き付けているのは「これら全てを生涯放棄しても、マリオネット達への愛に殉じる事ができるか」ということ。

結末を知ってから改めて再読すると、小樽はこの時点で次の巻での「あの選択」を決断していたんだなあ、としみじみ。ただ、この決断のさせ方には正直疑問が残ります。夢の中の彼女達はどこか本物よりも利己的で、本来の彼女たちの姿とは少し違うように思えるから。ただ、それは「人間とマリオネット達の違い」として意図的に描かれていているのかもしれない。人間になった彼女達はある意味『違う生き物』になってしまうのだ、という暗喩なのかも。

しかし、この巻はシリーズの中でも最大級に重い。“試練”の中で幾度となく痛めつけられ、悲惨な目に遭う彼女達の姿は、本物ではないとわかっても痛々しいものがある。花形とチェリーが一服の清涼剤すぎて出てくるたびに噴いたけど。花形はともかく、チェリーはどこまで堕ちて行くんだ……


セイバーマリオネットJ 10.機械の乙女、生身の乙女

[著]あかほりさとる [絵]ことぶきつかさ

なんとかニューテキサスに辿り着いた小樽たちは、ニューテキサス大統領ジョイ・ヒューリックにより先導された住民たちに追い掛け回される事に。そんな一行を救ったのは、シーという名の同い年くらいの女の子。どうやらニューテキサスでは女の格好をした男“オカマ”が流行しているようなのだが、彼女(?)には秘密があって…
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風雲急のニューテキサス編。小樽(というか家安)ともファウストとも違う方向で「女性復活」を目指すニューテキサス大統領ジョイ・ヒューリックと小樽達が対決するというお話。

読んだ当初はあまり感じなかったけど、今読み直すと重いなあ……シーの境遇とか、クライマックスでニューテキサスが占領されるシーンとか、凄い重い。とはいえ、10巻以降はずっと重い話が続くのですが。

一見“普通の女の子”であるシーにドキドキする小樽と、二人の姿に「女性が復活した後の将来」を重ねて不安を覚えるマリオネット達。ティーゲルたちのもう一人の想い人であるファウストとの邂逅、ヘスの暗躍。そして、これまで小樽たちを導いてきたコピー・ローレライ達とは打って変わって残酷な行動を取った“オリジナル・ローレライ”。クライマックスに続く伏線は全て出揃ったという感じ。2巻3巻の頃からすると、思いも寄らないほど重い方向に話が動いちゃったよなあ。

一応結末は大体覚えているけど、なにはともあれ残り2冊を読むのが楽しみ。


セイバーマリオネットJ 9.無人島☆乙女大作戦!

[著]あかほりさとる [絵]ことぶきつかさ

ニューテキサスに向けて出発した小樽一行は、プラズマ嵐に遭遇して無人島に漂着する羽目に。海に流されたショックで記憶喪失になってしまった小樽を見て、小樽をモノにするチャンス!!とばかりに妄想暴走をはじめるマリオネット達だが…
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ずっと花形のターン!!!!

無人島で記憶喪失になった小樽を見て、チェリーやブラッドベリーやルクスやパンターが自分に都合のいい記憶を小樽に刷り込もうとするお話。前の人の妄想と齟齬が内容に妄想設定を付け加えていくせいでどんどんストーリーが整合性が取れない、強引なものになっていくのに笑いが止まらない。そして何よりも、どんどん人間離れしていく花形……もう、あそこまで酷い事になるとどう反応したらいいかわからないよ!!久しぶりのギャグ回ということで、本当に今回はイキイキとしている花形が素敵過ぎました。

ギャグ色が強い半面、「今既成事実を作ってしまわなければいつまでも小樽は自分を選んでくれない」「自分の気持ちが定まらないから、決定的にくっついてしまって片方を諦めたい」という彼女たちの内心の焦りが透けて見えるのが印象的でした。その一方で、「どんなに嘘を並び立てても、いつか嘘が露見してしまう」という事実に気付いて自分たちのやってることに空しさを覚えてしまう姿がどこか切ない。小樽とライムが良い雰囲気になるを見ているしかできない彼女たちの葛藤もよかったなあ。

しかし、今回一番すごかったと思うのは、プロローグで語られる「過去の地球」での、初代家安が宇宙を目指す事になったきっかけ話だとおもうのです。あれは初読した当時も衝撃すぎた。貧困に喘ぎ、何もかもに絶望する人々と自分たちの事しか考えていないお偉いさん方の姿が印象強すぎる。そして、なんだかちょっと現在の世界情勢とオーバーラップするところがあるのが少し恐ろしい。


