うららの記事一覧 | ページ 147 | 今日もだらだら、読書日記。

うらら一覧

図書館内乱

[著]有川 浩 [絵]徒花 スクモ

笠原郁の両親が、郁の仕事ぶりを見たいとやって来た。図書館防衛員を志願したことを未だ伝えていない郁は焦る。図書館員を目指す時にも散々ひと悶着あったのに、過保護で心配性な母親にバレたら実家につれて帰られてしまうかもしれない。慌てて周囲と口裏を合わせ、その期間は内勤の仕事を貰うことにしたのだが……
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郁の親子関係、小牧とその幼馴染の少女、手塚の家庭の事情、柴崎の真の姿などなど、各キャラクターに焦点が当たったシリーズ第二段。タイトルの通り、今回は良化委員会との争いよりも図書館内部での「内乱」がメインに押し出されてます。

男勝りの郁に、「女の子らしさ」を強要する郁の母親だの、ぶった切り書評の話題だの、「あるある」感が強すぎて各所で共感しまくり。郁と同僚の女の子達が気まずくなる話なんかはもうそのストレスが容易に想像できて、こちらまで胃が痛くなる思いでした。ほんと、ああいう時は女子のほうが全然残酷だったりするよね…。

特に感想サイトをやってる身としては、やはり「一刀両断レビュー」の話は他人事とは思えませんでした。まあ、砂川のようにそれを「公の」企業サイトでやるというのは問題外ですが、常に自分の書いたレビューが他人の気を悪くすることがあるというのは考えた方が良いのかもしれないなあ、となんとなく思わされました。まあそれでも地雷を踏んだら文句の1つや2つくらいつけたくなるのが人間と言うものですが!(でも、散々作中でも言われてるけど個人のレベルならまだアリだとは思う…w)

そして、キャラクターに重点を置いた連作というだけあって、今回もキャラクターの魅力が凄すぎる。郁と堂上のもどかしく微笑ましい関係には毎度毎度ニヤニヤさせられるばかりなのですが、今回は柴崎とその周辺が美味しすぎます。朝比奈との関係も好きだったんだけど、それ以上にエピローグでの手塚とのやりとりにはマジで身悶えた。いいなあこの二人。あと、玄田隊長&折田のしっとりした関係も素敵で、そっけないメールのやり取りで胸が熱くなる。

……といいつつ、仲悪兄弟萌えとしては、小牧と鞠江に関する騒動のあたりからもう、手塚兄弟にニヤニヤモエモエしっぱなしだったわけですが。イイヨイイヨー天才系フリーダム腹黒兄貴と、そんな出来の良い兄と志を違えながらもなんか嫌えないブラコン弟イイヨー!エピローグで手塚が「俺、ブラコンなんだ」と言い出したときには萌えを通り越して大爆笑してしまいましたが。このフリーダム兄貴にはぜひとも今後とも良き悪役として大活躍して欲しいものです。

そしてそんなフリーダム手塚兄によって投下された爆弾のおかげで、続きが気になって夜も眠れません。
どうしてくれるあの兄貴。

こんな酷い引きだとわかってたら続編はAmazonじゃなくてリアル書店で買ったのに!!!


人類は衰退しました2

[著]田中 ロミオ [絵]山崎 透

人間が衰退し、妖精さんが新しい「人類」としてまったりと住まっている世界。調停官の仕事をしている「わたし」はある日、妖精さんが作ったとおぼしき謎の不思議道具の知らせを受け、それの調査をすることになりました。その中から計量スプーンを発見した「わたし」が効果を確かめる為、クッキーを焼こうとしてみたところ、いつのまにか妖精さんサイズに縮んでしまっていて…
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人類であるところの「妖精さん」と、衰退した旧人類で調停官であるところの「わたし」がおりなすほのぼのまったりストーリー第二段。妖精さんと「わたし」のやりとりがメインから外れて、あのなんともいえないまったり会話部分が減量されてしまったのが残念なのですが、今回はSF色が強くなっていて、これはこれで面白かったです。

「人間さんの、じゃくにくきょうしょく」は、妖精さんの不思議道具で妖精さんサイズになってしまった主人公が元の姿に戻る為に「小さな」「大冒険」を繰り広げるというお話。ミニマムサイズになってしまった「わたし」がわたわたとあまりにも大きくなってしまった自分の家の中を歩き回るあたりはほのぼのと和んでしまう何かを感じるのですが、後半になるにつれブラックなネタが頻出し、最後の場面では思わず手に汗握ってしまいました。この「数字」増やすための解決法がまたバカバカしくて、このシリーズらしくて素敵。…しかし、最後の方は何故どんどん「数字」が減っていくのかイマイチ判らなかったんだけども。

「妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ」は、遂に復帰する事になった「助手さん」を迎えに行ったら、なぜか何度も何度も同じような事を堂々巡りでやるハメに……という、ループもの。…えーと、1度読むだけでは意味がわからなかったんだけども……とりあえずお菓子食べたいだけのために自らの技術力を無駄遣いする妖精さん達が可愛すぎる。そして、なんだかんだと言いながらしっかりと本能のままにお菓子を作ってしまう「わたし」が可愛いですw

ちょっとSF色が強くなったとはいえ、独特のまったり具合は健在で、地味に続きが楽しみなシリーズです。というか続編は今週発売なのかーーーっ!!!なんというタイミング…。


図書館戦争

[著]有川 浩 [絵]徒花 スクモ

昭和の終わりに公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる「メディア良化法」と呼ばれる法律が制定され、様々な書物が検閲の上で没収・破棄されてしまうようになった。その悪法に対抗すべく、図書館は『図書館の自由法』によって彼らの超法規的な検閲に対抗する。高校生の頃、一人の図書館防衛員に助けてもらった経験を持つ郁は、彼を追いかけるように図書館の防衛員を志すが…
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政府のメディア弾圧に対抗する為、武装した図書館の中で繰り広げられるバトル&LOVEなお話。あらすじだけ読むと熱血系の人情系軍隊モノ?なんて思っていたのですが、見事に騙されました。これは良いバトルラブコメ。…というわけで、物凄い色々な人からひたすらお奨めされていた「図書館戦争」、結局アニメと漫画版の勢いを得て漸く読むことが出来ました…よ…。電車通勤時間が主な読書時間な人間にとって、ハードカバーは重くて敷居が高い…。

「メディア良化法」が昨今話題の児童ポルノ関連法案とオーバーラップしたり、何かと子供の犯罪を読書傾向の所為にしようとしたり……と架空の世界観ながら色々と現代と似通ったような部分が多くて、そういう現在の世相と照らし合わせて読むと倍面白かったです。検閲の理由がまた、凄くそれっぽいんだよなぁ…「“こじき”って単語がサベツ用語だから没収」とか、ちびクロサンボの話とか思い出して懐かしい。図書館からラノベを撤去されて怒った小学生達が、『大人の喧嘩』で立派に反論するくだりなんか、世間の政治家どもに読ませてやりたいところです。や、フィクションだけど。

本編の物語も非情に面白いんだけど、それ以上にキャラが魅力的。男勝りでズボラでバカだけど実はちょっぴり泣き虫で“王子様”に憧れちゃうような女の子・郁が凄く可愛くて、その破天荒な行動にひとときたりとも目が離せない感じ。そしてツンデレ全開な上司・堂上教官や、郁の良きライバルにして天然カタブツな手塚とのやりとりが非常に素敵なのです。特に手塚はイヤミなカタブツから天然ボケへの変わり身が早すぎて噴いた。

とにかく、まっすぐで人の考えの裏表なんて判らない郁と、遠まわしにしか郁への好意を表現できないツンデレ堂上の関係が、もどかしいやらこそばゆいやら可愛らしいやら…!!二人を取り巻く他のキャラクターたちも魅力的で、ニヤニヤが止まらない。個人的にはメインの3人も好きなんですが、玄田隊長と記者の折田さんの関係が非常に気になります。似たもの同志な二人の独特な雰囲気もさることながら、なんか色々と面白そうな過去がありそうで…。

ストーリー的にも、キャラクター的にも最高に魅力的で、まさに文句なしの面白さでした。
本が好きな人、昨今の児ポ法とかメディア統制に興味がある人には無条件でお奨めできるかも。
とりあえず早いところ続きを読まなくては…!!


