うららの記事一覧 | ページ 120 | 今日もだらだら、読書日記。

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トルネード!

[著]伊吹 秀明 [絵]四季 童子

格闘オタクで、ストリートファイトをひそかに趣味にしている葉桜栄斗。そんな彼の前に現れた凄腕のファイター「トルネード」の正体は、なんと住み込みで働いている家のお嬢様・円乗寺七味だった!?父親から逆立ちして戦うブラジルの格闘技・カポエラを叩き込まれた彼女の姿を見て、栄斗はあることを思いつくのだが…
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感想:ぱんつ

カポエラ使いでいまどき小学校高学年でも穿かない白のレースのぱんつを穿く美少女・円乗寺七味がぱんつを見せまくりながらストリートファイトしたり、何故か学校で開催されることになった天下一武道会(違う)に参加するというお話です。とりあえず作者がパンツ好きなのは良くわかった。

なんていうか、良くも悪くもパンツのために物語が構成されており、そこに繋がって行くための動機やら行動がちぐはぐに思える。主人公がなぜ突然格闘技同好会を結成たり武道大会を開催しようと思ったのかとか、主人公に無償の愛を注いでいた少女(しまぱん)が突然良く判らない事を言って離反したりとか、そこに至るまでの動機立てが全体的に不十分で、何もかもが唐突なので戸惑いました。まあ、この物語においてはカポエラとか天下一武道会とか同好会を作るとか白ぱんvsしまぱんヒロイン対決とか、正直パンツを見せるという大事の前には全て小事になってしまうので、どうでもよいのかもしれません。「フルメタ」で有名な四季童子さんの描く挿絵も片っ端からパンツ、パンツ。これをパンチラなどとは言いたくない、パンツで十分だ!!!と叫びたくなる程のパンツ出血大サービス状態。

同姓としてはとりあえず、普段からそんなことしてるならパンツの上になんか穿けって思うわけですよ。どこかのビリビリ少女みたいに、見える危険性があるならパンツの上から短パンでもスパッツでも、白のレースパンツに対応して紺パンでもなんでも穿けばいいじゃないですか。スカートで逆立ちしたまま白ぱん丸出しで居眠りをこいて、主人公にそれを発見されて頬を染めて怒り出しても怒り出しても説得力が無いというか、実は狙ってるのか?としか言えません。というかせめて自宅に居る時くらいズボンはけよ!!!まあ、丸見えになってるからといってパンツをはいたお尻を突っつこうとする主人公も変態としかいいようがありませんが。パンチラというにはこの作品は恥じらいが、はじらいというものが決定的に不足している!!!ほんと、出てくるのは変態と恥女ばっかりだな!!!

とりあえず女性が読んではいけないものを読んでしまった気分だ…
これならまだ、エロゲとか美少女文庫の方が全然いけるよ!
BL並みの無茶ぶりにもう苦笑しか出てこないというか、ありえなさがまさにパンチラファンタジー

まあ四季さんのパンモロ絵が見たい人は是非どうぞ。
…やっぱラノベで絵師買い・表紙買いはやらないほうがいいなー…



そういえば、これを読んでいる最中、ずっと脳内に浮かんでいたのが、
いつぞや偶然深夜のケーブルテレビで偶然見たパンチラアニメ「AIKa」でした。
調べたらHJ文庫はかつてこのアニメのノベライズを出してるんですね、限定版にパンツつけて。
…作者というよりも、HJ文庫編集部がパンツ好きなだけなのかもしれません。

Special Panties Version」じゃねえよ!!と全力で突っ込みたい。

489425672XAIKa R-16 TURNING MISSION Special Panties Version (HJ文庫 す 1-1-1)山内 則康
ホビージャパン 2008-02-25

by G-Tools


黄昏色の詠使い9 ソフィア、詠と絆と涙を抱いて

[著]細音 啓 [絵]竹岡 美穂

凱旋都市エンジュの永い夜は続く。自らの理想のため、ミクヴァ鱗片から【ミクヴェクス ただそこに約束を願う者】の召喚を行おうとするシャオと、クルーエルを護る為にそれを食い止めようとするネイト。ファウマとカインツ、アルヴィルとエイダ、テシエラとレフィスもそれぞれの想いの為に対峙する。一方、ネイトに自らの想いを伝えるため、競闘場へと向かったクルーエルは…
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半分以上が世界観解説と伏線回収だった感じの8巻は、正直相当読むのがキツかったのですが、前回明かされた真実を元にキャラクターたちが動き出す今回は文句なしに面白かった!!

