“Tiv” の検索結果 | ページ 8 | 今日もだらだら、読書日記。

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キスとDO-JIN! コピーキャットにご用心!?

[著]小林 来夏 [絵]由良

オリジナルと二次創作、そして投稿作の原稿に追われながらも充実した日々を送る七海は念願のPCを購入し、ホームページを開設。早速ファンだという人からメールが届くが、相手のホームページに飾られているイラストは何故か高橋の絵にそっくり。あまり気にしていなかったのだが、イベント会場でその人がスペースに現れ、それから高橋の様子がどこかおかしくなって…
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新人同人誌作家の七海が恋に創作活動に悩みながらも成長していく物語、第4弾。今回はパクトレ問題とネットの匿名掲示板話題に鋭く(?)メスを……って、また微妙なネタを話題に持ってくるなあこの人は!あと1イベント300部あっさり完売して「まだまだ私なんか」とかいわれると弱小サークルは立場がありませんっ!!!

パクリ大手・響冷夜に様々な面で心乱されているところに今まで自分が知らなかった周囲からの評価まで知ってしまい、落ち込む七海。しかもその上、話を聞いてくれた高橋からは思わぬ発言が飛び出して……と、高橋と七海の関係を中心に今回はかなりシリアス方面に物語が進みます。二次創作と一次創作の違いとか色々身に沁みたり参考になる話も多かったけど、やっぱりこのシリーズはもう少しはっちゃけてくれた方が好み。

中盤以降は人間不信気味な高橋とそんな彼の真意を知ろうとする七海の行動がメインになるので、メインゲストキャラである響の扱いも微妙に見えました…後半に入って彼なりの事情が明らかになったりして同情できる部分が見えてきても、蛇足にしか見えなかったり。

というか執事分が絶望的に足りないよ!!!今回は完全に高橋と七海の話に焦点が絞られている為、西南北の出番は殆どないし、執事も全体的に七海のサポートに回る展開が多かった。大人な態度で全部お見通しな執事もかっこよくて悪くはないんですが、やはり彼が大人しくしてるのは物足りない……。

次はぜひ、執事大活躍を!おねがいします!

それにしても、七海は結局誰とくっつくんでしょうね。西南北ルート一直線だと思ってたけど、なんか今回の話で高橋ルートもありそうな気がしてきた。そして作者さんあとがきでりょーじょくりょーじょく言いすぎですっ!以前読んだ水戸さんのBL小説のノリ思い出して笑ってしまったじゃないかどうしてくれる!!


神様のメモ帳2

[著]杉井 光 [絵]岸田 メル

アリスの探偵助手をする傍ら、ラーメン屋「はなまる」でバイトを始めた鳴海。そんな時にNEET探偵事務所に依頼を持ってきたのはタイ人の少女・メオは大きな袋に一杯の札束を抱えていた……大金の入ったバッグを彼女に預けて失踪した父親を探すという依頼を引き受けたアリスだったが…。
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将来有望なニート候補(待て)な主人公と、彼を取り巻くニートたちが繰り広げる物語第二弾。鳴海=ミンハイ呼び懐かしいなぁ…「からくりサーカス」は丁度私が1年ほどサンデー読者してた時代に連載が始まったのですよね。

相変わらずNEETな仲間達のハイスペックぶりが異常。1巻ではアリスと四代目の裏に隠れてある程度脇役に徹していた感じのあるニート3人組ですが、今回は色々な意味で全開です。少佐の教授顔負けな技術力、ヤクザから警察にまで顔を持つテツ先輩の人脈作り、巧みに女の子たちの言動を誘導するヒロさんの会話術……と三人まとめて「才能の無駄遣い」タグつけてやるよ!!!状態。

そんな彼らにどうしても気後れしてしまい、いじけたり塞ぎ込んだり自己嫌悪したりする鳴海ですが、終盤で思わぬ活躍を見せてくれます。一度動き出すと多少の無茶はその場のノリと勢いでゴリ押しし、最終的に美味しいところをまとめて持っていく姿は凄くかっこいい!!……のだけど、そこに至るまでの後ろ向き具合は正直ウザイくらいでありました…あれは被害妄想、というか"加害妄想"とでも言えばよいのでしょうか。アクシデントやトラブルの結果を全て自分の不始末だと思ってしまうのが性質悪い。しかもヒロイン格であるアリスも鳴海に輪をかけた加害妄想の持ち主なので2人してうじうじしだす辺り、なんともかんとも…2人とも動き出せばかっこいいのになぁ。

物語としては、私の中で1巻の顛末がかなり衝撃的だったので2巻は多少インパクトないなあ…と思う部分もあったのですが、その分普通にミステリーとして面白かった気がします。特に終盤にナルミが奇策を打ち出してからの急展開していく様は、物凄く面白かったです。ああいうノリと勢いとハッタリが効いた展開は大好きだ…!!