断章のグリム7 金の卵をうむめんどり

[著]甲田 学人 [絵]三日月 かける

赤ずきんの「泡禍」が起こった後、蒼衣達は暫く平和な日々を満喫していた。帰りに神狩屋に寄って待機しながらお喋りをし、時々小さな「泡禍」を解決する。こんな普通の日々がずっと続けばいいなと考えながら…。蒼衣と雪乃が出会った“普通の”泡禍にまつわる事件を描く、連作短編集。
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蒼衣&雪乃が解決した小さな泡禍にまつわる2編と、生前の風乃が出会った1つの泡禍にまつわるエピソードの3編を収録。

イソップ寓話を題材にした泡禍…ということでどんどんタイトルの断章の「グリム」という単語が怪しくなって来たのは置いておいて。短編ということで題材の配役等に関する謎解きはありませんが、いつも通りの面白さでした。食事時に読むと後悔する、ちょっぴり(?)グロな展開も健在。しかし、蒼衣は謎解きできないと空気な子なので、今回は見事に雪乃さんスペシャルですね。

見所はやはり表題作となる「金の卵をうむめんどり」でしょうか。生前の風乃と、断章保持者になる前の雪乃の姿は必見。ツンでゴスロリでリストカッターではない雪乃の姿が見れるのもかなり美味しいのですが、生前の風乃の飄々とした世捨て人的な退廃的雰囲気がとても素敵でした。この風乃さんはぜひとも再登場希望。また、同時にこの姉の内罰的な一面こそが、1編目で泡禍を「自分への罰だ」と思い込む少女へ向けて怒鳴りつける雪乃に繋がっているんだろうなあ…とか考えると、その辺もなかなか興味深い短編でした。

やはり「Missing」で感じた程の衝撃がは無いのは残念なのですが、地味に面白いシリーズになってきた感じ。短編も普通に面白かったので、今後もちょこちょこ出していって欲しいなあ。


とらドラ7!

[著]竹宮 ゆゆこ [絵]ヤス

大河の停学が解けた頃には、街はすっかりクリスマスムード一色だった。学校では新生徒会長指揮の下でクリスマスパーティが開かれる事になり、生徒達はすっかり浮かれ気分。凶暴な大河もクリスマスまではいい子にしていようと心がけ、来るべきクリスマスに向けて心を躍らせる竜児だが、櫛枝実乃梨だけはどこか元気が無い。しかも、実乃梨は竜児のことを避けているようで…
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読み終わってしばらく、言葉が出なかった。
不器用なキャラクター達の、痛いくらいの想いに胸を締め付けられました。

前半のクリスマス会へ向けての大河と竜児のはしゃぎっぷりが物凄く見ていて微笑ましく、お祭りムードの学校生活を懐かしく思い出してしまうような場面ばかり続いたからこそ、後半の展開は物凄く胸が痛い。各キャラクターの不器用な思いが、ストレートに胸を打つ。

まだまだ底が見えない実乃梨が空回りして次々に事態を予期せぬ方向に導いてしまう姿にも、大河の見ていて痛々しいまでに“いい子”に固執する姿も、ラストの自らの思いを自覚してしまった大河が一喜一憂する姿も、物凄く心が痛いんですが、もうそれよりも亜美の一言が堪えた。自分に付け入る隙が無い事まで自覚していて、それでも堪え切れなくてぽつりと零した一言がどうしようもなく痛かったです。このシリーズのヒロイン3人の中では、やっぱり亜美が一番等身大の女の子と言う感じがして好きだ。しかし、ホントにこの後どうなっちゃうのかなあ…竜児も大河も実乃梨も亜美も、全員が幸せになるようなエンディングを祈らずには居られません。

それはそうと、今回も止まらない固有名詞・独身(三十路)弄りの姿がいろいろな意味で見てられません。「もうやめて!!独身のHPはもう0よ!」という感じがします。

なんというか、別の意味で胸が痛くなってきました。毒女的な意味で。
……独身も幸せになれると良いね、エンディングまでに。


しにがみのバラッド。11

[著]ハセガワ ケイスケ [絵]七草

見た目の派手さからクラスのアイドル的な扱いを受けているカノカは、裏心がミエミエの“友人”達と適当な付き合いを繰り返すのに疲れていた。そんな彼女には気になるクラスメイトが居る。学校中から「不思議ちゃん」と呼ばれる彼女・ミツミには過去に“天使”と出会った経験があって…
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「しにバラ」は個人的に凄いツボに来るときと全く駄目なときの波が激しいのですが、今回は大当たりの回でした。1巻の大部分を使って語られる「うみねこのプリズム。」が凄く素敵な話で。やはりしにバラはちょっとふんわりと切なく優しい話が似合う。

