うららの記事一覧 | ページ 162 | 今日もだらだら、読書日記。

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バカとテストと召喚獣3

[著]井上 堅ニ [絵]葉賀 ユイ

泊りがけの学力強化合宿を控え、修学旅行気分で浮かれるFクラスの面々。そんな中、明久は文化祭のときのとある写真をダシに脅迫を受ける。同時期に雄二も翔子から文化祭のときのある言葉をダシに結婚を迫られ…挙句女子風呂覗きの濡れ衣を着せられた二人は真犯人をあげるべく、女子風呂を目指す…—!?
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バカの中のバカ達が繰り広げる、ハイテンションなギャグコメ第三弾。3巻になると流石にテンションが落ちるのでは…と微妙に心配していましたが、相変わらず良いバカっぷりで安心しました。

今回は徐々に全学年の男子と女子、更には教師までをも巻き込んだ女子風呂覗き大作戦。無駄なまでに熱い情熱を傾ける男子生徒たちの姿が実に熱いのですが目的が目的なので熱ければ熱いほど何かが可笑しいという状態に。雄二の押しかけ女房こと翔子はますますエスカレートするし、最初は清楚なヒロイン然としていた瑞希はすっかり嫉妬の鬼と化すし、秀吉は学校公認の性別:秀吉状態で、以前よりパワーが上がっている印象すら受けます。

バカテストも相変わらず全面的にテンションおかしいけど、今回は第4問がツボでしたね。だって先生興味シンシンじゃねえか!!!本編ではやっぱり古今東西がツボすぎま。バカテスト番外編という感じで大爆笑。

一方で、ちょっとした誤解から美波VS瑞希の争いが遂に勃発しそうで、次回以降が凄く楽しみになってくる引きでした。といっても次回は水着で短編集だそうですが。秀吉の水着が個人的に一番気になる(笑)

まあそれはとにかく。
最近、明久に萌えてしょーがないのですが。

正直、「バカとテスト」最大の萌えキャラは秀吉じゃなくて明久。本人全くノンケでバカでモテない(と思っている)のに実は何気に美少年という設定(確か2巻辺りを参照)で、雄二との関係を誤解されたり、何かと女装シーンがあったり、メイド姿の写真で脅迫されたり、今回はムッツリーニに○○○○姿を激写されたり、明らかに△△ッ気のある××××に告白されたり(しかも本人は告白されたと気づいてなかったり)…女子生徒のオシが強いので、女子生徒相手にも普通に受に見えます。

ぶっちゃけ個人的には「おと×まほ」のかなたんや「ゼランディーヌ」のすめらぎを遥かに超える萌え女装少年キャラです。正直今回の○○○○姿の明久の挿絵が無かったのはマジで万死に値すると思う。

今、女装少年好き腐女子のみんなに全力でお薦めしたい一作。


Dクラッカーズ 4 乱?rondo?

[著]あざの 耕平 [絵]村崎 久都

執行細胞の決定でマーケットにカプセルが無料で配布されるようになって以来、何も知らない一般人までがドラッグに手を出すようになり、街は混乱の極みにあった。千絵と梓達はカプセルのルートを割り出す事で執行細胞—そしてその先にいる“無慈悲な女王”を追おうとするが、捜査は行き詰まり—…
 

千絵と梓、景と水原、そして甲斐氷太と茜という超豪華メンバーが手を組んで執行細胞を追うという話。今まで最大のライバルだった<ウィザード>物部景とドラッグドッグスの<狂犬>甲斐氷太が手を組むと言う展開は、もうそれだけでめちゃくちゃアツいですね!せっかく仲間になったのだから二人が背中を合わせて戦うというようなシーンを見たかったけど、それが無いのがまたらしいといえばそれらしい。グループで動いてもどこまでもフリーダムで、それなのにちゃんと美味しい所はまとめて持っていく甲斐氷太に惚れそうでした。そしてそんな甲斐を影から心配する茜ちゃんが可愛いなぁ?。

