うららの記事一覧 | ページ 143 | 今日もだらだら、読書日記。

うらら一覧

わたしたちの田村くん2

[著]竹宮 ゆゆこ [絵]ヤス

相馬とキスした夜、田村雪貞の自宅には松澤から久しぶりの手紙が届いた。それ以来忘れられているとばかり思っていた松澤からの痛恨の一撃と、すっかり“彼女”モードの相馬との板ばさみで日々苦しむ事に。しかもそんな時、遠い町に引っ越していった松澤が陸上の大会で隣町にやってきて…
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不思議系電波娘松澤、タカビーツンドラ娘相馬という二人の女の子の間で田村くんが揺れ動くラブコメ、完結編。物語は文句なしに面白い。でもこれは、女の子の立場から言うと、どっちにも良い顔してる田村が、なんかすごく許せん。

期せずしてして二股になってしまったのはしょうがない。相馬に対しての告白の返事は、とても誠意のあるものだったと思う。ただ、その後の松澤とのやりとりが酷すぎ……あれは相馬という一人の女の子を振り切れてない以上、田村くんは決して言ってはいけない一言だと思うのです。あんな場面であんな大体的に告白されて、「でも相馬も好きです」なんて冗談じゃない。相馬に対してはどっちともとれないような、気の持たせるような態度を取っておいて、松澤には「好きです」「つきあってください」ってあんまりなんじゃないの?それならきっぱり相馬は振っとけと。中途半端な態度が一番女の子にとっては辛いというのに。

相馬と松澤は甲乙つけがたいくらいに魅力的な、強い少女として描かれていて、揺れ動く田村くんの気持ちも痛いほど伝わってくるんだけど、だからこそ最後の展開には納得できない。なんか結局遠距離恋愛で気持ちが収まってきた頃にあっさり相馬に陥落されてそうな田村くんの未来がかいまみえる……いや、だめだろ……それはさすがにだめだろ……。

結局、主人公に感情移入して楽しむべき物語で全く田村くんとシンクロできなかったのが最大の敗因か。主人公がどうしても受け付けられなかった事以外は本当に面白かったと思うので、なんていうか、楽しめなかった自分自身が残念です。というか元々こういう中途半端な終わり方が嫌だから「ラブコメ」は滅多に読まないんだよなあ…という事実を思い出した。でも、できれば「とらドラ!」ではこういう半端なラストではなく、誰か1人を選んで終わる形にして欲しい……。

ちなみに、そんな私はラストの高浦妹の話が一番楽しめました。ネタが痛てえ…!!(爆笑/褒めてます)


わたしたちの田村くん

[著]竹宮 ゆゆこ [絵]ヤス

中学最後の夏。親友のそんな言葉に浮かされて彼女を作ると心に決めた田村雪貞が相手として選んだのは、進路調査票に“故郷の星へ帰る”と書いちゃうような同級生・松澤小巻。彼女に近づく為、早速早朝トレーニングを始めた田村くんだけど、彼女には複雑な事情があって…
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自分のことを宇宙人だと言い張る電波娘・松澤とクラス1の美人だけど性格最悪な同級生・相馬という二人の女の子と、何の変哲も無い主人公・田村くんが繰り広げるドタバタラブコメ。一見ただの変人なふたりだけど、実はそれぞれに重い過去を抱えていて……という展開で、笑いあり、涙ありで存分に楽しませてもらいました。

「とらドラ!」の竹宮さんの前作ということもあり、個々のエピソードはとても面白かったのですが、そして大切な人のためにとまっすぐで一生懸命頑張れる田村くんにはとても共感がもてるのですが……それだけに後半の相馬のエピソードの際、どうしても女の子(特に松澤)視点でモノを見てしまっていたのが困りモノ。というわけで、後半の相馬エピソードは素直に楽しめないものがありました。

