ページ 167 | 今日もだらだら、読書日記。

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フルメタル・パニック! つどうメイク・マイ・デイ

 

大切な人、心を許せる仲間、帰るべき場所―相良宗介はすべてを失った。“ミスリル”壊滅後も、執拗な追跡を続けるテロ組織“アマルガム”。その魔手はテッサをはじめ、重傷の宗介にも伸びようとしていた。一方、幽閉中のかなめの心に、ある決意が芽生えはじめる。レモンたちの協力を得てかなめ奪還に向かった宗介は、奇しくもテッサたちとの再会を果たす。かなめに導かれるようにつどう“ミスリル”のメンバーだったが、敵の圧倒的な戦力と、正体を現した裏切り者に苦戦を強いられるのだった。ついに、新型AS ARX‐8“レーバテイン”が登場!!反撃開始だ!!かかってこい。 (「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

もうなんていうか、熱すぎる。
レモンとの共闘、ミスリルの再集結、ARX-8、そして宗介&かなめの葛藤…

なにもかもが言葉に出来ない程燃え。

お馴染みのメンツだけではなく、もう様々な伏線が絡み合い、あまりにも意外な人々が宗介達を影から、表から支えます。まさかあの短編「老兵達のフーガ」が、今回の伏線になってたなんて!!(ところで今回宗介を助けてくれる「彼」は前回登場時、例の口癖に全て伏字が入ってましたが、今回は 伏 せ な い ん で す ね 。色々な意味で賀東先生と富士見ファンタジアの本気を見ました(笑)いや、確かに今回はテッサたんも…それにしてもあのテッサたんはもう犯罪級に可愛すぎだ!!(脱線)

そして特に嬉しかった登場人物はラストの「あの子」。確かに宗介は多くの人を殺してきたかもしれないけど、彼が<ミスリル>で行った活動に心から感謝して、知らない所からでも応援してくれてる人が居るって言うのが凄く今までの展開の救いになったというか…もうほんとに、泣けた。他人事ながら、何か救われたようで、凄く嬉しい。

ウルズ3人再集結とか、最後の最後で現れるARX-8とか、もうある程度予測はしていたけど実際に再び彼らのやりとりが拝めた事が嬉しくてしょうがないです。もう本当に今までの鬱屈した展開を全部ぶっぱなすような今回。もうほんとたまりません。熱すぎる!!

そして最後の最後、かなめと宗介がかわした約束がもう………!!!すいません、最高傑作きゅ(強制終了)ていうかうわーーーもう!!ほんとにもう!!!言葉に出来ない燃えが(2回目)



しかし、レーバテインの大暴れっぷりを見て、レーバテインをスパロボに出すために早くアニメ第三(4?)期を京アニさん!!早く早く!!とか思ってしまった私が居ます。いやーほんと楽しみだよねアニメ続編(まだ決定すらしてません)。スパロボWの隠し機体で出ませんかねレーバテイン…元々アーバレストが鬼強いので、これで長距離砲までついたら猛烈にバランスブレイカーなスペックになっちゃいそうですけど。

次巻は書き下ろしで年内の発売を予定だそうで、凄く楽しみ。早く続きが読みた?い!!


ところで、この本を読みながら物凄いゾクゾクしてました。
もう電車の中で読みながら全身鳥肌立ちまくり。
やっぱこのシリーズ凄すぎる。



帰ってきて熱測ってみた。熱あった。
…おあとがよろしーようでー…。


【以下、殿方に殺されそうなベーコンレタスな話題(反転)








いやーなんていうか、今回、宗介が萌えすぎなんですがどうしましょう。
病院に収容されてレモン達から拘束だの尋問だの薬だの手錠だの言われた時には、
うっかり色々と妄想してしまいました。
まだ身動きも取れないような時に敵に寝込みを襲われたり、下卑な目で見られたりと、
今回は恐ろしいほど萌えポイントが…が…なんだこの言葉に出来ない萌え!!!