そして同時に今回美味しい所もってきまくりだったのが、家出中学生の久美子。自分だけ何も出来ない事と、退屈にかまけて好き勝手暴走して?…というあたりはある意味テンプレ通りの行動ではあるんだけど、なんだかとても危険な位置に居るというのに不思議と和んでしまう、不思議な魅力を持つキャラクターだと思います。彼女と景のでこぼこしたやり取りも凄く良かったです。

それにしても、主人公格である梓と景は……気がつくとある意味すっかりバカップル状態と言うか。皆に冷やかされて慌てる梓と、冷やかされるのが嫌でわざと距離を保ってる景が非常に微笑ましい。

後半は遂に発見した執行細胞達とのバトル…なのですが、イマイチバトルが盛り上がらなかったかなあ。特に理由はないんだけど。他の部分が凄くテンポ良く読めるのに対してちょっとだれてしまっていました。特にベリアルと甲斐の戦いがキツかった…。

ストーリー自体は1段落して次から新章突入という感じでしょうか。座談会でネタになっていた景の浮気というのが猛烈に気になります(笑)セルネットも本格的に動き出すようですし、ますますこれからが楽しみです。


ドージンワーク ノベル 彼の愛情、彼女の欲望。

[著]坂東 真紅郎 [挿絵/原作]ヒロユキ

一山当てようと同人界に飛び込んだのは良いが、画力がなくて全く売れない長菜なじみ。いつものように某同人誌ショップを物色していたところ、彼女のファンである星純一郎から話題の同人ゲーム「かわせみの呼び声」のオンリーが開催される事を聞く。売れセンのゲームでもあることだしと、仲間達と共にサークル参加をすることにしたのだが…
 

初っ端でいきなりソーラがコスプレイヤーという素晴らしいカウンターを食らい、それ以来内容よりも原作の相違点ばかり気になってしまってあんまり楽しめませんでした。ストーリー自体もなじみたちがオンリーイベント(おそらく「ひぐらし」)に参加する姿を描く…というか、その姿を通して作者の同人界に関する薀蓄を垂れ流すというような内容になっていて、現在同人界にリアルで身を置く人間としては知ってる事だらけで「ああ、あるあるw」的な笑いポイントが幾つかあった以外はちょっと微妙。あと、女性向に関する薀蓄はちょっと勘違いしてる印象も受けたのであんまり本気にしない方が良いです。(確かに人口は多いけど、皆カップリングでえり好みするから一部の壁大手以外はそんなに部数出ないと思うんだよね…ていうか今回かねるの書いた女性キャラの男体化なんて、常識的に考えて人選びすぎだろ…)

あと、アニメとあわせて発売したくて無理に出してしまったんだと思うんですが、小説版とコミック版4巻終了時点での辻褄が全く合わないのは酷いなあと思った。一応スタンスとしては「4巻終了前後のなじみたちの日常を描いた外伝」という感じなんだろうけど、そうすると決定的に辻褄が合わない部分が幾つか出てくるんですよね。特にかねるの同人誌の売上部数がほぼ同時期になるはずの原作と小説版で10倍近く違ってしまっているのがしょっぱいなあ。

ただ、この売上部数の違いについては、原作の方が明らかに大手同人誌作家のズレた感覚という感じで、小説版の方が親しみを覚えられたりします。ちょっと特訓したくらいでゲームジャンルで女性向やってるかねるが100部完売って…それ普通にめっちゃ売れ筋作家じゃね……?(;´д`)

それこそ二次創作同人誌として読むなら同人界の薀蓄本としてそれなりに面白かったと言えるのかもしれないのですが(つかラストのなじみたちの売上冊数は親近感沸きすぎだw)これを公式ノベライズとして「正史」扱いされるのは激しく萎えるなあと思いました。ていうかソーラがコスプレイヤーについての薀蓄を語り始めたときは本気でどうしようかと。

原作を知らなくてとりあえず気になるって人は素直に原作読みましょう。原作が好きでしょうがない人は同日発売のアンソロジーコミックを買ったほうが無難です。同人界の知識を軽く抑えておきたい人にはお薦めできる…かも…?


 

ちなみに、「アンソロジーコミック」の方も一緒に買ってみました。
こっちは普通に面白かったです。公式アンソロジーとしてはいい仕事してるなあという印象でした。ジャスティスvソーラネタが比較的多め?