そりゃあ中学生にとって半年近くって物凄く長いものですけど、あれだけドラマティックに物語が展開しておいて、半年くらいであっさり他の女の子が気になっちゃうものなのかなー…と、田村くんにモヤモヤ。田村くん自身もそれに関して悩んでいるような描写はあったものの、二人の過去がとてもとても重いだけに、無責任に心を開かせるだけ開かせておいて次に行ってしまうような態度に苛立ちを隠せませんでした。いっそ完全に無意識だったらここまでイラつくこともなかっただろうに。

ただ、最後の最後で転んでもただでは起きない松澤のグーパンチが炸裂で、思わず「いいぞ松澤!もっとやれー!!」。本当にこの子、このまま忘れ去られていく存在になったりしたらどうしてくれようかと!!良くも悪くも、これは2巻でどう落とし前をつけてくれるかで物凄く評価が変わってしまいそうです。上手くオチをつけてくれるといいなぁ。

ちなみに「松澤派?相馬派?」と聞かれたら……松澤派、かなぁ。どうしても最初にくっついた方に肩入れしてしまう部分はあるかも。ただ、相馬はどうしてもキャラクター的に「とらドラ!」の大河と被る部分を感じたので、あれを読む前だったら正直どっちに転んでいたかはわからないかも。


ムシウタbug 7th. 夢高まる鳴動

[著]岩井 恭平 [絵]るろお

亡き親友・花城摩理の真意を探る為やっとの思いで彼の元にたどり着いた亜梨子に向かって、ハルキヨはある日時と場所を指定した。その時間、大助も連れずに約束の場所を訪れた亜梨子を待っていたのは、なぜかハルキヨとの“デート”で…!?
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亜梨子の使える蟲の力の増大と身体の変調と共に、だんだん終着地点が見え始めたbugシリーズ第七弾。

亜梨子を橋渡しにして虫憑きの中でも最強と謳われる一号指定の3人である“かっこう”・ハルキヨ・リナに加え、後の本編シリーズでも重要な役割を果たす事になる少女・赤瀬川七那を加えた最強タッグが結成。本文でも触れられるとおり、この4人ならどんな不可能な状況でもひっくり返せそうな気分がしてとてもワクワクしました。何しろ全く毛色の違う3人がそれぞれ亜梨子に惹かれて集い集まるという構図がもう凄い。亜梨子の代わりに現れた花城摩理との四つ巴には更に胸が熱くなるものを感じました。

ただ、それと同時に亜梨子自身に残された時間はあと僅か。本編で示唆される様子から照らし合わせても彼女が無事のまま物語が終われるとは到底思えないので、その辺がとても不安。後は摩理との“答え合わせ”が納得のいくようなかたちで終わるよう、祈るばかり。bugシリーズもいよいよクライマックスという感じですが、二人の行く末がどのようなものになるのか、とても楽しみです。

そして後半は摩理を虫憑きにした“三匹目”アリア・ヴァレイの宿主になった“先生”の物語。波乱だらけの悲しい物語ではあったけど、アリア・ヴァレイと“先生”のやりとりがとても味があって好きでした。そして久しぶりに出てきたけど初季可愛いよ初季。

亜梨子というキャラの魅力がふんだんに詰まった1冊で、凄く面白かったです!ただ、一方で「ムシウタ00」、bugシリーズと3冊程番外編が連続で出てきて、既に本編シリーズの内容がうっすらとしか頭に残っていないのがちょっと不安だったり。出来れば次の本編は早めに出して欲しい……


コードギアス反逆のルルーシュR2 TURN?1?