色々な意味でほんとごめんなさいうまれてきてごめんなさい。

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二四〇九階の彼女 2

[著]西村 悠 [絵]高階@聖人

無数の世界が幾千と積み重なって形成された“塔”。サドリは廃棄された“塔”の2409階の世界に居るという少女と言葉を交わし、彼女との約束—いつか外に出て、海を見ること—を果たす為に途中で知り合った人工生命体のカエルと共に“塔”を降りていく。様々な国を通り過ぎ、サドリが遂にたどり着いた“塔の外”とは…!
 

(あらすじが前回の使いまわしだったりしますが気にしてはだめですよ!)

無数の世界が積み重なって形成されている“塔”の外にあるという海を目指して度を続ける少年・サドリとカエルの織り成すストーリー第二段。 設定だけ見るとなんだか「二四〇九階」がキノで、「シゴフミ」がしにバラに見えるというツッコミは多分禁止。

1巻を読んだ時のように主人公が浮いているなあと感じることも無く、今回は普通に楽しく読めました。正直あまり続編を買う気はなかったけど、これは買ってよかったと思う。

どの話も平均的に面白いのですが、やはり一番オススメなのはサドリとカエルが出会うきっかけとなる「一二四四階の競争」。サドのキャラクターがめちゃくちゃイイ。最初あの喋り方はカエルが2人いるようで物凄く戸惑ったけど、慣れると凄く味があります。そしてカエルがああいう喋り方をするのは、実は…という展開がまたお見事。

その他の「一八六階の列車」も「七三五階の闇」も前作と比べて圧倒的にキャラクターが生き生きしていて、良かった気がします。特に「七三五階の闇」ラストは物凄くインパクトあります。死ぬような思いをしてたどり着いた回答が、アレだと思うとどうにもやりきれない…。

どうも以前は主人公のみが空回りしている感じがあったのですが、主人公のちょっと熱血気味な性格がいい具合に作用しているように思えました。1巻を読んだ時の第一印象は「劣化キノ」だったのですが、いい感じに「キノ」とは違う味が出てきたなあと。

しかし、折角2巻で美味しくなってきたのに
「二四〇九階の彼女 2」がまんま打ち切り最終回っぽいんですが、ひょっとして2巻完結ですか…?

まさか二四〇九階全ての層の話をやる訳には行かないだろうけど、どうせならもうちょっと続けてほしいなあとか、塔の1階は、出口はどうなってたのー?、とかどんなエピソードがあったのー!?とか…色々と尻切れトンボな終り方に思えてなりません。完結、とも書いて無いし。かといってこのエピローグが出た後に時系列戻して今まで通りサドリとカエルの旅を描いた3巻が出てもなんだか興ざめだし…うーーーん。

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メイド刑事 4

[著]早見 裕司 [絵]はいむら きよたか

刑事事件がこの半年で1件も起きないという、奇跡の数字をはじき出した姉尾県。一見平和そうに見えるその街は県警の桜木本部長が権力と恐怖によって人々を支配する街だった。更に不穏分子を暗殺集団によって排除しているという噂まであり…調査のために桜木の元に乗り込んだ葵は警官殺しの濡れ衣を着せられて警察から追われるハメに…!
 

これは3巻後書きで予告されたとおり、見事な「年末1時間スペシャル」ですね(笑)

シリーズ初の長編。普段は絶対に表に出てこない御主人様や朝倉老人や曜子達昔のレディース仲間までが絶体絶命の葵を助ける為、表に立って大活躍します。普段のシリーズとは違い、大ピンチな葵を助けようと皆が立ち上がるという展開はまさに「一時間スペシャル」。特に御主人様こと海堂と桜木の対決が凄くアツい。普段クールなイメージがある海堂だからこそ、あのやりとりにめちゃくちゃ燃えました。

しかし、やっぱりインパクト強いのは曜子と3000人のレディース仲間達大暴走(笑)あまりの圧倒ぶりにもう場面を想像するだけでもニヤケ笑いが止まりません。前半の大ピンチな展開から、後半一気に逆転していく場面はめちゃくちゃスカっとします。

