うららの記事一覧 | ページ 127 | 今日もだらだら、読書日記。

うらら一覧

ガーゴイルおるたなてぃぶ4

[著]田口 仙年堂 [絵]日向 悠二

お七婆さんの節約食事術に感服しつつ、ミズチの動向に関する情報収集を行っていたひかるたち。調べていくうちにミズチが様々な人物を相手にとんでもない脅迫を行っていることがあきらかに。彼らの陰謀を食い止めるために動き出そうとしたひかるたちの前に、パワーアップした狛が立ちふさがる…!?
   個人的お気に入り度数
Lv.1なご近所ヒーロー・ひかる&ガー助コンビが繰り広げるもうひとつの「ガーゴイル」シリーズ、完結編。レイジとの決着がこちらで付かないのは解っていたのでどうやってオチをつけるのかと思ったんだけど、予想とおりあの人がラスボスとして出てきました。本編の「ガーゴイル」で軽く触れられていた、喜一郎が平賀に拾われて古科学をはじめた話ってこちらへの伏線だったんですね。

悪くはなかったけど序盤からバトル、バトル、バトルの連続でやはりそれ以外の部分への物足りなさが否めなかったかなあ。最後だし(最後だからこそ)もうちょっと日常描写がほしかった気がするのですが…個人的には日常分:バトル分の比率は3巻あたりが一番ちょうど良かったかも。

悪い意味で、3巻が盛り上がりすぎてて4巻が一種の後処理に見える。これまで「1つの生命をひかるとガー助の2人で分け合っている」という設定から生じていたバトル中の危機感が3巻で解消されてしまった上に、やはりレイジと比べると今回のボスキャラトリオは格が一段劣る感じで…。

個人的には、ひかるたちの活躍よりもお七御婆ちゃん大活躍にニヤニヤが止まりません。もう私、どんだけこのお婆ちゃん好きなんだと思うけど!!あと最初から最後まで可哀そうな役のヒッシャム哀れ。

このシリーズは一応ここで完結。来月「ガーゴイルおるたなてぃぶZERO」という番外編?っぽいタイトルの発売が予告されているのですが、こちらはどうなるのかな。個人的にはやはりバトルメインになったせいでおざなりになりがちだった逸色ビルの面々とのふれあいを中心にしたほのぼの番外編とかだったら嬉しいけど(エピローグでちょっと出てきた狛とガー介の凸凹コンビっぷりとかもっと見たい)、原作で事件の顛末しか語られていない板垣さんが古科学者に利用された事件の話とかになりそうな気もするなあ…


ドラマCD バカとテストと召喚獣 vol.2

ドラマCD バカとテストと召喚獣 vol.2

下野紘 中原麻衣 清水香里 谷山紀章 水原薫 川田紳司 氷青 津田健次郎
個人的お気に入り度数
  
原作2巻の内容+オリジナルの物語を1編収録した「バカとテストと召喚獣」のドラマCD第二弾。
うーん……相変わらずキャストはぴったりだし、悪くは無かったけど1巻ほどは大絶賛できないかなあ…というのが本音かなぁ…ハイテンションなやり取りは相変わらず良いんですが。

「バカと学園祭と走馬灯」
原作2巻、学園祭に関するエピソード。「走馬灯」というサブタイトルからもある程度想像がつくかもしれませんが、今回は振り返りのシチュエーションが何気に面白おかしいw明久が死んだら生命保険を受け取る気マンマンの雄二は、明久とどんだけゼロ距離なお付き合いをしているというのですか。その後のバカテスト「現代国語」が何気に本編の内容と連動してるのには噴きました。

しかし、えーとすいません、私の2巻に対する思い入れが無駄に強い事は否定しませんが、なんかちょっと物足りなかったです……バトル以外の駆け引きがメインの準決勝以外のバトルが片っ端からはしょられたのはある程度は仕方ないかなあとは思うのですが…やっぱ2巻って、バトルメインの話なんだよなあ……。特に2巻最大の見せ場であるはずの決勝戦で明久・雄二が常夏コンビをボコにする擬音だけで終了したのは、もうギャグにしか見えなくて泣いた。いえ、確かにギャグ小説なんだけど。ギャグ小説なんだけどっ!!そこでギャグで落とすのはなんかバカテスとして違うと思う!!!

