ページ 90 | 今日もだらだら、読書日記。

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生徒会の九重 碧陽学園生徒会議事録9

 

ようこそ、私立碧陽学園生徒会室へ!美少女役員四人+おまけ一人、生徒諸君のため―突然ですが、ここで中継を繋ぎます!第801回ヘキヨウカップ、各馬一斉にスタート。先頭はヒンニューステータスとネッケツタロー。ヒンニューは常に本命視されながらやる気に欠ける状態、ネッケツはここに来て急躍進、新たな本命馬と名高いです!様子を窺うように二頭の後に続くのはドエスノホマレ。実力はNo.1と言われながらここ一番に弱い!最後に大きく遅れてビーエルラバー。以前他を圧倒する力を見せて以降、不振が続いています!最後まで目が離せない展開になってきました!おっと、ここで飛び出したのは―中を読んでご確認ください。(「BOOK」データベースより)

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あらすじがいまだかつてなく酷い!今までも結構酷かったけど!!ほか3つも大概に酷いけど「ドエスノホマレ」噴いた。

そんなわけで生徒会室で残念な人たちがだらだら駄弁ってるだけの「生徒会の一存」シリーズもいよいよ本編完結に向けてラストスパート。いつも通りの会話劇の一方で卒業という二文字が目と鼻の先に迫ってきて、笑う間にややしんみりする。

ようやく明かされた会長の過去やばい。快活だが極度の人見知りだった彼女が「はじめての親友」と出会い、別れ、迷走し、そして「高校初めての親友」である知弦の言葉によって今の彼女になった。今の彼女が在るのは家族や親友をはじめ、たくさんの人の愛情のおかげなんだなあ、と思うと胸が熱くなりました。まさか生徒会シリーズで泣かされるとは思わなかったんだ……そしてオチでしっかり落としてくる(しかも二段落ち)ところが非常にこのシリーズらしくて素晴らしいwww

そしてバレンタイン話でのヒロイン4人のデレ具合とリリシアの話での鍵のかっこよさがヤバイ。普段は余裕たっぷり大人の貫禄な知弦さんがあわてふためく姿にもニヤニヤしたし、真冬ちゃんのほのかな嫉妬にもニヤニヤしました。そして深夏のデレが不可解すぎて一周回って可愛いw

いよいよ差し迫った「卒業式」という別れの時を控え、最終巻ではどんな物語が待っているのか。最後の舞台で鍵とくりむがどんな言葉で「送辞」「答辞」をかわすのか。あと最終巻での鍵のエロい表紙にも期待せざるをえません(最後超重要)

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ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc6

 

難易度Sの選択肢――クリアの鍵は舞い降りる!?
「なんじゃ、こりゃ――っ!」 雄叫びとともに来襲した従妹の麻衣。中学までの武紀と、主人公道を極めんとする今の彼とのギャップに驚きつつ、その変化を受け入れる彼女だったが……「二度とタケにいに近づかないで!」武紀を想うあまりヒロイン達に残酷な言葉を口にしてしまう。違うんだ麻衣! わかってくれ理恵、俺の気持ちは――って何故ここに『エターナル イノセンス』がある!? 選択肢無限の真世界を奔走する、青春ADVノベル、待望の第6弾!

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男の友情 やばい

武紀を兄と慕うブラコン従姉妹・麻衣の登場により再び武紀達の関係に波紋が広がっているさなか、管理者側ではシステムに負荷がかかりすぎている「エターナルイノセンス」の投影情報を全て削除しようとする動きが持ち上がっていて……というお話。

中学時代の武紀さんの話でRe:バカを思い出したのは私だけじゃないはず。光一と同類だったのか武紀さん……いや「ストリートに舞い降りた漆黒の堕天使」……

麻衣からの糾弾に加えて武紀が“誰も選ばなかった”事により、結果的に投影したヒロイン達全員に害が及ぶ……という展開が容赦ない。同時に、「もし武紀がヒロイン達の誰かを選んだ場合の世界」が提示されていくのも幸せそうな彼等の姿とは対象的に結構酷い展開だよなあ。それでも「みんなの居る未来でなくては嫌だ」と言葉だけではなく行動で示そうとする武紀の姿は、これまでの物語の中での成長を感じさせて胸が熱くなる。