しかし、姉尾県の事は時期的にも凄く考えさせられるテーマだと感じます。
個人的に怖いのはそういう政治を行った桜木もあるけど、恐怖政治を恐怖政治だとすら思っていない住人の方。自分達に害が及ばなければ多少というかかなりの締め付けを行っていてもちょっと窮屈に思うくらいで、その恐ろしさに気づかないものなのかしら。しかし桜木を見ていると色々とデスノートの夜神月を思い出しますねー。

何から何までお約束な展開の連続で、でもテンポ良く展開されるストーリーはまさにジェットコースターに乗っているようなハラハラ感でした。ちょっとキメ手になったのが敵からの貰い水なのが非常に納得行きませんが、そろそろ葵達の大反撃があるのを楽しみにしたいです。

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天空のアルカミレス 4 カストラの虜囚

[著]三上 延 [絵]純 珪一

グロスマンに記憶を封じられ、金色の戦器の使い手として古滝市に現れた礼菜が、テリオン“イレーナ”として人間を襲い始めた。礼菜と戦えない拓也の姿を目の当たりにした日向子は、礼菜の狙いが自分にある事を利用して囮になろうとするが…
 

礼菜vs日向子はラスボス戦扱いになるのかなあと思っていたので、割合あっさり和解してしまった事には少々拍子抜けでした。レディ・バレットとかの言動によって、徐々に追いつめられていく礼菜の描写がかなり良かったので、ちょっと残念。グロスマンめが余計な事を…

正直記憶を完全に封印してしまうよりも育ち始めていた日向子への嫉妬を核にして操った方がより面白い自然に礼菜を操れたんじゃないかと思います。でもあの記憶を封印していくシーンは凄くお気に入りなので、どっちもどっちかもしれないけど。

しかし、礼菜と日向子の対決は予想していたものとは別のものになってしまったけど、凄く面白かった。日向子と拓也の関係も凄く好き。あと主人公周りの脇役達が本当に良い味出してます。特にこんなところで今まで全く空気キャラだった高橋がいい味出してきたのには感服(笑) そして毬子と友典には是非幸せになって頂きたいです。

このシリーズ自体が、王道的というか、堅実というか(悪く言えば「地味」というか)に面白いストーリーなのですが、今回は妙に奇をてらってるというか…なんとなく脳内で勝手に想像していた「最終回」への伏線が今回の話で一挙に解消してしまって、あと1巻でどう終らせるのかがかなり想像つきません。絶対に動くと思っていたレディ・バレットは結局動かなかったし、礼菜もあっさり取り返しちゃったしなあ…てっきり“聖婚”とかいうのに絶対必須な人物だとばかり思っていたんですが

良くも悪くも先が見えなくなってしまった今回。最終巻でどうまとめてくれるのか楽しみです。

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しにがみのバラッド。10

オンライン書店ビーケーワン:しにがみのバラッド。 10しにがみのバラッド。 10
ハセガワ ケイスケ〔著〕
メディアワークス(2007.3)
個人的お気に入り度数
久しぶりに凄く面白かった!
6・7巻くらいからこのシリーズ、つまんなかった話と面白かった話が交互に来るので、2巻ごとに「やっぱそろそろ買うの辞めようか…」と思いながら手にとって「やっぱ面白いじゃん」ってなるのが常です。迷っても惰性で買っちゃってます。とほほ。

「花とゆめ。」

桜の咲かない街で、能天気な女子高生と色々な事情を抱えたハーフの少年が触れ合う話。結構面白かったんだけど最後がなんだかなー…いつもこのシリーズは普段から結構流し読みしているので「きっと概刊の内容をちゃんと覚えてる人にはちゃんとわかる内容なんだろうな」って感じになってしまいました。この流し読み出来るような「軽さ」がこのシリーズの特徴だと思うので、元々続きモノとして書かれている「momo extra」は別として今までのストーリーを全て覚えているのを前提としたような展開は控えてほしいと思いました。どうしてもラストが説明不足というか…ごめん、未だにラストがわけわからないorz

