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今月のまとめと読了記録[2009年1月分]

1月に読んだ本は18冊でした。
冬休み中殆ど本を読まなかった上コミケから間髪居れずに原稿だったからある意味仕方ない……。

2009年1月のページアクセストップ4


 
ばけらの!2
⇒感想

これはゾンビですか?1
はい、魔装少女です
⇒感想

 
とらドラ9!
⇒感想

生徒会の四散
碧陽学園生徒会議事録4
⇒感想


元キャラ作家さんの推理やってた「ばけらの!2」と発売前からうっかり騒ぎ立てた「これはゾンビですか?」がツートップ。ジンくんは総攻(合言葉)。ゾンビはもうちょっとゲテモノ臭がしたほうが好みだったのですが…割と正統派な異能力バトルラブコメでした。「生徒会の四散」はアニメ化も決定して波乗ってますね。でも5巻でコレまで水面下で動いてきた「企業編」がどういう動きを見せるのかが心配だなあ…。

ていうか今回、3位の「とらドラ9!」除いて全部何らかの形で他所のサイトさんからの言及を頂いてるのですが、煮ても焼いても食えない感想書いたときに限って他所のサイトさんから感想リンクされてて後から恥ずかしくなるトラップは何なんでしょうか…「ジン×ヒカル萌え」とか「枯野×杉崎萌え」とか書いたときに限って!

2009年1月に読んで面白かった本


戦闘城塞マスラヲ Vol.5
川村ヒデオの帰還
⇒感想

ムシウタbug 8th.
夢架ける銀蝶
⇒感想

 
ラノベ部2
⇒感想

ベン・トー3
国産うなぎ弁当300円
⇒感想


今月は間違いなくずっとスニーカーのターン!!!
クライマックスだった「戦闘城塞マスラヲ」と「ムシウタbug」が新年早々素晴らしい勢いで魅せてくれました。マスラヲはヒデオ&睡蓮をメインにした続編シリーズの予定があり、ムシウタはこのまま本編クライマックスに続いていく…とのことで、今後の展開も見逃せません。

ますますヘンな方向にヒートアップする「ベン・トー」とパロディとあるあるネタまみれな「ラノベ部」も巻を重ねるごとに面白くなってきてて、今後が楽しみ。ラノベ部は小ネタの応酬やなんともいえない心地よい雰囲気もとてもいいんだけど無口系百合娘の暦の可愛さが半端じゃないと思うのです。

2009年1月の読了記録

メディアマーカーの読了記録から。
今月はラノベ以外ではなんといっても「バクマン。」が凄かったです。あと初期ガンガン読者としては、夜麻みゆき新刊が物凄い感慨深かった!
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ナナヲ チートイツ

 
しろ

父親と共に麻雀の代打ちをやっていた中也はある日父に裏切られ、多額の借金を背負わされた上ヤクザに売られてしまう。それ以来すっかり麻雀へのツキを無くし文字通り「啼かず飛ばず」の日々を送っていたが、父親が自分を売って所属したという組織が主催の麻雀大会が開催されるという話を聞いて…

イタイケな未成年男子がヤクザの奴隷(性的な意味で)と聞いて(ガラッ)

父親に借金のカタとして売り飛ばされ、ヤクザの性奴隷にまでその身を落としてしまった主人公が自らの自由を掴み父親に一矢報いる為同じような境遇の少女・七緒と共に裏社会の麻雀大会に挑む、というお話。ヤクザと聞いて即座に屈強なスーツの兄ちゃんを想像した私はいったいメガミ文庫に何を求めているのか。色気サドっ気たっぷりの女ヤクザだった……よ…(さめざめ)

身近な人間に裏切られ、借金のカタに人身売買オークションにかけられて、1億で売られる」までの展開がもろに以前読んだBL小説「お金がないっ!」とダブってたため、それ以降の展開の差異がかなり面白かった。BL的ファンタジー要素の助けが一切無い、受→攻への愛情が発生しない「お金」というか。オークションでの展開もあちらで読むと「そんなバカな!」なのですが、こっちは油ギッシュオヤジがいやらしい目で見てきたりと現実感があるというか。ていうかそうだよねー、普通性奴隷にされた相手にうっかりほだされるとか、常識的に考えてありえないよね!とか。いや、「お金っ」の非現実感たっぷりな展開も好きだけどね。