イラスト化された四代目は予想以上にオトコマエで素敵でしたね。兄弟の杯を交わすところの挿絵を見て、「四代目×ナルミ」とか想像したのは私のせいじゃないと思う。しかし、和服姿のアリス達をイラストで見られなかったのは残念でしょうがない。


テイルズ オブ シンフォニア?ラタトスクの騎士?世界の願い2

[著]矢島 さら [絵]奥村 大悟

ロイドの行方を追い、そしてラタトスクを解放するため旅を続けるエミルとマルタ。旅の途中でロイドのかつての仲間達と出会ったエミルは、それでもロイドを信頼する仲間達の姿を見て次第にその憎しみの形を変えていく。ところが、戦闘中以外でも人格の変貌が起こるようになってきて…
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ロイドが行ったというパルマコスタ大虐殺の真相に迫る、ノベライズ第二弾。

仲間達がロイドを信頼する姿を見て自分の盲目的な憎しみを改めて考え直すことになるエミル。そして段々とその憎しみに対して疑問を抱き始めた所に新たな敵が……という流れはベタだけど面白い。“ラタトスクモード”の謎やリフィル達が時折覗かせる謎の行動も合わせ、今後どういう風に話が進んでいくのかがとても楽しみ。前作「シンフォニア」のストーリーも踏まえて考えると、また結構この後に重い展開が待ち構えているんだろうなあ。

リフィル&ジーニアス姉弟をはじめリーガル、しいな、ゼロスなど前作キャラが物語に本格参戦。何かと落とし穴にハマるしいなのドジっ娘忍者っぷりが可愛いのなんの。そしてゼロスはハニー好き過ぎて困る。「ハニー」呼びがいろんなところに広がりすぎですからーー!?その他、前作を知っているといろいろと感慨深い部分が多くあり、ニヤニヤしながら楽しんでました。特にイセリア村の村長の言葉は胸にキュンと来る。

しかし、相変わらず「ゲームの内容をただ忠実に再現してます!」という空気は……もうこれはこういうものだと諦めるしかないんだろうなあ。ゲームの内容自体がとても好みなので普通に面白いことは面白いんだけど、一度ゲームをプレイしている人にとってはこの小説、全然面白くないんじゃなかろうか。特にゲームノベライズで戦闘描写を技名と技の描写の連打でごまかしたりするのは、かなり下の下な手法だと思うのですけど…ボス戦すら物語を先に進めるための消化試合以外の何物でもなくて読んでてとてもダルいです。戦闘部分だけでも、ある程度オリジナルを織り交ぜながら技の連打に頼らない頭脳戦要素を持ち込んでほしい。


コラボアンソロジー2 "文学少女"はガーゴイルとバカの階段を昇る

[著]野村 美月、井上堅二、田口 仙年堂、櫂末 高彰
[絵]葉賀 ユイ、竹岡 美穂、日向 悠二、甘福 あまね


文芸部の活動の一環としてやってきた図書館で、姫路瑞希と出会った遠子と心葉。以前から遠子と仲が良いらしい彼女だが、ちょっと元気がない。そんな瑞希を救うため、今"文学少女"が立ち上がる—!?
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「文学少女」シリーズ、バカテス、ガーゴイル、学校の階段の4作品のコラボレーション5編を収録した短編集。
もうなんていうか……冬コミへの燃料投下ありがとうございます(鼻息荒く)

「"文学少女"と乙女に集う召喚獣」(文学少女×バカテス)
以前から噂だけ聞いてずっと気になっていた短編を、遂に読む事が出来たよ…!!姫路さんの話を聞いて何故か雄二と明久がデキていると勘違いした遠子先輩が、雄二達F組の面々と召喚獣勝負をする話。