宇宙開発がどうのって話、読んだ記憶はあるけど内容覚えてません。

「世界の終わりにハミングを。」

世界の終わりを願う女の子の話。面白いけどしにがみではやってほしくないなあな、9巻の「ニノ」と似たような方向の話。なんていうか、痛いなあ。

「炭酸水と透明のキミへ。」

こんな「しにバラ」を待ってた!!
ごく普通の女の子と、彼女に取り憑いた美少女アイドルの霊がおりなす友情話。甘酸っぱい青春のやりとりに心を和ませてみたり、ユカに身体を乗っ取られてモテモテになってクラスの中心になってしまった姿を見て感じた嫉妬心とか、友情ともつかない恋心とか、もうほんと甘酸っぱすぎる?!

でも、どんなに仲良くなっても彼女は幽霊な訳で…やがて決められた別れの時のやりとりに、久しぶりにこのシリーズになかされてしまいました。文句なしに面白かった。

「その流星の命は。」

恒例・モモとアンの話。話の進み具合からするとそろそろこのシリーズも完結でしょうか。次巻が楽しみです。2巻ごとにつまらないの法則が効力を発揮しないことを祈ろう。

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レジンキャストミルク 6

[著]藤原 祐 [絵]椋本 夏夜

漸く学校が始まった。今までと変わりない筈の日常…ただ、違うのは森町芹菜がおらず、晶が日常を捨て去ったという事実だけ。晶達は全てを知る為に、“無限回廊”の画策によりこの実軸に帰還した父親・城島樹の元へ赴くが、晶を待ち受けていたのは驚くべき真実だった…!
 

今まで保健室待機が中心で、すっかりコメディパート担当のイメージが強かったネア先生が今回は大活躍です。どうしよう、めちゃくちゃ惚れた。ネア先生といい殊子先輩といい、今回は年上組大活躍でいう事なしです。正直本編さておいてネアと殊子の二人分で五つ星つけちゃうくらいに良かった。

もうなんというかですね、表紙から凄いんですよ。ネア先生が表紙というだけでもかなりのインパクトですが、白衣+SM風ボンテージファッションって何。そんな姿で敵の前に立ちはだかるネア先生は非常に凛々しくて、普段とのさえないイメージとのギャップに萌えました。先生、一生憑いていきます。

前回での晶のかっこよさはどこへ行ってしまったのか、今回は晶が一気にヘタレ化してますね。後半で明かされる真実から考えれば、そのくらいヘタレてしまっても当然かもしれませんが…でも、里緒じゃないですが、他の虚軸をあごでつかって平然としてるくらいじゃないと晶じゃないです。

でも、晶にそれだけの変化をもたらした仲間という存在は、やはり大きかったんだなあと思うとちょっと嬉しい。ちょっと気配りする方向間違ってるけど、それが不器用な晶達が見せた仲間達への「気遣い」なんだと思うと凄く感慨深いです。

そしてそんな展開だからこそ、今回は「仲間」達の行動が凄く光ってました。カーテンフォールの恐ろしさを目の当たりにしても変わらず接してくれる仲間達が眩しい。特に里緒が単独で「無限回廊」に立ち向かう場面や、終盤で殊子が現れるシーンはめちゃくちゃかっこよかったです。特に後者は挿絵が神すぎる!!

そしてネア先生が目立った煽りを食らったのが蜜。すいません、可愛すぎます蜜たんが。すっかりネアに次ぐギャグキャラと化してしまったような気がします。そしてナチュラルに君子を愛しすぎな蜜が可愛い。そんなに心配なら素直に仲良くなっちゃえばいいのにこのぉ?!!(まあ、それが欠落の関係でしたくてもできない、というのがこの作品のダークな部分なのですが…)

今回は本当に色々な意味でダークな展開だけど、ちゃんと正統派な方向に話を進めてくれてるのが嬉しい。今後どうなってしまうのか、楽しみです。

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断章のグリム 4 人魚姫下

[著]甲田 学人 [絵]三日月 かける

法事の為、海辺野家を訪れていた親戚達がいっせいに謎の怪死を遂げる。また、ほぼ同時刻に街にある寺の住人が同じように怪死…。“人魚姫”の怪奇は未だかつて無い規模で、街に広がりつつあった…!

