

地獄のような春休みの冗談と、悪夢のようだったゴールデンウィークが明けた5月初め、僕は階段から落ちてきたクラスメイト・戦場ヶ原ひたぎを受け止めた。3年間クラスが一緒で、病弱で、存在感がまるでない少女、戦場ヶ原ひたぎ。受け止めた彼女にはまるで“重さ”と呼べるものがなかった…!?
怪異(物の怪)に憑かれた少女達を救うため、春休みに“吸血鬼”という怪異に憑かれた主人公・阿良々木が奮闘する姿を描いた短編集なのですが、とにかく各キャラクターが濃い。そして主人公のツッコミが激しい(笑)ライトノベルのツッコミ主人公と言えば即座にキョンを思い出す昨今ですが、キョンが静かなるツッコミなら阿良々木は偉くテンションの激しいツッコミ。各話ヒロイン達との掛け合いは最早テンションの高いギャグ漫画を読んでいるよう。こういうノリが小説と言う媒体で表現できるとは正直思わなかったです。これは面白い!!
そしてキャラクターは主人公含め全員が魅力的ですが、やはりズバ抜けているのがメインヒロイン・戦場ヶ原ひたぎ。文房具を武器として持ち歩く超攻撃的サドデレヒロイン…かと思いきや、2話以降では阿良々木に告白とも取れる愛の言葉をぶつけてみたり、嫉妬してみたり…と可愛い一面を見せまくります。素晴らしい暴言と攻撃性はそのまま、すっかりデレデレヒロインへ進化!?自らを“メンヘル処女”と称してしまうあたりも非常に素敵です。まさに戦場ヶ原ひたぎ、蕩れー!!
ただ会話が面白いギャグ小説かと序盤ではおもわせておいて、根っこにある部分は重い。新興宗教にハマって家庭を捨てた母親を持つひたぎ。母親の家にたどり着けないまま迷い続ける真宵、そして母親の形見の“猿の手”を持ちひたぎに憧れる後輩・神原駿河。全てが綺麗に解決した訳じゃないけど、より良い解決法を探して奮闘する主人公に好感持てました。
シリアスパートとギャグパートのテンションの高低が激しくて、シリアスパートに入るとちょっと違和感拭えなかったりするけどこれはこれでアリかと。下巻も楽しみです!
閑話休題。
今回講談社BOX初めて購入したんだけど、個人的には奇をてらいすぎな装丁はちょっと微妙…。こうなるとちっとも値段的にも装丁的にも“ライト”じゃないですよねえ。購入した後、気になる本は電車の中で読むのが基本な私には「外箱から取り出して中身を取り出す」のが物凄い羞恥プレイだったのと、外した外箱を潰さないように持ち帰るのが非常にホネでした。値段1000円くらいで、普通の新書版文庫として出してくれればいいのに…。
あと、これはあまり関係ないけど
購入した書店に置いてあるBOXシリーズ、何冊か酷い箱潰れ起こしてました(´д`;)
危うく手にとるところだった。ヤバかった…。