[著]岩佐 まもる
[原案]大河内 一楼/谷口 悟朗 [絵]木村貴宏/toi8


「ブラックレベリオン」の際、謎の少年に連れ去られたナナリーは皇族としてブリタニアに戻る。最愛の兄・ルルーシュの行方を案じながらも兄の重荷となっていた事を自覚した彼女はかつての姉・ユーフェミアの遺志を継ごうと決意するが…
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「コードギアスR2」のノベライズ第一弾。ナナリーの視点を中心に、前シリーズ最終話後からナナリーのエリア11総督就任までを描きます。

ブリタニアに居るナナリーからの視点ということで例によってアニメ序盤で語られる物語はほぼ全部スルー。完全にアニメを見た人向けの内容となっているけど、今なら丁度本編の無料配信もあるし、販促小説としては丁度良いのかも。イマイチ本編では影の薄いスザク以外のナイトオブラウンズの、特にアーニャがとても良い味出してました。腹に一物もってそうなシュナイゼル兄様も影で大活躍。

一方、すっかりルルーシュへの復讐を心に決めたスザクさん。時折覗かせる冷たい表情がとても怖いです。復讐の為ならなんでもやっちゃいそうなスザクさんがとても恐ろしいです。というか、ナナリーに地味に死亡フラグ立ってる気がするのは気のせいか…。そして初登場からヤンデレ全開なロロさんにも注目。こええよ…ルルーシュの周りに居る男性キャラ皆こええよ…。

また、前シリーズ終了直後にあれだけの衝撃を受けていたカレンがどうして再びゼロの下に居るのかの理由が明かされたのは興味深かった。C.C.とのやりとりが何気にすきなのですが、この二人もっと絡まないかな。以前のような盲目的な依存をするのではなく、等身大の少年として「ゼロ」を見るようになって、その一方でナナリーと同じ“兄を持つ妹”としての立場からゼロの行動に疑問を抱き、見極めるために再びその傍に居る事を決意するという姿がとてもかっこよかったです。カレンはアニメ版でもなかなか良い味を出してるので今後の活躍が楽しみ。

アニメ本編の補完として読む分には文句なしの出来でした。今後もアニメはしっかり追いかけていく予定なので、今後の小説版の展開にも期待してます。


「ライトノベル春の100冊フェア」をつらつら語る。

買いすぎ! 1ヶ月間、元気に角川グループの手の上でだんすだんすれぼりゅーしょん(それ会社違う)

しおり目当てに100冊フェア対象商品買いまくったらこのようなことになりました。
ちなみに上段が未読、下段が既読。田村くんは今月中に読みたいなあ…。
しおりは好きな作品の奴をもらえたので思いっきり趣味に走りました。
ただ、出来ればバカテスは姫路ファンとはいえ違う絵柄にして欲しかったなあ…この柄のしおり、他のフェアやファミ通文庫に封入される奴で既に何枚も持ってるよ。今までファミ通文庫封入のしおり絵になったのは姫路さん&翔子、ファミ通文庫フェアのクリアしおりになったのは姫路さん&秀吉なので今こそペッタンコをしおりにしてあげるべきだったのに。

でも100冊フェアはラインナップが微妙で、買い揃え辛かったです。
1冊2冊だけ対象にして後続をそろえさせたいのか、シリーズまとめて対象にして全部買わせたいのかバラバラなのが凄い違和感ありました。フルメタやハルヒやムシウタはかなりの冊数が対象に入ってるけど、全部持ってたし、結構「持ってなくて」「それなりに興味のある」シリーズというのを探し出すのが大変だったかも。私でさえそうなんだから、ある程度ラノベを読み込んでる人は対象作品全部カバーしてる人とかも多そうです。

そしてそもそも、100冊フェアはやってる店舗が極端に少なくて、100冊フェア帯の本を探すのがとても大変。R2のアニメ化帯がかかったばかりのギアスとか、みつけるのが物凄く難易度高かったです。更にしおりの配布フェアに至っては某アニメショップ店員すら把握してないという素晴らしい知名度(メイトで確認したら、「んなフェアしらねえよ!!」的な勢いで店員にキレられた…)

次回このフェアをやるときは、是非とも実施店舗のリストを公開して欲しいと思う今日この頃です。あと是非とも公式サイトにしおり配布の事も載せてください。またメイト店員と口論になった時、公式ソースが出せないのは辛いです…!!