阿部川キネコさんの漫画、かねるとちゃみぃが重なって見えるんですが…あと「辣韮の皮」の皮のアニメ化はある意味「ドージンワーク」より危険な事になりそうな予感がしますwww

個人的にはなじみの「全部同じアングル・バストアップのみの同人誌」の忠実再現に爆笑した。

それにしても面白いから良いけど、まっつー&椿あすコンビは自分達の漫画のテンプレが出来上がりすぎじゃないかと…買う前に予想した内容と全く同じだったのである意味噴いてしまいました。


当ブログでのライトノベル定義はこんなかんじ。

これを機会にラノベ読みの人達の「ここまでがラノベ」って話を沢山聞けたら嬉しいですねえ・・・。

とのことなので、面白そうなので便乗します。
あくまで個人のイメージですので、「これ明らかに違うぞ」ってのがあっても目をつぶってあげてください。

私が「ライトノベルだ!」と無条件で思っている本

 ・漫画っぽいイラストが表紙である。
 ・本文内に漫画っぽい挿絵が入っている。
 ・挿絵の人がオマケマンガを前とか後ろに描いていたりする。
 ・漫画・アニメ・ゲームなどのノベライズ作品全て。

従って「塩の街」とか「砂糖菓子?」は電撃文庫版がラノベでハードカバー版は微妙。
銀英伝も私の中ではギリギリラノベ外というイメージなのですが、多分道原先生が挿絵をしていらっしゃるVerはラノベ認定になるのかと。天野絵の創竜伝は微妙だけどCLAMP絵の創竜伝はバリバリラノベだと思って読んでたりしましたね。

余談ですが、がっつりスレイヤーズ世代な私は「銀河英雄伝説」といわれると
田中芳樹よりも先に伊東老師の漫画「宇宙英雄物語」を思い出します。

だってなんだか字面が似てるから。
ハマってた当初良く取り違えたから。
ついでにリューナイト大好きだったから。

…本当に申し訳ありません両先生。

私が「ライトノベルだ!」と無条件で思うレーベル

 ・上記の内容に当てはまる内容の本が大多数を占めるレーベル
 ・メインとなるジャンルが判らないカオスなレーベル

私はラノベってジャンルと言うよりもレーベルの種類だと思ってます。
「ミステリ」も「ファンタジー」も「現代小説」も一緒くたに含めて
いいとこ取りできるのがライトノベルレーベルの美味しい所ではないかと。
だから正直、基本恋愛が主体の少女レーベル全般は
厳密には「ライトノベル」には含まれないと思う。
あれはもうラノベとは似てても同一ではない「少女小説」ってジャンルでいい。

あと、理由はないけどファウスト系はラノベっぽくない気がする。

ただ、いっしょくたに含めてなんでも「ライトノベル」って定義できるので
逆にレーベルに限定しないライトノベルの定義と言うものは猛烈に広いと思います。
美少女文庫系もボーイズラブもそれっぽかったらライトノベルでOKみたいな。
そのカオスさがラノベの魅力!!


…そんなこんなで、私の脳内のライトノベル定義を出来るだけ再現してみたのがこちら↓
soukan.gif
明るい緑の枠の中が広い意味での「ライトノベル」の定義。
一応右に行くほどSF・ファンタジー率が高いレーベル・作家で
左に行くほど舞台は現代で不思議率が下がるという方向になってます。
角川スニーカーは学園モノが多い気がするので左。
朝日ソノラマは内容的にはほぼSF方面に偏ってるけど表紙絵がいつも漫画家さんで、挿絵もあるので。

もっと良い分け方はあるとおもうんだけど、そのへんはつっこまないであげてください…

なお、ガガガとかファウストとかはレーベル自体良く知らないので省略。
美少女文庫系もとりあえずBLとの対比で入れてみたけど全く判らないです。
MF文庫JはこのブログにMF文庫の感想がほぼ皆無なことからもお分かりの通り、殆ど読んだこと無いのですが、やたらとラブコメ率が高いというイメージがあります。実際のところどうなんでしょうね。