遠子先輩の文学で鍛えた腐女子フィルターSUGEEEEE!!!!!
雄二と明久のいつものドツキ合いを見てあっさり「デキている」と言い切る彼女が最高すぎます。すげえ、すげえよこの人。かなり序盤から明久総受説を推奨してきた私ですが、遠子先輩の雄二×明久表現に新次元を見た気がする。「情熱的な視線の絡み具合」「甘えるような濡れた声」……想像するとエロい、エロいよ雄二×明久!!もう私、バカテスまともに見られない!!(腐女子的な意味で)

野村美月先生御本人による、華麗なる「遠子壊し」っぷりが壮絶。このコラボの裏タイトルは「本当はエロい"文学少女"」でいいと思います。この人きっと、心葉の居ないところでBLとか官能小説とかガッツリ摂取してるに違いない……

初々しく可愛らしい明久×瑞希とか、分かり合うペッタンココンビとかにもニヤニヤでした。そして葉賀さんの心葉くん可愛いよ心葉くん。心葉くんの召喚獣には是非別の機会にちゃんとバトルして欲しいなあ。あの武器でどうやって戦うのか見て見たい。

「"文学少女"と殺された莫迦」(バカテス×文学少女)※濃厚腐要素注意な初読感想:前編/後編
先行掲載されていた書きおろしコラボ。明久の国語力に将来の不安を抱いた遠子と心葉が文月学園を訪れたら、何故か殺人事件(!?)が起きて…というお話。この小説の感想については初読時に腐女子日記の方で散々痛々しく語っているので省略。

とりあえずコノハちゃん可愛いよコノハちゃん。コノハには女装が似合うと常々思ってた!!井上先生ありがとうありがとうありがとう大事な事なので3回言いました!!あとがきでの野村先生のはしゃぎっぷりにはごっついシンパシーを覚えます。

「天栗浜のガーゴイル」(ガーゴイル×階段)
旅行先で階段部の面々と遭遇した双葉が階段部の活動に興味を抱き、飛び入りで幸宏と階段レースをすることになるお話。

はっちゃけ率激高いコラボ群の中では割と正統派な短編。双葉をただの小学生だとナメてたら持ち前の運動神経とガーゴイルのサポートもあってかなりいいところまで追い詰められて…階段の爽やかスポ魂青春コメディと吉永さん家?のほのぼの具合が良い具合にマッチして、普通に面白かったです。筋肉部に筋肉を讃えられてドン引きする双葉が可愛い。それにしてもガーゴイルはどんどん妙な部分で器用になっていく…。

個人的にはガーゴイルのコラボはもう1個くらい見たかった気がします。というかガーゴイルに文月学園に乱入してもらって、卑怯な戦術をかますF組の面々に鉄拳制裁しまくる展開が見たかった。次の機会があったら是非そんな感じで……ってガーゴイル完結したからもう無理かな。

「バカと階段と召喚獣」(階段×バカテス)
文月学園が外部向けに行った召喚獣お披露目イベントの話を聞いた階段部が準備中のイベント会場に乗り込んで明久達と召喚獣で階段勝負をするお話。

序盤、かなり雰囲気の違う文月学園一同に違和感感じてもにょもにょしてしまってたのですが、だんだん読んでるうちに話に引き込まれて多少の違いは気にならなくなってしまいました。とりあえず、普段以上にバカ&ドジ5倍増しな明久や、所構わず足を引っ張り合いまくりな悪友コンビにニヤニヤが止まらない。

それより何より秀吉×雄二はじまりすぎた!!!すげえ、櫂末版秀吉最強じゃね!?ただ役になりきっただけとは到底思えない妖艶腹黒オーラに噴いた。雄二がツンデレなのは激しく同意!!「これの秀吉もう全然ちげー!」「でもこれはこれでイイ!!!」と脳内テンションMAXでした。

そしてこの作品の「あとがき」の破壊力は異常。もはや素で漫才の領域。櫂末先生が雄二、井上先生が明久に見えました。そういう幻視をしました。ごめんなさい。すいません。

一つだけ残念だったのは、この短編のみ文中挿絵がなかった事かなあ…甘福さんはこの後の文学少女×階段コラボでも挿絵を担当されているので負担が大きかった事は確かですが、唯一の表紙絵もメインは階段キャラでバカテス側は秀吉の召喚獣だけ。バカテスファンとしてはちょっと物足りなかったです。ううっ、甘福さんのイラスト好きなので楽しみにしてたのになぁ…

