ページ 176 | 今日もだらだら、読書日記。

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腐女子彼女。

[著]ぺんたぶ

1年前に彼女が出来ました。2つ年上の、憧れの女性だった彼女はしかし、付き合うときにこう言いだしました。
私?オタクなんだけど、それでもいい?
そう、彼女は腐女子だったのです。それもかなりの…!!これは腐女子な彼女・Y子に振り回される筆者の、闘いの記録です。
 

すいません、「攻めの反対語」の正答が真面目に判りませんでした。
もう色々と終ってますか、そうですか。

オタクで腐女子な彼女に非オタクな彼氏が振り回される、同名のブログを書籍化したもの。いい具合にブログの雰囲気が表現されていて、非常に面白く読めました。根っからの腐女子な彼女に振り回され、徐々に汚染される筆者の姿にちょっぴり同情しつつ、「でもあるあるwwww」と腐女子彼女に超同意してみたり(笑)

いつのまにか彼女の趣味で「ガンダムSEED」の同人小説を書かされたり(ていうか何のカップリングで書いてるのかその辺詳しく!!!)、着メロを「巫女巫女ナース」に勝手にされちゃったり、彼女の腐女子仲間にはいつのまにか「受けセバス」と言われてたり、自宅にエロゲーを送り付けられたり少女漫画を放置されたり…と、とにかく一連のやりとりが秀逸。散々声出して笑わせてもらいました。個人的に一番ツボったのは「クルーゼ鍋」。さっきまで連合vsザフトやってた所為か、きちんとせきとし声で再生されちゃったぜ!!!

普段は彼女の尻に敷かれっぱなし、やられたい放題の筆者ですが、ちゃんと決める所は決めるところがニクイ。まあ筆者の視点から書かれている分、多少の誇張や美化された部分もあるとは思いますが、筆者が普通に萌えキャラなんだよね、超個人的に。

何より、非オタでありながら、色々とついていけないながらもちゃんと腐女子な彼女と対等の関係を築いている筆者に好感が持てました。やはり男性側にとって「腐女子」の世界は理解し辛いものであるし、理解できなくてもある程度当たり前だと思うし、色眼鏡をかけて見られる事も多いと思います。実際同じオタク同士でも男性と会話している際に「腐女子です」というのは中々暴露し辛かったりします。それでもそんな所を全部理解して、対等な立場から「それでもあなたの事が好きです」といえる関係。腐女子とつきあってくれる彼氏の最終的な理想じゃないかと。

正直、「ボーイズラブとか、超キモイよねwwwww」というような男性とはお付き合いできる自信がありません。多分一週間でキレます。

ただ、個人的には内容に対して値段が高すぎるのがネック。漫画以上ラノベ以下の内容量で1000円だもんなあ…確かにおなじページ数&装丁の同人誌を買ったと思えばこんなもんかと思うのですが、読み終わったときにかなり読み足りない気分になりました。

元々Webで掲載されていたものに金を払う事に対してはあまり抵抗を感じないのですが(正直長文になるとパソコンで読むよりも書籍にしてじっくり読みたいので)、最近のこういう「ブログ本」系はもう少し値段が安くてもいいのになあとか思ってしまいます。

ちなみに、「同人系腐女子な女の子に振り回される少年」というフィクションでは阿部川キネコ先生の「辣韮の皮」という漫画がオススメです。「腐女子彼女。」が楽しめた人種なら多分ハマるかと。主人公(男オタ)の滝沢君がバリバリの同人腐女子な先輩・月子先輩や他の漫研部員達に振り回されるという漫画。
(同人イベントの準備が忙しくて)クリスマス越え出来ない」っていうのは同人作家共通の悩みっぽい感じがします(笑)

オンライン書店ビーケーワン:辣韮の皮 1辣韮の皮 1

阿部川 キネコ著
ワニブックス(2002.2)
余談ですが、作中で登場する「乙女ロードの某ショップに連れの男性を放置」というシチュエーションは、私も男友達で実践した事があります。しかも中古同人誌コーナーのレジ付近に放置して一人店内で同人誌漁ってました。戻ってきたら連れてきた友人はとても居心地が悪そうにショーケースを眺めてました。


