街を実質的に支配する旧家「朽葉嶺家」の跡取りとして育てられた主人公が、閉鎖的な田舎町で巻き起こる猟奇殺人事件と、なぞめいた朽葉嶺家の秘密に迫るという伝奇サスペンスもの。作風としては「火目の巫女」に近い欝展開で、「お兄ちゃん大好き☆な4姉妹モエー」とかいってるともれなく痛い目見る事請け合い。火目の巫女的な意味で。
朽葉嶺という古くから続く家の謎と、猟奇事件の真相に迫っていくと、段々自分に身近な人間達が死にはじめて……不審な態度を取る義理の母とその家によって掌握され、逃げ場のない閉鎖的な村の雰囲気、いかにもあやしげな“儀式”などなど、おどろおどろしい雰囲気とおぞましい事件のハーモニーが素敵。短いながら、各ヒロインそれなりに印象に残るエピソードがあるが故に死んでしまうとショックが大きいんだよなあ…情け容赦なくメイン級のキャラクターがガンガン死んでいく上メインヒロインらしき人物がしっかり他にいるので、4姉妹のうち誰が犠牲になってしまうのかなかなか先が見えない展開がまた良かったです。そして何より、事件の真実を明かされたときの衝撃が!ミスリードにあっさりひっかかってしまっていたので思いもよらぬ真実に愕然としました。
ただ、主人公の性格上仕方ないのかもしれないけど、主人公がイタカ・藤咲と4姉妹のどちら護りたいと思っているのかはっきりしないのがちょっともどかしかったかも。最終的には双方が対立してしまうため、特にそのヘタレっぷりが悪目立ちしてしまったような気が。やっぱり王道モノ好きとしてはきっぱりはっきり誰か特定の一人についてほしかったかな。
しかし、こういう物語はものすごく好みだし一応続けられそうな終わり方にはなってて続きが出たらぜひ読みたいけど、続きが出たらただの伝奇系現代異能モノになっちゃいそうな予感がして、1巻完結でちょうど良いような気も。少なくてもこのおどろおどろしい雰囲気を続けていくのは難しそうだよなあ。
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火目の巫女
LNFminiでお話を聞いてから「これは読まなきゃ!」と思った杉井光のデビュー作。だって巫女さんで平安ファンタジーで欝展開で平安ファンタジーだよ?!大事な事なので2回言いました!
化生の襲撃によって母と生まれた村を喪い、化生を滅ぼすことに執念を燃やす伊月が盲目でミステリアスな少女・佳乃と天然で大きな才能を持つ常和や周囲の人々と触れ合ううちに成長していくお話……かとおもったら後半重もーーーー!!!欝展開という前評判は以前から聞いてましたが、ここまで重たいとは。いえ、こういう重さ大好物ですが。
だんだん佳乃や常和が抱える過去の"傷"が見えてきたり、「火目の巫女」という役割や"化生"の正体に対する疑念が見えてきたりして、少しずつ不穏な空気が漂い始めたところに、"火目"の代替わりがやってきて……そこからの展開はもう凄まじいの一言。帝の正体、"火目"や"化生"という存在の真実、そして佳乃と常和の想いなどが次々に明かされていき、一気に物語に引きずり込まれました。特に「火目の巫女」の真の役割が明かされたときは本当に呆然とするばかりで。慟哭する主人公の姿がただただ胸に痛かった。
キャラ的には重い過去と未来を背負う女の子3人も良いですが、やはり豊日最強ですね!!!LNFminiで"ロリババア"属性扱いされてたので全く期待してなかったのですが、ロリババアじゃなくてショタジジイじゃねえか萌え!!豊日×伊月を全力で応援したい私であります。
凄まじい欝展開といい爽やかなんだか後味悪さMAXなんだか判らないエピローグといい百合百合な展開といいショタジジイといい、とてつもなく人を選びそうな物語ではありますが、私としては文句なしに面白かったです。エピローグは……違うよな?そういう意味じゃないんだよな…?(「『佳乃の鳴箭?』」→「小さな影が二つ?」がどうしても、あの、アレな展開を連想してしまうのですが…違うよね、違うよね豊日ーー!←ネタバレ)しかし、1巻で綺麗に終わってる気がするんだけどここからどうやって続けるんだろう…。
余談ですが、読み終わってからふと思い出して↓のMAD見たら物凄い勢いで涙腺決壊した。うわああああ常和…!!!原作知らないで見たときは全くピンとこなかったけど、原作読んでから見ると神MADだこれ…鳥肌立ちまくりでした。
神様のメモ帳3
[著]杉井 光 [絵]岸田 メル 奇跡的に意識を取り戻した彩香が学校に戻ってきた。失われたものは多く、ぎこちないながら園芸部の活動を再開した二人につきつけられたのは、生徒会からの廃部宣告だった……。廃部を止める為、園芸部に過去で起きた事件について調べ始めた鳴海とアリスだが、それにはテツ先輩が絡んでいて!? |
まあそんなことよりアリスが、アリスがデレたーっ!!!