可愛らしいイラストと主人公の設定から偽BLみたいな物語を予想していたら、普通に真っ当な麻雀小説。ぶっちゃけ麻雀に関しては全く判らないので試合のシーンは斜め読みだったのですが、ドン底まで突き落とされた主人公がヒロインと出会い、麻雀大会での優勝を目指して必死になるという展開は間違いなく正統派なスポ根熱血系ラブコメでした。多少駆け足な印象はあったものの1冊で綺麗に終わってるし、七緒が徐々にデレていく展開にもニヤニヤする。

ただ、個人的には主人公の飼い主である女ヤクザ・初音さんの扱いがちょっぴり消化不良だったかも。微妙にデレそうな気配があったり、「実は良い人」っぽいフラグが結構立っていた様に見えたのにラストはあっさりご退場だったからかなあ…中也と七緒のラブコメがものすごいしっかりと描かれている分、サブキャラである初音や一之瀬がちょっと浮いて見えたように思えます。二人とも良いキャラなのに扱いが悪くて残念だ…。

あと、挿絵の人はもうちょっと少年漫画的というか、動きのあるイラストで読みたかったかも。良くも悪くも熱血麻雀小説というジャンルとしろさんの可愛らしいイラストのミスマッチがひとつの味を出しているというのはあると思うんですが、キャラのバストアップ絵ばかりなので色々物足りないものが…いやまあ確かに表紙にだまされなければ絶対に手を出さないジャンルの小説ではあったんだけどっ!!



余談。

感想内でやたらと「お金がないっ!」と比較してしまいましたが、私あの小説嫌いじゃないので誤解しないでいただければ…!なんか凄く原作好きな人に失礼な文章を書いてしまった気がするので弁解を……いえ、すいません、原作の1巻しか読んでないのですが、凄く面白かったです。正直受があんまりにも可愛すぎて、可愛い男の子攻推奨派としては萌えられはしなかったのですが…

わかりやすいくらいわかりやすい「BLファンタジー」って素晴らしいと思う。
いや、なんかたまーにこういうベタベタすぎるくらいベタなエロ読みたくならない?

4344802101お金がないっ 1 (1) (バーズコミックス リンクスコレクション)香坂 透
幻冬舎 2003-11-22

by G-Tools


ベン・トー3 国産うなぎ弁当300円

[著]アサウラ [絵]柴乃 櫂人

ある日突如として現れた謎の双子姉妹が圧倒的な力で各所の半額弁当を奪取していく。ナワバリを持たずに毎日違うスーパーに現れる彼女たちには訳アリの過去があるようで、一部の狼達が彼女の素性を探り始めるが…。一方、洋は自分に狼としての「二つ名」がついている事を知るのだが…!?
   個人的お気に入り度数
夜のスーパーで半額になった弁当を巡り、《狼》と呼ばれる猛者どもが無意味に熱い闘いを繰り広げる熱血バカ小説。…やっぱり《狼》全国にいるんだっ!強化合宿とか100km先のスーパーの話なんか出てきてますます物語は(無駄に)スケールアップ。やはり4巻が合宿編で、5巻以降半額弁当全国トーナメント編とかに突入するに違いない。集英社だし(ジャンプのお約束的な意味で)。

どんどん哀れな方向に身を窶していく洋の姿が微笑ましくて仕方ありません。とても不名誉な《二つ名》をつけられて、終盤では強敵達が何の違和感もなくその《二つ名》で呼んでたり(物凄いシリアスなシーンでも!)、今回殆ど出番がないのに白粉がしっかり筋肉刑事妄想をかましていたり(しかもそれを知らないうちに超煽ってたり)、SD文庫公式に“筋肉刑事”短編が載ったり(よくやった!感動した!!)本編とは一歩ズレたところで大活躍していて素敵です。

今回は《オルトロス》の二つ名を持つ双子姉妹と洋の対決がメインなのですが、そんなことよりもデレた槍水先輩モエーですよ!洋→白粉→槍水先輩とHP部を連鎖反応的に風邪の猛威が襲うのですが、風邪で寝込んだ洋の看病に来る先輩と、そしてその後風邪で倒れた槍水先輩を見舞う洋の場面では、もう始終ゴロゴロ転がりまくりですよ。二人のやりとりをみているだけでもう、ニヤニヤが止まりません。あとチキンラーメンをはじめとして食事の描写ががマジで美味しそう。うなぎはその後我慢できなくなり、自宅の夕食として親にリクエストしました。とても美味しいウナギだったのですが……久しぶりに焼いたら全然焼きが足りなくて悲しい思いをしました…orz