一応美味しいところは全部浚ってくれてるんですが、全体的に酷くはしょり気味で物足りない。30分にムリヤリ主要エピソードを詰め込んだせいでぎゅうぎゅうに詰め込んでしまったムリヤリ感みたいなのが露呈してる気がします。うーん、1巻もかなりはしょられてたけど、今回のような不自然さはそこまで感じなかったんだけど…

名前を知らないはず3年生コンビの事を明久がいきなり「常夏コンビ」と呼んでいたり、バトルを避けまくってたせいで明久の「日本史:166点」の凄さがイマイチ伝わってこなかったり…と、原作知らない人にはちんぷんかんぷんなドラマCDになってるのも気になります。特にテストの点数はやっぱ、普段の明久の点数(※1巻の頃から100点前後上がってる)知ってないとイマイチピンと来ないよなあ…。

後述しますが明らかに原作知らない、声優目当て腐女子層も喜びそうなシーンが結構あるので、これ原作知ってる人だけが楽しむつくりにするのはもったいないと思うんだけど…

っていうか常夏コンビに対して、明久が敬語で教頭に加担した理由を聞く場面が大好きなのにっ!!!あそことメイドアキちゃんを常夏が目線でセクハラする場面がはしょられたのはマジメに泣きましたが!!!泣きましたが!!!!大事な事だから2回言ったっ!!!

ああ、でも、カラオケボックスのシーンが最高すぎるのでもうなんか駄目なとこ全部どうでもいいかもしれないっ!!チンピラどもの暴挙に対して後先考えずにマジギレする明久もとても良いのですが、その後の雄二&ムッツリーニ乱入場面が最高にかっこよすぎる。雄二の「…貸しイチだからな?」にきゅんきゅんときめいた!!!ああもう悪友最高!!!!!

あとあと、ラストの姫路さんの呟きは最高だなあ。こういう演出ってやっぱ音じゃないとできない演出だもんなあ……原作で読んだときもきゅんとなりましたが、改めて聞くととても素晴らしかったです。

そして何気に今回も全問新問なバカテストがミモノです。先生がどんどんノリツッコミになっていく姿がステキすぎます。「数学」で生徒に嫉妬する先生の姿が哀愁を誘う…

「バカとスケベと冤罪疑惑」
間に挟まったバカテスト「古文」、何気にコラボネタだよっ!!たしかにあのセリフは声つきで聞きたかった。明久グッジョブ!!!ていうか、色々な意味で間違ってないよなああの答え……

そんなわけで後半はお姉ちゃんにお弁当を届けに来た葉月ちゃんと、ムッツリーニ&明久コンビがおかしな誤解(?)をされてF組生徒達と校内を股にかけた追いかけっこになるというお話。当初の目的を忘れて明久を追い詰めるのにノリノリな雄二と、同無駄にキビキビと戦況を報告してくるF組メンバーと、凄い勢いで目撃者を引っ張ってくる姫路さんの張り切りっぷりが面白おかしすぎる。つか、姫路さんがマジ怖いです(「走馬灯」の方も含めて)。出番ない所為もあるけど、9割くらい声が黒かった気がします。これなんてL5竜宮レナ。

「走馬灯」ではしょられた白金の腕輪の効果も雄二の方だけとはいえさりげなくこちらでお目見えさせたり、3巻以降の悪友コンビ&校長のちょっとした繋がりを思わせる描写もあって、物語のつくりとしても面白かった。
うん、やっぱりドラマCDだとバトルのないドタバタ話の方が面白いみたいです。
ムッツリーニの半分わざとな悪意と、葉月ちゃんの無意識な悪意によってどんどんドツボにハマっていく明久が可愛すぎました。

「キャストによるリアルバカテスト」
えーとりあえず一言だけ。

谷山さん「(声優は)褒められたがりが多い。下野くんなんか特にそうですよ。(中略)
 おめーなんか、くるぶしの形いいよな!ち●び綺麗だなー!!!」
下野さん「それ全部普通に見えるところじゃないからーーーっ!?」


 

 な ん の サ ー ビ ス だ こ れ は 。

普通に谷山×下野なのか、そうなのか!!
中の人に興味はないですがうっかり普通にカップリングに見えちゃったぞ!?
声優系腐女子必見?!