今月のまとめとオススメ本[2008年5月分]

今月の読了本は18冊でした。うん、いいペースだ(自分的に)

2008年5月の人気(?)感想3選

ここんとこ「4選」が続いてましたが、久しぶりに3選に…

ダブルブリッド10
⇒感想

ふたかた
⇒感想

ドラマCD バカとテストと召喚獣
⇒感想


祝・完結!!の「ダブルブリッド10」が桁1つ引き離してぶっちぎり。あのエンディングは本当に最高でした。最高のエンディングをありがとうございます!9巻までのまとめ記事への反響も非常に高かったようで、まとめた甲斐がありました。アクセス数2位は新創刊の一迅社文庫から「ふたかた」。やっぱり新レーベルという事で注目度が高かったのでしょうか。あと何気に女装描写に関するコメントをいろんなところで紹介してもらってたような(笑)個人的には2巻に期待のシリーズです。ていうか女装描写控えめにしてもっと学園ドタバタな部分を増やせばいいと思う!

3位以降は、今月は控えめだったバカテス勢が勢ぞろい。「バカテスドラマCD感想」「4巻感想」「1巻感想」という感じで続きます。ドラマCDはほんとオススメなんですが……とにかく手に入りづらい現状が……重版(CDでもこういうの?)してくれないかなあ。

2008年5月に読んで面白かった本


バカとテストと召喚獣4
⇒感想

図書館革命
⇒感想

花に嵐の喩えもあれど 魍魎の都
⇒感想


今月は「ダブルブリッド10」「バカテス4」が神すぎた所為かなんなのか、物凄いほかの作品に対する評価が低いんですが……単純に今月読んだ本が不作だったのか、神作品効果で他がかすんで見えたのか、とても気になるところ。バカテス4巻はドラマCDに僅差でアクセス数は負けたものの、考えると感想のアップに1週間の時間差があるわけで、どんだけ人気なんだよ!!!という感じですね。でも今回の4巻はラブコメ的にほんと良かった!!今後、「ギャグ好きなら3.5巻、ラブコメ好きなら4巻までまとめて読め」と言って薦めたいと思います。(や、まあ1巻読むと落ちてくれる人が多いんですけど…)

ようやく読み終わったよー!な「図書館」戦争シリーズは個人的には全部オススメなんですが、1冊選ぶとすればやっぱり最終巻となる「革命」が一番好きです。別冊図書館戦争の甘々モードもとても好きですがやはりバトルとアクションがないと!「魍魎の都」は…ぶっちゃけ本編よりも番外編の方が好きだったりするのですが。オカマちゃんキャラかと勝手に思っていた貞通が予想以上に良い女装キャラで、とてもハァハァしてました(うわあ)

2008年5月の検索キーワード

あまり面白いネタがなかったので、「面白」検索キーワードは来月回しで……最近、同じサーバーにある腐絵日記の方にバカテスのカップリング系キーワードが持っていかれてネタ切れ気味であります。

とりあえず、上位はこんなことになってたということだけ。↓
バカテス……
ダブリ  バカテス バカテス ダブリ みたいな。


故郷へマのつく舵をとれ!

[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ

合流を果たしたユーリ達の前に死者の軍団を引き連れて現れたのは、聖砂国皇帝のイェルシーと死んだ筈のヨザックだった。傷ついた村田を人質に取った彼らは、サラレギー、ユーリとの身柄交換を迫る。進退窮まったユーリはある決断を下し…
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後書きで著者本人が「終わるとは思わなかった」とまで言ってますが、それだけ煮詰まって煮詰まって煮詰まっちゃったんだろうなあというのがどことなく伝わってくる「聖砂国編」、完結編。なんか展開が駆け足というか、作者自身の焦りが文章に乗ってしまっている気がするというか…無理やり終わらせました感が物凄くするというか………うーん。