そしてもちろん「笑い」と「食」も良いですが、やはりこの作品の神髄は「燃え」だよなー…ラストの双子姉妹に洋が手を差し伸べるシーンでは本当に胸が熱くなりました。あの二つ名のせいでいろいろだいなしだけど。だいなしだけど!!


ラノベ部2

[著]平坂 読 [絵]よう太

高校に入って1週間ほどたった頃、付き合っていた彼氏に振られたばかりの美咲が幼馴染である竹田の家に現れる。彼女は突然「ラノベ部」を作りたいと言いだし、竹田に3冊のライトノベルを渡して去って行くのだが……“軽小説部”創設秘話も収録したシリーズ第二弾。
   個人的お気に入り度数
ライトノベル部こと「軽小説部」の面々が部室で他愛もないことを語り合ったりする学園小説。今回は何故か部室でコスプレしたり新キャラが登場したり、ラノベ部の設立秘話が明かされたりします。

相変わらずラノベやマンガ・アニメ関係のパロディ台詞やラノベ好きには「あるあるwww」なネタが満載で、じわじわと笑いがこみ上げてきます。特に暦&リアの本棚とインターネットに関するやりとりには首がもげるほど同意したい。本棚に本じゃなくてぬいぐるみを飾るなんてリア充すぎる!インターネット時間泥棒すぎる!!!あと今うちの本棚3段で入れてるのでマジで板抜けが心配です!

コスプレの話とリレー小説の話、「入れ替わり」の話がお気に入りです。コスプレの話はラストの暦の行動がホントに可愛いなあ…!!というか、事あるごとに皆の知らない所で文香の挙動1つ1つにキュンキュンしてる暦の姿に、こっちまでキュンキュンしてしまいます。綾先輩がコスプレしていたキャラ(もえ●ん)は、最初普通にストパンだと思ってました。あと竹田にコスプレさせようとしてギアスのコスチュームを薦める→「女子の制服しかない!」→「違う、間違っているぞ!」の流れは秀逸すぎて噴いた。リレー小説は個性丸出しの部員達の文章のむちゃくちゃな繋がりにニヤニヤした後、ラストの文香パートで盛大に決壊。入れ替わり話も綾先輩の腐女子妄想を真似ようとして何がなんだかわからないことになってる文香の発言に笑い転げてました。

あと、「メタフィクション」に関する考察が普通に面白かったです。普段から意味をあまり理解しないでなんとなくーで使っている言葉というのもあるけど、やはり最近良く話題になるキーワードだから面白かったというのもあるかも。そしてさりげなくメタ考察の中にラノベパロが入ってるあたりが流石過ぎる。(“他の小説に実名で登場する”“かーずSPとアキバblog”=まんま「俺妹」の某有名台詞ですよね?あまりにもさらっとまざってるので最初ぜんぜん気づかなかったよ!!)

本編の合間に挿入される1年前のお話は、1巻の文香と似たような経緯でラノベに(文香よりも遥かに深く)ハマってしまう竹田の姿にニヤリとしたり、綾と美咲の腹を探り合うような会話にニヤリとしたり、ラノベをバカにする他の部の先輩をマシンガントークでやり込める堂島に萌えまくったり。いいなぁ、堂島、いいキャラだなあ…!!章タイトルの使い方も上手かったです。そしてラストの美咲と竹田の会話にはなんだかホロリときた。お互い「かけがえの無い相手」だと同じように思っているはずなのに、それでもその想いの向け方がまるで違っていて…。さばさばした二人のやりとりが印象的でした。

竹田が「ジャンルにとらわれない」と評したライトノベルそのものと同じように、部に入ろうと思った経緯も読書に対する姿勢もそれぞれ全く違う彼らが、和気藹々とそれぞれの好きなモノについて語り合う姿が1巻よりも明確になったように思えて、とても面白かったです。あと暦の可愛さは異常。竹田と文香の仲を応援したいと思いつつ、暦のひそかな恋が実ってほしいと思ってしまう複雑な乙女心!!(笑)3巻も楽しみにしてます。


さくらファミリア!