運命のタロット6 《節制》こそが身を守る

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

《恋人たち》とのフェーデに勝利し、“改変”が行われる前の時間軸に戻ってきたライコ。持ちかけられた《月》とのフェーデを拒否して片桐先輩と感動の再会をしたのもつかの間、ふたたびきな臭い事になってきて……
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運命のタロット〈6〉「節制」こそが身を守る (講談社X文庫—ティーンズハート)
前回に引き続き、タロットな新キャラが多数登場して急展開な第六巻。自分的に《女帝》がとても好みなのですがなんだか色々と思わせぶりな会話が気になります。

改変前の時間軸に戻った直後のライコの反応に、いちいちしんみり。片桐先輩だけじゃなくて色々な人達が犠牲になって、それを見た様々な人達が悲しんで……たとえなかったことになったとしてもその時の悲しさは、ライコの中では消えない。その数時間後にはすっかり花村さんと片桐先輩を取り合って火花散らしてるライコの姿を見たときは思わず噴出しましたがww

そんな姿を見ている分、フェーデをひいてはそれによって引き起こされる“改変”を厭う彼女の気持ちが、痛いほど判る。でも、なんだかんだいってなしくずしに巻き込まれていくんだろうなあ…現れた《節制》や今回は殆ど動きを見せなかった次のフェーデのお相手・《月》が今後どうやって動くのか、次の巻がとても楽しみです。


鉄球王エミリー 鉄球姫エミリー第五幕

 

多大な犠牲を払いながら“血風姫”ことヴィルヘルミーネと彼女率いる暴竜鉄騎兵を撃退したエミリー。しかし、彼女はすぐに圧倒的多数の兵を率いてラゲーネンの最後の砦『河岸要塞』を包囲する。多くの精鋭を失い、各地の貴族達をまとめる事もできていないラゲーネン王国の状況を見て、エミリーはとある奇策を持って彼らを纏め上げようとするが…

ラゲーネン王国vsヴェルンスト王国、『鉄球姫』vs『血風姫』、最大の戦いが描かれるシリーズ最終幕。

もう今回は最初から最後までエミリー姫がかっこよすぎて困った!!“詭弁”ともいえるむちゃくちゃな論法で強引に一度捨てたはずの王座に立ち、寡兵と奇策で圧倒的多数のヴェルンスト軍を翻弄していく姿に惚れる。なんだかんだいいながらも、段々エミリーという人間の男気(女だけど)に惹かれている家臣達の姿にニヤニヤします。猿騎士はつんでr(強制終了)

特に今回は戦闘場面がめちゃくちゃ迫力あって、始終テンション上がりまくり!わらわら沸いてくる敵を、ばったばったと寡兵をもってなぎ倒していく姿が脳裏に浮かぶよう。そして河岸要塞で彼女が起こした最大の「奇策」が成ったシーンはもう、挿絵効果もあって物凄い勢いで漲った。巻を追うごとに大きく成長したグレンの戦いぶりも素晴らしくて、ラストで見せた二人のコンビネーションには胸が熱くなるばかり。

1巻、3巻のあれを覚えていると、もう後はひたすら、「誰も死なないでほしい」と祈るのみだった。特にリカードとセリーナは死亡フラグ立てすぎですから!!最終決戦直前に主人公&ヒロイン以外が突然通じ合うのは死亡フラグなんだぞ!!!ほんとにまったく心臓に悪いよ!!

多くの犠牲を払って手に入れた平穏の中、喪われた人達を思い出させてしんみりさせてくるラストといい、もうほんと文句なしに最高の作品でした。次回作の企画が早くも動いているという事なので、そちらも楽しみにしてます!


セイバーマリオネットJ 8.愛と悩みと乙女の旅立ち

[著]あかほりさとる [絵]ことぶきつかさ

ゲルマニア総統ファウストが、ニューテキサスに向けて侵略を開始する。その話を聞いた家安は、小樽にひとつの任務を与えるが、それは思っても見なかった、そしてテラツーの運命を大きく左右するもので…!?小樽はそれぞれ思い悩むマリオネット達と共に、ニューテキサスに向けて出発するが…
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ニューテキサス編、序章。ニューテキサスに向かおうとしたライムたちと小樽が、海辺の町マカオでファウストによって初期に侵略された国・ロマーナの人々と出会うというお話。

ロマーナ侵略の際に心に大きく傷を負い、マリオネットを目の敵にするようになったペスカトーレのかたくなな心を、ライムの純粋無垢な気持ちが少しずつ変えていくというメインのストーリーもよかったですが、小樽たちとの関係で悩むライムたちや小樽とファウストの間で揺れ動くティーゲルたちの心の動きとか、一方でただライムたちを心配しながらも、彼女たちを「信頼」していこうとする小樽の心の動きが面白かった。チェリー&ルクス、ブラッドベリー&パンターという普段折り合いの悪いコンビがいざとなると名コンビ振りを発揮するというのも美味しいです。しかしブラッドベリーは前巻から連続していい所もってきまくりだ…ジャポネスでの小樽とのやりとりとか、深海での孤軍奮闘とか、今回美味しいところ多すぎる。

