“Tiv” の検索結果 | ページ 4 | 今日もだらだら、読書日記。

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ムシウタbug 8th. 夢架ける銀蝶

[著]岩井 恭平 [絵]るろお

流星の降る夜、かっこうやハルキヨ、そして多くの虫憑き達は虫憑きの生まれない世界を創るために“大喰い”と対峙する。そして亜梨子の前には花城摩理が再び現れるが、彼女は亜梨子にとって意外な答えを出して……!?
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「ムシウタ」の前史であるbugシリーズ、最終巻。綺麗に終わって本編へと綺麗につながりました。

亜梨子がこの後どうなったのか、そして“大喰い”との決戦の行方は本編を読んでいるとある程度まで結果が示唆されているのですが、予想を超える激しい展開に呆然。ああ、本編で出てこないキャラはこうなっていたのかー…とか、花城摩理が去ったと思えば、今度は亜梨子が……という感じで、一難去ればまた一難の連続。怒涛の展開にただただ翻弄されてしまう。

夢を亜梨子に託していった摩理の言葉に泣いた。亜梨子を信じて犠牲になった虫憑き達に泣かされた。打ちのめされて、絶望して、自分を見失い掛けて、それでも仲間の言葉で立ちあがった亜梨子が“虫憑きを救う”という自らの夢を次に繋げるため取った行動に泣いた。ここんとこちょっと中だるみしてる印象があったムシウタシリーズだけど、久しぶりの本領発揮というか、とにかく盛大に泣かされた。

本編で示唆される通り“大喰い”を倒す事は出来ないし、大助達は多くの仲間を喪い、せっかく亜梨子が繋げた絆もバラバラに……とドン底状態で終わってしまうのですが、それでも亜梨子という少女が起こした奇跡はかっこうやハルキヨ、そして多くの虫憑き達によって受け継がれていくんだなあと、そんな一筋の光明をみたような気がした最終巻でした。

また、詩歌が欠落者から復活した意味やハルキヨの行動原理など本編での謎も幾つか解き明かされて、ますます本編のクライマックスが楽しみになってきました。この「bug」シリーズからたくさんの夢や想いを受け継いでいる「ムシウタ」本編がどのような結末を迎えるのか、とても楽しみです。

っていうか、ハルキヨと亜梨子の関係にとても萌えた私が居るのですがー!!
ハルキヨはもう王子様のごとく亜梨子を迎えに行っちゃえばいい。
そして大助に起こしてもらえなくてふてくされる亜梨子の姿に凹んでればいいよ!!(酷)


“文学少女”と恋する挿話集 1  / “文学少女”の追想画廊

[著]野村 美月 [絵]竹岡 美穂

柔道部主将の牛園たくみが恋したのは、文芸部に所属する可憐な“文学少女”天野遠子だった。しかし彼女は近頃、生意気な1年生にご執心の様子で……そんな彼の元に、思わぬところから救いの手が!?“文学少女”天野遠子と彼女を取り巻く人々が織りなす短編集第一弾。
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“文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫 の 2-7-1)
 
“文学少女”の追想画廊
 
【恋する挿話集1】
「FBオンライン」で掲載されていた短編と書き下ろしを中心にした、“文学少女”シリーズの短編集第1弾。

遠子先輩の文学語りがメインな「今日のおやつ」のほか、日常のなんてことない騒動を中心に描かれている短編が多いので「美味しそうな」物語を思う存分堪能しました。本編終盤のシリアスな物語展開も秀逸だったけど、やっぱり美味しそうに「ごはん」を平らげる遠子先輩の蘊蓄は格別なものがあるよね!!