 

高校1年の冬、突然「お前はイスカリオテのユダの生まれ変わりだ」とじゃいう謎のカミングアウトをしはじめた父親がとんでもない額の借金を残して失踪。間髪入れずに神の子の生まれ変わりに天使に魔王までおしかけてくる。ちょっとヘンな面々(ただし、全員美少女)となしくずしに同居するハメになってしまった祐太だが…!?

天使や悪魔や聖人の生まれ変わりな人々が繰り広げる、下ネタ満載のドタバタホームコメディ(?)。「ばけらの!」方向というか、重くない杉井光。…っていうか、コミカル方面に走ると何でこの人はいつも色々とギリギリなんですか?(各方面から苦情が来そう的な意味で)

色々な意味でネジが飛んでる美少女達と割合常識人な主人公のハイテンションな掛け合いが楽しい。また、彼らが借金をしている「三十銀貨財団」がたまにやらかしてくる取り立ての為の嫌がらせがみみっちすぎて笑える。一応主人公の前世である「イスカリオテのユダ」の死因を巡る謎とか「神の子」の生まれ変わりであるレマ・エリの2人組と主人公の前世での関係など、色々本線の物語はあるんだけどそういうのは抜きにして楽しめる。

あと、特筆すべきなのは主人公が異能持ちであることではないでしょうか!他の杉井光作品と同じく「ヘタレ」で「平凡」な「ツッコミ役」といういわゆる“スターシステム”的な主人公なのだけど、彼の中に「イスカリオテのユダの罪痕」という異能が眠っていて…という設定が(杉井作品的に)新しい。一応この作品で杉井光の著作はすべて制覇したことになるはずだけど、男主人公が明確な異能を持ってるのは他になかった気がする(「死図眼のイタカ」はどうだったっけ?)。

やたらと女装させられそうになったり、美少女達(ていうか主にガブリエル先生)からセクハラされそうになったりといろいろな意味で杉井作品にしては萌え度の高い主人公だったのですが、異能力発動シーンで一気にツボにハマりました。二面性ばんざい!!!能力がまた主人公らしからぬ方向なのがまた良い。

しかし、色々ツボにハマった作品だったけど、一番噴きだしたのはラストで明らかになるタイトルに関する叙述トリックだな。なんで主人公の○○が伏せられてるのかと思ったらそんな理由かよ!!!


桐原家の人々 4 特殊恋愛理論

[著]茅田 砂胡 [絵]成瀬 かおり

交通事故で両親を亡くした桐原零は、両親の棺の前で初めて伯父である広美と出会い、彼の家に引き取られることに。両親を亡くしたショックを隠しきれない零だったが、引き取られた先の桐原家では次々ととんでもない事件が勃発して!?
   個人的お気に入り度数
「桐原家の人々」シリーズ最終巻。零の視点から三つ子が生まれた時の桐原家の大騒動と、その後の大学時代の零の話を描く番外編です。

今回は全体的にちょっと重めの雰囲気。桐原家の、特に女性陣の語り口だと全く深刻さを感じられなかった「過去の大騒動」ですが、当事者で桐原家の中では割合常識人(?)である零の視点から語られるとまた全然重みが違ってきます。零の両親の遭遇した交通事故はかなり悲惨だし、女性陣が軽いノリで語った「祖父の死」「父が出張先でクーデターに巻き込まれる」「麻亜子の婚約解消」のあたりも、当時の当事者達にとってはかなり重い話だったんだなあ…特に既刊である程度出てきていたとは言え、眞己と猛と都を「三つ子」として届け出た時の麻亜子の反応はかなり意外だったかも。

しかし、重い物語をあんなにあっさりと語ってしまう桐原家の人々はやはり豪胆だなあ、と改めて思う。その他にも駆け落ちした零の両親を追い掛けてきた零の母親の家庭の人を銀次郎・締の老夫婦がそれぞれ包丁・薙刀を持ち出して追い払ったエピソードなど、思わずニヤリとしてしまうような展開が合間合間に入ってきます。