てっきりデレることなど金輪際ありえないだろうと思っていたアリスですが、今回はなんかやたらとデレてて、それがまたなんか可愛いぞ!?無茶しようとするナルミにやきもきしたり、勢い余ってぬいぐるみを投げつけたりする姿にきゅんきゅんします。そして挿絵まで相乗効果で……155Pが素晴らしすぎる。
事件の真実を語ろうとしないテツ先輩と事件の真実を求めるナルミ・アリスは結果的に対立する事に。なかなか事件の真相は見えず、ぎくしゃくした綾香との関係もあり、園芸部を残そうとしている自分の行動の根幹すら揺らぎそうになり、煮詰まったナルミは(かなりその場の勢いで)元ボクサーであるテツ先輩にガチンコ勝負を申し込む!ということで、勝負の話になった以降の展開が熱いのなんの。テツとの義理を取ってナルミ達の捜査協力を拒んだ仲間たちがここぞとばかりにナルミを手伝い始める箇所では思わずにやりとしたり。それにしても「Wiiテツ」には噴いた。少佐はSOHOの下請けでいいからゲーム会社に就職しろ。というかそのソフトもってってゲーム会社に売り込めw
ラストではいつもどおり、どこかほろ苦い真相が明かされますがなんだかんだと言ってシリーズ内でも一番ハッピーエンド的な終わり方だったかな。特に、彩香の幸せそうな姿が見れたのは嬉しかった。記憶を失い、どこか歪んだ"かつての彼女のふり"を続ける彩香だけど、良い仲間たちに囲まれて少しずつかつての自分を真の意味で取り返すことができるのではないかと自然に思えるようなエンディングでした。
しかし、ひょっとしてここで完結なのかなあ、残念だなあ…。
神様のメモ帳2
[著]杉井 光 [絵]岸田 メル アリスの探偵助手をする傍ら、ラーメン屋「はなまる」でバイトを始めた鳴海。そんな時にNEET探偵事務所に依頼を持ってきたのはタイ人の少女・メオは大きな袋に一杯の札束を抱えていた……大金の入ったバッグを彼女に預けて失踪した父親を探すという依頼を引き受けたアリスだったが…。 |
相変わらずNEETな仲間達のハイスペックぶりが異常。1巻ではアリスと四代目の裏に隠れてある程度脇役に徹していた感じのあるニート3人組ですが、今回は色々な意味で全開です。少佐の教授顔負けな技術力、ヤクザから警察にまで顔を持つテツ先輩の人脈作り、巧みに女の子たちの言動を誘導するヒロさんの会話術……と三人まとめて「才能の無駄遣い」タグつけてやるよ!!!状態。
そんな彼らにどうしても気後れしてしまい、いじけたり塞ぎ込んだり自己嫌悪したりする鳴海ですが、終盤で思わぬ活躍を見せてくれます。一度動き出すと多少の無茶はその場のノリと勢いでゴリ押しし、最終的に美味しいところをまとめて持っていく姿は凄くかっこいい!!……のだけど、そこに至るまでの後ろ向き具合は正直ウザイくらいでありました…あれは被害妄想、というか"加害妄想"とでも言えばよいのでしょうか。アクシデントやトラブルの結果を全て自分の不始末だと思ってしまうのが性質悪い。しかもヒロイン格であるアリスも鳴海に輪をかけた加害妄想の持ち主なので2人してうじうじしだす辺り、なんともかんとも…2人とも動き出せばかっこいいのになぁ。
物語としては、私の中で1巻の顛末がかなり衝撃的だったので2巻は多少インパクトないなあ…と思う部分もあったのですが、その分普通にミステリーとして面白かった気がします。特に終盤にナルミが奇策を打ち出してからの急展開していく様は、物凄く面白かったです。ああいうノリと勢いとハッタリが効いた展開は大好きだ…!!