ものすごーく周りの女性の目線が、痛かった、そうです…………





…ほんと、ごめんなさい。

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扉の外

[著]土橋 真二郎 [絵]白身魚

2年4組の生徒たちが目を醒ますと、おかしな場所に閉じ込められていた。“ソフィア”を名乗る人物は、地球は核戦争により滅亡して彼らは優秀な人類なので宇宙船に保護されている…と説明する。上から物を言っているソフィアの言葉に反感を覚えた紀之は彼女の庇護を拒絶し、逃げるように一度出たら戻れない“扉の外”へと飛び出すが…
  

※この感想には、作品に対する否定的な表現・攻撃的な文章が多数含まれております。
 申し訳ありませんが、苦手な方は御注意ください。

2008/05/19 … コメント欄よりご指摘を受けて、注意書きを追加しました。









えーっと……これ、なんて劣化バトロワですか?

修学旅行に行く筈がクラスごと拉致され、おかしなルールを押し付けられて生活をしていくうちに最終的にはクラス対抗の生存競争をする羽目になる…という、粗筋だけを取ればまさにSF仕立てのバトロワ。考えればまさに“生存競争”と思しき事をしているのだけど、そのルールがまんまテレビゲームの領域で、お互いが生きた生徒であることを知らされないままゲームが進行する為まるで現実感が無い。しかし、同時に過酷な生存競争があるわけでもないのに、異常な状況に置かれて少しずつおかしくなっていく生徒たちの描写は空恐ろしいものがありました。

ただ正直な所、下手をすれば自らの生存問題にも関わるだろうに、反抗期の子供のように「見下されている」という言葉を免罪符に、自らの周囲に起こった全ての事象を拒絶しようとした主人公にまるで共感がもてません。

きっと作者さんの中では存在したであろう紀之がソフィアの言葉を衝動的に拒否させるような「何か」が、それっぽい伏線は見て取れるものの読者にはちっとも伝わってきません。作中の話を総合すると「きっと過保護で痛い親に育てられた、反抗期真っ只中のお子様なんだなあ」という程度。(蒼井さんの話から総合すると、正直反抗期の少年少女達に良くある悩みみたいな感じで、そんなに深刻な家庭環境の不和があるとは思えません)。

特に紀之が4組を出奔するまでが本気でキツイです。自分の無思慮な行動をまるで棚に上げてクラスメイトにばかり責任をおしつけ、ソフィアの保護に入らない自分は偉いんだと言わんばかりの紀之の甘さと傲慢さにまず嫌悪感。(自分で拒絶したのに、食べ物は結局殆どクラスメイトの配給を分けてもらってて、それを当たり前の事だと考えているとか、甘すぎ)そしてそれ以上に幼馴染の亜美の行動に生理的嫌悪感を感じてしまうのが、どうしても抑えられなかった。

そしてこの作品で一番(私的に)駄目だったのが、結局特に事態が良い方向に向かうわけでもなく、結局ぐだぐだのまま終了する所。読み終わった直後

「落ちてない、ちっとも落ちてないヨー!!」

と呟いたのは言うまでもありません。まるでジャンプの10週打ち切り漫画のようなラストに呆然としたまま、作者の電波な後書きを読む羽目になって非常に鬱でした。

クラスメイト達が少しずつ狂気に感染していく過程は非常に良かったと思うのですが、やはりこういう作品だったらきちんと全てを解明して黒幕を倒すなりなんな利して欲しい。甘ちゃんだった主人公が段々成長して…という展開だったら大絶賛だったんですが。あと和泉と蒼井のキャラは凄く良かったですね。この2人以外共感できるキャラがてんでいないのもどうかと思うですけど…。

事態が何も解決しないまま主人公とその周囲の一部のみが幸せになって、それでも私達はこの世界にいるんだ!!と、どっかのネットゲーオチRPGのエンディングみたいなまとめかたされても正直困ります。ソフィアの設定にしろ、黒幕の話にしろ、平凡な高校生を学年ごと誘拐して(?)ゲームを行わせた目的にしろ、作者の脳内で完結している設定が多すぎます。正直何も明らかにしないまま終るので、猛烈に後味が悪い。

こういうのを好む方もいらっしゃるのだとは思いますが…とりあえず私には合わない作品でした。私はもっと色々な謎とかが解き明かされたり、成長した主人公が前向きになって皆を救うために頑張る話とかが読みたかったんだ!!!鬱エンドにするにしてももっとやり方ってもんがあるだろう!!!

