“Tiv” の検索結果 | ページ 13 | 今日もだらだら、読書日記。

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黄昏色の詠使い7 新約の扉、汝ミクヴァの洗礼よ

[著]細音 啓 [絵]竹岡 美穂

サリナルヴァからの依頼で凱旋都市・エンジュで披露される触媒の調査にやってきたネイトたち。コロシアムでは学園対抗の名詠対決が行なわれており、そこで彼らはとある名詠学校の生徒たちと知り合うが…。一方、シャオとその一派もエンジュに侵入していて…
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「第二楽章」本格始動なシリーズ第七弾。漸くクルーエルの体調も戻り、いつも通りの日常に戻ったネイト達に再び試練が襲い掛かる……というお話。舞台をトレミア・アカデミーから凱旋都市・エンジュへと移した新展開。……さて、段々キャラの把握が追い付かなくなってき……げふげふ。味方はとにかく、敵側のキャラクターが予想以上に把握できていない自分に気がついてびっくりした。そして今回もまたキャラが増えます。

今までの物語の舞台は基本的にトレミア・アカデミーという枠組みの中に閉塞していたので、もうまず他に名詠学校があって、学校によって様々な教育方針を持っているということが物凄く新鮮だったり。いや、考えてみたら当たり前なのですが…。ネイトとクルーエル、エイダとミオの4人を除き、舞台と共に彼らを取り巻くキャラクター達もほぼ一新されてます。しかし、物語の展開が5巻から引き続きクライマックス直前といった雰囲気なのであまり「心機一転・新シリーズ開幕!」という感じではないかも。

新キャラでは色名詠の使い手・レフィスが良い味出してました。天然系朴念仁は良い…ヘレンとのカップルぶりもなかなか良いのですが、異端の名詠士同士となるネイトとのコンビっぷりが中々美味しいものがあってお気に入りだったりします。しかし、何より少しずつ単なるクラスメイトから仲の良い友達、そしてかけがえの無い親友と一歩一歩進展していくネイトとクルーエルの関係が素敵。やはりクルーエルのために頑張るネイトの姿はかっこいい反面どこか可愛らしいというかなんというか。クルーエルに触発されて少し女の子らしい一面を覗かせるエイダにも色々と先行き不安ながら何かのフラグが見えたり見えなかったりします(なんていうか、とても先行き不安なフラグだけど)。

何かと言葉を濁す半面、不穏な言葉を口にするアーマにアマリリス、再びクルーエルを襲う不穏な影、動き出したシャオ一派、そしてネイトとシャオの邂逅……と、物語はこのまま一気にクライマックスに突入する模様。今回はその序章といった感じで散々盛り上がった4巻5巻あたりと比べるとちょっと急展開すぎる部分が気になってしまったのですが、これからまたぐんぐん盛り上がっていくと思われる8巻以降が楽しみです。

…ていうか、ひょっとしてミオにも何か秘密があったりするんだろうか…物語の根幹に関わりそうなキャラクターを残してキャラクターが一新される今回で唯一居残ってる件といい、なんか微妙にそう受け取れるような表現が見え隠れ……。


女帝・龍凰院麟音の初恋

[著]風見 周 [絵]水月 悠

巨乳をこよなく愛し、学園でも“変態”と親しまれるエロ少年・月見里悠太。ひと夏の出会いに胸を躍らせて夏休みに突入……した筈が、目を醒ますと“学園の女帝”と呼ばれる貧乳風紀委員長・龍凰院麟音の屋敷に居た。二人はこの夏休みの間に出会い、恋に落ち、そしてその記憶を亡くしてしまったと言う。半ば強引に1ヶ月間の記憶を取り戻すことを強要されるが麟音には秘密があって…
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「ジョルジュ長岡」って何者かと思ったら2chのAAキャラかよ!!!
というわけで、「殺×愛?きるらぶ?」の風見周さんの新シリーズその1。序盤で「ジョルジュ長岡」だの「おっぱい!おっぱい!」だの「非モテ」だの「プギャー」だの「ただの○○に興味はありません」だの「中二病」だのと、2chニコニコ中心にメタネタ乱発状態で「これは、最近やたら流行しているオタク系メタ小説の類かーーっ!」と思ったら後半は普通に王道ラブコメでした。