イラスト化された四代目は予想以上にオトコマエで素敵でしたね。兄弟の杯を交わすところの挿絵を見て、「四代目×ナルミ」とか想像したのは私のせいじゃないと思う。しかし、和服姿のアリス達をイラストで見られなかったのは残念でしょうがない。
神様のメモ帳
ニート予備軍の主人公と、ニートな若者達、そして"ニート探偵"を自称する少女探偵・アリスが怪しげな麻薬転売組織に立ち向かうというミステリー。
「ばけらの!」「ピアノソナタ」しか杉井光作品を知らなかったので、青春全開でちょっといい話的なミステリーを想像してたら予想を遙かに超えて欝で病んでて重い展開の目白押しでびっくりしました。こう、なんというかアリスはミステリー部分担当で、メインとしてはやはり鳴海と彩夏の甘酸っぱくもどかしい恋模様を描くものだとばかり!!騙された?(いえ、こういうのも私大好きですけど!)
彩夏やニート達との交流によって少しずつ他人と触れ合う事を覚えていった鳴海。ところが彩夏が……となって、再び自分の殻に引きこもり、周囲の働きでなんとか立ち直って事件に立ち向かっていく…という展開が凄く良かったです。ラーメン屋の女主人の言葉を介さない励ましとか、クラスメイトたちのさりげない心遣いとかに、何度もホロリとさせられました。しかし、最初「前向きに立ち向かっていく」と書こうとしましたがちっとも前向きじゃないですよね。どちらかというと「なんとか持ち直して後ろ向いたまま全力ダッシュ」というのが正しいような。
ニートな仲間達のスペックが高すぎて「これ間違いなくNEETじゃねええーーー!」とか思っていたのですが、彼らがニートをやってる理由を聞いたらうっかり納得してしまった自分が居る。…うん、マジで「普通に仕事できる」って一種の才能だと思うんだ…私正直、一般職とか事務職で正社員でそれなりにちゃんと働けてる人、超尊敬します。私仕事中、ぶっちゃけ息抜きできないと生きていけない…。
しかしなんか、後半の超能力というか異能っぽい設定?はちょい唐突だったような…?アリスの正体といい謎のドラッグといい、何らかの不思議要素がありそうな伏線が張られている気がしますが、それなくても物語として成立したんじゃないかという気がしたり。それまでの人間描写みたいなのが気に入っていただけにちょっとラストだけ煙に巻かれてしまったような感覚がちょっとあって、そこが残念でした。
でも普通に面白かったので続きが楽しみです。
さよならピアノソナタ3
[著]杉井 光 [絵]植田 亮 夏の合宿・ライブも終え、二学期に突入したナオ達の学校は合唱コンクール、体育祭、文化祭とイベントだらけ。哲郎から貰ったエビチリのコンサートのチケットを巡って何故か真冬と千晶と神楽坂先輩が火花を散らし、合唱コンクールの勝者と2人でコンサートを観に行くことになったナオだったが…!? |
とりあえずこれに尽きます。ナオのライバル的なポジションのキャラクターなのですが、あっけらかんとした爽やかで人懐こいライバル具合も、割とノリノリで女装してしまう性格もかなりドツボでしたよ!今回はナオがかなりうじうじ思い悩む描写が多かったのですが、ナオとユーリの勝負になると一気に場の雰囲気が爽やかになってしまうのが印象的でした。それぞれの立場から様々な形で勝負していく2人の姿が中々面白くて、是非とも彼はレギュラーキャラ化してほしいなあと思う次第です。いえ、女装美少年というポイントは置いておいても。
今回はナオが手に入れたコンサートのペアチケットを巡った合唱コンクール、2回目のライヴとなった文化祭とそれに向けての体育祭と美味しいイベント盛りだくさん。一方、私生活の方でも天才バイオリニスト・ユーリとの対決があったり、真冬がピアニスト復帰への道を模索しだしたり…と、考えるとかなり急展開のお話だったかも。超鈍感なナオも周囲に尻を叩かれまくりながら、少しだけ真冬との進展を果たします。しかし、真冬はあれだけツンツンした態度でクール系っぽく見せかけて、もう本能的にダダ漏れてるデレっぷりが可愛くてしょうがないな!特に、彼女がピアニストに復帰しようと思った経緯や理由には思わずニヤニヤせざるをえない。読者(…や、恐らくそれ以外の登場人物達)には結構序盤でその理由がなんとなく推測ついてしまうのに、勘違いしているナオがとてももどかしい。いや、でも自分の気持ちを遂に少しずつ自覚してくれたのは嬉しい限りでした。
しかし、惜しい点といえば…ここまできたらナオを文化祭のライヴで女装させるべきだったのに!
いや、執事も悪くないけどさぁ……悪くないけどさ!!