ただ、武紀は正直、問題点を履き違えているように思えてならない。社会的倫理観や法の問題なんかどうでもいい話で、誰も選ばないという状態でヒロイン達が本当に満足できるかが問題ではないの?なんかその辺、ちょっと武紀の独りよがり的な印象を受けてモヤモヤ。というかこの段階でまだ社会的倫理観や法を気にしている武紀のヘタレっぷりにびっくりだよ…。いや、それが避けては通れない大事な問題っていうのもわかるんだけどさ…。

それにしても相変わらず男子関係が美味しい。翔也とのやりとりも美味しいのですがとにかく今回の正樹&武紀やばいマジやばい。離れた所で協力し合う主人公コンビの親友具合にニヤニヤが止まりませんでした!!危機に陥った理恵のところにかっこよく参上する正樹のかっこよさ半端ない。いいぞいいぞもっとやれー!

本編的には「Fandisc」から扱いが増えてきていた四阿ちゃんがいよいよサブヒロイン昇格の雰囲気で、そして最後で遂に待ちに待ったあのひとが現実産の正ヒロイン昇格なのか!?というかラストの引きが凄すぎて言葉がない。うわああああこれは続きが楽しみです!!!

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それゆけ! 宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ[完全版] I

 

私立東綾瀬高校に通う山本洋子は、学業優秀にして運動神経も抜群!しかも、その筋では有名な天才ゲーマーとして無敵を誇っており、『先天的に偉そうな態度』と相まって教師の間では“扱いにくい生徒ナンバー1”に輝いていた。そんな彼女が放課後に向かった先は、宇宙戦争が繰り広げられている一千年未来の戦艦の中!?未完の超人気シリーズがファイナル・ステージ攻略を目指して再始動。 (「BOOK」データベースより)

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富士見ファンタジア文庫から発行され、同世代「続編マダー?」シリーズの代表作として君臨していたヤマモト・ヨーコの新装/完全版。ファンタジア文庫版の本編1巻「ゲットレディ!」と2巻「自由落下のクリスマスキャロル」に書き下ろしの『体験版』を収録しています。私は刊行当初リアルタイムで読んでいて確か8巻くらいまで既読。

赤石沢さんのイラストがCGになっていることもそうだけど、出てくるゲームやアニメネタ、全てが懐かしい。私も実際にハード持っていたわけじゃないですが、ネオジオとか3DOとか今の若い子は知らないのかと思うと感慨深いものがあります。逆に、読んでた当初はわからなかったネタが判るようになってたりするのも楽しいなぁ。「SYSOP」の意味とか、「京都にある某会社」と「灰色の弁当箱を踏みつぶす」の意味を今更ながら理解しました……

ちょっと前のゲーム・アニメネタは置いておくと、今読んでも古臭さを感じさせず普通に楽しめます。「あたしが面白ければなんでもいい!」的な洋子のキャラクターにはスレイヤーズ全盛期の富士見ヒロインのテンプレ的な物を感じますが、洋子とまどかの言い争いとかいつのまにか仲良しになっちゃってる紅葉とエリュトロンちゃんとかとてもニヤニヤする。ロートの喋り方は微妙に今風アレンジされてましたね(?だお、とか)あと、綾乃の戦闘は今読んでも凄く独特で面白かったです。敵艦を投げ飛ばす「格闘戦艦」って発想そのものが凄く面白い。個人的に4編全部の中でも彼女のデビュー戦話が一番好きかな。

今回はメイン4人の顔見せ的な展開で終わって居るのですが、それでも凄く面白かった!次巻以降の物語を、当時の読者の一人として新たな気持ちで楽しみにしたいと思います。

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死神姫の再婚 5つの絆の幕間劇

 