ある意味今回のキモともいえる、カインツとファウマの戦いが本当にすごかった。カインツに救いを求める気持ちと、イヴマリーしか見ていないカインツを憎む気持ちが相反して今にも引き裂かれそうなファウマに、こちらまで胸が痛くなりました。そして彼女の気持ちに応える、カインツの虹色名詠とそれを引き出す言葉に秘められた強い思いに胸が温かくなる。

最終楽章である次巻への前哨戦的意味合いの強いのではないかと思われるネイトvsシャオ、エイダvsアルヴィル、レフィスvsテシエラの各対決にはシャオ一派の方に軍配が上がってしまった印象。特に他の2人はとにかく、ドン底まで突き落とされたエイダがどのような道を選ぶのかが非常に気になるところ。一方で、ネイトは絶体絶命のピンチを自らの機転で切り抜けたり…と、少しずつ成長している兆しが見えてきてる感じが。これまで色々な人々の助けを借りて成長してきたネイトが、最後でどんな名詠を見せてくれるのか、とても楽しみです。

そして何より、残酷な運命に引き裂かれてしまったネイトとクルーエルの行き着く先が、とても楽しみ!きっとこのシリーズだったらどんな障害も乗り越えて、ネイトがクルーエルを取り戻すと信じてます!!というか5巻も今回の巻も軽々と飛び越えるほどの砂糖吐き全開な甘?いラストを、期待してますっ!!!

あと、アマリリスが本当に可愛かったなあ。「姉さん」呼びに関するくだりで悶絶した。


遊び心溢れるラノベの装丁をまとめてみた。

という訳で漫画でやっててラノベが未到達or定着してないデザイン上の遊び心を幾つか挙げてみます。


じゃあその「未到達」なラノベにはどんな遊び心あふれる装丁があるのか!ということで、カっとなってまとめてみました。
いえ、単純に、「マンガの面白い装丁」を「ラノベの面白い装丁」と比較するなら、どうせなら記事を読む側の人も両方ともの情報をもった上で比較してほしいなあ、と思っただけなんです。もちろん記事を書いた人は「ラノベの面白い装丁」についての知識はあるんだろうけど、そういうのを知らない人にラノベにも面白い装丁はあるよ!って言いたかっただけなんです…。さすがに他社を跨いで連結表紙とかないけど!(いやでもこれは単に他社を跨いで同じ作者×イラストレーターのコンビが活躍するという事例が殆ど無いからじゃね…?って思うんですけど…少なくても、私はそんな事例知らない。)

自分が読んだ範囲でのまとめなので、大量に抜けはあると思いますが、その辺はご容赦ください。
※書影をクリックするとamazonのページに、その他の画像をクリックすると拡大されます。
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ナイトウィザードThe 2nd Edition リプレイ 愛はさだめ さだめは死

 

魔王モッガディートに挑み、命を落としたウィザードの少年・夜見トオルは敵であるはずの“侵魔”と契約し、“落とし子”として現世へ舞い戻る。ところが、現世では1年の月日が流れており、かつての自分の姿をも失ってしまう。そして、幼馴染である少女の元には、かつての自分と瓜二つの外見をした少年の姿が…

友人に「TRPGだったら学園異能スキーとしてはナイトウィザードが気になる!」と呟いたら貸してくれた、ナイトウィザード2ndのリプレイ。現代を舞台にした学園異能バトルもの。

完全に既に「ナイトウィザード」というシステムにある程度慣れ親しんだ人向けの本なのでほとんど全く基本ルールの説明とかはないのですが、プレイヤーさんたちのロールがいちいち細かくて趣味はしってて、その言葉の意味はわからなくてもやってることはだいたい判るのがうれしかったです。いつもはTRPGリプレイについては高確率で戦闘でシーンで躓くんですけど、今回はびっくりするほどそれがなかった。

1話はモッガディートと夜見トオルの関係を中心にかなりシリアスに物語が進行するのですが、さらなる事実と巨大な敵が立ちふさがる2話のテンションの高さが凄い。ていうか、明らかにあれは「ビッグ・ザ・陳老師」のネーミングセンスがいけないんだと思う!!やってることはシリアスなはずなのに、もう笑いが止まりませんでした。

そして物語以上にツボにハマったのがキャラでした。
うわあああリンカイザー超かっこいい!!正義の変身系熱血ヒーロー!乗り物バイク!!そして特徴「脳みそスライム」。攻撃を捨ててすべてを防御につぎ込む、ある種仲間がいるの前提じゃないと戦えない系の素敵ステータス。そしてバカで正義のヒーローという設定だけでももう十分に限界突破の萌え属性なのに、リプレイ中でも美味しい所を持っていきまくりの大活躍に超惚れた。夜見トオル→リンカイザーの「先輩」呼びにも激しく萌える。