「かのかプリズム」で描かれた、カノカとミツミの不器用な友情も可愛らしいのですが、それ以上に「うみねこのプリズム。」でのヤストとユズルの関係が最高です。「メガネを取れば美少女」というユズルの設定はもっと挿絵の七草さんに全力を出していただいて頑張って欲しかったですが(挿絵を見る限り、どうみても「メガネをとっても美少女」には見えません…すいません)、美少女美少女とからかわれる度にいちいち頬を染めて全力で否定するユズルのうぶっぷりが実に可愛いなぁ。エピローグで4人が仲良く戯れてるところはホントにニヤニヤしっぱなし。青春の甘酸っぱさが炸裂で、非常に良かったです。

しかし、やはり今回のヤストとユズルの親友関係には、萌えずにはいられない。うっかりヤスト×ユズルを妄想してニヤニヤしてしまったのは内緒です★

しかし、ハセガワさんの文章、余白多すぎなのはいつも通りだけど こんなに面白かったっけ。(でもメガネをとったら美少女)の連呼とか、かなり噴いたのですが。「みずたまぱにっく」の方のコミカルな文章がしにバラに移ってきた感じで、このくらい軽い方が好きかもなぁ。

そしてモモとアンの対決(?)は今回で一応決着?というかこれが最終巻といわれても違和感は無かったかも。いい感じに話も面白かったし。まあキノみたいに時間軸弄ればいくらでも伸ばせそうなシリーズではありますが…。


機動戦士ガンダム00(1) ソレスタルビーイング

   
原作
矢立 肇、富野 由悠季

西暦2307年―人類は枯渇した化石燃料に代わる新たなエネルギー・太陽光発電システムを手に入れたものの、その恩恵をめぐって各国は未だ終わりなき争いを続けていた。そんな世界に「武力による戦争の根絶」を掲げる私設武装組織が現れた!あらゆる現行モビルスーツを凌駕する4機の“ガンダム”を所有する彼らの名はソレスタルビーイング―いま、ガンダムによる全戦争行為への武力介入が始まる!!大人気アニメを完全小説化。 (「BOOK」データベースより)

アニメ「機動戦士ガンダム00」のノベライズ。アニメ本編は5話くらいで視聴をやめちゃったのですが、アニメではなかなか見えてこない各キャラクターの心の動きや、わかりづらい部分がちゃんと基本に忠実に補完していってくれる内容なので、普通に楽しんで読むことが出来ました。というかガンダムのノベライズを見ると、既に見たはずのアニメの内容を半分も理解できていなかったことが非常に多いんだけど…それだけ適当にしかアニメ見てないって事なのかしら。

ガンダムアニメ共通の特徴なのか、とにかくアニメ版では伝わって来ない各キャラの心情がストレートに読めるのがやっぱり面白いですね。刹那の迷セリフ「俺がガンダムだ」もこうやって心象描写が入るとそれなりに不自然ではなくなってしまうのが不思議です。

あと、私はマリナ皇女が出てくる前で視聴をやめてしまったので、彼女が刹那達とは無関係な所で彼らに無意識のうちに影響を受け、自国を良くする為に一生懸命奔走し始める姿が印象的でした。刹那との微妙な関係も良かった。

しかし、ある種不自然なまでにガンダムマイスター4人同士が絡んでこなくて、その辺がちょっと不思議だったりします。プライベートで話してる姿とかが全然無いからかな。別に腐狙った展開にしろとは全く思わないし、話の作り自体は非常に硬くてこれはこれで面白いと思うんだけど、よくも悪くもパンチが足りないと言うか、地味。まあでも、仲間同士が馴れ合って友情だのなんだの言い出して熱血展開とかになったら、それこそ世間的には「ガンダムじゃない」になるのかもしれないなぁ…

まあそれはとにかく、そんな弾け飛び展開を所望する私としましては、
キモは出番は少ないですがコーラサワーグラハムに決定。
この小説の地味で堅実な雰囲気を一生懸命ぶち壊そうとする二人は間違いなく輝いています。

イナクトの性能証明もあるが、ちょっと見かっこいい目の前のモビルスーツがムカつく。だから倒す。スペシャルな感じで。

グラハム機はその“ありえないこと”をあっさりとやってのけた。
それこそが、グラハムを若くしてトップファイターに押し上げた理由。
フラッグファイター唯一の空中変形の使い手。空戦の貴公子。
その技、人呼んで“グラハム・スペシャル”!


あーもう、お前ら光り輝きすぎだ!!