アリシアとカシュヴァーンの間に設定された、ルアークの誕生日。盛大な誕生会を開催することになったライセン一家は、それぞれ個性溢れる祝いの品を用意するが…そこにやってきた、奇妙な誕生祝いとは!?また、ティルナードがセイグラムに隠れて外出をするあんな一日や、レネがバルロイから決別(?)するこんな大騒動など、これまで語られることのなかった五つの「絆」を紡ぐ短編集が登場!死神妻と暴君夫、いつもとちょっとだけ違うおかしな夫婦の日常は、いつも以上に甘ーいラブが大増量。 (「BOOK」データベースより)

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「まあ、申し訳ありませんわ、カシュヴァーン様。私、何を協力すればよろしいの?」
「……そうだな。とりあえず、『好き』といってくれるか?」

カシュヴァーン様がますます残念で度し難い人に!!!

物語の幕間を描く5つのお話を収録した短編集。本編でも散々残念な妻バカっぷりを発揮してくださっているカシュヴァーンが一周回ってもはや残念可愛い。カシュヴァーンのアリシアLOVEが炸裂してルアークとマジ勝負したり、アリシアに「プレゼントはわ・た・し」をリクエストしてアリシアの天然ボケに阻まれたり、アリシアといちゃいちゃするために乙女小説にチャレンジして瀕死になりながら猫魔王様にときめいたりします。たいへん(残念)可愛いです。

そしてそれを残念な目で眺めるティルナードもすっかりノーラLOVE炸裂状態だったりするわけですが、彼はセイグラムに初夜の何をてほどきしてもらったんですか。何をてほどきしてもらったんですか何をてほどきしてもらったんですかそこんとこくわしく!!!!!!

短編的にはジスカルドとエルティーナ様のお話が好きでした。典型的な物語のお姫様と王子様のような出会いをして、それでも最後の最後で気持ちを通じ合わせる事が出来ない二人の姿と、アリシアとカシュヴァーンの様子を見守りながらもどこか羨望の眼差しを向けるエルティーナ様の恋心が印象的な、ちょっと切ないお話でした。

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天使から百年2 天使から零年

 

「僕の過去に踏み込む、君みたいな…無神経な人間ははじめてだ」怒りの滲むイズシールの声を聞いても、カイは怖くなかった。だって私は―イズシール先輩の味方になると決めたから。異形の敵・ロドーリーの攻撃で、現代日本に飛ばされたカイたち。彼女たちの前に、大天使・キュービドーの力を受けたという青年・雪村誠が現れた。元の世界に戻る手がかりを求め、誠と一緒に行動するうちに、カイはたくさんの“真実”を目の当たりにする。大天使の願い、ユイカの気持ち、そしてイズシールの過去。自分を取り巻く人たちの“想い”に触れ、カイの中で何かが変わり始める―。これは自分の願いを見つけた少女が、世界と向き合う物語。(「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

え、うそ、あと1冊で終わり?カイのキャラかわってね!?とちょっと理解が追いつかなかった印象が……うーん。読み終わってみたら目まぐるしい物語の展開おいといてカイとイズシールの舌戦しか印象に残ってない不思議。

読書メーターの感想を読んでも色々な人が言ってたけど、カイのキャラが1巻の時の印象と全然違ってて、中盤くらいから物凄く「あれれ?」となった。あれ?この娘いつのまにこんなにイズシール先輩LOVEに?1巻の頃はカイとユイカの百合っぷる方面で行くんだとばかり思っていたから余計びっくりだよ!?