めちゃくちゃ面白かったです。個人的には、シリーズ化じゃないっぽいのが残念。
むしろリンカイザーが再登場するならマジで他のシリーズでも買うのに。


まりあ・ほりっくアンソロジー

   
原作
遠藤 海成

『まりあ・ほりっく』の世界を、五人の作家が独自の切り口で描き出します!かなこがデジカメを手に入れたら、心霊写真が写っちゃった!?(『加虐的除霊のおはなし』)ある雨の日、穂佳さんは可哀想な毛ガニを拾ってしまい…(『ツンデレ少女と脱走したカニのおはなし』)くまたん先生に頼まれた桐さんは、放課後の学校でかなこを捜すが…(『かなこさんをさがせ!』)隆顕さまがほんとにジゴロになっちゃった!?(『悪魔に憑かれた女の子のおはなし』)壊れてしまったかなこを茉莉花が一刀両断!(『ISLAM DUNK』)お馴染みのキャラが繰り広げる、ひと味違ったまりほりワールド。 (「BOOK」データベースより)

百合娘で美少女に目がない主人公・宮前かなこが女装してお嬢様女子校に通う少年・鞠也の正体を偶然知ってしまって…というドタバタラブコメ「まりあ・ほりっく」を題材に、MF文庫Jの人気シリーズを手掛ける作家&絵師達のコンビで書きおろした短編をまとめたアンソロジー。

参加されてるコンビの作品で読んだことあるのは「えむえむっ!」と「ラノベ部」、作者単体だと日日日作品は既読、というくらいでしたが、「まりほり」をやりながら各作者の作風が押し出されたお話になっていて、原作をある程度知ってないと楽しめない部分はあるもののまりほりファンとしても各シリーズのファンとしても楽しめる印象でした。

個人的にはやはりえむえむっ!コンビの「加虐的除霊のおはなし」が一番好きだったかな。違和感なさすぎ…

「加虐的除霊のおはなし」 松野秋鳴&QP:Flapper(「えむえむっ!」)
幽霊に取り憑かれた(?)かなこを、鞠也と茉莉香が徐霊しようとするお話。
さすが「えむえむっ!」の松野さんと言うべきか、鞠也と茉莉香のドSっぷりに全く違和感がありません。かなこさんの一人称で進行する物語も全く違和感がなく、普通に原作の一編を読むような気持で楽しめたかも。

しかし、これの違和感のなさが半端なかったため、後に続く短編がかすんで見えてしまった気が…これは大トリにもってくるべきだったと思うんだけどなあ。

「ツンデレ少女と脱走したカニのお話」 志瑞 祐&絶叫(「やってきたよ!ドルイドさん」)
穂佳さんが何故か雨の中、カニを拾ってドタバタするお話。
普通にほのかさんって誰とかいって、人物紹介ページを確認したりなんかシテナイヨ!

なぜかカニに情が移ってしまった穂佳&かなこが寮長先生ことGODの目から蟹を隠そうとするのですが、「なんでカニ?」というツッコミを始めとして、不条理すぎる様々な展開を勢いで押し切る感じの一編。オバカで笑える。

「かなこさんをさがせ!」 平坂 読&よう太(「ラノベ部」)
行方不明になったかなこさんを探す桐さんの話。なんか綺麗に落としてたけど、なんだかんだとこの3人、かなこのことあんまり「友達」だって思ってないよね!?知り合いという部分に強調表現がされてたり、色々3人の中でのかなこの(いろいろとあんまりな)位置が伝わってくるお話でした。

平坂先生はバー●ャルボーイと触手に愛を注ぎ過ぎです。

「悪魔に憑かれた女の子のおはなし」 志茂 文彦&緋賀ゆかり(「乙女革命アヤメの!」)
お堅い先輩・石馬隆顕様が突然プレイボーイ(プレイガール?)になる話。
とりあえず最初から最後まで百合全開。オチもきちんと百合で締める徹底ぶり。女子校ならではの歪んだ恋愛関係に満ち溢れてます。そういうのが好きな人は読めばいいよ!