のーみそ筋肉な牛魔王こと牛園くんや、文芸部とひょんなことから『盟友』関係となったボート部の皆さんなど、短編にしか出てこないキャラクター達もコミカルに動き回って、彼らや遠子先輩に振り回されるコノハの姿にニヤニヤせざるをえません。しかし、「革命する労働者」のコノハくんは最高に“受”だよねー。遠子先輩の「裂けちゃって大変」にはおもわず緑茶噴いた。コラボでチラリと披露された遠子先輩の腐女子な一面は「おやつ」の方でもっと何回か披露されていた気がするので、次巻に超期待です。

その他、姫倉さんと遠子先輩の出会いや流人くんが巻き起こす大騒動を描いた短編など、サブキャラクターに視点を当てた短編がいくつか収録されていますが、一番印象に残ったのはやはり美羽と芥川のその後を描く「無口な王子と歩き下手の人魚」。不器用な芥川君と、ツンデレ全開な美羽のやりとりが可愛いのなんの。決して甘いだけの短編ではないのですが、このシリーズらしいほろ苦さでとても良かったです。


【追想画廊】
竹岡さんのイラストに野村さんの文章と短編が添えられた、画集…というかファンブック。
アニメイトで買うと初回特典で野村さんの短編がもう1個読めます。「神に臨む?」で遠子先輩が心葉の為にシュークリームを作るお話で、流人くんの目線から描かれる恋する乙女な遠子先輩がたまりません。

本編を思い出しながらイラストと添えられた文章を追っていくと、本編を読んだ時の胸の痛さがよみがえってきます。イラストの雰囲気も文章もぴったりとマッチしていて、存分に堪能できました。しかし、書き下ろしイラストの美羽が素でコノハちゃんに見えた私はどうしたらいいんだろう……

掲載されている短編は本編終了後、大学に入った心葉のお話。離れて暮らす二人の話なのに、本編最大級のラブラブっぷりなのはどういうことか。「恋する挿話集1」の方に掲載されている、大学に進んだ遠子の物語「今日のおやつ 特別編」と合わせて読むとなんだか感慨深いものがありますね。

っていうかこの短編でのラストの心葉のセリフはなんかもう、殺し文句すぎてズルいよ!
これ先に読んでいたら「このラノ2009」は間違いなくコノハに投票してたのに!


テイルズ オブ シンフォニア ?ラタトスクの騎士?世界の願い3

[著]矢島 さら [絵]奥村 大悟

ラタトスクを開放するため、様々な人との出会いを繰り返しながら旅を続けるエミルとマルタ。しかし、エミルは戦闘中以外でも別人格に支配されることが増え、その間の記憶も維持できなくなってしまう。そんな時、雷のセンチュリオン・コアを求めて王立研究院をたずねた一行は、かつて研究所にエミルと瓜二つの青年が存在したと聞き…
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「ラタトスクの騎士」のノベライズ、完結編。

エミルかわいいよエミル。
私が二重人格とツンデレ萌えだと知っての狼藉かっ!!いやどっちかっていうとエミルっていうよりあっちの人が好みな訳ですがっ!!表人格は当たり障りのない優しい男の子で裏人格は乱暴者なツンデレってどれだけこの子は私のストライクゾーンをつけば気が済むのかっ!!しかも中の人は明久の(それはもういい)

しかし、やっぱりゲームの内容を淡々と忠実再現するだけの文章は受け付けられなかったなあ…ていうか「面白いことをやってる」っていうのはわかるのに「文章が淡々としすぎてて面白く感じられない」って致命傷すぎる。2巻でも言ったけど、RPGゲームのノベライズで戦闘シーンを技名連呼でごまかすのはノベライズとして下の下だよ…。特に、今回はこれまでの巻以上にストーリーの把握に必要な場面の文章だけを忠実に書き写してつぎはぎしたという印象を受けて…ひょっとして、尺が足りなかったの?1巻でソーサラーリングの説明なんていらんことに無駄な紙面費やしてたらごらんの有様だよ!!

前作である「シンフォニア」関係設定が説明不足すぎるのも気になる。特に仲間になった所を境目にする、ロイドのキャラの変わりっぷりがヤバイ。……そりゃあ確かにTOSやってれば、ロイドがもともと熱血バカ系主人公だってことは知ってるんだけど!!態度の豹変が唐突すぎてもともとのロイドを知っていても首を傾げてしまうのはさすがにどうかと…もともとロイドの描写が少なすぎるので、物凄い違和感を感じてしまう。すでにゲームをプレイした人間には全く面白くないような物語構成なのに、何故か随所で「原作を全部やってる人が読むの前提」みたいな謎の暗黙の了解を感じるんだよな……結局このシリーズが、どういう層に向かって書かれているのかはっきりしないというか。