他人が踏み込まれたくないと思っている過去に踏み込むのは良くない事だ、と自覚しながらも執拗にイズシールの過去を暴こうとする姿は、一途な少女の恋愛感情を何か一歩踏み越えているものがある気がしてますます……うーん。そしてジャンセンが報われないかませ犬ポジションっぽいなあというのは1巻の頃からやや感じてましたが、ここまで報われないポジションに落ちるとは。ジャンセンがんばれ超がんばれ……

個人的に、ユウキとイズシールのやりとりは個人的にはとても美味しかったです。全体的に同性・異性含めバカップルと一方通行ばっかの本作で唯一のきっかけは利害関係一致系な仲悪し悪友親友ポジションなのでとても期待。

あと1冊なのでとりあえず最後まで追いかけてみたいとは思うけど……もうちょっと巻数をかけて、ゆっくりやってほしかったお話な気がする。

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ついカッとなって「レジンキャストミルク」を再読した

とある裏設定を聞いたのをきっかけに、衝動的に「レジンキャストミルク」の再読祭りをしました。再読時の読書メーターの感想を元に、各巻の感想とお気に入りの場面・台詞をまとめています。

布教エントリを兼ねておりますが、作品の雰囲気を知ってもらうためのネタバレ+後半の各巻感想は割と普通に先の展開のネタバレに関する言及があります。本編は現在(2021年7月)BOOK☆WALKERさんで全巻読み放題になっておりますので、気になる!というかたは気軽に手を出してみてください。

あらすじ(※軽くネタバレあり)

物語の舞台となる現実の世界【実軸(ランナ)】から枝分かれし、生まれては消えていく無数の世界・【虚軸(キャスト)】。虚軸が滅ぶ際に実軸に現れる意識体【虚軸】達は実軸に生きる人間を【固定剤(リターダ)】という存在にすることで、実軸に留まることが出来る。固定剤となった人間が大切にしていた何かを『欠落』させることによってその欠落の間に入り込み、その代わりに彼らに人ならざる力を与えるのだった。

【全一(オール・イン・ワン)】という虚軸の少女・城島硝子の固定剤となった主人公・城島晶は父親に取り憑いて母を連れ去った虚軸【無限回廊】を排除するため活動していた。昼間は平凡な高校生としてなんでもない「日常」を送りながら、その裏では協力者である固定剤の少女たちと共に虚軸を狩り、【無限回廊】を追い詰めようとする。

個人的に推してる所

学園ラブコメな「日常」とダークな能力バトルな「非日常」が両立する世界観

昼は平穏で楽しい学園生活を送りつつ、その裏では自らの「本当の日常」を崩壊させた【無限回廊】を追って戦いを続ける。ちょっと(というかだいぶ)変わった少女達との平穏な学園生活と、それぞれの【虚軸】を駆使したダークな異能バトルが代わる代わる訪れる展開がとにかく楽しい!そしてそんな平穏な学園生活が少しずつ、虚軸の脅威によって侵食されていく後半の展開がたまらない。

漢字にカタカナや漢字のルビを振る、中二力の高い文章

各巻感想に好きな場面紹介を入れているのですが、スレイヤーズの詠唱を暗記して育ったリアルタイム世代としてはとにかくこれでもかというほどルビを振りまくった文章がめっちゃ好き。そういうのにときめきを感じる人は絶対に読んでほしい。漢字にカタカナのルビを振るバトル描写だけでなく、内心の言葉に、その更に奥に潜む本心をルビで振ってくる演出とか本当にたまりません。

魅力的なキャラクター達と、彼ら彼女らを犯す「非日常」

主人公・城島晶を中心に絡み合い、そして彼らの関係性が虚軸という「非日常」によって犯されていく。最初はお互いの利害の一致から行動を共にしていた(と晶は嘯いている)はずの主人公たちが、少しずつ本当の「仲間」として形を代えていく姿は胸に来るものがありますが、彼らの「日常」を彩っていたはずの平凡だった同級生達が、非日常からの侵食を受けて少しずつイビツに形を変えていく姿も必見です。

各巻感想

「レジンキャストミルク1」
後の展開を知ってから読むと色々新しい発見が多いなあと実感。最後までの二人の関係を象徴するような、冒頭での里緒と晶のやりとりが大好き。真綿のように優しく、しかしじわじわと晶に言葉を浴びせる里緒の言葉が容赦なくて、とても好き。晶が「泣けない」のは最後までの裏テーマでしたよね。そして、蜜の強い思いを知ってから改めて読むと、直川との対決で蜜が発した言葉に胸がきゅんとなって仕方が無い。