【8/27追記】
少女小説周りと修正したのとガガガ文庫をこっそり追加しました。
ビーンズとルルルは特に他のレーベルよりもライトノベルに近い印象を受けます。なんとなく。でもBLっぽかったりルビーパーティっぽかったりと女性向率は高いと思われるのでこんなカンジに。ウィングス文庫も入れるならビーンズの直上あたりですね。
ガガガ文庫は、エロゲライターの起用や「武林クロスロード」のタマモノでMF文庫Jよりも男性向な印象をもってたり。


少年伯爵は月夜に目覚める

[著]流 星香 [絵]おおきぼん太

若いながらも気丈で良い領主であったベルナルド伯爵。王子の誕生日会に出席した彼は猟銃の誤射で瀕死の重傷を負ってしまう。領民のためにも死ぬわけには行かない—と命を取り留めたベルナルドだったが、その身体は吸血鬼へと成果ててしまう。一方、王都に現れる怪物を退治する軍部の小隊長・レオニールは力を求めているうちに自らの血を持て余すようになり—!?
 

「801ちゃん」でJUNEとBLの違いネタがありましたがこれはまさしく“JUNE”ラノベ…。

妙に描写がキラキラしてます。賢い美少年とワイルドな軍人さんとか世界設定とかいろいろと、実にお耽美です。戦闘中に飛び散る血を“真っ赤な蝶”と表現しているのを始めとして過剰なお耽美表現が普段そういう小説を読まない私にとっては新鮮で、とても印象的な小説でした。しかし「真っ赤な蝶」はバトル描写になると1Pに何十回連呼してるんだよという状態で微妙に五月蝿い印象を受けましたが…。

人の生き血を求め、人に触れれば生気を吸い取ってしまう【求血鬼】になってしまった「強気なオレサマ少年(←と、キャラクター紹介に書いてある。オレサマ…?)」ベルナルドと、血を持てあまし、力を求める余りに理性を失い凶暴化してしまう【給血鬼】になってしまったレオニールが様々な苦難に出会い、血を求め与え合う主従関係を築くまでのお話となっています。エロい要素はありませんが逆にエロという要素を使わずどこまでエロく出来るか限界に挑戦してるのかと疑いたいほどアレな感じ。ぶっちゃけライトJUNEノベルというのが妥当な表現な気がします。帯も軽くBL小説のノリですね。

ワイルドで野生的なレオニール、伯爵に命を捧げる従順な執事・セルバンティス、どうみても妖しいアル中医者ハニーデューク等と伯爵様とのカップリング妄想の余地も大量に(笑)

領民のために死ねないと思ったのにもかかわらず、吸血鬼になってしまったことで爵位を奪われた伯爵について来た使用人3人+セルバンティスの5人のまるで家族のような暖かい関係が実に良いです。まるで父親と母親のようなオースティンとマーゴットも素敵なのですが、ドジッ娘だけど伯爵様を思う気持ちは人一倍なミリアムが凄く可愛い。だからこそ、ベルナンドが他人に触れられない身体になってしまった時のお互いの悲しみは察して余りあるものがありました。

ストーリーは明らかにシリーズ化を前提に作られており、表紙に釣られてなんとなしに買ったんだけど凄く面白かったので続編にも期待。しかし、後書きなんか凄いな…なんか現代世界でキャラクターの座談会とか作者が登場とか、凄い久しぶりに読んだ気がするよこういうノリ…

挿絵については表紙に釣られた割にモノクロ絵はあまり好みじゃなかった?とか色々思うところがありますが、とりあえず作中で何度も何度も“金髪”と描写されている主人公の髪の色が思いっきり白髪で描かれているのは流石に酷いと思います。

ていうか白髪にされると、どうみてもベルナルドが某ジャンプのエクソシスト漫画の主人公にしか見えないんですが。


ぼくと魔女式アポカリプス

[著]水瀬 葉月 [絵]藤原 々々

ぼくこと宵本澪は“普通”を嫌う高校生だ。人生は壮大な暇つぶし、学校では変人扱いされているがそれでも“変人”という型から逃れる事は出来ない—と思っていたが、ある日の放課後、引っ込み思案で普通の少女・砧川冥子に告白されて以来すべてが変わってしまって…
 

