

超お嬢様学校である聖アンジェリーナ女学院に奨学金で通っている水田マシロは先生の紹介で学生寮のお手伝いのバイトを始めた。馬鹿みたいに立派な豪邸…にしか見えない超広い学生寮にはなんと4人しか寮生がおらず、しかもその4人は学園内でも『薔薇の団』と噂される美少女達で…!?
まほろばやラブひなもどきのギャグ風ラブコメを想像していましたが、むしろ学校でのトラブルなんかはハセガワ版「ルナティック雑技団」という印象。「ドクロちゃんです」ですらご自分の作風を貫かれてしまったハセガワさんなので“コメディ”という響きが全く想像できなかったのですが、予想外に面白かったです。「しにがみ?」世界にも流れる時間が遅くなったような独特の雰囲気を生かしたまま、各所でちょっと笑ってしまうような作品に仕上がっています。何事にも一生懸命なマシロをはじめ、天真爛漫な忍、ツンデレな「エア・メガネ」こと千尋等キャラクターも凄く魅力的で、見ているとなんともほのぼのと癒される気持ちになります。
個人的には学園の方で、予想外にあっさりと殆どの生徒がマシロを受け入れてしまったのが表紙抜けというか、現実感があまりにも無かったかな。3バカ(失礼)がいい具合に噂を流してしまったというのはあったとしても、本当の女子高だったらこんな状況はありえないと思うのです。まあ、ここでドロドロした女の争いに発展しないのがハセガワ作品のいい所なのかもしれないけど。
しかし「エア・メガネ」は2006年度ライトノベル迷台詞ベスト3に入れそうな予感。