[著]雪乃 紗衣 [絵]由羅 カイリ
街に戻り、再び父親や静蘭と3人で慎ましやかな生活を送っていた秀麗の元に、臨時の外朝での下働きの依頼が舞い込む。聞けば、今年の猛暑で殆どの文官が倒れてしまい、特に戸部の人手不足が申告らしい。男装して侍童の姿になり戸部の臨時下働きを始めた秀麗だが、上司である戸部尚書は大変な変人で…。
様々な“贈物”や策を弄して、秀麗の気を引こうとする劉輝が微笑ましすぎて可愛い。しかもそれが殆ど空回りしちゃってるのがまた…!同時に呆れつつもちゃんとその贈物を大事に取っておく秀麗の行動もなんだか可愛らしいです。街に戻り、再び父親や静蘭と3人で慎ましやかな生活を送っていた秀麗の元に、臨時の外朝での下働きの依頼が舞い込む。聞けば、今年の猛暑で殆どの文官が倒れてしまい、特に戸部の人手不足が申告らしい。男装して侍童の姿になり戸部の臨時下働きを始めた秀麗だが、上司である戸部尚書は大変な変人で…。
叶わぬ夢と知りながら、それでも官吏になる為の努力は怠らない秀麗の姿に胸を打たれます。ひょっとしたら…というか絶対にこの努力が無駄になると悟りながら、それでも努力するのは止められない。ある程度手近な目標があっても中々動き出せない自分には眩しく映ります。本当に秀麗のキャラクターは見ていて気持ちが前向きになりますね。
その秀麗の夢を叶えさせる為に、そして自分の身近な存在になって貰う為に国試の女人試験を実現しようと奮闘する劉輝。ただ寂しいから一緒にいたいと思うだけ気持ちと、ほのかに芽生えた男として一人の女性を愛する気持ちの間で自覚は無いけど本能的に悩んでいるような姿が印象的でした。今後その溝をどうやって埋めていくのかが気になります。
新キャラクターの黄尚書や燕青も今後の秀麗に深く関わっていきそうなので楽しみ。個人的には紅オジサマ(笑)が非常にお気に入りです。あとラストにちょっとだけ出てくる「あの人」…は今後どういう風にストーリーに関わっていくのでしょうか。続編が楽しみ。