粗筋を読んだ限り、今回の新人作品の中では一番期待してただけに、物凄く残念です。

もうツッコミはじめると永遠に文句をつけまくってしまいそうなのでこの辺で終了しますが、とりあえず1・4・6組以外のクラスのみんなの安否がとても、気になり、ます。



追記。

ライトノベル名言図書館さんの感想を読んで知ったのですが、この作品の応募時のタイトルは「もしも人工知能が世界を支配していた場合のシミュレーションケース1」というのですね。

なんかこのタイトルだったらこういう終わり方でも酷く納得がいったような気がします。あくまで「シミュレーションケース」であり、現実ではないわけだから、人工知能の正体はなんだとか、黒幕を打倒して元の世界に戻るなんていうのはそもそも些細な事なわけで…このタイトル1つで最も腑に落ちなかった「なぜ最後が謎が謎のままで、色々な方向でオチてないのか」という理由がいともあっさりと解決してしまいます。

なんていうか、タイトルって大事だなあと思った今日この頃でした。
なんで表題変えちゃったんでしょうね。副題にするだけでも大分印象は違ったと思うのですが…

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宝はマのつく土の中!

[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ

小シマロン国王サラレギーの手酷い裏切りを受け、命からがら逃げ出したユーリたちを助けたのは「ベネラ」と名乗る老婆?禁忌の箱を空け、こちらの世界に飛ばされたヘイゼル・グレイブスだった。地下の反抗組織に匿われた一行はシマロンで知り合った神族の双子・フレディとジェイソンが処刑されそうになっているという話を聞きつけるが…!?
 

どんどん暗い方向に話が転がり続けるまるマシリーズ。今刊だけよんだらこれの第一巻が明らかにギャグ小説の類だったなんて誰が想像するでしょう。暗い、暗すぎるよ!!

コンラッドとははぐれ、ヨザックは……で、今回の聖砂国組はどこをとっても救い無し。というかヨザックは前半であざとすぎる行動を取り捲り、読んでいる我々をハラハラさせまくってくれましたが、色々な意味でテンプレ過ぎる行動に涙、涙。

何はともあれ、今回は蓋を開けてみればヨザックが一人で死亡フラグを立てまくる話という言葉できっぱり解説できそう。ユーリとの出会いを振り返ってみたり、ちょっとイイ台詞言ってみたりと…もう今回は本当にあざとすぎですよ!

思わぬところで親馬鹿っぷりを発揮するヴォルフラムとか刈りポニのゆくえとか、何気に面白い小ネタもあるのですがやはりメインの所がどんどん救いの無い方向に…ヨザックの無事を祈ると同時に、早く本来のコミカル路線に戻ってくれないかなあと祈るばっかりです。

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ミミズクと夜の王

[著]紅玉 いづき [表紙]磯野 宏夫

額には焼印、手には鎖を嵌められて奴隷として生きてきた少女は魔物が住むという森の中を歩いていた。己のただ一つの願いをかなえるために。やがて、彼女は月のような金色の瞳を持つ人にあらざるモノと邂逅するのだが…

 

良くも悪くも、「いや、これはライトノベルじゃないだろう…」という作風。魔法や魔物がはびこる世界で起こる人間と魔物のふれあいの物語なのですが、“ファンタジー”というよりは“児童文学”の世界の物語だと思うのです。ストーリーとしては非常に面白かったし、引き込まれるものを感じましたがこれが「電撃文庫」から出てるのは明らかに間違っているとしか言いようが…。

