[著]新井 輝 [絵]緋鍵 龍彦
クラスメイトの射水位里は凄くモテる…のはいいのだが、毎日とっかえひっかえ女の子と肉体関係を持っている。今日も彼の“予約”を取るためクラスにやってきた他校の女の子と、堂々とそういう話をしているのを見て我慢できなくなった高岡霧理は、二人を怒鳴りつけてしまった。どうせ馬の耳に念仏…と思っていたのだけど、何故か射水は霧理が彼の話し相手になるなら、女の子との関係を全て清算すると言い出して…!?
生真面目で庶民的な少女・霧理とお金持ちでド天然な射水くんが織り成す、ラブコメ(?)。うわあああこれは面白い。あと1週間早ければラノサイ杯の単発部門あんなに苦労しなかったのに!
そもそも人間との付き合い方自体が良く分かっていないっぽい天然わんこ・射水くんと常識人でツッコミ体質な霧理のどこかズレたやりとりがツボでした。というか主人公二人がどっちも凄く好みだったので、もうそれだけでも大満足。特に射水くんはド天然でヘタレで暗い過去と二面性とわんこ属性という
すばらしい萌え要素の持ち主です。彼的には「水」といったら水道水じゃなくてミネラルウォーターで、「料理」といったらステーキのフルコースだったりするわけです。要所要所で射水くんの行動に萌え萌えしてしまいました。肉体的には歴戦のテクニシャン(笑)な射水くんは精神的にはぜんぜん子供で、霧理との関係もなんだか微笑ましくて、見ていると思わず顔がにやけてしまう感じ。
なんだかんだいいながらすっかり仲良くなった二人なのですが、霧理の妹・氷柱が射水くんの「予約」を取りたいと言い出した辺りからちょっと話がおかしくなり始めて…ていうか
最近の若い子はどんだけ進んでるのかと霧理とともに小一時間問い詰めたい。若い子怖い!!!
出番は少ないけど姉思いの弟・進や霧理の親友・夏鈴も素敵でした。これだけ強引に「予約」をキャンセルしたんだから、それに対するしわ寄せが妹以外のどこかに来ないのが不自然だなあと感じていたら、実は夏鈴が駆け回ってブロックしてくれていたという。姉の危機だ!とばかりに“種馬”こと射水くんに殴りかかっていく進も可愛いくて、どれだけ霧理が周囲の人に愛されているのか、実感できるエピソードでした。
とにかく登場人物全てが魅力的で、読んでいてなんとなくほんわか出来る物語でしたが、ラストでストーリーが一気に急展開。二人の仲の進展も含め、次巻が楽しみな1冊です。
余談ですが、この本実は
REMEMBER GENERATION FAIR 4thで当選して頂いたものだったりします。フェア前後に人知れず「リメジェネ作家の本に手をつける祭」を開催したのですが、この本だけ売り切れ続出で購入する事が出来ず……。
本を頂けたのも嬉しかったのですが、それ以上にフェアを機会に以前から気になっていた作品に手を出す切っ掛けになったのが凄く嬉しかったです。冊数が多くて断念した「BBB」「Room No.1301」「ご愁傷様二宮くん!」もいつか読破してみたい所存です。
先生方、素敵な本と出逢わせてくれて本当にありがとうございました!
4先生の今後のご活躍、楽しみにしてますっヽ(*´▽`)ノ