巨乳をこよなく愛しジョルジュ長岡を心の師と仰ぎ、女の価値は胸のサイズにあると言って憚らない変態少年・悠太と傾国の美少女だけど胸はなく、何かと長刀を振り回すキツイ性格から“学園の女帝”と怖れられる恋愛嫌いのお嬢様なんだけど、その実態は少女小説家希望(小説はひたすら邪気眼中二病風味)で恋に恋する自称“非モテ”の女の子・麟音がお互いの喪われた1ヶ月間の記憶を求めていくというお話。

カタブツのお嬢様で、恋を恋愛小説でしか知らない麟音の初心な反応がとても可愛い。普段の態度と日記に描かれる浮かれ具合のギャップにもニヤニヤしてしまうし、恋に…というよりもこの場合、記憶を失っていた間の自分に恋い焦がれて一生懸命その記憶を取り戻そうとする姿が微笑ましいじゃないですか。興奮すると噛み噛み言葉になっちゃうのは正直狙いすぎで勘弁してほしかったんですが…。あと何度読み直しても「きるらぶ」の有栖川咲夜に見え(強制終了)

そして、どうしようもないおっぱいバカで変態の悠太が時々見せる“バカかっこよさ”にきゅんきゅん。また、「貧乳好きはアウトオブ眼中」といいながらも少しずつ麟音本人の可愛らしさに惹かれていく様子が描かれていて、その心の動きが凄く良い。ジョルジュ長岡の使い方が特にうまかったなあ。終盤の展開はある意味王道中の王道なのでむしろそこでそう来なかったらダメだろう!という感じなのですが、『再現デート』の顛末があまりにも反則だと思うの……正直ものすごいときめいた。

シリアス鬱グロなバトル展開がなくなってしまったのは個人的にはちょっと寂しいのですが、ハイテンションなラブコメとしてとても面白かったです。正直「きるらぶ」のラブコメパートはあまりツボにこなかったのですが、こちらはものすごく面白かった。もろにシリーズ化という感じの終わり方だったので次巻を楽しみにしたいです。

ところで、あとがきでラノベ作家さん達との合同職場を持つに至るきっかけが語られてますが、これは来月発売される杉井光さんのライトノベル作家擬美少女化コメディ(勝手に命名)「ばけらの!」を受けての内容なんでしょうか。各先生方のブログを拝見する限りいろいろな意味で楽しそうな1冊なのですごく楽しみだったりします。ていうか新ジャンル「ラノベ作家801」を作家自ら推奨しようとしているようにしか思えない。(勘違いです)

鈴木大輔×風見周ですよね?わかります。(ひどいオチ)
479735061Xばけらの!杉井光 / 赤人
ソフトバンククリエイティブ 2008-09-11

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吉永さん家のガーゴイル12

[著]田口 仙年堂 [絵]日向 悠二

受験本番を控え、和巳とその級友たちはそれぞれの道を歩き始めていた。勉強の合間に、画家志望の級友・範太の卒業制作を手伝っていたのだが兄に代わって演劇部の部長となり、煮詰まっていた桃とちょっとしたことで口論になってしまう。更に桃と範太が仲良くしているシーンを偶然見かけて…!?
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6巻以来半公認カップル状態だった和巳と桃の関係が遂に進展、今回はストレートに青春&恋愛話ですよ!…なシリーズ第12弾。高校3年生な和巳の受験戦争と恋のお話。このシリーズ、本当に毎回色々な顔を見せてくれるのが楽しくてしょうがないですね。