冗談はとにかく、下野さんの弄られっぷりは見てて和む。まさに「空回りのホームラン王」。


死神姫の再婚 微笑みと赦しの聖者

[著]小野上 明夜 [絵]岸田 メル

アズベルグでは豊作祈願祭が執り行われていた。懐かしい面々と久しぶりに再会し、領民達の楽しそうな様子に心を躍らせていたライセン夫妻だが、そこに傷だらけのセイグラムが現れる。レイデンが<翼の祈り>教団の襲撃を受け、ティルナードが拉致されたというのだが、カシュヴァーンが彼らを救出に向かった間に今度はアリシアとディネロが拉致されて…
   個人的お気に入り度数
???っっ!!!(※ただ今萌え転がっております。暫くお待ちください)

あ、アリシアもめちゃくちゃ可愛いけど、カシュヴァーン可愛いよカシュヴァーン!!!!巻を追うごとにアリシア好きすぎて着実にヘタレていってる旦那様の姿が正直辛抱たまらん!!!天然無邪気な奥様が周囲(おもにエルティーナ様とバルロイ)の悪影響を受けて意味も分からず旦那様にアタックを仕掛けるのに翻弄されるわ、ディネロに嫉妬するわ、アリシアと離れたらアリシアの幻影見まくるわ……ってどんだけアリシア好きなのかこの人は!!!アリシアと再会した時の反応と、エピローグでアリシアがバルロイの入れ知恵を実行するくだりはほんと、電車の中でなかったら萌え転がっていた所です。というか今感想書きながら萌え転がってますが何か!!!

アリシアはアリシアで、本人も無自覚なうちにだんだんこの旦那様に惹かれていってる様子。ある意味、無自覚なうちに恋愛に憶病になってしまっているこの奥様が自分の気持ちに戸惑う様子がとても可愛いです。というかカシュヴァーンがかわいそうなのでそろそろ落ちてあげて下さい。いやでもこの夫婦はこのもどかしさがまた、たまらんのですが…!!

一方、別の意味で見ているとニヤニヤが止まらなくなってしまうのがティルナード坊ちゃんとその周囲の行方。ユーランとティルナードの関係はとても重たいのですが、なんだかんだいってこのユーランも、望む形ではないにせよティルナードのことを本当に心配してやったことだと思うと憎めない。彼の一件を乗り越えて大きく成長したティルナードの姿にも胸がじーんとしました。また、セイグラムとの関係では意外にセイグラムがティルナードに依存していることにニヤニヤします。というか教育係2人はティル坊ちゃん好き過ぎだろう!普通にティルの取り合いをしてるようにしか見えません腐女子的に美味しい展開を本当にありがとうござ(略)そしてラストのノーラとのやりとりにゴロゴロゴロゴロ(じったんばったん)。ノーラが、ノーラが遂にちょっとデレたよ!!!!(叫)ティル坊ちゃんの周辺は腐女子的にもツンデレ萌え的にも楽しめて大変美味しい所ですね!!

あーもうなんていうか、どんどん魅力的なキャラクター達のやりとりを見ているだけで萌え転がれるシリーズになってきて、ほんと今回は読んでると幸せな感じでした。新キャラクターも可愛いし、ルアークとジェダ、レネとバルロイの微笑ましいやりとりにもきゅんきゅん。続きが楽しみ。


いつか天魔の黒ウサギ1 900秒の放課後

 

足のケガが原因で空手の道を断たれ、以来退屈な日常を過ごしていた鉄大兎。そんな彼はある日、同じ学校の女の子がトラックに轢かれそうになっているのを助けようとして自らがトラックに跳ねられてしまう。バラバラになって死んだと思ったのもつかの間、その身体はすぐに元通りになり、同時にそれまで夢だとばかり思っていた過去の記憶が蘇って…!?