後半は零と4巻でちょっとだけ出てきた零の親友・城段輪とのエピソード。最初はお互いに良い感情を持っていたわけではなかった2人が大学で再会し、様々なトラブルを経て徐々に掛け替えのない親友になっていく姿がとても良かったです。輪が過去に持つエピソードもなかなか重たいものがあるのですが、どこか最後の最後で湿っぽくならないというか、弟・環くんのに関するエピソードなんかは一種桐原家に通じるものを感じました。っていうかオチ(=環の結婚相手)に噴いたw

あ、あと零の女装シーンがとても良いですね!!麻亜子が自作した女装用ブラにドン引きする零の姿に思わずニヤリとします。その後も早く脱ぎたいのに三つ子達と写真を撮る羽目になったり、家庭内記念撮影会が開催されて周囲の注目集めまくりだったり…といろいろな意味でツボをついたエピソードでした。いろいろな意味ですばらしい女装でした!

色々な意味で、全4巻フルに楽しませて貰ったシリーズで、このシリーズがここで終わってしまうのは残念でなりません。もう1?2冊、桐原家の巻き起こすドタバタ騒ぎを読んでみたかったかも…。またいつか、余裕があればこの人の他の作品にも手を出してみたいなあ、と思った次第です。


いつか天魔の黒ウサギ2 《月》が昇る昼休み

[著]鏡 貴也 [絵]榎宮 祐

蛇の悪魔が生徒たちを飲み込んでしまい、その対応に追われる大兎とメヒア。事件が解決し、帰ろうとした二人の目の前で奇妙な紅い月が昇る。一方、紅月光は“日向の使い”を名乗る謎の悪魔から忠告を受けて…!?
   個人的お気に入り度数
小さい頃に呪いをかけられ、15分間で7回死ななければ死なない身体になった大兎と、彼にその<呪い>を与えた最古の魔術師・ヒメアを中心とした学園ファンタジー第二弾。とりあえず日向が死んでなくてひゃっほいと小躍りしたのは私だけじゃないはずだ。

面白かったけど、主人公達のバトル的な活躍は殆どなくて、ちょっと物足りない気持もあったかも。前回の派手な戦闘を覚えていると、どうしてもああいうのを期待してしまう。

ヒメアの元恋人にして“最古の魔術師”のバールスクラが早くも出てきたり、シリーズタイトルでもある“天魔”が姿を見せたり…と、展開が速い速い。おしげもなく1巻で張った伏線をガシガシと消化していくので「ひょっとしてこれ、全3巻完結…?」とか思ってしまうのですが、あとがきを読むと別にそういうわけでもないようで…一方で、生きていた日向やヒメア達が生み出した『幸福』という魔法の存在、また月光も弟以外の部分で色々と気になる伏線が新たに張られているのでしばらくこの物語から目が離せそうにありません。

しかし今回一番残念だったのが、ツンデレ生徒会長こと紅月光の出番が少なかったことだったりします。大兎とヒメアのイチャイチャもとても好きなのですが、1巻であれだけ露骨な月光のデレを見せられてしまうと、2巻も期待してしまうのが人の常というものではないですかっ!せっかく味方になったのに、大兎達との絡みが殆どなくて、本当に残念。っていうかもうなんでもいい、月光もっとデレろ!!

しかし、1巻でみせた月光のデレ具合には正直(私の中では)及びませんが、ヒメアのデレデレっぷりもかなりたまりません。ストレートで端的なセリフから、溢れるばかりの大兎への愛がつたわってきて、こっちまでくすぐったい気持ちになる。本当に、こんな短い文章でこんなに大きなの気持ちを込める事が出来るのかと思う。


生徒会の四散 碧陽学園生徒会議事録4

[著]葵 せきな [絵]狗神 煌

相変わらず生徒会室で自堕落な毎日を過ごす生徒会メンバー達。会長が突然読書をするといいだしたり、将来の夢を語らせたり……しかし、そんな中で鍵は、深夏・真冬姉妹の様子がおかしい事に気がついて!?
   個人的お気に入り度数
生徒会のメンバーが部室を舞台に色々だべってるラノベ第四弾。なんていうか、鉄壁すぎて逆に語ることが無い。物語というよりも小ネタを楽しんでいくストーリーなので、もうとりあえず楽しめたら満足、みたいなところがあります。

個人的には第四話「リベンジする生徒会」がツボ。1巻の「放送する生徒会」も大好きなんですが、なんか会話だけで展開される分逆に普段よりテンション高くなってる感じがする。特に『定められた一言』では笑いが止まりませんでした。しかしよもやこんなところでドルチルネタを見るとは思わなかったよ!!!ネタのカバー範囲広すぎる!!!