「"文学少女"とやってきた走者」(文学少女×階段)
他高校との交換入部で階段部に体験入部した心葉と、文芸部に体験入部した幸宏の一週間のお話。書きおろし。

普通に爽やか熱血青春スポ魂モノになっていて、純粋に楽しめました。なんだかんだと文芸部に馴染んでしまって平和な日々を謳歌するものの、どこか物足りなさを感じる幸宏と、典型的な文化系で階段部にちっとも馴染めず階段レースのタイムも上がらず疎外感を感じるばかりの心葉の姿が対照的。そんな2人の鬱屈を吹き飛ばすような最後の2日間での先輩達の行動に胸が熱くなりました。そして何気にLOVEもあるよ!!


一応全作品読んだ事があるというのは大きかったですが、どれも良い具合に各作品の雰囲気が融合していてとても面白い短編集でした。こういう企画は他のレーベルではやってないと思うので、今後も是非続けて欲しいです。やはり読んでない作品とのコラボはなかなか手を出し辛いものがあるとおもうので敷居は高そうだけど…


馬鹿は一人でたくさんだ! 魔術士オーフェン無謀編2

[著]秋田 禎信 [絵]草河 遊也

地人の兄弟やマギーに翻弄され、ちっとも身入りのないオーフェン。遂に正真正銘一文無しになってしまった彼は、自らの生活の為、貸し金の取立てに向かうのだったが…!?
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金貸し魔術士のオーフェンが周囲の愉快な人々に翻弄されるハチャメチャな日々を描いた短編集シリーズ第二弾。

なんか読んでるうちに、不幸っぷり炸裂なオーフェンの姿が可愛く思えてきた。なんだろうこの典型的な「振り回され属性」。金貸しの仕事が上手く行かず、生活の困窮っぷりも洒落にならないレベルになって来ました。後半になると最早借金の取立てを諦め、街頭で恐喝(本人的には『靴磨き』)を始めてしまったり、プライドも何処吹く風状態。微笑ましすぎる……というか、この人ヘタに頭使って金貸しやるよりも適当に賞金稼ぎか何かやった方が性にあってるんじゃないだろうかと思うんだけど。きっとオーフェン、短編集の後半では主食が塩水になるに違いない。

そして相変わらずキリランシェロが可愛いです。アザリー・テッシの女傑コンビに振り回されるキリランシェロの姿がとてもいとおしく思えました。あー、でも、この頃から彼の「振り回され属性」は確立してたんだなぁ…(しみじみ)


さよならピアノソナタ3

[著]杉井 光 [絵]植田 亮

夏の合宿・ライブも終え、二学期に突入したナオ達の学校は合唱コンクール、体育祭、文化祭とイベントだらけ。哲郎から貰ったエビチリのコンサートのチケットを巡って何故か真冬と千晶と神楽坂先輩が火花を散らし、合唱コンクールの勝者と2人でコンサートを観に行くことになったナオだったが…!?
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ユーリ可愛いよユーリ!!!
とりあえずこれに尽きます。ナオのライバル的なポジションのキャラクターなのですが、あっけらかんとした爽やかで人懐こいライバル具合も、割とノリノリで女装してしまう性格もかなりドツボでしたよ!今回はナオがかなりうじうじ思い悩む描写が多かったのですが、ナオとユーリの勝負になると一気に場の雰囲気が爽やかになってしまうのが印象的でした。それぞれの立場から様々な形で勝負していく2人の姿が中々面白くて、是非とも彼はレギュラーキャラ化してほしいなあと思う次第です。いえ、女装美少年というポイントは置いておいても。

今回はナオが手に入れたコンサートのペアチケットを巡った合唱コンクール、2回目のライヴとなった文化祭とそれに向けての体育祭と美味しいイベント盛りだくさん。一方、私生活の方でも天才バイオリニスト・ユーリとの対決があったり、真冬がピアニスト復帰への道を模索しだしたり…と、考えるとかなり急展開のお話だったかも。超鈍感なナオも周囲に尻を叩かれまくりながら、少しだけ真冬との進展を果たします。しかし、真冬はあれだけツンツンした態度でクール系っぽく見せかけて、もう本能的にダダ漏れてるデレっぷりが可愛くてしょうがないな!特に、彼女がピアニストに復帰しようと思った経緯や理由には思わずニヤニヤせざるをえない。読者(…や、恐らくそれ以外の登場人物達)には結構序盤でその理由がなんとなく推測ついてしまうのに、勘違いしているナオがとてももどかしい。いや、でも自分の気持ちを遂に少しずつ自覚してくれたのは嬉しい限りでした。

しかし、惜しい点といえば…ここまできたらナオを文化祭のライヴで女装させるべきだったのに!
いや、執事も悪くないけどさぁ……悪くないけどさ!!