とある事故をきっかけに9年前の記憶を取り戻した普通の少年が「15分以内に7回殺されなければ死なない」という呪い(魔術)という体質になり、彼を庇って9年間囚われていた少女・メヒアを助ける為に奮闘するというお話。世間の感想を見て胸をときめかしてから早半月。どこ探しても本屋でみつけられなくて男泣きしたのも今となれば良い思い出です。

物語は王道一直線な熱血純愛中二病系学園異能。「15分間に6回まで死ねる」のを強みにその身ひとつで魔族だのなんだのにぶつかっていく主人公の無謀っぷりにハラハラしつつ、デレデレ美少女・メヒアとのイチャイチャっぷりにニヤニヤさせてもらいました。主人公が記憶を取り戻してメヒアを救うために動き出す過程はちょっと唐突に見えなくもなかったのですが、その分物語に勢いがあってどんどん引きこまれていくような感じ。

しかし、主人公コンビも悪くはないのですが何よりもツボにハマったのはサドデレ生徒会長・紅月光。完璧超人な優等生キャラと思わせておいて実は天才肌な弟へのコンプレックスの塊という努力屋で、弟に一矢報いる事にはどんな犠牲も厭わない……と見せかけておいて実は何気に人情派。人間捨てまくりの冷血弟とは対称的に、これ以上なく人間らしい姿が最高にツボでした。相棒の安藤美雷とのやりとりにもニヤニヤしていたのですが……

この生徒会長、最後で美味しい所を持って行った挙句、腐女子妄想膨らませる発言までしてくれちゃって、このぉー!!!カップリングは日向×月光と月光×大兎が王道ですねわかりました!!!個人的には兄弟カップリング萌えとしては今回あっさり退場してしまった「Yandel、入ってる」な弟君こと紅日向の再登場にも密かに期待したい所です。あれだけ強大な敵っぽく描かれているのに今回のアレであっさり退場なんてないよね!当然、後の話でいやらしいパワーアップを遂げて、兄貴への復讐心丸出しに襲いかかって来るんだよね!!!

主人公の日常にも不穏な動きがあるし、サドデレ生徒会長と主人公の絡みを含め、これからどうなっていくのかとても楽しみです。


おと×まほ6

[著]白瀬 修 [絵]ヤス

年の瀬も迫る12月。平穏な日常に身を委ねながら、彼方は相棒のモエルに元気が無いことを密かに案じていた。そんな中、此方は彼方&此方の誕生日に彼方のクラスの友人や魔法少女仲間達を盛大に招待した誕生日&クリスマスパーティを催す事に…
   個人的お気に入り度数
前回ちょっと張られていた伏線が動き出して、一気に物語が加速したシリーズ第6弾。

とりあえず、まず突っ込まずにはいられない。モエル、女(?)だったのかよ!!!!!あのセクハラオヤジもびっくりな言動から、5000歩譲っても中の人(違)は男だと思ってました。人間バージョンのモエルが猫バージョンの時のようにハァハァしてる姿を想像すると、色々な意味で物凄いものがある…。しかもモエルが女だとすると、まさかのモエル正ヒロインルートもありうるのか!?とか考えてしまいますね。てっきり誰かとくっつくとしたら彼方×留真あたりが最本命カップリングだと思って……ああでも留真には依お姉さんがいるもんね(そっちかよ)…ああでも、性別に関してははっきりとした言及がないのか……「魔法少女」だから女の子だとおもってたけど、かなたんと同じく男の魔女っ子という可能性も……うーむ。

そんなこんなで謎の猫・モエルの過去と秘密、そして彼方たちの当面の敵になりそうな組織の存在が遂に明らかに。暫くは彼方を初めとした魔法少女たちとこの組織がモエルを巡って争うような形になるのかな。個人的にこのシリーズは、ヘンに萌えに走られるより燃え全開なガチバトルやってくれた方がツボに来るのでがんばって欲しい。