「晶は泣けないんだよ。晶の後悔は、悲しみは、涙は欠落してる。死んでしまっているの」
欠落という二文字が、僕の口を塞いだ。
そんな僕に、ゆっくりと目を瞑り、里緒は──僕の親友は、震える声で
「だから……里緒が代わりに、泣いてあげようと思うんだ」

16P epilogue 終らない終らない始まらない

「レジンキャストミルク2」
虚界渦開放!な無限回廊vs有識分体戦がとても好きです。乖離に至る病(クリアランスゼロ)の詠唱も好きなんだけど、里緒から晶への強い信頼の見え隠れするやりとりにニヤニヤした。先の展開を知って居ても、晶の守りたがっている「日常」が次々と突き崩されていく様子はやっぱり容赦ない。なんだかんだで動揺してる殊子先輩可愛いです。芹菜ルートは……なんだかんだで晶側としてはここのエピローグでカンペキに閉ざされてるよなあ、と思ったり。

目を……。
「『小町(Zero)』。虚界渦を開放する(アンダーゲート・オープン)
──開く。
「おいで、世界。……『乖離に至る病(クリアランスゼロ)』」

瞬間、世界が変化した、、、、、、、

126〜7P Chapter2 歯車の逆回転における矛盾的プロトコル

「レジンキャストミルク3」
決して傷つけ合うつもりではないのに、すれ違って傷つけあっていく登場人物たちの動きが胸に痛い。客観的に見たら悪い事をしている訳ではない筈のあの人やあの人の行動が、酷く醜悪に見える。そして、再読すると改めて蜜がどれだけ「初めての友人」であった君子を大事に思っているかが見えてきて、胸がキュンとなる。「怒り」以外の感情を表現できないだけで、本当は誰よりも感情豊かな蜜の不器用な優しさが可愛すぎる。

そうか。硝子は、僕が姫島姫の身体を壊してしまわないか心配なのだ。
それならば大丈夫だ。何も心配はいらない。
姫島姫は無傷でちゃんと助け出してやるから(完膚なきまでに肉塊にしてやるから)

254P Chapter4 Helter skelter

「レジンキャストミルク4」
最悪の状況からの逆転劇が、たとえ仕組まれたものだとしても熱かった。晶を遠回しに叱咤する里緒と晶のやりとりや蜜を激励する殊子からの「贈り物」ににやにやする。何事にもとらわれない殊子と里緒のそれぞれ唯一といえる大事なものが蜜であり、晶なんだろうなあ。『敵意』でしか感情表現が出来ない蜜が彼女の唯一の友人であり恩人である君子へ向ける不器用な『優しさ』と哀しい決意に胸が熱くなった。失われた物も多かったけど、なんとか取り繕われた日常に戻っていく君子と姫の姿に胸が熱くなった。

自分が君子に近づく事は許されない。それならば、、、、、
彼女に近づくすべてをの悪意を、自分はことごとく引き受けよう。
あの優しい子が、自分のような人間と関わらずに済むのであれば。
「私は……」私は……

251P Chapter8 Strawberry fields

「レジンキャストミルク5」
辛うじて取り繕われていた晶の「日常」がいよいよ崩壊するお話。
硝子の虚界軸『世界の終わり(カーテンフォール)』が解放されるまでの経緯と、それによってもたらされた結末に鳥肌。エピローグでのやりとりがかなり美味しいだけに、良司と晶の関係はもう少し掘り下げてほしかった気がする。

硝子は言う。
「……終焉を、開始しますか(Over - Killing or Mega Dying)?」
僕は応える。
罪は僕に(Yes)罰はお前が(Jesus)