どちらかといえば、小学校の図書室にハードカバーの本としておいておくと、小学生が大人になってから「そういえば小学校の頃、“ミミズクと夜の王”って作品が大好きでね…」と酒の肴にするような、決して歴史に名前が残る訳ではないけれど当時の子供達の心にいつまでも残り続ける…そんなお話だと感じました。私達の世代で言うと灰谷健次郎とか「ルドルフとイッパイアッテナ」とか「ドルオーテ」とか「ズッコケ三人組」辺りと一緒に並べたい作品。電撃でも悪くは無いんだけど、出来ればちゃんとした児童書レーベルとかから出版して、図書館に並べてもらったり親が子供に買い与えるような本になるべきだったのではないかと思えてなりません。電撃だと「たかがマンガ小説」だといわれていまだに学校の図書室とかには入りにくかったり、親が敬遠したりしそうな印象があるんですがどうなんでしょう。(今は大分改善されていると聞くけど…)

しかし明らかに出版社を間違えているだろうというポイントを除けば、文句なしに名作です。本当にこの作品で“悪人”と呼べるのは最初にミミズクを奴隷として扱っていた村の人達くらいで、あとは魔族も人間も根からの悪人は存在しません。魔物であるフクロウやクロは勿論ミミズクを救おうとする人間達も非常に良い人達で。ただ、愛する者の違いやちょっとした行き違いがあったり、それが原因で分かり合えなかったりするという関係が非常に清清しいというか(ただここで人間達に悪意を持たせない所がまた、“ラノベではない”と思わせてしまう由縁なんだよなあ…)。

明らかに頭の足りない子だったミミズクのキャラクターにちょっと微妙なものを感じたりしましたが、後半で人間の国へと救出された後のミミズクの態度が非常に凛々しくてかっこいいです。特に“命の恩人”であるハズのアンディに「フクロウの絵を焼いたあなたを、あたしは絶対に、許さない」と断罪の言葉を投げかけるシーンはシビれた。

最後はちょっとご都合主義すぎる終わり方をしたなあ、とも感じましたが「ライトノベル」ではなく「児童文学」だと思って読めば全然無問題です。最後のほうの一連のくだりはしっかり泣かせてもらいました。

小学校の頃に読んだB級児童文学を思い出させる名作。小さい頃読書が好きだった大人にも読んで欲しいけど、やはり今の小学生に読ませたい一冊だと思いました。というか、表紙からして明らかにコレ本来の読者層である中・高校生読者を切り捨てちゃってるような。

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やがてマのつく歌になる!

[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ

聖砂国に向かう船の中で、亡命して送り返されそうとしている難民達を発見したユーリ。なんとかして彼らを助けようとするユーリは、一世一代の大芝居を演じることに。一方、ひょんなことから4つの“禁忌の箱”のうちの1つが聖砂国にあることが発覚して…。聖砂国でコンラッドが、羽田空港で勝利が出会った意外な人物とは!?
 

近頃なんだか物凄くストーリーの進み具合が遅くてヤキモキさせられる「まるマ」シリーズ。前巻の感想でぼやいたとおり、「これがマのつく第一歩!」と1冊にまとめて出した方がテンポ良く読めたんじゃないでしょうか?やっぱりどうにも分冊した意味がわからない…

ユーリの王としての成長や眞魔国の人々の変化が見て取れる一冊。ダカスコスが船の中で交わした会話が非常にツボです。ユーリは自分が王様になってやったことなんて殆ど無いと思っているけど、やはりユーリの存在によって眞魔国の人々にもたらされた変化は大きかったんだなあと、ちょっと嬉しい気分になれました。同時に貨物船の中の難民を助ける為にユーリたちが一芝居打つシーンが非常にツボ。花形船長の台詞がいちいちまた熱い。

ダカスコスにしろ花形船長にしろ、生まれついた国の価値観というものは私達が考えていたより大きなものなんだな、と実感させられます。ダカスコスは「人間は魔族の敵」だと思ってて、花形船長は「奴隷は自分達とは違う、虐げられて当然の存在」と思っていたわけですがその二人の価値観をユーリが変えたのだとしたらそれってかなりすごいことだなあ、と思うと思わず胸がジーンとなってしまうシーンでした。

そして遂に外伝「お嬢様とは仮の姿!」のキャラクターが本編に密接に絡んで来ます。勘違いゲイシャガール・アビゲイルが非常に良いです。そしてなんだかすっかり“振り回され属性”な渋谷兄(笑)

サラレギーの正体には少々驚いたものの、その目論見に関しては色々と予想通りな展開でした。それにしてもまた嫌な所で切ってくれるなあ…。


ところで170ページの挿絵はコンラッドがユーリを襲ってるようにしか見えません。
なんですかこのファンサービスはテマリ先生!!