以前の話で双葉がガーゴイルの影響を受けて「門番」になるにはどうしたらいいか悩む一幕がありましたが、今回は和巳が「人を助ける仕事に就きたい」という夢を語ります。それだけガーゴイルの存在が吉永家に与えた影響がでかいということで、互いに良い影響を与え合って少しずつ成長していく姿に、胸が温かくなる思いがする。同時に、それこそ割と「なんとなく」で大学に行った身としてはちゃんとした将来のビジョンを描いてそれに向かって邁進していく和巳や林吾、範太の姿がどうしようもなく眩しく感じました。青春っていいなぁ。

普段温厚な和巳にも色々と譲れないものがあって、今回はそんな部分が一人で抱え込むタイプで完璧主義な桃と衝突してしまった感じ。しかもそこに、恋の鞘当てと受験戦争が加わって……桃と範太の姿を偶然目撃してしまって、センター試験が完全に上の空になってしまう和巳の様子にはあまりの微笑ましさに思わず笑ってしまいました。…いや、他人事だからこそ笑える話なんですが…(自分もセンター試験では盛大に滑った事を思い出した)。桃や範太に対してらしくもない冷たい態度を取ったり、駄々っ子のように喚き散らしてしまうあたり、予想以上に桃が好きなんだなあと思う一方で、やはり受験戦争で精神的な余裕がなくなっていたんだろうなあ、とも思ったり。

ただ、和巳の優柔不断で鈍感な性格ではこのくらいのアクシデントが発生しないと桃との仲は進展しなかっただろうし、ちょうど良かったような感じも。なんだかんだいって本編が終わる前にくっつけて良かったよね。そして何気に二人の恋のキューピットといえなくもない(言いすぎ?)オシリス姐さんが良い味出してました。

前回に引き続き、今回も良い具合にほのぼのとしたお話でしたが事件の陰に「古科学」が居たり、そろそろ物語はクライマックスに向けて動き出すのかなあという感じ。残り3冊、とても楽しみです。卒業式で和巳が女装してくれなかった事に人知れず涙したのは私だけでいいと思う。


それにしても今回、巻末マンガが秀逸すぎる。特に百色の贋作たちには思わず電車の中で決壊したじゃないですかどうしてくれるwww


電撃コラボレーション  まい・いまじね?しょん

[著]電撃文庫記念企画
(うえお久光、時雨沢恵一、上月司、有川浩、中村恵里加、五十嵐雄策、有沢まみず、柴村仁、古橋秀之、岩田洋季、成田良悟)
[絵]西E田、むにゅう、京極しん、田上俊介、さそりがため、三日月かける、山本ケイジ
   
西E田さんの書かれたイラストを元に電撃文庫の作家・イラストレーターがストーリーを作っていくというコラボアンソロジー。15周年企画の一環?で今月から毎月こういったコラボ小説が発売されるようです。男女の学生、手紙、UFOというキーワードの縛りがあるのに王道ラブコメあり、SFありホラーありで各作家さんの味が出まくってる辺りがおもしろかったです。

色々な意味で「いつも通り」で学園キノ系はっちゃけギャグの時雨沢恵一、ベタ甘ラブコメな有川浩とかもおもしろかったですが、ダブルブリッドやソウルアンダーテイカーから一転・コテコテの脱力系メタメタギャグをやらかしてくれた中村恵里加とギャグ系エロコメ・シリアス泣きゲー系のどちらでもなく何故か超ダークでホラーな展開の有沢まみずが最大の衝撃だったかも。中村さんはまだ著者近影や初期の後書きのゲーム語りからなんとなくこういう芸風もアリかなあと思ったんですが(ていうかいつかギャグコメ書けばいいと思います)、有沢まみず×ホラーラノベは想像したこともなかったぜよ…確かにインフィニティ・ゼロはちょっと欝グロも入ってましたが!半分くらい未読の作家さんでしたが、やはり既読の人の方が普段と比較できる分二重の楽しみがありますね。

そのほか、ある意味王道といえなくもないような、古橋さんのお話と最後という事を最大限に利用した他の短編ネタが炸裂の成田さんの短編がお気に入り。未読の作家さんの中では上月司さんのスレ違いラブコメに1票。男の子と女の子で同じ行動に対する見解がどんどんズレていくのが素敵過ぎる。こういうギャグコメディは大好きだ…!