毒女アニシナ様の大活躍もギュンターの大暴走も本当にオマケ程度しかなくて、“魔王モード”有利の大岡裁きモードもないまるマシリーズってやっぱりなんか味気ない。ラストバトルとか読むのかなり辛かったんですけど。その割りに終わり方もなんだか様々な点でスッキリしなくて…全体的に「これは私がまるマに求めてる展開ではないなぁ」というのが第一の感想でした。やっぱこのシリーズは適度にシリアスにそして適度にギャグな路線を貫いて欲しい。

魔王モードについては、なんか今後の展開をまたちょっと匂わせるような使い方で、色々また暗い話になりそうな予感。もうあの“魔王様”は大岡裁きだけやってればいいのに(待て)。ていうかコンラッドの実父の話とか思いっきり忘れてて、読んでて混乱した…。

聖砂国編では相当行き詰っていたようなので、とりあえずシリーズにオチがついたことだけでも喜ぶべきだろうか。次の本編シリーズではまたもとの明るい路線に戻る事を期待してます。来月の短編は読むとしても、次の本編シリーズの方向性次第ではいい加減切るかも…また聖砂国みたいな展開になってリアルタイムで追いかけようとしたら正直読むの辛いと思うし。


リトルバスターズ!SSS Vol.2

[著]糸井 健一 他  [絵]観音 王子 他 [原作]VisualArt's/Key

「リトルバスターズ」を目の仇にしている風紀委員会の佳奈多が、下着ドロの調査を依頼してきた。リトルバスターズの面々は、佳奈多を一時的に準メンバーとして加え、捜査を開始する。生真面目な彼女は破天荒な面々に振り回されるばかりだったが…!?
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佳奈多と佐々美というリトルバスターズ非メンバーの少女達に焦点を当てた短編3本を収録。調べてみたら今度発売される「エクスタシー」で昇格になったヒロイン達ということで、新作の販促的な意味もあるのかも?

安定して面白くはあるんだけどどこかイマイチ物足りないのは、1巻ですっかりお気に入りになってしまった主人公・理樹くんの出番が申し訳程度にしかなかった所為か。別にもっと女装理樹を!!!なんてことはちっとも思ってませんが(思ってるじゃないか)……とはいえ、唯一女装理樹が登場した1話が一番印象薄かったんだよなあ…。

個人的には2話が一番お気に入り。虫歯になってしまった佐々美が歯医者が怖くていけないという事実を隠しているうちに、周囲からいつもと様子が違うのを心配された挙句に盛大に誤解され、なぜか虫歯が一番酷い状態で憧れの人とデートするハメになってしまう……というお話で、よりによって憧れの謙吾の前で失態を犯すわけにはいかず……と、どんどん自分から泥沼にハマって行く佐々美の姿がとても可愛らしかったです。

3話は、棗兄妹が鈴の頭についている鈴(ややこしい…)と化け猫に操られた佐々美を元に戻す為、麻雀対決に挑む…という話なのですが、そもそも麻雀のルールがわからないのでイマイチ物語にのめりこめず。突然化け猫だの猫又だのが出てくる展開も違和感あったかも。ただ、普段仲の悪い鈴と佐々美が案外お互いを認め合っている姿が見られたのは面白かったかな。

2話といい3話といい、佐々美というキャラクターの魅力が全面に押し出された1冊でした。早くも3巻の刊行予定が立っているようなので、そちらも楽しみにしたいです。


……さてさて、この「なごみ文庫」というレーベル、丁度興味のあったシリーズの刊行が重なって今まで刊行された本はコンプ状態なのですが、来月の刊行予定は「紫電一閃!華蝶仮面」の3巻と、新シリーズで「はぴねす!」の外伝ノベライズが来るようです。

…あれですよね、「はぴねす」って、SD原画が「バカテス」の葉賀ユイさん(←キャラデザは別の人)で、女装少年キャラがサブヒロインっていうあれですよね?(たまーに秀吉と並べて挙げる人が居たので調べた)(しかも外伝ノベライズは問題の女装少年が主役の話らしいよ!)

…買えってか。ええ買うとも。
こうなったら行けるとこまでなごみ文庫コンプしてやるとも!