結局、自分はこの作者さんの文章とは壊滅的に合わなかったってことなんだろうなぁ…。ゲームの本筋はとても自分のツボにきたので、いつか原作のゲームには挑戦したい…でもWiiのRPGは色々ツライよ!!早くPS2に移植してください!!!(←結論)


黄昏色の詠使い8 百億の星にリリスは祈り

[著]細音 啓 [絵]竹岡 美穂

エンジュでシャオ達と対峙したネイト達は、それぞれの因縁の相手から世界の真実、名詠式が生まれた訳を聞かされる。また、クルーエルはアーマから、自らが忘れ去った過去と存在意義を垣間見る。彼らが聞かされた、世界の真実とは……
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名詠式の真実とクルーエルの正体に迫るシリーズ第八弾!……なんだけど、説明メインの回という感じでどうしてもダレる……しきりに場面や語り手を転換させて、説明に飽きがないよう配慮しているのはなんとなくわかるのですが、それにしても物語の最初から半分近くに至るまで延々と説明っていうのはちょっと。

これはもう、色々な意味でどうしようもないことかもしれませんが7?8巻を一気読みしていたら、全然感じ方が違ったと思う。7巻読み終わったときのテンションがあればその後100P以上延々と世界観解説でも何も感じなかったと思うんだけど、7巻発売から時間がたって、半分くらい前の話がうろ覚えになってたところに突然これを出されるのはつらいものが……どうせ2冊まとめたって「終わりのクロニクル7」より分厚くなる事はありえないんだからいっそまとめてしまえばよかったじゃない。600Pくらいの厚さならまだまだ全然余裕だよ!!!

リアルの都合で一気読みできなかったというのもあるけど、その後ようやく戦闘に入ってもいまいち盛り上がりが足りなかったように思える。個人的に私の場合、このシリーズの最大の魅力はやっぱりネイトとクルーエルの恋模様にあると思うので、それ以外のキャラのバトルにいまいち興味がもてなかったというのはあるかも。悪くはなかったんだけど、興味はもてなかったというのが本当のところかなあ。


SH@PPLE?しゃっぷる? 4

[著]竹岡 葉月 [絵]よう太

「人力リバーフェスタ」で演劇をすることになった雪国達空舟五中とローズロワイヤルは、青美女学院で合宿を行うことに。必死な稽古の合間で女の子たちに着せ替え人形にされたり、肝試しをしたり……と夏休みを満喫する一同だが、雪国の秘密を知る「X氏」から脅迫を受けて!?
   個人的お気に入り度数
それで、あのハリセンはどこに行けば買えますか?
カラー挿絵のはっちゃけ具合がすばらしいですねさいんこさいんたんじぇんと!私もあんなハリセンほしいです。舞姫モードの雪国はぶっちゃけ舞姫と区別つかない状態なので正直「女装萌え」という感じではまったくなくて残念だなあと思っていたらこんなところでカラー挿絵でやってくれるなんて男らしすぎる!一生ついていきます!!

それにしても、雪国近辺の女性関係がどんどんすごいことに……鳥子じゃないけど、「こんなたらしに誰がした」ってツッコミしてあげたくなります。雪国の気持ちは明確に蜜に向いてるんだけど、気づいてない胡蝶の宮と、あきらめきれない鳥子の行動と二人の気持ちに気づけない雪国、そして雪国と舞姫の入れ替わりがひたすら事態をややこしくしちゃってる感じが……鳥子が言うとおり、蜜と雪国がくっつくのはこのわだかまりをひとつひとつ解いていかないといけない…って思うとなかなか大変そう。買い物に行った時の、鳥子の心からの言葉が胸に痛いのに、何の疑いもなく「悪戯だ」と言われた言葉を信じてしまう雪国に思わずやきもきしたり。

3巻とは打って変わって女の子らしい部分を覗かせた鳥子とは対照的に、胡蝶の宮は「ローズロワイヤル会長」としての、かっこいい部分が多かった気がします。ただのお嬢様ではなくて、ひとつの団体を統べる長としての矜持もプライドも持ち合わせている彼女がかっこいい。一方でそういった上に立つ者としての責任を背負いきれるほど大人になれているわけでもなくて…体育倉庫で弱気になる彼女の姿がとても印象的でした。