余談ですが、合唱コンクールで神楽坂先輩が歌った「あの曲」は普通に元ネタ映画で聞いたことがある曲だったので、超反応しつつ読んでました。「天使にラブソングを」は私が唯一DVDを持ってる洋画であります。偽装シスターでクラブ歌手・デロリスの破天荒ぶりに毒されて、だんだん朱に染まってしまうシスター達が最高なのです。敬虔なシスターさんたちがデロリスの歌唱指導の下ノリノリでロックな聖歌を歌い始めたり、ベガスに渡る為のヘリを調達する為ヘリの運転手を全力で拝み倒すシーンとか、神だと思う。
いやもう、あの曲のデロリスパートを神楽坂先輩が歌ってるって考えるだけで心がときめいた!!またあの映画のDVD見よう。
天使にラブ・ソングを…ウーピー・ゴールドバーグ, マギー・スミス, キャシー・ナジミー, ハーベイ・カイテル, エミール・アルドリーノ ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント 2005-12-07 売り上げランキング : 2460 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
さよならピアノソナタ2
[著]杉井 光 [絵]植田 亮 めでたく真冬が民音に入部し、バンドが本格始動し始めたある日、神楽坂先輩が突然海での合宿の話とライブの日程を持ってきた。突然の話に驚きながらもなんだかんだと合宿に行く計画を整えていくナオ達だが、真冬の様子がおかしい。父親の反対もあるようだけどどうもそれだけではないようで… |
とりあえず今回の敢闘賞は間違いなくエビチリ。
ちょっと過保護親気味なことは前回ラストからもうかがえましたが、ここまで典型的な親バカだともう笑うしかない。直接的な出番は最初のご訪問シーンとラストのお出迎えしかないのに、何でこの人はこんなに存在感が強いんだ!!真冬の動向を心配しまくったり、ナオにあらぬ疑いをかけたり、携帯を持たせて自分専用の着信音を設定したり……とツッコミ所満載の父親具合に大爆笑。なんつーいい父親だ…!
そしてやはり今回のキモは神楽坂先輩!1巻から高校生離れしたオトコマエっぷりが光る人でしたが、予想以上に重い過去…というか凄い戦績(違)を持つ人で。ナオにおもわせぶりな発言をしたり、弱い部分をさらけ出したり…と彼女の魅力が満タンにつまった話でした。
千晶と真冬もそれぞれが良い味を出していて、明確に表には出してないけどバレバレなナオへの恋心にニヤニヤしてました。特に真冬がナオの呼び方に拘ったりする場面では思わず「ツンデレツンデレ!!」と叫びそうになったり。千晶は典型的な体育会系というか、サッパリとしたいい人でその分真冬に遅れを取ってしまっている部分があるけど、随所で覗かせるナオへの恋心にきゅんとなります。しかし、これだけロコツに好意を向けられて1ミリもそれに気付いてないナオは鈍感というかなんと言うか……ああ、もどかしい。
さよならピアノソナタ
ついった界隈でオススメ攻撃を喰らったので手を出してみました、というかなんかオフ会行ったら実物が回ってきました。3巻が発売されてからのオススメ攻勢は異常だったと思うんだ…と呟いてみる。(発掘できただけでもこのへんとかこのへんとか)
自分で演奏はしないけど音楽を聴くことが大好きなナオが自分の放課後の平穏な音楽ライフ(笑)を取り戻すため、空き教室を占拠してしまった天才音楽少女(本職はピアノだけどギターも超絶上手い)・真冬に音楽勝負を挑もうとする……というお話。
本線であるナオと真冬のラブコメも素敵なのですが、個人的にはナオをたきつけて音楽の世界に引きずり込もうとする神楽坂先輩が最高!!ゴーインで姉御肌でかっこいい姉貴キャラはどの世界でも良いものですが、神楽坂先輩のオトコマエっぷりとかっこよさは半端じゃありません。そしてどんどん彼女の思惑通りに「音楽を演奏すること」にハマっていくナオの姿にニヤニヤが止まりませんでした。
神楽坂先輩や幼馴染の千晶と3人ではじめて曲を合わせた時、そして真冬と二人で曲を奏でた時に主人公が感じるワクワク感や一体感が凄く心地良い。"曲を奏でる"ということの楽しみがこちらにまで伝わってくるようなシーンで物凄くツボに来る。
後半には真冬がピアノを辞めた理由や彼女の持つハンデが明かされ、熱い展開になったりホロリと泣かされたり。王道な青春ラブコメ路線で始終胸がきゅんきゅんいいっぱなし。どこか独特な雰囲気があって、それがまたとても素敵でした。これは続きが楽しみです!