 

いつまでも前作と比較するのはお門違いだってわかってるんですが、どうしても今回もあんまり痛くないなあと思ってしまう今日この頃ですが、「物足りない」と感じてしまう私は甲田作品に慣らされすぎでしょうか。あまり痛さを感じないのは描写が現実離れしすぎてるからか、それとも登場人物に感情移入しづらいのが原因か。(Missingでは空目様は兎に角、残りの3人には結構感情移入の余地があったものだけど)

今回なんと言っても印象的なのはやはり神狩屋の過去話。いい話と見せかけておいて、ラストのオチでドン底まで落とすっていうのは流石すぎます。しかし、なんとなくオチが読めてしまったのはやはりどこぞのチャイニーズスープが脳裏をよぎったからでしょうか(わかる人にはネタバレ)

そういえば物凄く余談ですが、私↑で髣髴した作品の感想を書いたときに、思いっきり甲田さんの作品と比べてたりしました(笑)やはり、こうやって比べると「Missing」とはグロはグロでも方向性が違うっていうのが良くわかります……でもここまでやっといて「グロが苦手です」っていうのは素敵過ぎる発言だと思いますが。

ラストの展開は、最後までどうしても読めませんでした。(ネタバレ→)千恵が元凶ではないんじゃないかというのは途中でなんとなく読めたのですが、まさかそう来るとは。生き残った彼女が今後どうなるのかがちょっと楽しみです。ひょっとして新たな仲間になったりするのかな。

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お・り・が・み 天の門

[著]林 トモアキ [絵]2C=がろあ?

吾川鈴蘭は自分の部屋で途方にくれていた。生みの親に捨てられ、親戚をたらい回しにされ、詐欺師にひっかかり…身に覚えのない億単位の借金を背負わされてしまう。「神なんか居ない」といっそ首でも釣ってやろうかとおもった矢先、怪しげな男が現れて助けてくれたのだが、彼はなんと悪の組織の人間で!?
 

大分前に書いたエントリへの言及リンクがきっかけでずっと気になってた作品に漸くこっそり手をつけてみます。実は半年くらい前に完結セットで購入してずっと積んでいたという恐ろしい罠だったりします。

悪の組織に多額の借金を背負わされ、メイドの姿に“御主人様ぁ?”とか言わされて奴隷のようにこき使われる鈴蘭の姿はまさに「これ、なんて“これが私の御主人様”?」状態なのですが、コメディ一辺倒とみせかけて後半は熱いバトルが展開されます。個人的には鈴蘭のクラスメイトの勇者様・長谷部翔希がツボ。あそこまで猛烈な猪突猛進っぷりは近頃の作品では中々見られなくて貴重じゃないかと(笑)しかし、やはり現代の勇者になるには多大な努力が必要なのね………プッ

コメディばかりの前半において、神が居るかと聞かれた鈴蘭がそこだけ即答で否定の言葉を返す姿が印象的でした。本当に色々な方向で不幸を背負い込んだ主人公だけに、今まで生きてきた時の辛さがその一言に集約されているようで。正直ラストの独白シーンよりもずっとパンチが合ったんじゃないかと。

ラストの少々ご都合主義すぎる終わり方がちょっと気になったものの、ぐんぐん物語りに引き込まれる展開といい、お約束だらけのストーリー展開やバトルといい、典型的だけどあざとすぎない萌えキャラたち(お姉さん系幽霊?とか日本刀美少女メイドとか!)といい、軽い気持ちでちょっとした息抜きに読める。まさに「ライトノベル」といった感じの物語でした。重い物語ばかり読んで疲れた頭への清涼剤に、オススメです!!