というかもうちょっと戦闘中以外でもかなたん男らしくなってくれないものかな…。戦闘中の彼方は結構かっこいいキャラなので、それ以外の部分での総受モードがちょっと物足りなく感じてしまうというか、もうちょっと日常生活でも外見と中身のギャップを強調してとか思うわけでですね!?このシリーズのコンセプト的にどうしようもないのかもしれませんが、そろそろかなたんは腕力に頼らないあしらい方を覚えていただきたいものです。いい加減腕力に頼るのはワンパタ……げふげふ。

此方の気まぐれで生まれたとばかり思われていた「男の魔法少女誕生」にもどうやら秘密があるようだし、モエルとの会話に出てきた『首輪』という言葉も気になる(ていうか挿絵がエロいよ!!)。今後どうやって物語が広がっていくのかとても楽しみです。

個人的には、次は彼方の魔女っ子修行編とかを希望したい。熱血要素アリで(笑)


ガーゴイルおるたなてぃぶ3

[著]田口 仙年堂 [絵]日向 悠二

「ミズチ」と対決する事を決めたひかる達。しかしそれには当然先立つモノが必要で……そんな彼女の元に天成会の親分から依頼が舞い込んでくる。その依頼とは、今をときめく"怪盗百色"からとある宝物を護衛してほしいというものだった。逸色ビルの面々とリゾート気分で親分の持つ豪華客船に乗り込んだひかるたちだったが…
   個人的お気に入り度数
本家「吉永さん家のガーゴイル」側から怪盗式&デュラハンコンビが登場だよ!なシリーズ第三弾。今までも東宮天祢やヒッシャムがちょくちょく出てきてはいましたが……あーやっぱり見てて和みますよね、デュラハン(!?)梨々たんも可愛いけど梨々たんよりもデュラハン可愛いよデュラハン。『ルルル』って言われるだけで無条件に和まざるをえない。

ふとした行き違いからデュラハン&白色vsガー助&カンジコンビが激突する羽目になるのですが、「吉永さん家の?」の方ではどっちかっていうと2巻でガーゴイルに敗れて以降は雑魚キャラポジション化していたデュラハンの強さに改めて驚きました。…いや、こんな強いキャラだったんだねデュラハン……本編とおるたのパワーバランスの違いがハッキリと出ていて面白かった。正しい意味でひかる&ガー助ペアは「レベル1」なんだなあと。まあその後、狛を相手に共同戦線を張ったデュラハンは実にいつも通りでちょっぴり安心しました(酷)。

ミズチ側は遂に黒幕が姿を見せて、本編終盤並みのエグい展開に。まあぶっちゃけ誰が黒幕だったかは本編を先に読んでしまったので知ってるんだけど!しかし、2つの「ガーゴイル」シリーズは見事に全ての『悪』をこの男一人に集約させてるんだな。本当にこれだけ沢山キャラクターが居て、それでも彼以外に根っからの悪が居ないというのはある意味凄い。まあその唯一である彼も、本編ラストではだいぶ「ご近所時空」に毒されてましたが…。

ラストでひかるが「ラーの天秤」を大幅パワーアップさせて、ミズチとの戦いは痛み分けに。さてさて、「あの人」の最期はガーゴイル本編で語られている訳なのでおるたでは決着つかないわけだけど、あと1冊どうやって蹴りをつけるんだろう?今回ラストで怪しい動きをしていたあの人がラスボスか?残り1冊、楽しみにしてます。

…まあそれはとにかく、私としては遂に逸色ビルの臨時メンバー(?)に仲間入りしたお七婆さんにニヤニヤせざるをえないわけですよ。もうおばあちゃんは和み要員としてこのままずっとひかるの家にいついちゃったらいいとおもう!!!


アカイロ/ロマンス2 少女の恋、少女の病

[著]藤原 祐 [絵]椋本 夏夜

枯葉と出会ってから1週間後、彼女に誘われて「迷い家」へ再びやってきた景介はそこで型羽と名乗る一族の少女を紹介される。楽しいひと時を過ごした後、猜疑心の強い彼女に送られて自宅へと帰ろうとした矢先、繁栄派の少女達から襲撃を受けて…!?
   個人的お気に入り度数
枯葉様かっこいいよ枯葉様っっ!!!
伝家の宝刀・「つうれん」を構える挿絵がオトコマエすぎて、心臓をばきゅんと撃ち抜かれた思いです。和服美人に日本刀という組み合わせは素晴らしい様式美だと思いますが、和服美人+チェーンソーという組み合わせのなんとも言えないアンバランスさにうっかり鼻血出そうです。素晴らしすぎる!!!