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これがマのつく第一歩!

[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ

出航直前に起こったテロのお陰で、ヴォルフラムやギュンター達と離れ離れになってしまったユーリ。貨物船でシマロンの若き王・サラレギー、大シマロンからの使者・コンラッド、そしてヨザックという微妙なメンツで神族の住まう国、聖砂国を目指すことになるが…。一方、いつまでたっても戻ってこないユーリを心配した村田は、とある人物とつなぎを取ることに…!?
 

完全に次作への「つなぎ」の一冊。後半にグレタメインの番外編が入るため、本編はたった100P程度しかありません。簡単に読めるけど、物凄くコメントしづらい一冊だ…。

電撃文庫の400Pだの500Pだのの本に慣れていると、「原稿が300P越えたから分冊!!」という思考が全く理解できません。多分ビーンズが活字の苦手な学生をターゲットに絞っているとかそういう関係も多少はあるんだろうけど…そこで敢えて「300Pがなんだ!」といいたい。内容的には、分冊なぞせずに1冊にしてまとめて読みたかった。外伝を含めても400P。電撃なら全然余裕のページ数なのに!!!

ていうかもう1000ページ越えなければ全然許容範囲内だよ!?
(それどこの終わりのク●ニクル)

せいぜい見所といえば、村田という日本側で立ち回るキャラクターを得たお陰で、「お嬢様とは?」「息子はマのつく?」に出てきたキャラクターが少しずつ出張ってきていることでしょうか。外伝を読むのを後回しにするならこの本の前に読んでおくのがオススメ。

というかもう、日本側で渋谷兄に、魔族側でヴォルフラムに、そして外伝でグレタに萌えれればもうそれでいいとおもうよ!個人的には予想以上に弟バカだった渋谷勝利兄がお気に入り。村田やボブとの掛け合いがなんとも可愛い。ヴォルフラムは聖砂国に行く為の救助隊を指揮することになり、ますます漢前が上がりました……救助に行く為、ギュンターの“秘術”で魔力を封じてまで……………


………………

ってこれなんてホモゲ!!??

どちらかというとノリはどこぞの「これが私の御主●様」っぽかったですが…なんというか、シリアスだらけのストーリーに一服の清涼剤をありがとう。いやー、ギュンターはやっぱりこうでなくっちゃね☆

むしろ本編よりも見所はグレタがメインで活躍する「マ王陛下の優雅な一日」でしょう。眞魔国王宮を舞台に、久しぶりにほのぼのとしたドタバタ劇が見られます。うわぁぁぁぁぁ、グレタ可愛いよグレタ(*´д`)

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息子はマのつく自由業!?

[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ

若き日の美子をナンパした渋谷勝馬は、2回めのデートで衝撃的な事を言った。
「やー、実は俺、魔族なんだわ」
夫は魔族、下の息子は生まれる前から異世界の次期魔王様!??でも、ゆーちゃんに本当に“魔王”なんて務まるのかしら?渋谷ファミリーのエピソードを収録した番外編第三段です。
 

すっかりシリアス路線になってしまったマ王シリーズ、久しぶりの明るい番外編の登場です。何はともあれ渋谷一家が濃すぎますw前回の番外編と比べると格段にキャラクターが魅力的で面白かった。一見おしとやかな良妻賢母(…しかし若い頃の通り名は“ハマのジェニファー”)な美子に振り回される勝馬もなかなかナイスですが、やはり個人的には優等生と見せかけて実はエロゲーオタクの兄貴・勝利君がツボです。しかもこの上ブラコンだなんて美味しすぎます(笑)

とにかく色々な意味でユーリ馬鹿な家族3人がおりなす、どたばたコメディ。渋谷ファミリーだけではなく、若き日のコンラッドや現地魔族の皆さんもなかなか良い味出してます。現在のシリアス路線も嫌いではないですが、やはりこの作者さんは明るいコメディの方が性に合ってる気が。非常に面白かったです!