しかしなんといっても今回一番面白かったのはやはり雪国の女装シーンとラストの人力リバーフェスタでのしっちゃかめっちゃかなお芝居だったかな。必死に雪国達が戻るまで劇をつなげようとする皆の思いとは裏腹に、どんどん変なことになっていくお芝居の様子が大変そうだけどものすごく楽しそうで、笑いが止まりません。そして今回最後まで可哀想な芝目……(笑)

X氏の正体も発覚してようやく元の鞘に納まった雪国&舞姫。次はどんなお話になるのか、とても楽しみです。今回割りと鳥子&胡蝶の宮にいいところもってかれ気味に感じたので、蜜の活躍も期待したいかも。


H+P(2) —ひめぱら—

[著]風見 周 [絵]ひなた 睦月


次代のお世継ぎを作るため、5人のお姫様たちの“王仕さま”として異世界に召喚された神来恭太郎。しかし、いまどき珍しいほどのカタブツである彼はどんなに誘惑されても彼女たちに手を出そうとしてこない。業を煮やした第三王女・エリスがピコルに相談を持ちかけたところ、リゾート地でのバカンスを提案されて?!
   個人的お気に入り度数
5人のお姫様+カタブツ侍少年が織り成すちょっぴりエッチなラブコメ第二弾。今回は「たゆんたゆん」な第二王女・レイシアとツンデレ高飛車第三王女・エリスのターン!挿絵がいちいちエロくて間違っても公衆の面前では開けません!!ていうか本を開いたとたんにカラーページでたゆんたゆん王女が触手に絡まれてるのはどういう了見ですか!!!

海辺のリゾートでオイル塗り、エッチな罠が目白押しのアトラクション、トドメは無人島で二人きり……とお約束すぎるエロハプニングの連続(笑)特にオイル塗りをせがまれて、必死に冷静を保とうとする恭太郎にすごい勢いで追撃をかけていく王女達の姿に爆笑してしまいました。相変わらず頭をからっぽにして楽しめる頭の悪いラブコメぶりが最高です。

わかりやすい高飛車ツンデレ娘なエリスが、恭太郎に惹かれて行く姿もものすごくかわいいのですが、それまでいまいち底が見えなかったレイシアの本音が一瞬だけ覗けたのも面白かった。「世継ぎを作って国を護るために」本人の意思とは無関係に向けられていた恭太郎への好意が、少しずつ本物の好意に変わってく様子が微笑ましい。ラストでメルルがそれとなく二人の変化に気づくシーンも面白いです。

…さてさて、ラストで第四王女が怪しげな動きを見せているのですが次は順番からいっても、このメガネっ娘のターン?いろいろと予想外の動きを見せてくれそうな予感がするのでとても楽しみです。


天元突破グレンラガン4

[著]中島 かずき [絵]品川 宏樹 [原作]GAINAX

再び立ち上がり、ヴィラルと宿命合体を果たしたシモンは、地球の危機を救うため…そしてアンチスパイラルのメッセンジャーとして自分の元を去ったニアを取り戻すため、宇宙へ上がる。ニアの残した痕跡を頼りに、アンチスパイラルの潜む隔絶宇宙へと旅立つ銀河グレン団の一行だが…!?
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アニメ「天元突破グレンラガン」のノベライズ、完結編。

「合体しすぎ」くらいの勢いで合体しまくり、最後は超巨大ロボット同士の最終決戦。正直テラ・カテドラルとか出た瞬間に「またラガンがそいつと合体するんだろ!!ネタはもうわかってんだよ!!!」とか思わなくもなかったですが、そのお約束っぷりを貫いてくれるのがこの作品のよさと言うか。ある意味「予想通り」の王道熱血ロボットアニメ展開には胸を熱くされっぱなし。