バカとテストと召喚獣4

[著]井上 堅二 [絵]葉賀 ユイ

美波から、突然のキスの意味を考える間も無いまま嫉妬にかられたFクラスの面々に連行され、臨時査問委員会に掛けられる明久(と雄二)。なんとか場が落ち着いた後、良くわからないうちに美波といい感じになってしまうのだが、美波の事が大好きな少女・美春が自分のクラスを炊きつけて試召戦争の準備を始め…!?
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修羅場・泥沼・崖っぷちと三拍子揃った今巻。いつも通りのおばかなギャグもありますが、三角関係が表面化してしまった関係でかなりギャグ度は下がってます。バカテストも、このシリアスモードで入ると微妙に雰囲気壊してる部分があって、そこだけはちょっと残念だったかなあ。

ただ、それでもあえて言おう、最っっ高に、面白かった。と。

まあ言いたいこととしては今回最大の勝ち組は美波派でも瑞希派でも秀吉派でもなく明久派であるってことなんですけどね!?「萌え」的にも「燃え」的にもな!!!


ペッタンコのキスから半年以上引っ張られた所為で色々4巻予想とか考えちゃって、正直4巻の発売が楽しみなような、不安なような気持ちで一杯でした。明久×姫路派としては、明久がペッタンコとくっついてしまう事自体も非常に不安だったんだけど、それ以上に明久がなし崩しに美波と付き合う…みたいな展開になったら最悪だなあ、と。そんなことになったら美波も姫路さんも最後には傷つくだけだと思うので…。

だけど明久は誤解だと気付いたらそれを(美波に半殺しにされるの覚悟で)すぐに解いて、美春に指摘されたらちゃんと回転の悪い頭をフル稼働させて考えて、ちゃんと自分の頭で考えた今の自分の精一杯の気持ちを言葉にしてくれて……どうしようもないおバカで鈍感な男の子だけど、ちゃんと美波に対して誠実であろうとしたというその行動がめちゃくちゃ素敵でした。

「僕みたいなバカにだって、言っていい嘘と悪い嘘くらいわかる!」

特にラストのDクラス戦前後の一連の流れはもうホント大好きです!!ただのレズ娘だと思っていた美春がまた、良い味出していて。明久の一言一言に、胸が熱くなった。この作品に出会えてよかった。このキャラクターに出会えてよかったと真面目に思いました。今回の明久、いい男過ぎる。惚れなおした!!

「お姉ちゃんね……もう、どうしようもないくらい人を好きになっちゃったかも……」

今回は殆ど明久と美波が主役みたいな話だったけど、明久・美波・瑞希の三角関係については、振り出しに戻った…というか、ここからが本当の三人の関係の始まりかなあ…と感じました。明久は悩んで悩んでちゃんと答えを出してくれたけど、ある意味3巻までの明久と美波の関係はやはり“友達”以上には進みようのない関係だったと思うのです。明久が美波の事をきちんと“ひとりの女の子”なんだと自覚した事で、漸く二人とも「恋愛」関係を始められるスタートラインに立てたのかなあと。美波にしろ、明久にしろ。ラストでの美波の一言が、それを一番シンプルに表現しているように思えました。

私、基本的に姫路派だけど、今回の美波は本当にかわいかった…。

「……やっぱり、不安になっちゃいます。こうやって、簡単に近づけちゃうんですから」

一方で、姫路さんも今回の件で明久に対してどこか吹っ切れた感じがあって、どこか大人っぽい彼女の姿が本当に魅力的でした。いやあ、一時黒ヒロイン化の一途をたどり始めた頃はどうすればいいのか真面目に困ったけど!ていうか122Pの挿絵周りのやりとりと、ラストの雄二と姫路さんのやりとりが物凄い好きだ!!元から天然ボケカップル好きとして、明久は姫路さんとくっついてほしいと思っていたのですが…今回の件で姫路さん単体萌えがどーんときたよ!!物凄く惚れ直した!!!!!姫路さんかわいいよ姫路さん!!