ただ、発行順に読んでいくと、番外編と本編が1冊ずつ交互に読まなくてはいけないので、ちょっと本編の進み方がタルく感じてしまったり。ただの番外編なら飛ばしてその後まとめて読む…という事が出来なくも無いんですが、外伝が上手いこと本編に絡んでくるので読まないわけにもいかないし…。

渋谷ファミリーの話は是非何かの機会があればまた読んでみたいです。




…最後の短編、挿絵の女装有利に萌えたのは私だけじゃない筈だっ!

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めざせマのつく海の果て!

[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ

様々な気がかりを残したまま日本に戻ってしまったユーリはここのところ欝々とした日々を送っていた。そんな中、遂にムラケンの学校のプールから眞魔国に戻る事が出来たのだが、眞魔国ではまたもや重大な外交問題が持ち上がっていた。事の真偽を確かめるため外交特使として小シマロンへ赴いたギュンター達に隠れ、小シマロンへやってきたユーリとヴォルフラムは意外な人物に遭遇して…!?
 

若き小シマロン王・サラレギー初登場。初登場からいい人ぶりつつもしっかりと腹黒オーラを感じるのはきっと私の目の錯覚ではないはず(笑)そしてワガママプーな漢前少年・ヴォルフラムだけでもかなりご馳走様でしたーなのに、またもや美少年の登場ですよ!?

まあ正直、漢前なヴォルフラムの方が断然好みなのですが中性的腹黒美少年というのも良いですよね。一方のヴォルフはヴォルフでユーリに“最近長兄に似てきた”などとコメントされてしまうほど漢前度さらにアップ。いや、ほんと漢前になりましたよね、彼は。ぶっちゃけ成長盛りのマ王様よりも成長度合いが激しい気がします。

しかし漢前美少年に知能派ショタだなんて、喬林先生は私を萌え殺すおつもりか。

そして今回はギャグ担当だったギュンターが真面目です。特に大シマロンの使者として現れたコンラッドにギュンターが向かっていく場面はかなりカッコイイです。可愛い教え子だったコンラッドの裏切りには、ギュンターなりに思うところもあったんでしょうね。最近雪とかオキクとかバカなネタばっかりだったんで、彼がシリアスできるキャラであること自体を忘却してましたが。

同時に、序盤での落ち込み具合を知っていると後半でのユーリのコンラッドへの態度が猛烈に無理してるようで、見ているこっちまで辛いです。ほんと、二人がまた味方同士になれる日が来ると良いのですが。

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お嬢様とは仮の姿!

[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ

エイプリル・グレイブス?アメリカの大富豪のお嬢様?とは仮の姿。その正体は美術品をあるべき場所に返したり、悪人に利用されないよう葬る、誇り高きトレジャーハンター!彼女はある時、亡き祖母が護り続けた禁忌の箱の1つ“鏡の水底”をナチス・ドイツから奪還してほしいという依頼を受けるのだが…!?
 

まるマシリーズ外伝第二段。

本編から50年ほど遡り、第二次世界大戦前の人間界を舞台にしたストーリーです。一応本編とは独立した話なので本編を読まなくても読めますが、逆に言うとさりげなーくあんなキャラやあんな設定が出てきたりするので本編を深く読めば読むほど美味しい外伝かと思われます(笑)

ハチャメチャなアメリカ上流階級のお嬢様でトレジャーハンターなエイプリルと、ナチスの将校で禁忌の箱“風の終わり”の鍵を持っている男・リヒャルドが、“鏡の水底”を奪還する為に共同戦線を張る…というお話。

良くも悪くも、本編から比べるとパンチが足りなくてフツーな話だったなあ(フツーに面白くはありますが)。割合キャラクター魅力が主導でぐいぐい引きずっていくシリーズだと思うので、やはりユーリたちが居ないと弱い…というか物足りない印象があります。エイプリルもリヒャルドも悪いキャラじゃないのですが。(でも正直、メイン2人よりもDT夫妻の方がインパクト強かったw)

