[著]竹宮 ゆゆこ [絵]ヤス 相馬とキスした夜、田村雪貞の自宅には松澤から久しぶりの手紙が届いた。それ以来忘れられているとばかり思っていた松澤からの痛恨の一撃と、すっかり“彼女”モードの相馬との板ばさみで日々苦しむ事に。しかもそんな時、遠い町に引っ越していった松澤が陸上の大会で隣町にやってきて… |
期せずしてして二股になってしまったのはしょうがない。相馬に対しての告白の返事は、とても誠意のあるものだったと思う。ただ、その後の松澤とのやりとりが酷すぎ……あれは相馬という一人の女の子を振り切れてない以上、田村くんは決して言ってはいけない一言だと思うのです。あんな場面であんな大体的に告白されて、「でも相馬も好きです」なんて冗談じゃない。相馬に対してはどっちともとれないような、気の持たせるような態度を取っておいて、松澤には「好きです」「つきあってください」ってあんまりなんじゃないの?それならきっぱり相馬は振っとけと。中途半端な態度が一番女の子にとっては辛いというのに。
相馬と松澤は甲乙つけがたいくらいに魅力的な、強い少女として描かれていて、揺れ動く田村くんの気持ちも痛いほど伝わってくるんだけど、だからこそ最後の展開には納得できない。なんか結局遠距離恋愛で気持ちが収まってきた頃にあっさり相馬に陥落されてそうな田村くんの未来がかいまみえる……いや、だめだろ……それはさすがにだめだろ……。
結局、主人公に感情移入して楽しむべき物語で全く田村くんとシンクロできなかったのが最大の敗因か。主人公がどうしても受け付けられなかった事以外は本当に面白かったと思うので、なんていうか、楽しめなかった自分自身が残念です。というか元々こういう中途半端な終わり方が嫌だから「ラブコメ」は滅多に読まないんだよなあ…という事実を思い出した。でも、できれば「とらドラ!」ではこういう半端なラストではなく、誰か1人を選んで終わる形にして欲しい……。
ちなみに、そんな私はラストの高浦妹の話が一番楽しめました。ネタが痛てえ…!!(爆笑/褒めてます)