…ところで岩田さんの「シンデレラ」、大筋は切ない恋愛モノで結構好きなんだけど、男の子の方の行動の理由があまりにもしょぼすぎると思ってしまう私は駄目なんでしょうか。本当に好きな相手ならそんなの愛で乗り越えられるだろ。女を断る理由がほしくてそういうこと言った、とまでは思わないけどもうちょっとまともな理由がほしかったです。


吉永さん家のガーゴイル11

[著]田口 仙年堂 [絵]日向 悠二

病気で長いこと入退院を繰り返しているクラスメイト・吾郎のお見舞いにやってきた双葉と悪ガキ3人組。クリスマスを控え、病院で行われるクリスマスイベントを「つまらない」と断じる吾郎に対して憤った双葉は売り言葉に買い言葉でガーゴイルにイベントを盛り上げさせると約束してしまう。守ることは得意でも“楽しませる”事は初めてのガーゴイルは…
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久しぶりに「ガーゴイル」シリーズならではのアットホームなほのぼのっぷりが光るシリーズ11作。双葉とガーゴイルが半ば喧嘩越しに双葉のクラスメイトが入院する病院のクリスマス会を盛り上げると約束しちゃったら、和巳やクラスメイトの演劇部一同、オシリスデュラハンに百色、更に再登場のゴールデンボーイズまで巻き込んでの大騒ぎに発展!?というお話。

まさかここでゴールデンボーイズが再登場するとは予想外すぎるwイベント屋なら1年でも一番くらいに忙しいだろうに直前にふと思いついて呼べたってことはやはり例の件が尾を引いて客減ったりしてたんだろうか…。今回は5巻ラストのようなトラブルもなく、如何なくプロ根性を魅せ付けていくゴールデンボーイズはやはりかっこよかったです。ドンチャン騒ぎが十八番の彼らと病院の相性は最悪なんじゃないかと思うんだけど、そんな時でも場所に合わせた気配りを忘れない辺りはまさに「プロならでは」。

その他感情面におけるガーゴイルの更なる成長やオシリスの奮闘など色々と見所はたくさんあるんですが、今回は逆に各キャラクターの見どころが多すぎてどこに焦点を当てたいのか絞りきれてない部分があったかも。今まで1?2キャラに焦点を絞って描かれてきたせいか、各方面の描写が物足りなく感じてしまう。特に演劇部の人形劇が思いっきりはしょられたのと、吾郎と父母のシーンがカットされてたのは残念でした。綺麗に小さくまとめちゃった印象で突き抜け方が足りないというか…おもしろかったんだけど。うーん。

それにしても、「世界一有名なネズミの友達のアヒルの叔父さん」懐かしすぎるwディズニー系連続アニメでは「わんぱくダック夢冒険」が最強だと思うのですよ。「ミッキーのクリスマス・キャロル」ではそのものズバリの配役を宛てられてましたし…こっちもビデオで何度も見たなあ。

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断章のグリム8 なでしこ(上)

[著]甲田 学人 [絵]三日月 かける

かつて蒼衣達が解決した「人魚姫」の泡禍に巻き込まれ、その身に断章を宿した少女・海部野千恵のお見舞いに出かけた神狩屋と蒼衣。一人留守番をしていた雪乃だが、再び起きた童話の予言を受け、蒼衣達の元に向かう。そこでロッジに所属する保持者の少年から泡禍にかかわる相談を受けて…
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なんか今回の雪乃さん、エライ可愛いぞっ!?
いえ、普段が可愛くないわけでは全くないのですが。なんだかんだといって蒼衣が気になってるんだろうとしか思えない描写がちょろちょろ見受けられてニヤニヤしてしまう。いつか、彼女も1ミリでも蒼衣にデレる日が来るのでしょうか…いや、そもそも考えれば泡禍に遭う前の雪乃さんはアレなわけで、まさかのデレデレ展開とか…いやまさかそんな。