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窓のあちら側

オンライン書店ビーケーワン:窓のあちら側窓のあちら側
新井 素子著
出版芸術社(2007.2)
「色」をテーマにした短編+αを収録した、新井素子さんの自選短編集です。
半分以上は読んだ事の無い作品だったので、久しぶりに堪能させていただきました。読んだ事のある作品も懐かしい気分で、心新たに読めて面白かった。

「グリーン・レクイエム」

小さい頃、嶋村信彦は緑の髪を持つ少女に出会う。彼女のことが忘れられずに大学で植物学を学んでいた彼は、あの時であった少女にそっくりな瓜二つな女の子・明日香に出会うが…

コミックや映画にもなった、新井さんの代表作ともいえる作品で、緑の髪で光合成をすることが出来る少女・明日香と植物学を学ぶ信彦の恋物語。中盤の逃避行シーンが非常に好きでした。本当にページ数的には短い場面なのですが…二人のワクワクしている気持ちが伝わってきて、また、2回目以降はその後に待ち受けている悲劇を思うと切なくなる。

個人的にはこれの続編に当たる「緑幻想」が非常に好きだったりします。中学時代に散々読み返した作品のうちの1つで、凄く思い入れの深い作品。

「ネプチューン」

過剰な開発によって汚く淀んだ海に囲まれる“ネプチューン”の海で、3人の学生達は謎の少女を助けた。言語を介せず、まるで人魚姫のような美しい少女は「ネプチューン」と名づけられ、3人に保護される。しかし怪しい奴らがネプチューンを狙い始めて…!?

海を綺麗にしたいと願う洋介、いつの日か遠くに—宇宙に行きたいと願う正行、二人の間で揺れる由布子…という3人の学生の所に不思議な少女が現れて四角関係の泥沼になる話…というのはちょっと端折りすぎですが(笑)

彼らの想いが人間の本能を形作り、それが現在の進化に繋がる…というラストは途方もなく大きな話になってしまいますが、個人的に心に残ったのはやはり4人の織り成す四角関係。ラストの由布子の姿はちょっと薄ら寒いものがありましたが…

なんというか、全体的に洋介があまりにも不憫すぎると思うのは目の錯覚ですか。

「雨の降る星、遠い夢」

家出をして火星のやっかいごと引き受け事務所に勤めるあゆみは、いつまでも仕事をもらえないことにふてくされ、所員の出払った事務所で留守番中。ところが、ひょんなことからお隣りに住んでいる礼子さんのごたごたに巻き込まれた。『きりん草』に取り憑かれてしまった礼子さんのフィアンセを、あゆみは助ける事が出来るのか…!?

『星へ行く船』シリーズ第二段。実はこのシリーズ未読なんですよね…読んでおけばよかった。第一作を読んでいないので一部設定がイマイチつかめなかったりで最初はちょっと読みづらかったのですが中盤以降はいつも通り楽しむ事が出来た。後書きによるとこの短編のイメージは『黄色』だそうですが、そのまんま黄色のイメージが濃厚で、後書きを読んだ時「なるほどなあ…」と思いました。

そしてちょっとしか出てきませんが、太一郎さんがかっこよすぎです。「ブラックキャット」の山崎ひろふみの子孫だかなんだか…と聞いた気がするのでもっとヘタレっぽい人物を想像してました(笑)

「一月 — 雪」
「八月 — 蝉」
「十二月 — 夜」
「季節のお話」に収録されたショートショート3編。
珍しく三人称で、童話っぽいお話です。読んでると非常に和める3編。「十二月 夜」の夜の神様が偉い可愛らしくて、かなり気に入ってます。いや、だって想像すると凄い可愛いんですもん、神様(笑)

そういえば「季節のお話」も未読です。今度読んでみよう…

「眠い、ねむぅい、由紀子」

金持ちの父親が裏口入学させようとするのを断固拒否して、自分の力で大学受験に挑もうとする由紀子。ところが近頃、眠くてしょうがない。それなのに何故か成績は上がっていって…!?