「ISLAM DUNK」 日日日&鈴見敦(「魔女の生徒会長」)
かなこさんが突然萌えキャラ化して、鞠也たちがなんとか戻そうとするお話。
茉莉香さんの一人称で物語が進むのですが、なんか色々とカオス。

何はともあれそのオチはないわーって思った。


いつか天魔の黒ウサギ3 神隠しの通学路

[著]鏡 貴也 [絵]榎宮 祐

圧倒的な力を持つ“天魔”に襲われ、絶対絶命の大ピンチな大兎とヒメア。しかし、彼らは意外にあっさりと姿を消す。一方、紅月光は“天魔”から《最古の魔女》を殺すための力を与えると持ちかけられて…
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今回は次の戦いへの序章というイメージが強いお話。というかおそらく次巻から始まるであろう、いうなれば「遥編」への序章なのかな。本来エピローグとなるはずの位置の章が2回目の「プロローグ」として銘打たれているのが印象深い。内容もシリーズそのものとしての動きは殆ど無くて、大兎が自分の無力さを補うために修行しようとしたり、また今後の伏線になりそうな設定が出てきたり。

正直、紅月光のツンデレぶりが最高すぎてメインのストーリーとかどうでもよくなってきた私が居るよ!大兎&ヒメアの二人の前ではヒールぶってるのに、美雷に本音をバラされてキレる姿には思わずニヤニヤが止まりません。なんだかんだといいつつしっかり二人のことを「仲間」と扱っている姿が微笑ましいというか……マジでもういっそ、主人公を月光にすればいいよ!!

ストーリーがガンガン進んだ2巻よりも、月光パートが多い3巻のほうが素直に楽しめた気がします。ううむ、次からはまた2巻のようなノンストップでハードなバトル展開なのだろうか。正直ついていけるか不安だなあ…

そしてあとがきの必死ぶりに噴いた。確かに14Pはハードル高そうだけど、必死具合が半端じゃなくて笑いが止まらないよ!


SH@PPLE?しゃっぷる? 5

[著]竹岡 葉月 [絵]よう太

雪国の双子の姉・舞姫は妙に女の子にモテる。そんなわけで入れ替わりをはじめてから、雪国はすっかり空舟五中でモテモテに。今日も舞姫の格好で青美女学院から帰ってきた雪国を待っていたのは、雪国に扮した舞姫が同学年の女の子から告白されているシーンで!?
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ドラマガに掲載されていた、淡谷姉弟がそれぞれの学園で繰り広げるドタバタした“入れ替わり”の日々を描く「しゃっぷる」シリーズ短編集。相変わらず帯で隠したニセ粗筋と、カラーページのマンガの弾けっぷりも全開です。

ちょっとした騒動が中心になっていて、何も考えずに雪国・舞姫と周囲の人々のドタバタ騒ぎを見てニヤニヤできる軽さが素敵。特にSEC関連の短編が好きだな。自前の「美少女数値化プログラム」で女の子たちの点数付けをして盛り上がったり、部室に隠されていたお宝の地図を巡って小さな冒険を繰り広げたり…と、そんな男の子達(女性が混ざってるけど)のバカ騒ぎっぷりがたまりません。

青美女子での話は、どうしようもなく肖像画の話のオチが好き。あの「これがせいいっぱい」の文字と、そこに飾られたものから彼女たちが楽しくドタバタやってる姿があふれてくるようで。というか全体的にどのお話も、「その後の話」で綺麗にオチがつくのがたまりませんでした!SECが始めた「ホスト雪国」に興味シンシンで扉の前をうろうろしてる鳥子さんとか、測定結果を元に学園内の●●●の写真を数値化しまくる舞姫とか!

書きおろしは蜜が蝶子さんと出会い、ローズロワイヤルに入ることになったきっけかのお話。これも本編以上にその後のお話が……蝶子さんがあの話の裏で「計画通り」とほくそえむ姿が頭に浮かぶようです…。


なんて素敵にジャパネスク8 炎上編

[著]氷室 冴子 [絵]後藤 星

帥の宮の企てた陰謀は秘密裏に暴かれた。全て一件落着…したかと思ったが、どこかスッキリしない、ちぐはぐな何かを感じるものの、自分では動きが取れない瑠璃姫。この事件の真相を読み誤っているのではないか…そんな不安を感じていた矢先に、藤宮から思わぬ事実を聞かされて…「帥の宮」編完結!
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決着がついたと思われた帥の宮との最終決戦編。

うわああああ最後の最後で、久しぶりに高彬が有能っぷりを全開にしてるよ!!一連の帥の宮編では瑠璃姫に嫉妬の炎を燃やすばかりでぶっちゃけろくな出番なかったから、余計にその活躍が輝いて見えます。瑠璃姫も違和感程度にしか思っていなかった帥の宮の思惑を見事に見抜き、「畏れ多くも」が口癖の頑固な忠義者が女達の行動に突き動かされて帝の思惑とは違うところで動くという一連の活躍っぷりがもう本当にたまりません。