余談ですが、合唱コンクールで神楽坂先輩が歌った「あの曲」は普通に元ネタ映画で聞いたことがある曲だったので、超反応しつつ読んでました。「天使にラブソングを」は私が唯一DVDを持ってる洋画であります。偽装シスターでクラブ歌手・デロリスの破天荒ぶりに毒されて、だんだん朱に染まってしまうシスター達が最高なのです。敬虔なシスターさんたちがデロリスの歌唱指導の下ノリノリでロックな聖歌を歌い始めたり、ベガスに渡る為のヘリを調達する為ヘリの運転手を全力で拝み倒すシーンとか、神だと思う。

いやもう、あの曲のデロリスパートを神楽坂先輩が歌ってるって考えるだけで心がときめいた!!またあの映画のDVD見よう。
天使にラブ・ソングを…天使にラブ・ソングを…ウーピー・ゴールドバーグ, マギー・スミス, キャシー・ナジミー, ハーベイ・カイテル, エミール・アルドリーノ

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さよならピアノソナタ2

[著]杉井 光 [絵]植田 亮

めでたく真冬が民音に入部し、バンドが本格始動し始めたある日、神楽坂先輩が突然海での合宿の話とライブの日程を持ってきた。突然の話に驚きながらもなんだかんだと合宿に行く計画を整えていくナオ達だが、真冬の様子がおかしい。父親の反対もあるようだけどどうもそれだけではないようで…
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元・天才ピアニスト少女と音楽評論家の高校生の恋愛や青春を描くシリーズ第二弾。

とりあえず今回の敢闘賞は間違いなくエビチリ。
ちょっと過保護親気味なことは前回ラストからもうかがえましたが、ここまで典型的な親バカだともう笑うしかない。直接的な出番は最初のご訪問シーンとラストのお出迎えしかないのに、何でこの人はこんなに存在感が強いんだ!!真冬の動向を心配しまくったり、ナオにあらぬ疑いをかけたり、携帯を持たせて自分専用の着信音を設定したり……とツッコミ所満載の父親具合に大爆笑。なんつーいい父親だ…!

そしてやはり今回のキモは神楽坂先輩!1巻から高校生離れしたオトコマエっぷりが光る人でしたが、予想以上に重い過去…というか凄い戦績(違)を持つ人で。ナオにおもわせぶりな発言をしたり、弱い部分をさらけ出したり…と彼女の魅力が満タンにつまった話でした。

千晶と真冬もそれぞれが良い味を出していて、明確に表には出してないけどバレバレなナオへの恋心にニヤニヤしてました。特に真冬がナオの呼び方に拘ったりする場面では思わず「ツンデレツンデレ!!」と叫びそうになったり。千晶は典型的な体育会系というか、サッパリとしたいい人でその分真冬に遅れを取ってしまっている部分があるけど、随所で覗かせるナオへの恋心にきゅんとなります。しかし、これだけロコツに好意を向けられて1ミリもそれに気付いてないナオは鈍感というかなんと言うか……ああ、もどかしい。


流れに乗って懐かしのラノベを語ってみる。

ついったやら何やらで、懐かしのライトノベルをブログで語る流れが盛んなようなので便乗してみます。一昔前のコバルト・スニーカー・富士見F・ソノラマあたりを中心に。

余談ですがこのエントリのせいで、「ロスユニ」を読み返したくなった私が居る。

コバルト中心少女小説系
408610783X殺人切符はハート色 (集英社文庫—コバルト・シリーズ)山浦 弘靖
集英社 1985-09
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恋多きツンデレ乙女・星子さんが「いい男探し」の一人旅中に毎回事件に巻き込まれるというトラベルミステリー。「ひとり旅」だけで37冊、その後の「星子&宙太ふたり旅」「星子とらぶるファミリー」まで含めるとシリーズ全52冊という超長編ですが、ストーリーは基本的に1巻完結なので読みやすくはある。私は星子と宙太の微妙なすれ違い関係が好きなので「ひとり旅」までをオススメ。