めでたしめでたしなお話かと思いきや、ラストでとんでもない手痛いしっぺ返しを食らいました。でもなんかこういうオチでこそ新井素子という感じがしなくもないですが(笑)色々と素子さん中毒な私。

「影絵の街にて」

奇妙な老人から時計を託された久子。その時計はなんと時間を操れるというシロモノで、最初は喜び勇んで時計を使っていた久子だが…

1日が100時間欲しいと常に願っている私には、身につまされる話でした。こんな時計が無くても時間がもったいない?、もったいない?。って常に思っている私です。もう少し心に余裕を持とうと思いました。

なんか色々と引き伸ばして書いたら電撃文庫とかでも行けそうなストーリーでした。というか漫画化したことがあるそうで、漫画版読んでみたいなあ。

「大きなくすの木の下で」

夫はなかなか出世せず、息子はドン臭い…日常に不満だらけの恭子。そんな彼女の元に、謎の悪魔?が現れ、願いを叶えてくれると言い出すのだが…?

あ?なんかこれも身につまされるなあ…。今までの失敗だらけの人生を特にリスクもなくやり直させてくれるって言われたら?ってお話。こういうのに引っかからないよう、もっと色々と後悔しないように人生を生きたいと思います(笑)

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ムシウタ08 夢時めく刻印

[著]岩井 恭平 [絵]るろお

“大喰い”との戦いで消耗し、自らの“虫”を暴走させてしまった大助。特環の隔離私設から逃げ出した彼は一人の虫憑きと、二人の少女に出会う。“便利屋”を名乗る少女・五十里きらりの家に匿われた大助だが、その街では“コアトルヘッド”と呼ばれるおまじないが異常な速さで広まっていた…!
 

面白かったです。面白かったのですが…今までの岩井作品って私の中で神すぎたせいなのか、岩井作品的には「今ひとつ」かな。

今回は作品内に重大なトリックが仕掛けられており、そのトリック自体は確かに物凄く面白かったんですが、同時にそれがストーリー全体を複雑にして今までの「ムシウタ」にあった単純で独特な面白さとか感情移入のしやすさを台無しにしているように感じてなりませんでした。

ずっと殺伐とした世界で生きてきた彼が、ある意味普通の女の子の代表のような、そして自分に安らぎをくれた萌萌に惹かれていくのは良く判りますが、萌萌がどうしてここまで彼に惹かれたのかの過程がイマイチ伝わってこないのですよ。だからラスト付近の彼女の行動に感情移入できなかった。その他の部分は今まで通り凄く良いんだけど…多分今回仕掛けられたトリックの関係で…というのもあるのだろうけど、萌萌の心の動きはもうちょっと描写してほしかったなあ。ラストバトルも凄く駆け足で終ってしまって新しい虫憑きの能力も描写不足に感じて…うーん…やっぱ全体的に、今回は妙に描写が足りないというか。やはり萌萌に移入出来ないのが痛すぎる。特に新しい虫憑きの能力は、描写が凄く綺麗だったので残念に感じました。

今までバラバラに語られてきたキャラクター達が一気に集結し、暴走という形で大助の能力に回数制限が加わり、「そろそろこのストーリーもクライマックスに至るんだな」と感じさせるような部分が至るところで見られ…その高揚感とでもいうのか、そういうものは凄く感じられて面白かったんですが…。

キャラクター的にはメインヒロインである萌萌よりも、敵となる殲滅班のラウの物語に惹かれます。最後の最後で殲滅班としての“しぇら”ではなく教師としての“耶麻本ラウ”としての自分を取ってしまった彼女の姿に感動を憶えました。任務だから仕方なくやってるんだ!と言いながら実は凄く良い先生しちゃってるラウのヘタレっぷりに萌え(笑)

叙述トリックは例によってすっかり騙されましたし、二人の“大助”のくだり(重要ネタバレ)は物凄く良かったです。が、やっぱりヒロインに感情移入できなかったのが凄く肝…萌萌自体は凄く好きなタイプのキャラだったので、上下巻にしてでももう少し二人の感情の動きをゆっくりと描写していってほしかったです。

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