とりあえず、何はともあれカミナとキタン、おいしいところもってきすぎですから!!!大グレン団古株の面々が次々と玉砕していくところは、熱すぎて泣いた。そしてカミナとシモン、ヨーコの再会熱過ぎる!!!皆の中で、比喩ではなくてカミナは永遠なんだなあと。あんな序盤に死んで、それから何年も経ってる設定なのに皆の中で未だに「過去」になってないカミナ、いい男過ぎる。これまでの敵や味方も文字通り「一体」となってアンチスパイラルに挑む最終決戦も素敵でした。しかし、天元突破した後の名詞としての「天元突破グレンラガン」の連呼はちょっと雰囲気壊れるかなあ……どうしてもやっぱり、番組タイトルというイメージが強すぎて名詞として認識できないんですよね…。

シモンとニアの恋の行方は切なかった。今度こそ幸せになれると思ったのに……いえ、あの二人にとっては納得ずくの未来で、十分「しあわせ」だったんだろうけど。幸せそうすぎて逆に切ないニアの最期と、エピローグのシモンの姿にホロリとしました。別にあのエピローグが悪いというわけではないんだけど、ニアがああならなければもっとちがった、もっと賑やかなエピローグの形があったのではないかなあ…とかついつい想像してしまいます。

あとがきいわく、ラストバトルの展開は映画版「螺巖編」の未使用になったプロットを基にしたオリジナル展開らしいので、気になる人はここだけでも読んでみるとよいかも。私もアニメ見るのが途中で止まっているのでそろそろラストまでちゃんと見たいところです。


人類は衰退しました4

[著]田中 ロミオ [絵]山崎 透

前回の一件の罰として自慢の髪を切られてしまったので、しばらく外に出たくありません……などという主張がこのご時世に通じるわけもなく、今となっては貴重な肉を得るため町の娘さん達とお手伝いにやってきました。ところが慣れない作業に手間取った挙句、鶏さんたちを逃がしてしまって…
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ほのぼのまったり、しかし時々ちょっぴりブラックな異文化コミュニケーションストーリー第四弾。

1編目は衰退してしまった人類の乏しい食糧事情に妖精さんたちが鋭いメスを入れる(違う)「妖精さんの、ひみつのこうじょう」。相変わらずなんとなく癒されるようせいさんの言動に癒されつつ、要所要所で挟まれるブラックさがたまりません。特に序盤で、この世界での食糧事情がそれとなく明かされたのは地味に衝撃でした。なんかあまりにもまったりとスローライフ送っているからわからなかったけど、実は結構食糧事情からして深刻だったのですね…。

お菓子を作くれない“私”から聞かされた、意外に深刻な食糧事情を改善するためようせいさんたちが立ち上がるのですが……微妙な味の缶詰が量産されたり、加工済鶏肉が村を駆け回ったり……と例によってしっちゃかめっちゃかに。喜んでいいのか悲しんでいいのか複雑な気分なオチといい、いろいろと最高でした。文化局長の駄目人間っぷりがさらによい味出してる。

とりあえず小学館は早くこの「助手さんの絵本」を商品化すべき。
子供には間違っても読ませたくない一品になりそうだけど私がほしい!前回の「ごちそうさまぁっ♪」と合わせて、ぜひお願いします。

2編目はようせいさんが過密に集まりすぎてしまった弊害でネガティブになってしまったようせいさんたちと"私"のサバイバルな国家興亡を描いた「妖精さんの、ひょうりゅうせいかつ」。これ以上のようせい過密状態を防止するため、ネガティブになってしまったようせいさんたちを元に戻すため、そのようせいさんたちを連れて村から離れた場所で生活を余儀なくされた“私”の話。

ようせいさんたちをポジティブな方向に持ち上げようとしつつもさりげなく自分の主張を通しまくり、気がつけばようせいさんたちが築いた王国の女王として君臨してしまっている主人公。後半でようせいさんが●●を製造してしょっぴかれるシーンとか、結局国が滅んだ理由とか、無駄に現実味あって猛烈にシュールだ。でも自分はしっかり楽して過ごすようせいさんとのサバイバル生活はとても楽しそうです。

不思議科学力に頼って、増長し、最後やりすぎて自滅するパターンはかの有名な「ド●えもん」を思い出すなぁ。何か来年は「新展開」があるそうですが、案外15分1話形式の子供番組風アニメとかも向いてるのかも知れないとか思いました。