最初は敵だったロマーナの潜水艦「バルフィッシュ」の面々とティーゲル・ブラッドベリー・パンターがだんだん打ち解けていく場面には思わずニヤリとします。そしてさりげなくクルーの面々が小樽に嫉妬心むき出しなのには笑った。

しかし、ニューテキサスに行くとなると、遂に終わりが見えてくるなあ。なんだか感慨深い。


神のみぞ知るセカイ 神と悪魔と天使

 
 
原作
若木 民喜

「ボクは助けられたのか、あの、天使みたいな女の子に―」落とし神・桂馬が出会ったのは、桂馬が苦手とする属性をもつ不思議な女の子。その少女を攻略することになり、苦戦を強いられる桂馬の前に、もう一人の「駆け魂」の持ち主も現れて…?ギャルゲーの天才、「落とし神」と呼ばれる少年・桂馬と、地獄から派遣された可愛い悪魔・エルシィが現実の女の子を攻略する『神のみぞ知るセカイ』。「週刊少年サンデー」の人気連載コミックをラブコメのスペシャリスト、有沢まみずがオリジナルストーリーでノベライズ。 (「BOOK」データベースより)

少年サンデーで連載されているマンガ「神のみぞ知るセカイ」のノベライズ。桂馬が“苦手”とする「電波系」の少女・天美透を攻略しているうちに、「特徴・普通」の同級生・吉野麻美が現れ、二人を同時攻略しなければいけなくなる、というお話。

原作マンガは1巻しか読んでないのですが、結構雰囲気でてるなあと感じました。『電波系』の分類話とか天美透の出現率の話とか、エロゲ論が確かに「あるある」な感じで面白い。というか桂馬が本当に、良い「変態という名の紳士」なことにニヤニヤ。ゲームを買いに行くシーンでは、全員真剣にバカなことやってるのに噴出しそうになった。

“電波系”だけど、ちょっと底が見えない天美透と、学校での姿と帰宅後に桂馬が出会ったときの印象がまるで違う吉野麻美、ふたりともぱっと見た時の印象だけではキャラクターがつかめなくて、彼女たちのバックグラウンドがちょっとした謎解きになっていて、どんどん物語りに引き込まれていきました。元々桂馬が口先三寸で女の子たちを攻略していくお話なので、小説との相性が良いというのもあるのかもしれませんが、とても面白かったです。有沢まみずさんの小説は「インフィニティ・ゼロ」と「銀色ふわり」しか読んだ事なかったんですが、コメディ系の作品の方もそのうち読んでみようかな。

ただ、前半は天美透がメインっぽく描かれているのに、あとから出てきた吉野麻美の攻略が大きくなってしまって天美透の攻略は駆け足で終わってしまったようなちぐはぐ感がちょっとだけあったかも。個人的には、天美透のほうがキャラ的に好きなタイプだったので、もうちょっとページを割いて攻略してほしかったかもなぁ。

そして落とし神モードの桂馬が普通にかっこいい。
文章で見ていくせいか、桂馬の『美少年設定』自体もかなり強調されていたように思えます。

「空気?なぜ、そんな空気なんか読まなければならないんだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?場の雰囲気?堂々と乱せ、そんなもの!誇り高く孤立すればいいじゃないか!たった一人で!それこそがもっとも自分にとってふさわしいのならば!孤立する勇気を持て!迷うな、吉野麻美!」
「ボクは」
「そうやっているよ、吉野麻美。きちんとそうしている・・・・・・・・・・


セイバーマリオネットJ 7.乙女心と秋の日々

[著]あかほりさとる [絵]ことぶきつかさ

西安から帰ってきて以来ライムの顔を見ると胸がドキドキしてしまって『自分はレズだったのだろうか』、と思い悩むティーゲル。そんな折、小樽が楽しみにしていた秋祭りがプラズマ台風のせいで中止になるという話を聞いたライム達は、チェリー&ルクスの発案によりプラズマ台風を消滅させる作戦を決行するが…
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シリーズ第7巻は短編集第二弾。

「秋だ、祭りだ、台風だ!?」はライムへの想いに葛藤するティーゲルのお話。普段は他5人のお姉さんポジションな彼女が取り乱す姿には思わずニヤニヤせざるをえません。突拍子もない「プラズマ台風消滅作戦」の顛末も含め、一番素直に笑い転げられたお話かも。しかし、ラストはせっかくの良い場面がティーゲルの体操服のせいで台無しになってる印象が否めなかったり。つか彼女のコスチュームチェンジはいつになるんだっけか…