300P Chapter4 世界の終わり

「れじみる。」
お弁当対決の蜜の可愛さは異常。そして「あの」お弁当をちゃんと全部食べてあげようとする殊子先輩に萌える。ああ美しきかな姉妹愛。速水姉妹ネタというと殊子先輩の意外な弱点が明らかになったり取り乱す蜜が可愛すぎな海のお話もとてもすき。そして夏祭りの里緒の話のラストで胸がキュンとなった。里緒の話は6巻への伏線になってるので5巻&6巻の間のタイミングで読むのがベストです。……ところで、姫島姫と殊子のデートの話は2巻が出る直前の電撃hpに載ったらしいです。なんという鬼畜プレイ……流石電撃の黒い太陽ェ…

──包丁は、逆手に握られていた。
舞鶴蜜。
料理を作るどころか、キッチンに立つのも、これが生まれて初めてである。

105P 第2話 ドキドキ☆お弁当WARS

「レジンキャストミルク6」
里緒と晶の出会い話周辺のやりとりの破壊力やばい!守ってきた「日常」を破壊されたことで「非日常」の仲間達へと目を向ける晶、感情を手に入れた硝子をはじめ、それぞれの「虚軸」達の中で意識変革が起こり、本当の意味で彼らが『仲間』になった巻だけど、同時に突きつけられた真実はどうしようもなく痛くて。しかしそれにしてもネア先生の虚界渦開放のインパクトはマジパネエです!ネア先生可愛いよネア先生!!

「相手は僕の両親と兄貴だ。笑えるくらい個人的な戦いだ。ただの家庭の事情って奴だ」
全員を見渡し、睥睨し、高飛車に、
「でも関係あるか。お前ら全員……いいようにこき使ってやる」

310P epilogue-2nd Wish You Were Here

「レジンキャストミルク7」
殊子先輩の「あの行動」から始まる一連の場面は、既に結果が判って居ても涙が止まらないシリーズ屈指の神展開。そしてエピローグを読んだ後に冒頭文に戻った時の、殊子と晶の電話の場面の真意に気付いた時の衝撃といったら。「どうでもいい」と嘯きながら、誰よりもこの世界が大好きだった殊子先輩の想いを無駄にするまいと最後の決戦に臨む晶と硝子の姿が、最後まで素直になれなかった蜜の素直な気持ちが、とにかく胸に痛い。

「ありがとうございます。……殊子先輩」
初めて彼女に使った、心からの敬語に、親愛と感謝と後悔を込めて。

16P epilogue-1st アンサー

「レジンキャストミルク8」
彼等の胸の中に確実に生きている『あの人』の存在にどこかしこでほろりとしました。最終決戦前の晶側 / 無限回廊側それぞれの言葉の応酬と、これまでの総決算のような出し惜しみなしの総力戦が熱すぎる。そして、里緒と晶の親友関係が本当にやばい。エピローグの、彼女の最後の一言に籠められた様々な思いに胸をえぐられる。綺麗に終ったワケじゃないあたりが逆にこのシリーズらしいなあと思わせる、よい完結編でした。

「……きみの幸せを、祈ってる」
彼女は振り返らない。振り返らずに、
「祈るだけならタダだもんね。……酷い人」

345P epilogue She is not all

「れじみる。Junk」
晶の女装をどうしてちゃんと挿絵で描いてくれなかったし!!!
その後の蜜とネアを描く4話「ありがと、ばいばい。」が大好き。元の少女に戻ってしまった蜜の葛藤と、そんな彼女の背中を押して送り出そうとするネアの想いに胸が熱くなった。そして速水姉妹大暴走な温泉話にもによによが止まらないww 「キラの旅-the coordinated world-」でふきだしたのは私だけではないはず。

穏やかに、佐伯ネアは笑った。
「欠落は、あなたの分まで全部私が持っていてあげるわ。だからここで捨ててしまいなさい。過去を抱え込んでおくのはね、若者じゃなくて、大人の役目よ」
守りたくても、何もできなかったからね。