おそらくシリアスのやり方しか知らないキャラクターたちに囲まれて、二人で息を巻く姿が素敵すぎ。特にコーラサワーの「スペシャルな感じ」は電車の中で噴出しました。
嗚呼、後光が見えるよ…次はもっと活躍してください特にコーラサワー。

あとグラハム氏は、アニメ見たときはグラ刹でガチホモ!とか思ったのですが小説版を読むとホモというよりはどうみてもガンオタです本当にありがとうございました。


ラメント I. はじまりの歌

[著]後藤 リウ [原作]淵井 鏑(ニトロプラス) [絵]柳原 澪

《虚ろ》と呼ばれる呪いと《失軀》と呼ばれる奇病が蔓延し、世界に住む多くの《猫》達が飢えに脅かされる中、火楼の集落では生贄と称して同族喰らいを定期的に容認することで秩序を保っていた。そんな村に住む青年・コノエはある日、“世界に禍をもたらす者”と伝えられている姿そのままに耳や尻尾の色が変化してしまい、村を出ることになるのだが…
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「咎狗の血」でBLゲー同人界ブームを築いた(と私が勝手に思っている)Nitro+CHiRALのBLゲーム「Lamento」のノベライズ。原作が18禁BLなのにスニーカー、しかも書いてるのが「ガンダムSEED」のノベライズの後藤リウさん!と言われたら、とりあえず腐ラノベ読みとしては買うしかないじゃないか。やはり後藤さんは腐の人だったんですね!(超笑顔)
いや、だって、運命の小説版とか明らかにアスシ……ゲフンゲフン(失礼しました)

原作がBLゲーだけあって極端に女性の割合が低く、時々元が18禁BLだったんだなあと思わせるような設定が顔を覗かせる以外、基本的に普通に男性が読んでも楽しめる作品になってます。まあ時々コノエが女性だったら完璧なのにと思わなくもないですがその辺は言ったら野暮というものです。ライやアサトがいくらなんでもコノエ好き過ぎだろー!というのにも突っ込んではいけません。というか、ライがそこまでコノエに執着する理由がイマイチ判らなくて違和感感じてみたりはしますが、きっとこの辺で本来ボーイズでラブな展開があって、その辺がサックリ割愛されたのだろうと予想。あときっと終盤の試練のとことか悪夢の辺りはエロスな描写があったんだろうなどと妄想してみたり!

物語は基本的に。初っ端から村を追われ、その後も関わった人々が敵になったり容赦なく殺されたりするのでとにかく容赦がない。敵の能力や能力の発現シーンもえげつない。この素敵なまでの容赦なさは思わず某「Fate/Zero」を思い出しました。流石だぜニトロプラス…。

その一方、サブタイトルにもあるとおり『歌』が戦闘中、一つの鍵となっているこの物語。様々な歌い手が物語りに登場しますが彼らが歌うシーンはとにかく幻想的で素敵でした(敵の歌はえげつないけど!)。自らの内から“歌”を引き出すという設定が中々好みだー。いやあしかしコノエはこの“歌”という設定も含めて実にポジションがヒロインですね!!

ライやアサトにも隠された過去がありそうだし、続編が楽しみ。ニトロは好きだけどBLゲーはなあ…と思っているニトロプラスファンの男性の方はこの機会に如何でしょうか?


今月のオススメと面白検索キーワード[2008年3月分]

3月の読了冊数は24冊でした。
2007年から読了冊数を付けてますが、実は2007年9月以来の記録更新だったり。
……といっても今月は再読が9冊まざってるので結構ズルっ子なんですが。

2008年3月の人気(?)感想4選

 今月も読了冊数が多かったので4選で行きます。
 なお、1位のフルメタ、3位のバカテス1、4位バカテス3.5は割愛します。
 ……4/1だからなんかネタを仕込もうと思ったのですが、素直に1?4位を並べると先月の顔ぶれとなんら変わらないという現実が一番ネタな気がしてきました…。

バカとテストと召喚獣2
⇒感想

SH@PPLE-しゃっぷる-
⇒感想

生徒会の一存
⇒感想

空の境界(上)
⇒感想

感想全面改稿までして、1ヶ月プッシュしてた「バカとテストと召喚獣2」が未だ根強い1巻を打ち破って今月のアクセス数第二位。ありがとうございます文化祭万歳!!メイド明久に栄光あれ!!