余談ですが「ゴミ捨て場」「捨てられた楽器」「ボーイミーツガール」というと、こちらよりも先に富士ミスの「フォルマント・ブルー」を髣髴する私です。あれも好きだったな?。ちょっと異能とかSF要素入りますが「ピアノソナタ」がツボにハマった人でそういう要素が大丈夫ならかなりお勧めかも。
カラっぽの僕に、君はうたう。?フォルマント・ブルー (富士見ミステリー文庫)木ノ歌 詠 富士見書房 2005-01 by G-Tools |
ばけらの!
[著]杉井 光 [絵]赤人 ライトノベル作家としてデビューした杉井ヒカルは授賞式中の男子トイレでケモミミ尻尾の少女と出くわす。それだけではなく、そのレーベルに執筆している作家の殆どは人間じゃなかったのだ—!?株とギャンブル好きな管狼・イヅナ、エロコメ作家の座敷童子・つばさ、麻雀大好きアンデッド・屍鬼…などといった個性的な美少女達(ただし非人間)の同業者と共に、今日も愉快な騒動が巻き起こる! |
電撃の「遭えば編するヤツら」のような実名半分バレバレ内輪コメディ系ラノベを想像していたのですが、なんか普通に良いラブコメでありした。キャラ設定に各作者さんの作品のエッセンスがちょっと入ってたりするくらいで、あとはどちらかというと各作者さんのブログを読んでるとニヤニヤできるカンジの作品。知らなくても十分楽しめる一作だと思います。
キャラ的にはとりあえずイヅナかわいいよイヅナあああ
きさ…ま…男言葉で趣味がギャンブルと株でネトゲ廃人で料理はヒカルに作らせてばかりの駄目管狼でしかもツンデレだと…!!ヤキモチを焼いたりニブいヒカルの言動にスネたりするイヅナの姿を見てるだけで胸がきゅんきゅんします。なんという最終破壊兵器。これは普通にけもみみ好きと男勝りのツンデレ娘好きは買うべき。というかけもみみ萌え属性あまりないですが、マジでイヅナ可愛いよイヅナあああ!
あとお姉様スキーとしては風姫屍鬼おねえさんにきゅんきゅんです。大人の余裕!ヒカル達を破天荒に引きずり回す一方で時々暖かく見守ってるポジションが正直たまんねえ!!吸血鬼の男爵・ウーノに纏わるお話のラストが最高です。しかし名前がちっとも女性っぽくないのが残念なような…苗字と名前は逆でも良かったのでは…暫く名前になかなか慣れられなかったなぁ…。
コミカルなドタバタ騒ぎを中心にすえつつ、ラストはちょっといい話で締める短編を4編収録して、こういう話が普通に好きな私はど真ん中ストライクでした。特にクライマックスは「これなんてエロゲ?」な展開ではあるんだけど胸が熱くなるのをとめられなかったなあ。ネタ的なイミではなく、普通に面白かったです。いけぬこ会作家のラノベ作品を読んだこと無い人でも普通に読めばいいと思うよ!
逆に、各キャラクターの元ネタとなる作家さん達の作品ネタが薄い分元ネタが誰かというのはそれなりにラノベ詳しくないと難しいかも。ヒロインのイヅナが名前的にもグラフィック的にもどうかんがえてもわっちの人だろ!!というのとは対照的に、ほかの作家さんは「池袋いけぬこ会」というヒントがなければかなり難易度が高かった気がします。というか、2章に出てきた大物ラノベ作家の幽霊と、エムさんの元ネタが未だに判らないのですが……。たとえ「各キャラの正体なんか知らなくても楽しめるヨ!」といっても気になるものは気になるんだ!!
余談ですが、冒頭で比較対象にした「遭えば編する?」に登場するラノベ作家の一人が、「ばけらの!」にも出てます(…私の知識が正しければ)が、キャラクターの違いっぷりが地味に面白かったです。あっちでは新本格変態系全裸作家だったんだよなああの人…。
2011年読んだ本まとめ
年末はコミケに参加されたかた、お疲れ様でした&うちのスペースに遊びに来てくださったかたありがとうございました!
2011年の年間まとめ記事です。
2011年の読了冊数
2011年 1月: 7冊 [まとめ] | 2011年 2月:10冊 [まとめ] |
2011年 3月:19冊 [まとめ] | 2011年 4月: 6冊 [まとめ] |
2011年 5月:10冊 [まとめ] | 2011年 6月: 9冊 [まとめ] |
2011年 7月: 6冊 [まとめ] | 2011年 8月: 9冊 [まとめ] |
2011年 9月: 4冊 [まとめ] | 2011年10月:11冊 [まとめ] |
2011年11月: 13冊 [まとめ] | 2011年12月: 8冊 [まとめ] |
合計:112冊 |
年々着実に減っております。というか再読とBLを抜かすと3桁にも多分届いていないというこの体たらくだよ!