「秋祭りの夜に……」は、小樽と自分の関係について思い悩むブラッドベリーが小樽と似た雰囲気を持つ一人の少年に出会うお話。いつものお色気姉ちゃんというだけではないブラッドベリーの女の子らしい等身大の一面が垣間見える話で、とてもよかった。普段の彼女にはあまり魅力を感じなかったんだけど、このお話の中の彼女は本当にかわいい。

「チェリーが子供を産んだ日!?」は、クローンの生産工場の見学に行ったチェリー達が赤ん坊の扱いに憤って…というお話。本編を貫く議題にも触れるシリアスなお話なんだけど、それ以上にクライマックスのテレビ中継シーンがインパクトあって、笑いが止まらなくなってしまう。完全に報道を忘れてオリンピック中継のごとく一人で盛り上がるアナウンサーは、勝手に●舘さんの声(筋肉○付ver)で再生されました。

以前の短編集よりは少しシリアス度が上がった印象だけど、個人的には前のやつよりも楽しめたなあ。各キャラクターの魅力が満載な1冊でした。


運命のタロット5 《月》が私を惑わせる

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

片桐先輩を生き返らせるために《恋人たち》の協力者を探すライコは第二新聞部の島津に疑いの目を向ける。島津と佐倉の予想外な過去が発覚したことから、ますます疑いの目を深めるが、事件は意外な方向に…
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運命のタロット〈5〉「月」が私を惑わせる (講談社X文庫—ティーンズハート) (文庫)
《恋人たち》とのフェーデが決着する、シリーズ第五弾。

ライコが今にも“宣告”を行ってしまいそうになるのにとてもヒヤヒヤ。流石に「この人」が犯人だったらストレートすぎだよなあ…と思ってたらやっぱり違う人だった。でもこの人へのひっかけも結構露骨だったので、更にもう一枚上手で違う人がいやむしろ一周回ってストレートにこの人が…とかいろいろ深読みしてしまった…。

真実が明らかになり始めるたら一気に物語が動いて、とても面白かった!これまでのもどかしさを吹き飛ばされた。でも、≪恋人たち≫の「悪あがき」のせいで多くの犠牲が出る場面は、例え最終的には“なかったことになる”世界の事だと判っていてもやるせないなぁ。しかし、≪魔法使い≫が思い出した新たな事実や≪恋人たち≫の最期の言葉などなど、いろいろ引っかかる点が多いのも確か。

一応ひと段落はついて当面の敵?らしき組織の存在も明らかになったものの、物語にまつわる謎は以前よりも大きくなった印象。なんか後から思いっきり今回の「勝利」をどかんとひっくり返してきそうな、そんな火種が眠っていそうな予感が…

ラストのライコの言葉を受けて、他のタロットたちがどのように動き出すのかも気になるところ。このまま次のフェーデに突入する…のか?


セイバーマリオネットJ 6.乙女の奇跡・in・チャイナ

[著]あかほりさとる [絵]ことぶきつかさ

悲しい別れを乗り越え、西安に到着した小樽たち。国家首席である王傭平に謁見して「ホスト・ローレライ」の場所を聞く予定だったのだが、王宮で小樽達を待ち受けていたのは大量のセイバー・“朱雀”だった!?ライム達と引き離され、地下に投獄された小樽はセラミックの仮面をかぶった謎の男と出会い…
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シリーズ第6巻は前巻とは打って変わって熱血王道展開。メモリーを消去されて離れ離れになってしまったライム達6人が再び小樽の元に集うというお話。

「たとえ記憶を消しても小樽を思う“心”までは消せはしない」という言葉通りの展開は非常に盛り上がるんだけど、どうせならもうちょっと各キャラが記憶を取り戻すまでに一波乱あってもよかったよなあ、とか思ったり。

しかし、対象が6人いる分、これ以上文章をかけるとテンポが悪くなりそう、というのはあるかも。別々の場所で次々に5人が言葉にできない想いに突き動かされて、小樽の元を目指すという展開はこの上もなく燃えるし、最後で満を持してライムが完全に記憶を取り戻す場面では挿絵効果もあって、思わずニヤリとしてしまう。短い分軽い気持ちで読めて、手に汗握って爽快に敵を倒してはいおしまい、という一連の動きはまさに「ライトノベル」らしい爽快感。

しかし軽すぎて特にこれ以上の感想が出てこないのもある意味「ライトノベル」としちゃー正しい形だよね!
バリバリにラノベ的王道展開だったこの巻の後書きが例の「アレ」だっていうのは、いろいろ象徴的だな?。