今後のこの三人の関係にはものすごく期待。今まではどちらかというと「腐女子要素」と「熱血バトル系ギャグ」な部分ばかりに魅力を感じていた作品なのですが、本格的に「ラブコメ」としてのバカテスの、先が楽しみになってきました。まあ、4巻はポニテのターンだったから5巻はピンクヒロインのターンですよね井上先生!?誰が何と言おうとそこは譲らない!!!


【以下、恒例の腐女子のターン!!!】

今回は主人公周辺の三角関係に完全に焦点が当たったターンだったので、ギャグと同時に腐ネタも抑え目な話でしたが、おいしいところはしっかり残しておいてくれるのがバカテスの良いところ。秀吉×明久にしか見えないアレとか、明久の言葉に頬を染める雄二(笑)とか、相変わらず何か誤解しているヒロイン2人とかとか……改めて読み返すと密かにニヤニヤなシーンが大量に!!

ムッツリーニが盗撮写真を裏で流してるネタは、自分とこの同人誌のネタとしてひそかに考えてました。やっぱりあの女装写真はムッツリ活動の資金源にしてたのかムッツリーニ…そして買ってった相手がどうみても……どうみても!!!

それにしても、「第三の性:秀吉」に近いレベルで「女装少年アキちゃん」が文月学園の2年生の間で人気がうなぎのぼりっぽいのがとても気になります。少なくても明久が現在文月2年生の腐女子達の間でアイドル化しているのは間違いないと思う。

つか女子はまあいいけど
一部F組男子まで何人か陥落してただろ「アキちゃん」に!

そのうち明久が、作中で第四の性別扱いされはじめても、私なにも驚かないと思う…


疾走する思春期のパラベラム デイドリーム

[著]深見 真 [絵]うなじ

遂に映画の撮影をすることになった映画部の面々。何故か主人公に抜擢されてしまった一兎は志甫とのキスシーンがある事に動揺する。ところが、街に志甫の兄の仇である殺人鬼『クロスドレッサー』が現れ、志甫は一人で犯人を追い始めてしまう。さらに「灰色領域」の幹部達も動き始めて…
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戦闘シーンが微妙だった1、2巻と比べて、3巻の戦闘シーンはかなり面白くなってきているとは思うのですが、やっぱりなにか物足りないものが……なんかいまいちこの作品の戦闘シーン、盛り上がりに欠けるというか、肌に合わないというか。シリアスモードに入って日常描写が大幅にカットされてしまったのがとても残念でした。志甫のアホっぷりもなりを潜めてしまってわたしどこで息をつけばいいか判りません……。

あと、ホモはとにかくレズが妙に普通に出てくるのは……もうこれは、作者さんの味なのか。いや、別に私、百合方向に拒否反応が出る人ではないのですが!個人的にですね、同性愛描写はもっとこう、なんともいえない背徳感とか、やっちゃ駄目感というか……どこかしら「私達は世間的には少数派なんだよ」的な思考があってこそ萌えるものだと思っているので…ここまで自然にレズられると、うーん…。特に女子はレズじゃないレギュラーキャラの方が少ないってどういう…。一方で、ホモ二人はホモ二人で、絵に描いたような純情カップルぶりで、これもどうかと思うんだ!なんというか、確かにこの二人自体は見ていて微笑ましい系なんだけど。総合するとボケばっかりでツッコミが足りないっ!ああ、この同性愛者どもに片っ端から愛のハリセンをかましてあげたいっ!!!

『クロスドレッサー』の正体や今回登場する儚げな少女・四神美玖の運命にはとても驚かされたのですが、やはり戦闘の盛り上がりに欠けるのと根本的に戦闘描写が肌に合わないのがちょっと辛いかな。今後はどうみてもシリアス方向に行ってしまう方向のように思えるので、とりあえず今のところ4巻以降は買わない方向で…