215P 第4話 ありがと、ばいばい。


ちなみに再読のきっかけは作者・藤原祐先生の下記の発言


読み返してみると、里緒は本当に一貫して性別がはっきりとわかる表現をされていなくて、あれだけ晶と一緒に居るポジションだったにもかかわらず芹菜にヤキモチを焼かれる事もなく……本当に正しい意味で「ヒロイン」ではなく「親友」ポジションだったんだなあ、と実感した次第でした。

「里緒」という名前だと確かに女性名前でも男性名前でも通用するし……で、読んでいくとむしろ実は男性なんじゃないかとか考え始める不思議なんだけど、今流行の「男の娘」じゃなくて、どちらかというと無性別的な印象?良い意味で性別を感じさせない存在だったんだろうなあ。

(こちらの記事は2010年に書いた記事に作品紹介部分などを加筆し、2021年7月に再公開したものです)

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神のみぞ知るセカイ 2 祈りと呪いとキセキ

 
 
原作
若木 民喜

アニメ化も決定した「週刊少年サンデー」人気連載中のコミック『神のみぞ知るセカイ』。大好評ノベライズの第2弾は、テイストの違うストーリーを3編収録した1冊で3度おいしい短編集。今回「落とし神」桂木桂馬が遭遇するイベントは「プレイすると殺される、呪われたギャルゲーの攻略」「天才少女の育成」そして「エルシィの同僚・ハクアとの一日デート」!?小説オリジナルのヒロインとして、グラマーでドジっ子な巫女さん、雨に濡れるミステリアスな天才美少女の2人が登場。 (「BOOK」データベースより)

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最近原作を読破したのでこちらも。「神のみぞ知るセカイ」のノベライズ第二弾。

1冊丸々使って2人のヒロインを同時攻略するというトリッキーな展開を見せた1巻とは対照的に今回は中編1つ+短編2つという構成で、前巻のような物語を期待していると少し物足りないかも。原作コミックスの本編の間に挟まる1?2話完結の話を集めてノベライズしたようなノリ、といえばよいのか。1時間弱程度で読めてしまうので、ちょっとした気分転換やヒマつぶしに読むにはちょうど良いのではないかと。

第一話の中編「呪われたゲーム」は桂馬が手に入れた幻のゲーム『西恩灯籠』をはじめたら、実はそのゲームには呪いが……と言うお話。終盤の展開がもはや異能バトル化する程度のカオスっぷりで、結構好きでした。そこで使うのか、『落とし神』モードww

個人的には第三話の「レイニー・ブルー・ストーリー」が好き。天才肌で何事もソツなくこなしてしまう少女を攻略しようと色々試行錯誤しているうちに、何故か彼女がギャルゲーに興味を示して……というお話なんだけど「攻略すると記憶が消える」と言う設定が良く生きているなあ、と思った。最後の終わり方がとても好きでした。

第二話の「ハクアの休日」も可愛かったです。ハクア可愛いよハクア。

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読了記録まとめ[2010年8?9月分]

今月も時間がない!!
10日に開催される「COMICCITY SPARK5」合わせの原稿中で今回もギリギリ綱渡りな今日この頃いかがお過ごしですか。今回は薄いコピー本を作っていく予定なのでイベント参加される方は是非覗きにきてやってください。多分今回もギリギリまで睡眠時間を削って力尽きている姿がみられるのではないかと思われます。

さてさて、毎年恒例の「このライトノベルがすごい!2011」Webアンケートは本日が締め切りです。私も滑り込みで今朝投票してまいりました。まだ投票間に合いますので、我こそはラノベ好き!!と言う人は是非投票してくると良いのではないかと思います。

ライトノベルBESTランキングウェブアンケート


個人的な見どころは
3年連続トップ死守なるか!?第三の性別:木下秀吉(バカテス)
          VS
トップ奪還なるか!?ムッツリ傭兵:相良宗介(フルメタ)


であると言ってみます。
相変わらず男子部門以外見えてません。

以下は8?9月の読書メーターログ+α。

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東京レイヴンズ2 RAVEN゛s NEST

 