主人公の恐ろしいまでの中二病発言に危うく本を投げ出そうかと思ったけど、そこを我慢して読んだら凄く面白かったです。投げないでよかった。後2P主人公の独白が続いていたら多分投げてた気がしますが。

中二病で人生投げまくってる高校生がひょんなことから喪われた種の復活を願う魔術師達と、彼らの依代となった代替魔術師達がお互いが持つ“根源闇滓(ルート・アンシィ)”を奪い合うという血みどろの戦い「聖杯戦争励起節(エキサイテイション)」に巻き込まれてしまうというお話。全体的に物凄い欝展開まっしぐらですが、ストーリー展開自体はかなり王道なもので、例によって主人公も最後には中二病な自分が今まで疎んでいた“普通”の中にこそ大切なものがあったと気づくという展開になっています。

なにはともあれ、魅せ場は。ヒロイン・冥子の扱う「代償魔法」は自らを自傷する事によってその肉体を魔術に使うというものですし、こういう設定のお話ではお約束の、魔術を使う“代償”として自らを削るような展開もあり…で、どうみてもこのシリーズのラストは幸せにはなれないんだろうなあという予感がひしひしとしてきます。表紙に騙されないエロ養分もきちんと完備。特にラストで明かされる、“敵”の魔術師の正体とそれに慟哭する主人公の姿は凄く良かったです。凄くストーリーに引き込まれたし、魅せられたし、泣かされた。

ただ、一つだけ不満を申せばイマイチ強引な設定が多かったというのを感じました。特に冥子と巳沙希が代替魔術師となった原因がどちらも強姦絡みだったのには正直閉口したなあ。なんか、女の子でこういうネタだったら「とりあえず●イプしておけば可哀想だろ!!」って男の欲望が透けて見える気がして、女の読み手としてはよい気分がしませんでしたね。後者はまだいいんだけど、冥子が父親に強姦されて自殺したっていうのはもう、本当に理由がないと言うか安っぽいお涙頂戴のための設定って感じで…正直こっちは学校で虐められてるという設定があるんだから、それ絡みで良かったんじゃないかと思うと言うか、家庭の問題に持ち込む理由があまりないんだよなあ…。

キャラクター的には主人公のトランスセクシャル設定(←ネタバレ)も実にイイですしヒロイン勢もよい味出してますが、色々な意味で草太というキャラクターにツッコミ入れずに居られない。ちょっ…おま…ショタな外見で昼行灯な腹黒ってどういうこと!!その外見で数々の女の子達の母性本能を掻き立て、次々と虜にしていくという設定は実にけしからんです。更にその魅力で男まで食い物にしようとは…そ、そんな上目遣いで腕ハグされたって本当の生意気ショタッ子萌えには通用しないんだからねっ!…………じ、じじじじつにけしからんぜハァハァ(*´д`)



…ぶっちゃけ中盤で草太に代替魔術師容疑がかかった時(ネタバレ)、
草太×澪をかなり濃厚に妄想したのは乙女のヒミツです☆(ちっとも隠せてない)


おと×まほ2

[著]白瀬 修 [絵]ヤス

母親と金色の猫・モエルから半ば強引に“魔法少女”をすることになってしまった少年・白姫彼方。今日もノイズと戦い、学校ではクラスメイト達に弄られる日々を送っていたのだが、突然魔法少女仲間のグレイスが戦闘中に行き倒れてしまう。更に、新たな“魔法少女”や巨大な敵まで現れて—!?
 

女装魔法少年が大活躍する魔法少女モノ第二段。なんか普通に魔法少女モノとして面白かったです。魔法少女モノとして。

しかし、1巻でも同じ不満を書きましたが、主人公である彼方がちっとも男性である意義を見出せていないのが「女装」魔法「少年」モノとしては痛すぎる。確かに全く彼方が男である事を意識していなかったであろうと思われる1巻から比べると作者の人もかなり意識して、一生懸命他の「魔法少女」達との性差を出そうとしてるんだけど、まだまだ弱い。そういう違いを出そうとする描写はあるんだけど、そこで描写される“性の違い”が、こっちにはちっとも伝わってこない印象を受けました。頑張ってる姿勢は評価できるんだけど、正直題材が難易度高くて料理できてないって感じがする。

元々ヤスさんの絵が完璧に女の子のグラフィックなのもあり、余程男らしい行動を取らないと女にしか見えないんですよね。髪の毛くらいはショートカットでも良かったろうに。んで普段は普通に男言葉で、変身中は髪の毛が伸びるくらいの設定にしても良かったんじゃないの?