そして、帥の宮を巡る女達の想いと行動に胸を抉られる。泣いてばかりのなよなよ女房だと思ってた大弐の思わぬ活躍とか、桐壺女御や由良姫の想いとか、本当に意外な人の意外な面ばかりを見せ付けられるお話だったかと思います。特に大弐と由良姫が高彬を動かすためにとった行動する場面はなんとも衝撃的でした。

最後までドキドキハラハラが止まらなかった物語も大団円で完結。
個人的には由良姫や守弥&煌姫のその後、融の恋のゆくえが語られなかったのがちょっと残念…中学時代、夢中になって読んだ物語だったので、作者さんがすでに亡くなられていて、永遠に続きが出ることが無いと考えるとちょっと寂しいものが…。

あらためて、楽しい物語をありがとうございました。


なんて素敵にジャパネスク7 逆襲編

[著]氷室 冴子 [絵]後藤 星

帥の宮の手によって殺されかけ、川に落ちた瑠璃姫は煌姫の手によって救出された。命からがら生き延びた瑠璃姫は右大臣家ゆかりの別荘に身を隠し、逆襲に転じようとする。ところが同じ別荘に高彬の妹の由良姫に、高彬の兄の春日大納言までがやってきて…!?
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瑠璃姫vs帥の宮、決着編。命からがら助け出された瑠璃姫の前ですでにそれぞれの欲望むき出しな守弥と煌姫が素敵すぎます!病人へのいたわりの気持ちとか、そんなレベルじゃない、もっと壮絶な何かをあじわったぜ……。本当にこの二人は良いキャラ過ぎます。そして更に、死に掛けてる姉姫をほっぽって新しい恋に目覚める融……ほんと、このシリーズで一番の常識人は瑠璃姫なんじゃないかと思えてなりません。皆自分の気持ちに正直すぎる!!

煌姫に救出されてから後は、一気に帥の宮への猛反撃。高彬の兄・春日大納言をやりこめて、高彬をなんとか説得して帥の宮との直接対決に。帥の宮との対決中、部屋の外からそれとなく帥の宮をけん制する高彬がかっこいい。久しぶりに高彬の「有能官吏」っぷりを見たような気がします。

物語は次で完結。どのような終わりを見せてくれるのか、楽しみです。


なんて素敵にジャパネスク6 後宮編

[著]氷室 冴子 [絵]後藤 星

なんとしても、帥の宮の目論見を暴いてやる!と行動を開始した瑠璃姫は煌姫を帥の宮の元に送り込み、自らも後宮に乗り込む。その頃、後宮では物の怪騒ぎが発生していた。東宮生母である桐壺女御の不遇な扱いに同情する瑠璃姫だが、それが元で思わぬ事を口走ってしまって…
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帥の宮を巡る陰謀劇、急展開!の「後宮編」。ようやく帥の宮の目論見が見えてきた……と思えたのもつかの間、急展開につぐ急展開。特に、瑠璃姫が後宮に上がってからの展開は猛烈に速かった。8巻で終わりなのでそろそろ物語が結末に向けて動き出す頃だろうとは思ってたけど。

瑠璃姫が一人で無茶をするのは1巻・2巻の頃と変わらないのですが、基本的に鷹男の「おてつだい」の域を出なかった1巻、ある意味事件の構造自体は単純だった2巻の事件と比べてかなり複雑な事件になっていて、事件の謎解き自体が非常に面白かった。次期東宮の擁立とか由良姫の入内とか、平安時代ならではの要素がかかわってくるのが楽しい。平安モノスキーとしてはたまらない展開です。

そんな帥の宮の陰謀にたどり着く瑠璃姫なのですが…この辺にたどり着いたのはやはり常識にとらわれない、自由な姫だから?普通のお姫様だったらこんなに頭が回らないんじゃないかという気がしてならないのですが、宮仕えもしておらず、宮廷の情勢も高彬から伝え聞くだけのはずの彼女がここまで頭が回るのがちょっと不自然に感じなくもなかったり…まあそのへんは、少女小説だし深く気にする部分ではないのですが(それ以上に、急展開する物語が面白いので)

しかし、ようやく帥の宮の陰謀が見えてきたとおもったら…まさかまさかの急展開!そしてそのまま次巻へ続く!!これリアルタイムで見てたらさぞかしヤキモキしただろうなあ。