教室中から突き刺さる、視線、視線、視線、好奇と、僅かな敵意。級友から向けられる幾つもの視線に春虎は気圧される。けれど―バカ虎!迷いのない、まっすぐな瞳。自分を見つめる幼なじみの少女―夏目の姿に、春虎は自分を取り戻す。闇鴉たちを育成する陰陽師育成機関、陰陽塾。夏目の式神として生きることを決めた春虎は、東京の陰陽塾に転入する。しかし、そこで春虎を待っていたのは、『しきたり』により男装した夏目と、土御門に冷たい塾生たち―そして、二人を付け狙う呪術界の闇だった!?時を超える陰×陽ファンタジー、学園編スタート。 (「BOOK」データベースより)

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舞台を東京に移し、いよいよ本格始動な感じのシリーズ第二巻。夏目の「式神」となった春虎は、悪友の冬児とともに夏目の通う陰陽塾に入学。とんとわからない授業や『土御門』の血のせいで敬遠する級友達に戸惑いながらもなんとかクラスの中に自分の居場所を作ろうと奮闘するが……というお話。

友達なんていらないと自ら殻を作る夏目、裏で上手く立ち回りながら計算ずくで行動して少しずつ学校内に居場所を作っていく冬児、天然バカゆえの計算しない純粋さで正面から周囲の壁をぶち壊していく春虎……と、3人の性格が綺麗に行動に表れてて面白い。冬児はとにかく今回は裏から立ち回るポジションなんだけど、それでいて割合さっぱりしてるのが良いなあ。天馬と冬児のやりとりには思わずニヤリとしました。そして春虎にヤキモチやいたり、不甲斐無さに憤る夏目が本当に可愛い。

彼らの「敵」となる人々の姿も見えてきて、今後が本当に楽しみ。というか3巻の予告で滾らざるを得ないのですが!!冬児メイン回か、そうなのか!!

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機巧少女は傷つかない 2 Facing "Sword Angel"

 

機巧魔術―それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。そのトップを決める戦い“夜会”開幕前日、自室に戻った雷真とパートナーの夜々が目にしたのは、宙吊りにされた少女(と犬)だった!「どういうプレイですか、雷真。女を部屋に連れ込んで…吊るして…!」「妙な誤解をするな!」少女の正体は、雷真の初戦の相手“静かなる騒音”フレイ。そして彼女の目的は…雷真の暗殺!?フレイが仕掛ける数々のトラップ(と、色々と勘違いする夜々の嫉妬)に雷真が閉口する中、ついに夜会が開幕する―。シンフォニック学園バトルアクション第2弾。(「BOOK」データベースより)

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いよいよ「夜会」がはじまってストーリーも本格始動な第二巻。なんとか夜会に参加できる『手袋持ち』になれた雷真だが、初戦の相手である序列99位の少女・フレイから付け狙われて……というお話。

本筋ももちろん面白かったけど雷真とロキの凸凹関係にニヤニヤが止まらなかった!!犬猿の仲どうしが利害の一致を見て共闘する展開はほんとにいい!!冷静に見えるけど意外に情熱家なロキと子供じみた喧嘩を繰り広げる雷真のやりとりがとても美味しいです。

雷真の命を狙ってるはずなんだけどどこか微笑ましいフレイや雷真を巡る夜々の嫉妬具合やらツンデレ全開なシャルロットなど、ラブコメパートも美味しいんだけど今回もさりげなく色々な部分で重たい展開を含んでくる。また、雷真達の見えないところでキンバリーやらなにやらがさりげなく動いているのも気になる感じ。個人的には雷真達がフレイ・ロキの出身である孤児院を訪れるくだりが凄く好きでした……そこで明かされた真実や悲しい犠牲は衝撃でしたが。ヨミがとても可愛かったです。

ロイヤルランブル、ということは今後もなんだかんだでフレイやロキと共闘する展開も期待できるのかな。というか『夜会』のルールがいまいちわからなかったのでもう一度おさらいしたい気分…。

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