むしろ、色々と本編に絡んできそうなキャラクターや設定、まだ明かされていない謎(ボブの正体とか)もありますので、今後のストーリーを読んでから読み直すと中々味のある話なのではないかと思います。少なくても今後のストーリーに絡んでくるのは確定っぽいですし。

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声で魅せてよベイビー

[著]木本 雅彦 [絵]ヤス

尊敬するハッカー仲間のおっちゃんが同人誌即売会でOSについての本を出すというのでオタクの波をかきわけ、ボーイズラブのブースまで買いにいった広野は、そこで“腐女子”で“声優の卵”の姫野沙奈歌と出会う。孤高なハッカーを自称する広野はひょんなことから彼女とつきあっているというエチュードを演じる羽目になり、しかし同時に沙奈歌に惹かれていって…!?
 

イマドキのオタクである腐女子少女と良くも悪くも古きよき時代のオタクであるハッカー少年がお互いの夢や好きな事をやりながらも互いに惹かれていく物語。

なんとなく仲間が欲しくて声優の卵をやってる沙奈歌と、小さい頃からハックやプログラミングが好きで頑張ってる広野の、お互いのスタンスの違いが同じオタクとしてなかなか面白かったです。目的を共有する為に誰かとつるむこともあるけど、最終的には一人で戦う事を是とする広野のような“男のオタク”と、確かにオタクでは有るんだけど根底には仲間と自分の好きな物を共有したくてオタク活動をし、馴れ合い…というか仲間意識の強い“女のオタク”の在り方の違いが上手く表現されていて、オタク小説としても中々興味深く読めます。

性別だけで図れるものではないですが、結構この辺って性別的精神的な違いだと思います。確かに、自分の夢に向かって突き進んでいる女のオタクも多いとは思うけど、同時に仲間がほしくて真面目に漫画が描きたいわけでもないのに漫研に入ったり、某専門学校や声優養成学校に行っちゃう腐女子オタクは多いと思うんですよね…自分も似たような経緯で大学の漫研に入ったりしてましたが(笑)

とはいってもこのストーリーのキモはそんな自意識の違う二人が惹かれあっていく、ラブコメ要素。すれ違う場面ではどちらの気持ちもわからなくなくてハラハラしたり、素直になれない二人にヤキモキしたり…とストーリーに物凄い引き込まれます。同じオタクであっても考え方は180度違う二人が、お互いに良い影響を及ぼしあって惹かれていく過程が凄くツボです。

ただこの小説、広野側の行動や二人の心理描写は物凄く上手いのですが、沙奈歌の「腐女子」という設定を全く生かせてない。ぶっちゃけ一人の腐女子として沙奈歌の行動には熱くツッコミたい部分が多々あります。

特に出会いの場面。
広野に直接「受」か「攻」か聞いてどうする!!
腐女子っていうものは相手に了解取らずに
広野とオッサンとの関係を邪推するのが常道ってものなんだろう!!!

従って本当の腐女子なら最初のセリフは

「レイさんとはどういうご関係ですか」

だ!!

作者さんは“イマドキの女オタク”の行動原理については知っていても“腐女子”については近頃のひん曲がった報道で得た程度の知識しか無かっただろうことが微妙に伺えて、個人的にはそこだけは不満。正直沙奈歌はBL好きなんて設定ない方が良かったと思うんだけどなあ…沙奈歌の語る未知の世界に翻弄される広野の姿を想像していたので、非常に裏切られた気分です。つか「女オタク=BL好き」と勘違いされているならそれは大きな間違いですよ!

逆に広野の言動は物凄くそのテのオタクっぽい。
返事を「Y」「N」で返しちゃうあたりなんか、本当にそういうオタクが居そうだ。

評判が良ければ続編もでるみたいだし、こういう切り口のオタク系ラブコメは中々ないと思うので是非続編を読みたいです。出来ればその際はもうちょっと作者さんに腐女子の生態を勉強していただくか、BL好きという設定自体を無かったことにして戴きたいのですが。

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