ただ、見事に彼方と他の少女達の性的な立場が逆転してしまっているのは面白いですね。色々理由をつけてうっかり下半身を触ろうとしてしまうグレイスとか、元々百合属性をお持ちの幾瀬依とか、何かと彼方にイタズラしようとするいいんちょとか。特に恐らくこのシリーズで唯一?の常識人であろうグレちゃんがだんだん周囲(主にモエル)に染められてしまっていく過程は面白かった。この辺りの性の逆転が、唯一このシリーズが「女装少年モノ」である特徴と言えるんでしょうね。(ただ、露骨なセクハラ描写等の関係で大多数の男性相手に門戸を狭めているのもここだといえるから、実際これどうなんでしょうね…)

というわけで、相変わらずこのシリーズ、彼方が男だという現実を直視しなければ普通の熱血美少女バトルモノとして楽しく読めます。特に終盤では上位のノイズである存在“ディスコード”が登場し、グレイス達魔法少女の戦う理由も提示され、更には黒幕の存在まで提示され…と、非常に盛り上がったバトルが楽しめました。黒幕だった“彼女”については、前半から怪しげな言動が目立ったのでよもや…とは思いましたが、予想通りで。新魔法少女(?)である幾瀬依の戦う理由も凄くかっこよかった。ただ、彼方が戦う理由がイマイチ見えてこなかったのがモニョっとしたかな。

グレイスとモエルのでこぼこコンビが今回は最高に良い味出してましたね。モエル、ただのヘンタイ猫と見せかけていい奴だ。

まあでも今回のモエルの一番の名場面は、絶対にこれだけどな!!!↓

「まだまだだねグレ子。
 ———女の子のように見えて本当は男の子。重要なのはそこさ


ああ、作者さん…そこまで萌えポイントを判っていらっしゃるのにどうして女装少年がちゃんと描写できないのさ!!!(悶絶)

何はともあれ、魔法少女モノとしては普通に面白くなってきたし、張られた伏線がイチイチ美味しすぎなので(黒幕らしき彼女とか、3巻では大活躍?っぽい彼女とか…)次回もしっかり買おうと思います。ただ、やはり1巻で挫折した人が多いこの現実を鑑みると、こんなに正統派な美少女燃えバトルをやってるのに、彼方が男の子だという理由で門戸を狭めてしまっているのが勿体無く思えてしょうがありません。


〈新釈〉走れメロス  他四篇

[著]森見 登美彦

斎藤秀太郎は変わった男だった。自分の才能に自身を持ち、万人を軽蔑し、いつ終わるともしれぬ小説を書き続けていた。時々麻雀に参加しては生活費を稼ぎ、大学留年の記録を一人伸ばし続けていた。そしてある日、「もんどり、もんどり」と叫びながら彼は姿を消した——その数年後、大文字山に出る化物の噂を聞きつけて見回りに行った警察官・永田が遭遇したのは…
 

ライトノベル名言図書館さんの感想読んで手にとった作品。読んだの大分前だったりするんですが、感想書くまでに盛大に時間が空いてしまったなあ…。

「山月記」「藪の中」「走れメロス」「桜の森の満開の下」「百物語」という5つの文学作品を元にした、近代文学リミックス集。メインとなる登場人物やストーリーに連続性は無いのですが“斎藤秀太郎”という一人の変人を軸にキャラクターがつながっており、前の4編で登場したキャラクターたちが最後の「百物語」で集うという構成になっていて、なかなか面白かったです。

どの作品も面白いんだけど、やはり一番面白かったのは表題の「走れメロス」でした。原作は文学に疎い私でも知ってるほどの名作で、男二人の熱い友情の物語…の筈なのに、何でこんなことになってるんだ(笑)これも一つの友情の形なのか…?(多分違う)