ガーゴイルおるたなてぃぶ4

[著]田口 仙年堂 [絵]日向 悠二

お七婆さんの節約食事術に感服しつつ、ミズチの動向に関する情報収集を行っていたひかるたち。調べていくうちにミズチが様々な人物を相手にとんでもない脅迫を行っていることがあきらかに。彼らの陰謀を食い止めるために動き出そうとしたひかるたちの前に、パワーアップした狛が立ちふさがる…!?
   個人的お気に入り度数
Lv.1なご近所ヒーロー・ひかる&ガー助コンビが繰り広げるもうひとつの「ガーゴイル」シリーズ、完結編。レイジとの決着がこちらで付かないのは解っていたのでどうやってオチをつけるのかと思ったんだけど、予想とおりあの人がラスボスとして出てきました。本編の「ガーゴイル」で軽く触れられていた、喜一郎が平賀に拾われて古科学をはじめた話ってこちらへの伏線だったんですね。

悪くはなかったけど序盤からバトル、バトル、バトルの連続でやはりそれ以外の部分への物足りなさが否めなかったかなあ。最後だし(最後だからこそ)もうちょっと日常描写がほしかった気がするのですが…個人的には日常分:バトル分の比率は3巻あたりが一番ちょうど良かったかも。

悪い意味で、3巻が盛り上がりすぎてて4巻が一種の後処理に見える。これまで「1つの生命をひかるとガー助の2人で分け合っている」という設定から生じていたバトル中の危機感が3巻で解消されてしまった上に、やはりレイジと比べると今回のボスキャラトリオは格が一段劣る感じで…。

個人的には、ひかるたちの活躍よりもお七御婆ちゃん大活躍にニヤニヤが止まりません。もう私、どんだけこのお婆ちゃん好きなんだと思うけど!!あと最初から最後まで可哀そうな役のヒッシャム哀れ。

このシリーズは一応ここで完結。来月「ガーゴイルおるたなてぃぶZERO」という番外編?っぽいタイトルの発売が予告されているのですが、こちらはどうなるのかな。個人的にはやはりバトルメインになったせいでおざなりになりがちだった逸色ビルの面々とのふれあいを中心にしたほのぼの番外編とかだったら嬉しいけど(エピローグでちょっと出てきた狛とガー介の凸凹コンビっぷりとかもっと見たい)、原作で事件の顛末しか語られていない板垣さんが古科学者に利用された事件の話とかになりそうな気もするなあ…


ドラマCD バカとテストと召喚獣 vol.2

ドラマCD バカとテストと召喚獣 vol.2

下野紘 中原麻衣 清水香里 谷山紀章 水原薫 川田紳司 氷青 津田健次郎
個人的お気に入り度数
  
原作2巻の内容+オリジナルの物語を1編収録した「バカとテストと召喚獣」のドラマCD第二弾。
うーん……相変わらずキャストはぴったりだし、悪くは無かったけど1巻ほどは大絶賛できないかなあ…というのが本音かなぁ…ハイテンションなやり取りは相変わらず良いんですが。

「バカと学園祭と走馬灯」
原作2巻、学園祭に関するエピソード。「走馬灯」というサブタイトルからもある程度想像がつくかもしれませんが、今回は振り返りのシチュエーションが何気に面白おかしいw明久が死んだら生命保険を受け取る気マンマンの雄二は、明久とどんだけゼロ距離なお付き合いをしているというのですか。その後のバカテスト「現代国語」が何気に本編の内容と連動してるのには噴きました。

しかし、えーとすいません、私の2巻に対する思い入れが無駄に強い事は否定しませんが、なんかちょっと物足りなかったです……バトル以外の駆け引きがメインの準決勝以外のバトルが片っ端からはしょられたのはある程度は仕方ないかなあとは思うのですが…やっぱ2巻って、バトルメインの話なんだよなあ……。特に2巻最大の見せ場であるはずの決勝戦で明久・雄二が常夏コンビをボコにする擬音だけで終了したのは、もうギャグにしか見えなくて泣いた。いえ、確かにギャグ小説なんだけど。ギャグ小説なんだけどっ!!そこでギャグで落とすのはなんかバカテスとして違うと思う!!!