そしてここ1週間のアクセス数ではバカテス各巻のアクセスにも負けずとも劣らないのが5位「しゃっぷる」。各感想サイトでも非常に評価の高かった作品ですが、あらすじ&イラストでヒいてる人は今すぐ買うべき。女装萌え要素よりも入れ替わり系青春ラブコメものとしての要素が強く、正統派に楽しめる作品です。

6位の「生徒会の一存」は先月オススメで取り上げましたが今月2巻が出ますよ?。7位の「空の境界」は映画版の感想も入っているので順当なところかも。先月もフルメタとバカテスさえいなければ結構いいところに居たんですが…しかし、検索キーワードにも殆ど引っかかっておらず、言及リンクもされてないのに妙にアクセス高いのが不思議でしょうがありません。

2008年3月のオススメ本。


リトルバスターズ!SSS
⇒感想

千の剣の舞う空に
⇒感想

ダブルブリッド
⇒感想

征服娘。
⇒感想

女装ラノベまとめエントリーを書いた所為なのかなんなのか、今月は「おとまほ」「えむえむ」「しゃっぷる」……とやたら女装ネタラノベを読みまくった月でした…。

その中でも個人的に2008年3月のベスト・オブ・女装ネタ!と褒め称えたいのが「リトルバスターズ!SSS」。様々な理由をかけつけて女装させられる主人公・理樹たんの恥じらいっぷりは最早原作が美少女ゲームとは到底思えないほどの素晴らしい女性向な萌えっぷりで、女装理樹のために本気で「リトバス」本編購入を悩む私が居るわけですが。
SSSシリーズは続刊予定とのことなんで、今後も素敵な女装ネタを期待してみます!(やめなさい)

秀吉のしおり目当てで買った ファミ通新人さんで掘り出し物だったのが「千の剣の舞う空に」。ネトゲーだけどスポ魂的な要素を受け継ぎ、読了後の爽快感が本当に素敵な作品でした。FBオンラインに掲載された短編も中々良かったです。才能もあるけどとにかく堅実な貴族の少女が世界を手にする為頑張る「征服娘。」も続刊が楽しみなシリーズです。

そして遂に最終巻を来月に控えた「ダブルブリッド」!読み直してみると、忘れている設定やキャラクターが大量に居たりしたので4年半待ちのファンは最終巻の前に再読することをオススメしてみます。特に8巻の内容は、結構重要なのに7巻との間がありすぎた所為で結構理解できていない部分が多かった…。

3月の面白検索キーワード

先月大量放出された所為か、今月はまたネタがありません…。
ちなみに作品名別検索語句トップは
バカテス>ツァラトゥストラ>フルメタ>吸血鬼のひめごと>とらドラ!
でした。

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ドアーズ 2 新たなる敵を修繕せよ!

[著]神坂 一 [絵]岸和田 ロビン

クローゼットを開けたらヘンな植物がびっしり生えていた。これは堪らない…と今日もおかしくなった世界を必死に治して回るミヤ。そんな姉の姿を横目に、リスの姿の妹・チサは複雑な思いを抱えていた。「世界を修繕するのって、本当に良い事なの?」…と。そんな彼女の思いをよそに、勘違いしたミヤはシュリンと二人で修繕に向かい……
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妹がリスになったり触手になったり……といろいろな世界の『普通』がおかしくなってしまって、なしくずしに異世界を修繕して回ることになってしまった姉妹の物語。完結編。シリーズ終了に向けてどんどんシリアス要素が増していって、1巻程の破壊力が殆どなくなってしまったのが残念。それでもSF好きの人に喧嘩売りまくってるような「SF」とか、色々とギリギリなナ●シカネタとか、要所要所で腹抱えて笑わせてくれるのは素敵でした。

その場のノリで魔王を倒してしまうミヤに対して勢いでは勝てないと思ったチサが何故か百物語で勝負を挑んだり、ラスボスが も の す ご く ショボかったり……とヘンな部分で妙な方向に突っ走るノリはまさに『いつもの』神坂一。そして終わり方がいまいちすっきりしないのもいつも通り。良くも悪くもいつも通り。1巻でこてこてのギャグをやられたあとに、このしんみりした終わり方というのがなんとも違和感を感じてしまう…。

…うん、この人の作品、凄く好きなんだけど、どうしても終わり方が好きになれないんだ……。ヤミサダの3巻は丸々いらないと思ったし、スレイヤーズ本編の終わり方もあまり好きではなかったし、…それなりに納得した終わり方したのはロユスニくらいか…でもあれも、漫画版で脳内補完しなかったら正直キツかったような…。

ミヤの発禁魔法少女は是非ともどんなカンジなのか見てみたかったです。
あとやっぱり反響あったのは触手か。触手だったのか。