しかし、そんな中で少しずつ物語が次の展開に向けて動き出している印象が。今まで表に出てこなかった『存在しえない?』の方での展開が本編の方に少しずつ絡みだしていて、杉崎が意味深な発言をしたり、もう一方では深夏・真冬姉妹の方にも問題が持ち上がって…と、少しずつ張られていた伏線を回収してるっぽい動きが。女子陣も少しずつ杉崎への好意を露わにしはじめている部分があったり、最後の短編で5人の関係に明確な「終着点」が示されたり、一方で杉崎も自分のハーレムのことを「期間限定」と言い出したり…と5人の関係が水面下で少しずつ変わってきていることを匂わせる言動が増えてきた気がします。

後書きで「次で第1部クライマックス」と書かれているので完結ということはないのでしょうが、なんにせよ5巻で物語に一端の区切りがつきそう。関係性を変えた上で継続するのか、それともキャラクターを一新して新たな生徒会シリーズが展開されるのかはわかりませんが、5人の関係がどうなっていくのかとても楽しみです。

【余談】
『隠蔽されたエピローグ』が杉崎受にしか見えなかった私は病気でしょうか。枯野×杉崎と言ってみる。正直、芯の強いキャラクターが自分以外の人間を盾に取られて無理やり屈服させられるというシチュエーションはとても萌えます。

…今回腐女子分少なかったからこのくらい妄想したっていいと思うんだ。
中目黒君も悪くないのですが真冬ちゃんはもっといろんな脳内妄想キャラと杉崎を絡ませるべき。残響死滅兄さん再登場モトム。


 

揉め事処理屋を営む高校生・紅真九郎の元に、世界屈指の大財閥「九鳳院家」のご令嬢・紫の護衛の依頼が舞い込む。詳しい事情も知らされないまま依頼を引き受け、ワガママお嬢様な紫に振り回されながらもそこそこ平穏な毎日を過ごしていたが…

アニメ終わったけど今頃手を出してみたよな「紅」のシリーズ1冊目。

ちょっぴりワガママだけど「大財閥のお嬢様」としての高貴さを併せ持つ紫のキャラが素敵でした。自分が間違っていると思った事は絶対に譲らないけど、自分が間違ったことをしたと思ったらその過ちを認めることが出来るという姿が、小学生の女の子に使う言葉としてはちょっとヘンかもしれないけどすごくかっこいい。銭湯での真九郎とのやりとりがすごく好きだったりします。一方、真九郎は後半ヘタレてしまう部分が多いせいもあるけど、短編ネタの多い漫画版の方がかっこよかったかも。しかし、真九郎がだんだん紫に感化されて変わっていく姿には、思わずニヤニヤさせられてしまうものが…。

しかし、話と設定はドツボなのに、イマイチツボにこなかったのは漫画版がほぼ忠実に同じところなぞってるからかも…もともと文字が詰まってる本は得意ではないので(これだけ本読んでてそれか…!)漫画版がすでにやってしまっている部分はちょっと読んでいてつらい部分があったり。丁度そのへん、日常生活の部分だったというのもあるかもしれませんが。

でも、紫と大財閥にして“表の御三家”の一・九鳳院家の秘密が明かされてからはもう一気に物語りに引き込まれて、最後まで一気読み。真九郎がボロボロになりながらも紫を救うために奮闘し、ずっと長いものには巻かれろで愛想笑いばかり浮かべてきた彼が強大な権力を持つ九鳳院家当主と本気でやりあう場面には胸が熱くなりました。

しかし、続きを読むかどうかは色々と悩みどころ。「醜悪祭」の悲劇はいろいろな意味で記憶に新しいので、そんなに酷いことになるなら綺麗に終わったところで読むのをやめてしまうのもありかなあ…と思ってしまったり。といいつつ、2巻のあらすじがとても気になる私が居たりするので予定は未定ですが!

それにしても、漫画版の真九郎はマジでかっこいいです。きゅんきゅんします。3巻楽しみ。