田上颯姫の妹が所属するロッジの世話役から要請を受け、泡禍の潜む町にやってきた蒼衣達。しかし、泡禍はロッジに所属する見習騎士の少年・馳尾らの手によって秘匿され、殆ど概要の分からない状態だった。どうやら泡禍に巻き込まれた少女は馳尾の幼馴染だったらしい。ロッジの人々との不和を感じつつ、蒼衣と雪乃は“赤ずきん”の予言を受けた泡禍の調査を開始するが…
前半はそこまでグロ度が高くないのですが、ラストで一気にとばしてきます。題材が題材だけになんとなくこういうのが出てくるんじゃないかなーと思ってましたが予想以上でした。とりあえず食事中に読んだのは前半のみで本当によかった(またかお前)。それにしても流石甲田先生、残酷描写を書かせたら電撃でもトップ3に入れるんじゃないでしょうか!!
…しかし、「Missing」「夜魔」があまりにも偉大すぎた所為か…この程度の残酷描写では生ぬるいと思ってしまう私は間違ってますでしょうか。普通に面白いんですがやはり「グリム」には残酷描写が足りないよ!!あの二度と読みたくないと思いつつもなんだかクセになるグロはどこに!!この作品には尻が痒くなるようなグロ描写が足りません!!後半の、泡禍の中心と推測される少女の友人が巻き込まれる描写は確かにゾクっと来るものがありましたが、いや、たしかに怖いんですが……恐怖の方向があまりにも普通というか………(いえ、普通のミステリーとかで良くあるとか、そういう意味でね?!)
なんかよくも悪くもこの作品、普通にライトノベルっぽいというか、Missingで大好きだった特有の味が薄いというか…超豊作だった今月の電撃の興味のあるシリーズの中でも真っ先に手にとって一気読みできる程度には好きなシリーズなのですが、どうも薄味な印象が拭えません。前作よりも一般受けを狙って書かれているのか…なんか前作と比べるとちょっと物足りないんだよなあ。ひょっとして先生、「夜魔」に全力投球しすぎてその反動が出てるとか!?もっと全開な作品が読みたいのに(何が全開なのかは聞くな)
個人的にお気に入りなのが、舞台となるニュータウンを雪乃と風乃が薄気味悪く思うシーンでした。なんていうか、こういう「薄気味悪さ」を書かせたら右に出るものはいないなあと、再確認。ちょっと肌が寒くなる薄気味悪さがして、このシーン凄く好きです。
ストーリーに関しては全く先が読めない状態で終わっているので殆ど感想書く事はありません。前回の「人魚姫」以上に先が読めない。下巻に期待って事で。