一応美味しいところは全部浚ってくれてるんですが、全体的に酷くはしょり気味で物足りない。30分にムリヤリ主要エピソードを詰め込んだせいでぎゅうぎゅうに詰め込んでしまったムリヤリ感みたいなのが露呈してる気がします。うーん、1巻もかなりはしょられてたけど、今回のような不自然さはそこまで感じなかったんだけど…

名前を知らないはず3年生コンビの事を明久がいきなり「常夏コンビ」と呼んでいたり、バトルを避けまくってたせいで明久の「日本史:166点」の凄さがイマイチ伝わってこなかったり…と、原作知らない人にはちんぷんかんぷんなドラマCDになってるのも気になります。特にテストの点数はやっぱ、普段の明久の点数(※1巻の頃から100点前後上がってる)知ってないとイマイチピンと来ないよなあ…。

後述しますが明らかに原作知らない、声優目当て腐女子層も喜びそうなシーンが結構あるので、これ原作知ってる人だけが楽しむつくりにするのはもったいないと思うんだけど…

っていうか常夏コンビに対して、明久が敬語で教頭に加担した理由を聞く場面が大好きなのにっ!!!あそことメイドアキちゃんを常夏が目線でセクハラする場面がはしょられたのはマジメに泣きましたが!!!泣きましたが!!!!大事な事だから2回言ったっ!!!

ああ、でも、カラオケボックスのシーンが最高すぎるのでもうなんか駄目なとこ全部どうでもいいかもしれないっ!!チンピラどもの暴挙に対して後先考えずにマジギレする明久もとても良いのですが、その後の雄二&ムッツリーニ乱入場面が最高にかっこよすぎる。雄二の「…貸しイチだからな?」にきゅんきゅんときめいた!!!ああもう悪友最高!!!!!

あとあと、ラストの姫路さんの呟きは最高だなあ。こういう演出ってやっぱ音じゃないとできない演出だもんなあ……原作で読んだときもきゅんとなりましたが、改めて聞くととても素晴らしかったです。

そして何気に今回も全問新問なバカテストがミモノです。先生がどんどんノリツッコミになっていく姿がステキすぎます。「数学」で生徒に嫉妬する先生の姿が哀愁を誘う…

「バカとスケベと冤罪疑惑」
間に挟まったバカテスト「古文」、何気にコラボネタだよっ!!たしかにあのセリフは声つきで聞きたかった。明久グッジョブ!!!ていうか、色々な意味で間違ってないよなああの答え……

そんなわけで後半はお姉ちゃんにお弁当を届けに来た葉月ちゃんと、ムッツリーニ&明久コンビがおかしな誤解(?)をされてF組生徒達と校内を股にかけた追いかけっこになるというお話。当初の目的を忘れて明久を追い詰めるのにノリノリな雄二と、同無駄にキビキビと戦況を報告してくるF組メンバーと、凄い勢いで目撃者を引っ張ってくる姫路さんの張り切りっぷりが面白おかしすぎる。つか、姫路さんがマジ怖いです(「走馬灯」の方も含めて)。出番ない所為もあるけど、9割くらい声が黒かった気がします。これなんてL5竜宮レナ。

「走馬灯」ではしょられた白金の腕輪の効果も雄二の方だけとはいえさりげなくこちらでお目見えさせたり、3巻以降の悪友コンビ&校長のちょっとした繋がりを思わせる描写もあって、物語のつくりとしても面白かった。
うん、やっぱりドラマCDだとバトルのないドタバタ話の方が面白いみたいです。
ムッツリーニの半分わざとな悪意と、葉月ちゃんの無意識な悪意によってどんどんドツボにハマっていく明久が可愛すぎました。

「キャストによるリアルバカテスト」
えーとりあえず一言だけ。

谷山さん「(声優は)褒められたがりが多い。下野くんなんか特にそうですよ。(中略)
 おめーなんか、くるぶしの形いいよな!ち●び綺麗だなー!!!」
下野さん「それ全部普通に見えるところじゃないからーーーっ!?」


 

 な ん の サ ー ビ ス だ こ れ は 。

普通に谷山×下野なのか、そうなのか!!
中の人に興味はないですがうっかり普通にカップリングに見えちゃったぞ!?
声優系腐女子必見?!

冗談はとにかく、下野さんの弄られっぷりは見てて和む。まさに「空回りのホームラン王」。