ライトノベル名言図書館さんでも触れられていますが、身代わりとなって捕まった友人が自信満々に

「俺の親友が、そう簡単に約束を守ると思うなよ」

と豪語する辺りがとても素敵です。なんか雰囲気はかっこいいのに実はこいつら、すごい馬鹿!という感じがめちゃくちゃツボに来ました。オチがまた実に素敵です。なんというか弁論部の固有結界に取り込まれてしまったとしか思えないw

残りの3作品は原作もおぼろげにしか知らないので、原作をどういう風に料理しているのかわからないのがちょっと残念でした。でも普通に単体のストーリーとして面白かったですね。

「メロス」がツボにハマったので、いつか時間が出来たら本屋大賞を受賞した「夜は短し 歩けよ乙女」も読んでみたいです。


みずたまぱにっく。2  - This is MIZUTAMASHIRO!! -

[著]ハセガワ ケイスケ [絵]七草

忍がある日、涼橋寮のメンバー全員を巻き込んで「コスプレ部」を立ち上げるとか言い出した。当然生徒会には却下されるのだが、そこから何故か"薔薇の団"全員で廃部寸前の歌劇部と生徒会の五月祭での手伝いをさせられる羽目に。なしくずしに忙しい日々を送ることになったマシロだが、そこに思わぬ落とし穴が…!?
 

男の子みたいな女の子と美少女少年4人が織り成す、学園コメディ第二弾。相変わらず独特のほのぼの感と妙なテンションのギャグが絶妙にマッチしていて、読んでいて楽しいシリーズ。正直「しにがみ」路線よりもこっちの路線の方が向いてるんじゃないのか、とか思ってみたりして。

五月祭の準備でてんやわんやの中実力テストがあり、成績が下がって特待生の基準を下回ってしまったマシロに退学の危機が…—という話で、「エア・メガネ」こと千尋の過去も明かされます。この「特待生」の基準とか、改めて考えると凄い高い基準ですよね。例え1番の成績は取れていないといえど、普通にその基準をクリアしていたマシロって案外かなり凄い。

そして今回はマシロ自身の魅力が大幅にクローズアップ。最初の方は“薔薇の団”の一員になったマシロに近づけばお姉さま達に…という下心が大きくあったんだけど、“五月祭”で彼女自身の魅力に気づいた学生が多かったんじゃないかなと思います。周囲の態度の変化に動揺を隠せないマシロがまた可愛いですね。エアメガネには…元々メガネ属性皆無なのであんまりときめかなかったかな。ちょっと「エア・メガネ」を引きずりすぎという印象も否めなかったし。

まあ何を言っても個人的ベストヒットは 中盤の陽向なんですけども。 なんだか 物 凄 い 萌 え ッ 子 が 出 て き た ぞ !?二重人格萌えとしては物凄く何かを期待してしまうのですが。ここは一つ、早い事陽向メインのお話をやっていただきたく思います!!順当に行けば次は陽向の話になるはずだし、これは3巻が楽しみだぜうへへへへへ。

ところでやっぱりこの作品、かの少女漫画界に咲くドクダミの花・岡田あーみんの蝶名作ギャグ漫画「ルナティック雑技団」の影響を受けてるみたいですね。

「この問題はね、まずじーっと見てみるんだ。しばらくそうしてると文字列がぷっかりと浮かび上がってくるでしょ。そしたら、左脳で文字たちが決闘をはじめて、あとは、右脳が勝ち残った文字をたたえてくれるんだ。ソレが答えだよって!ね?簡単でしょ?」

……ここに天湖森夜がいるよう…。


4088537211ルナティック雑技団 (1) (りぼんマスコットコミックス (721))岡田 あーみん
集英社 1994-03

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夏コミでライトノベル本っぽいの配ってました

夏コミ参加された方、お疲れ様でした!
いやあやっぱり直前ギリギリになれないジャンルの本を作るとか、無茶するもんじゃないですね!

結局「突発ライトノベル本 お試し版」ということで12Pの薄いものを無料配布してました。別ジャンルのスペーだった割には貰っていただけたかと。貰ってくださった方ありがとうございます!

ブツの詳細はこんなかんじでした。
 ↓ ↓

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