…というわけで、既にかなり内容を忘れている予感がするので、再読祭開催。というか9巻が出た時に内容殆ど覚えてなかった記憶が(酷)しかしこれ、発売日8年以上前の作品になるんですね…ほぼリアルタイムで追いかけていたのに。年取るわけだ…(´・ω・)
というわけで、数年ぶりに読み返したわけですが、やっぱり凄く面白い。政治的とか体面的な事情でほぼ飼い殺し状態にされ閑古鳥の鳴く「第六課」で、3年前に去っていった仲間たちの帰りを待ちながら孤独な日々を送っていた優樹と、緊張感の足りない優樹を前に空回りし続ける太一朗という序盤の平穏な日々の、シリーズ全体からしたら本当に僅かな間でしかなかった平和な日常の描写が密かに大好きです。頭が固くてプライドばかり高くて頑固で自己中で……と、どうしようもなく駄目駄目な太一朗が、片倉優樹という一人の少女に惹かれながらも自らの考えを少しずつ改めていくのと同時に、優樹の方も自分を始めて“人間の少女”としてみてくれる興味深い人間・太一朗という人間に出会って変わっていく…というお約束でベタベタな展開が凄く好き。
「君と私が今まで培ってきた友情は、今から死ぬ」
だからこそ、そんな二人の関係を最後の最後で打ち壊す優樹の独白・変貌とラストバトルは本当に衝撃で初めて読んだときはしばらく呆然としてしまったのを今でも覚えています。“友情”が“死ぬ”といった言葉選びが独特で、非常に印象強かった。その後の展開ももう、基本的にハッピーエンドで王道ベタベタな展開しか読んだ事のなかった私にはかなり印象的で…最後に一応ハッピーエンド(??)的なオチになるとは言えど。
また、この作品を語る上で外せないのがやはりグロ描写。……特に、井の頭公園での戦闘とその後の六課での治療描写はあまりに生々しすぎて今読んでもリアルで吐き気が……うぷっ。シリーズ刊行当時密かに「電撃三大欝グロ作家」とかいらない事を考えていたのも今となれば良い思い出です(ちなみに残りの2人は「Missing」の甲田学人、「インフィニティ・ゼロ」の有沢まみず。…有沢さんは「いぬかみっ!」の感想を見る限りその後方向転換したんだろうなあ…あのグロさが好きだっただけにちょっと残念だー。)
というか、1巻で終わっておけばそれなりに幸せそうな未来が垣間見えてたのにどうしてあんなことに……(しみじみ)