40619036832100年の人魚姫 (講談社X文庫—ティーンズハート)折原 みと
講談社 1989-10 
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ティーンズハートというとこの人の思い出ばかりだ…なんていうか、夢見がちな女の子のハートにどーんと直撃する王道少女漫画系(というか本職は少女漫画家という珍しい経歴を持つ人)。この人の場合特出してお気に入りのシリーズがないから薦め辛かったりするのですが、逆にいえば安心クォリティで1作ツボにハマったらほとんど全部オススメできるかも?1巻モノが多い(除アナトゥール)ので適当に挿絵で選んで読んでたなあ。昔の絵の方が好きだった

4086145685なんて素敵にジャパネスク (コバルト文庫)氷室 冴子
集英社 1999-04 
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やっぱり平安スキーとしては「ジャパネスク」ですよね!!!しかし、中学の図書館で1回通し読みしただけなので内容覚えてません…すいません。面白かったことは覚えているのでいつか読みなおしたいシリーズですが。…今のうちに手元にそろえて置いておくべき?「クララ白書」「アグネス白書」あたりも好き。

4199050779くますけと一緒に (徳間デュアル文庫)新井 素子
徳間書店 2001-10 
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公言する程の新井素子好きなのに、コバルトの新井素子は殆ど読んでません…狂気系新井素子はあまりラノベに落ちてこないんだよな…。とりあえず素子さんに関してはこちらで熱く語ってます。「おしまいの日」は私の未成年時代の読書経験で一番の衝撃だったと断言できる。

スニーカー・富士見ファンタジア全盛期
404414608X闇の運命(さだめ)を背負う者〈エピソード3〉 (角川スニーカー文庫)神坂 一
角川書店 1999-02 
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神坂一の学園異能バトルもの。中二病患者の主人公が邪気眼全開の転生戦士達の戦いに巻き込まれるというお話。2巻までなら普通の邪気眼異能バトルなんですが、3巻が良くも悪くも……スレイヤーズ本編2部の最終話みたいな展開に噴いた。主人公は結局、最後まで中二病罹患したままだったねえ。

4829128712SMガールズ セイバーマリオネットJ〈11〉機械乙女は少年の夢を見るか? (富士見ファンタジア文庫)あかほり さとる
富士見書房 1999-03 
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当時の富士見Fで一番ハマったのは「スレイヤーズ」よりこっちかも。女性のいない世界で感情を持った3人のマリオネット(機械人形)を目覚めさせた少年・小樽が人間の女性の復活を目指して戦っていく話。ドタバタ系ハーレムラブコメかと思わせておいて、後半は機械と人間は愛し合えるのか…などかなり重い話題が中心になってきます。ラストの終わり方は賛否両論ありそうだけど、なんか凄い好きだった…。…ちなみにキャラ的にはティーゲル姉ちゃんイチオシ。

4044156085ぶれいくだうん・いのせんす—クロックワーク〈2〉 (角川スニーカー文庫)山本 剛
角川書店 1999-01 
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感情を持ち成長するゼンマイ仕掛けの機械人形・チッタとしがない30代探偵シャフトが繰り広げるSFファンタジー。最終巻は急展開の急展開でちょっと強引にオチをつけたような気がしなくもなかったけど、空の上に段層的に街が広がる世界観とか、ちょっとほのぼのとしたキャラクター達が好きでした。山本剛というとやはり「魔導物語」のノベライズもイチオシなんだけど、これも結構好き。

482912881X闇 終わるとき—ロスト・ユニバース〈5〉 (富士見ファンタジア文庫)神坂 一
富士見書房 1999-04 
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神坂作品もういっちょはいりまーす。宇宙をまたにかけた「なんでも屋」が繰り広げるスペオペ。マントマニアで婆コンでスター●ォーズな主人公・ケインがとてもとても好きでした。代表作である「スレイヤーズ!」と世界設定がつながっているんじゃないかと思わせるようなキーワードもさりげに登場するので、スレイヤーズ好きだと結構ニヤニヤできます。