正直「つうれん」の超改造に度肝を抜かれてそれ以外の感想が色々と頭の中からぶっとんでいる状態なのですが、いなくなってしまった灰原吉乃を「もういない人」として忘れようとするのではなく、彼女を決して忘れず、彼女に恥じないように生きていこうとする二人の姿が印象的でした。「一生お前を(灰原と)比べ続けてやる」はまさに会心の一撃。決して身体能力的には強くない人間である景介だけど肝の据わり具合は一人前で、動けなくなってしまった枯葉を叱咤して立ち直らせる場面ではうっかりホレそうな勢いでした。

一方、彼らの知らない所で繁栄派は着々と動いている様子。行方のつかめない歩摘の行方や、ラストの依紗子と母親の意味ありげな会話も気になる。続巻が楽しみです。


断章のグリム9 なでしこ(下)

[著]甲田 学人 [絵]三日月 かける

金森琴里の死をきっかけに広がっていく「なでしこ」の泡禍。事件の糸口をみつけられないまま週末が終わり、蒼衣は否応なしに雪乃を置いて自らの“普通の”日常に戻ることになる。一人残された雪乃は泡禍の解決と当事者たちを守るため、奮闘するが……?!
   個人的お気に入り度数
今までの物語と比較すると、割とすっきり綺麗に終わっていたような?…いえ、まああくまでこのシリーズ基準でのお話で、良く考えると後味が悪い事は変わらないんですけど。つか、後味の悪さが後からじわじわと来るタイプだ…。「なでしこ」完結編です。

プロローグでいきなり梢枝が無残な死を遂げる場面が久しぶりにクリティカルヒット。無情に食い込んでいくナイフには「もうやめて!梢枝どころか読者のHPまでもう0よ!!」と叫びたくなるような圧迫感がありました。しかし、その場面のインパクトが強すぎて、肝心の中盤以降で同時に怪奇が発生する場面がちょっと弱く感じたのは残念だったかも。あそこでプロローグ級の怖さが来れば完璧だったのになあ…なんか「グリム」になってから、全体的に暗幕が落ちるのが早い気がします。いやまあ、異能バトルメインになってる分ある程度意図的に抑えているのかもしれないけど。

<保持者>ではあるものの<騎士>ではない千恵や一真から描かれる「騎士」達の姿が、雪乃・蒼衣達の側からは見えない視点で描かれていて面白かった。そして彼らが自らの力に振り回され、どうしようもない絶望に翻弄される姿は見ていて切なくなりました。そんな彼らに救われないながらも、少しでも悔いの無い道を歩ませようとする群草老人の不器用な優しさや、騎士ではない彼らの業もすべて背負おうとする雪乃の姿がいんしょうてき。っていうか千恵可愛いよ千恵。今後の再登場&レギュラーメンバー化を熱くを希望したいです。

その一方で、こんな状況でも「普通の生活」にこだわろうとする蒼衣達の行動に、改めて歪みを感じました。個人的には今にも次の犠牲者が出るかもしれないという状況で「彼らや雪乃を守りたい」という気持ちもあって、泡禍への恐怖に負けたのでもなく、ただ「日常に戻る為に」ある意味で事件を「見捨てて」まで学校に行く蒼衣って相当歪んでると思うんだ…。

しかし今回はあらゆる意味で、最後の最後で群草氏がいろいろな所をもっていってしまった感じ。彼の事を考えると後からじわじわ後味悪くなってくる…。


さよならピアノソナタ4

[著]杉井 光 [絵]植田 亮

真冬への気持ちにようやく気付いたナオは、彼女の誕生日とクリスマスににプレゼントを贈ろうという計画を立てる。ところが、神楽坂先輩がライヴの予定をぶつけてきたり、色々な所で邪魔が入ってなかなか次の一歩を踏み出せない。結局クリスマスイヴはライヴを行うことになったのだが、真冬の様子に異変が起こって…
   個人的お気に入り度数

あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

『金髪の美少年が家におしかけてきたと思ったらいつのまにかベッドを共にしていた』

な… 何を言ってるのか わからねーと思うが おれも何をされたのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…

ツンデレヒロインとか健気幼馴染とか恋する革命家だとかそんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

というわけでシリーズ最終巻。ユーリ×ナオだとおもっていたら最後の最後でナオが下剋上を達成して下剋上モエとしてはとんでもなくおいしい展k……ごめんなさいすいませんその関節はそっちに曲がらないぃぃぃぃ!

冗談はとにかく、真冬への気持ちに気づいたナオに対しヒロイン3人が次々にナオへの想いをぶつけてくる展開で、最初から最後まで息がつけない盛り上がり。個人的にはやはり神楽坂先輩の言葉に痺れました…ああいう見るからに「強い女性」が弱い所を吐露する場面はたまらないものがある。そして、そんな時でもやはり神楽坂先輩は哀しいくらいに、どうしようもなくかっこいいんだ…。

これまでヘタレてたツケが回ってきたかのように神楽坂先輩と千晶の想いに翻弄されて、すれ違い続ける真冬とナオ。幸せな場面でも少しずつ何か嫌なものが忍び寄ってくるような感覚がして、いやな予感ばかりを募らせていたらそのすれ違いが遂に決定的なモノとなってしまって……真冬のいなくなったフェケテリコが片翼で必死に飛ぼうとする姿には鬼気迫るものを感じました。血を吐くようなライヴの場面が胸に痛い。

登場人物すべてにおいしい魅せ場があった最終巻でしたが、一番好きなキャラクターだった神楽坂先輩の告白シーン以上に印象に残ったのは哲郎がナオを空港に送り届けようとする場面。最初から最後までおちゃらけたダメオヤジだった哲郎が本当に一瞬だけ覗かせた本心に、胸が締め付けられました。たった一言に様々な想いが凝縮されている、非常に重い一言だったなあと。

しかし、せっかくかっこよく送り出したのに、最後の最後でヘタレっぷりを炸裂させてしまったナオはほんと変わってないな?。ここは男らしく、自分から行動してみせろ!とか思わなくもないですが、この上なくこの2人にふさわしいエンディングだったと思います。素敵な物語をありがとうございました!


あきれてものも言えねえぜ! 魔術士オーフェン無謀編5

[著]秋田 禎信 [絵]草河 遊也

「バグアップス」の店番をしながらコギーの上司から頼まれて部下いたぶりアイテム・“ボンバー君シリーズ”の開発に勤しんでいたオーフェン。いつものごとくコギーと言い争いをしていると、店の外で怪しげな祈祷をしている老婆の姿が…。彼女に「異世界からの戦士」と勘違いされ、なしくずしに200年前に封印された悪の王子に立ち向かう事にされてしまうが!?
いつものとおりオーフェンが貧乏だったりコギーが仕事出来ない子だったり土人兄弟がふっとんだりする無謀編第五弾。良い意味でも悪い意味でも感想が出てこないなあ…その軽さがまた良いと言えば良いのですけれど。今回は個人的に楽しみにしていたオーフェンの貧乏ネタやキースの出番も少なくて、ちょっとパンチ力に欠けていたような気がします。

俺に構わず死んでくれ!」に出てくる白魔術「存在の引き算」には噴いた。ちょっ…この世界の白魔術ってこんなんばっかりなの!?以前出てきた霊体になっちゃった夫婦も白魔術士だったような気がするのですが…なんか説明だけ聞くと割とまともな理論言ってるように見えるのに、見た目がひでえ。才能の使いどころ間違ってると思う!!

個人的には過去編「タフレムの震える夜」が一番好きかな。アザリーのフリーダムっぷりに惚れそうです。振り回されるキリランシェロ&ハーティアコンビが哀れ。

……しかし、一番安定して面白いのは「あとがき」なのではないかと思い始めた。作者の中での土人兄弟の扱いが可哀そう過ぎて思わず笑ってしまう…。