4257768991倒凶十将伝 巻之拾参 (ソノラマ文庫)庄司 卓
朝日ソノラマ 2006-02-25 
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400年の時を経て転生した光の幽将たちが現世魔王の復活を食い止めるべく戦うというお話。幽将達はかつて一度悲劇的な終末を迎えていて、その辺の過去話が結構衝撃だった記憶が。ウン年ぶりに最終巻が発売されてめでたく完結しましたが間空きすぎてて内容殆ど忘れてしまっていたのがとても残念でした。全巻手元にあるのでいつか読み返したい…。

4257768258ペリペティアの福音〈上〉聖墓編 (ソノラマ文庫)秋山 完
朝日ソノラマ 1998-01 
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宇宙の葬儀屋とライバルの巨大医療法人がとある星でみつかた聖墓を巡って争いを繰り広げるお話。同じ世界設定のシリーズが他にもいくつかあるようなので、読んでみたいと思いつつ爽やかに積んでいる私です。名前忘れたけどラスボスポジの腹黒系ロリ少女がとても良い感じでした。

電撃の「Missing」とかノベライズ話とかいろいろネタはあるけど長くなりすぎたのでこの辺でストップ。


女帝・龍凰院麟音の初恋 2

[著]風見 周 [絵]水月 悠

夏休みが明け、2学期も継続して麟音と恋人ごっこを続けることにした悠太。風紀委員長として恋愛を取り締まってきた麟音の交際を学校内で公にすることは憚られ、周囲には知られないようにしてきたつもりだったのだが、ライバルにして巨乳生徒会長の姫神美麗に勘付かれてしまう。麟音を挑発する為、悠太を誘惑する生徒会長におっぱい道3段の悠太はメロメロだが…!?
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世間知らずの"非モテ"貧乳お嬢様・龍凰院麟音と巨乳至上主義の非モテ男子・悠太が恋人ごっこを繰り広げるラブコメ第二弾。今回はラブコメ戦線に巨乳生徒会長乱入でどうなるどうなる!?というお話。相変わらずあざといツンデレっぷり全開の麟音と超鈍感でおっぱい至上主義な悠太の掛け合いが面白い。1巻と比べてもコメディとしての楽しさは爆発的に上がっていたような気が。電車の中で何回か決壊しそうになりました。

麟音のライバルで生徒会長で悠太には憧れの巨乳生徒会長こと姫神美麗の誘惑にすっかりメロメロな悠太にヤキモチ焼きまくり、舌噛みまくりの麟音の姿に思わずニヤニヤ。見た目とのギャップが大きい美麗さんとの遊園地デートで、美麗がだんだん悠太に惹かれていくあたりは思わずきゅんきゅんしてしまいます。悠太の身の翻しようは正直女としてはヒくものがあったのですが…まあ元々憧れの女性だったというんだからしょうがないのかなぁ。あのメロメロっぷりがあるからこそ、悠太が麟音の不在に徐々に物足りなさを感じていくあたりが最高に引き立ってる感じがしますし、終盤の熱血展開も凄く良かったし。

ただ、なんかちぐはぐなモノを感じて戸惑う場面も。
どんなに後で「実は頑張りやさんな良い人」みたいな描かれ方をしても、序盤で麟音に対して行われた虐めがあまりにも陰湿すぎてちょっとドン引きしてしまった、というのが最大のネックでした。なんか後半になると皆が「あの虐めは麟音の今までやってきたことが酷すぎたからしょうがないよね」みたいな感じになってるのが凄い不思議で…もう明らかに「自業自得」で済むレベル超えてたと思うんだけどなあ。あれってヘタすりゃ怪我人や自殺が出るレベルなんじゃと思ったし。……あの場面がもうちょっとライトなものだったらまだ許せた気がするんだけど……なんだろう、この得体の知れないモニョモニョ感。

その部分以外は文句なしに面白かったんですが。悠太のバカかっこよさも相変わらずだし、ギャップ萌えの私としては実は努力屋で可愛い人な生徒会長にも、基本的にはとても萌えておりました。時々麟音のツンデレっぷりや悠太の鈍感ぶりがあざとすぎるなあと感じる場面もありましたが、あれはあれでこのシリーズの味ってことでなんとか…。

今後は生徒会長も恋愛戦線に加わってきそうだし、麟音と悠太の失われた1ヶ月についても新展開がありそうなんで、続きがとても楽しみです。

あ、個人的に今回一番ツボったのは各章毎に差し込まれるメールのやりとりだったかも。誤字脱字だらけ、トンチンカンな顔文字・絵文字使いまくりな麟音の文章も相当おかしいのですが、冷静すぎる悠太のツッコミと蘇芳さんの絶賛ぶりの対比に噴いた。お嬢様莫迦もいい加減にしろよこのメイド。(←褒めてます)


GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン1(下)

[著]川上 稔 [絵]さとやす(TENKEY)

三河消滅の責任を問われ、聖連により"自害"を迫られるホライゾン。自害の刻限が迫る中、総長としての権限を剥奪されたトーリとその仲間達は必死にホライゾンを救う方法を模索しはじめる。トーリは彼女を救い、無事に彼女に告白する事が出来るのか!?
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ラノベ界にまたひとり、とんでもねえバカが誕生したよっ!!

うわあああああトーリかこいいよトーリ!!なんだこの燃えるバカ!!正直1上読んだ状態で「主人公が佐山ほど燃えないんだよなー」とか思っててすいませんごめんなさい。いや、佐山も好きだけどトーリが凄い勢いでバカ好きの私のハートをずぎゅんとぶち抜いていったよ萌え!!!

というわけであとがきでも語られるとおり、1巻からもう既に最終回もびっくりな盛り上がりっぷり。1巻上での怒涛の世界観設定やキャラクターの多さに半分うんざりしかけていたものですが、下巻になっていざメインキャラたちが動き始めるとあれだけ辛い辛いと言っていたキャラクター達が凄い勢いで私の脳に活躍を刻み付けてくる。後半では固有名詞が出ても殆ど最初のキャラクター紹介を見なくなっていたという辺りに、川上作品の恐ろしさを感じます。1上は正直苦痛でしたが…もうなんていうかあれだよな、川上作品好きって割とマゾいよな!色々な意味で!!

とにかく2桁にも上る大漁のキャラクター達それぞれに魅せ場があり、それをいちいち語っていくとキリがないのですが、個人的にはやはり葵姉弟とヨシナヲ王の下りが好きです。ヨシナヲ王は1上ではただのかませ犬的嫌な奴というイメージしかなかったので、1下の展開はびっくりだった。アデーレとのやりとりにはホロリと涙が。

喜美と二代のバトル、そして葵姉弟の過去の一幕も最高。傲岸不遜のわがまま姉ちゃんかと思わせておいて実はめちゃくちゃ弟想いな喜美姐さんに一生着いて行きます私。というかこのラノ2008投票既刊にこの本が出ていたら間違いなく女性キャラ部門2位で姉ちゃんに投票したね!?……というか鈴の作文から始まってヨシナヲ王にセージュンに喜美姉さんに……とにかく何箇所で泣かせれば気がすむのよこの本。

そして何はともあれバカ主人公トーリですよ。いつでもどんなときでも前向きに、そして一途に一生懸命なバカっぷりに感動した!!佐山のように頭脳を駆使して敵に立ち向かうですらなく、全力で味方を信じるという事だけで、後は一種のカリスマで周囲を動かして行くという"戦い方"も新しい。そして何よりも壮絶だったのが、彼が能力を得る為に交わした『契約』の内容。それが明かされた時には思わず鳥肌が立った…あまりにもその設定はシビアだと思うの…。

テンポの良いキャラクター達の会話の応酬、予想も付かないバトルの展開、そして魅力的なキャラクター達が繰り広げる、それぞれの闘い。交渉場面ではちょっと置いていかれそうになったりもしたけど、700ページを余裕で越えるページ数を使って怒涛のように繰り広げられる展開に圧倒されました。壁のように厚い1巻の世界設定説明を乗り越えてでも読む価値はあるシリーズではないかと。今のうちなら2冊しか出てないからまだハードルは低いですよ!!超オススメ!!

…しかし、申し訳ないけど、AHEAD1巻にも言える事だけど"1巻上"のハードルの高さはなんとかならないものか。陸上競技のハードルのレース中、最初にいきなり高跳びのバーが出てきたってくらいの壁を感じる……



余談ですが、1上だけで設定・キャラが理解できなかったという貴方は是非とも下を読む前と読み終わった後に公式で公開されている紹介ムービーを見てみると良いとおもいます。1上読了後は名前やグラフィックを見ても半分も判別できなかったキャラが、あっさり全キャラ判るようになったことにちょっと感動した!すごい勢いでGENESIS世界に洗脳された自分を自覚してなんか感動した!!