かつての泡禍の生き残りである千恵が再登場。いつか再登場するであろうとは思っていたけど、予想以上に痛々しいその姿に心が痛みます。しかし、「人魚姫」で登場した時よりもぐっと精神的に安定して、なんか良いキャラになったなあ。これどこの木戸野亜紀?とか思っても決して口には……ゲフンゲフン。

良くも悪くも「いつも通りの」「グリム」なのですが、今回の怪奇はどちらかというと前作Missingを思い出させる、背筋の凍るような恐怖再び。踏切での事故とか、ラストのアレとか、かなりキツかったです。電車の人身は特にちょくちょく発生する路線を日常的に使ってるだけにうわぁ、みたいな……。まだまだ一筋縄ではいかなそうなこの状況、解決編が楽しみです。



「最近のグリムたいしたことないから昼飯食べながら読んじゃうもんね!」とかいって油断してたら、ラストの「例の場面」でローストチキンサンドをリバースしそうになりました。

      よりによって 肉を食べた時に そんな


俺の妹がこんなに可愛いわけがない

[著]伏見 つかさ [絵]かんざきひろ

高坂京介は「普通」であることが自らの矜持である、ごく普通の高校生。美少女な妹・桐乃とは折り合いが悪く、殆どまともに話もしないような関係だったのだが、ある日彼女が落としていった「あるもの」をきっかけに、自分の妹の知られざる一面を目の当たりにしてしまう。それ以来、桐乃に人生相談を持ちかけられるようになって…!?
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有名ニュースサイトの名指しネタで今月の電撃新刊では間違いなく一番話題になったであろう噂の1冊。8月は買う予定の新刊が多すぎるのと妹属性1ミリもないので爽やかにスルーしていたのですが、世間の流行にびっくりして一足遅れで探したら、どこの書店も電撃新刊これだけ売り切れてるの!!オタクのみんなの行動力の速さに絶望した!!!…余談だけど、「かーずSP」と「アキバBlog」を取り上げた事ばかりが話題になってるけど、その後何気に「朝目新聞」も出てきてたのは皆スルーなのでしょうか。

スポーツ万能成績優秀な美少女というどこをとっても隙が無い妹は、自分が妹の癖に「妹萌え」のアニオタ・エロゲーオタ。そんな妹に嫌々付き合わされ、振り回される兄のお話。話題になったニュースサイト名指しネタのお陰でメタネタ頻発のギャグコメかと思ったら、予想以上に正統派なオタク物語でした。そういえば、「腐女子」の女の子がメインや脇役に来る物語は結構見たけど、「女エロゲオタ」を主題に扱うのって物凄く希少なのではないですか。BLゲーではなくエロゲを好んでプレイする女性というの自体、世間ではあまり認知されてないですしね…(型月や鍵に代表される、一部エロゲは結構プレイしてる腐女子いるけど)

同志が居なくてついつい「自分の趣味に対して少なくても否定的な意見は持たない人」をムリヤリそちらの道に引きずり込もうとしてしまったりする場面とか、オフ会での場面では同じオタクとしては「あるあるwww」の連続。「二次元と三次元を一緒にしないでよ」発言とかあまりにもそのテのオタクとしてリアルな発言過ぎる。女オタは二次元と三次元を混同なんかしちゃったら恐ろしくて男性向エロゲーなんか出来ませんよ!!!

オフ会の場面でも、桐乃がハブにされる様子とかが物凄いデジャブを……気配り上手の沙織さんが最高に良いキャラで、リアルでお友達になりたい。こういう気配りできる人材って貴重だと思うんだ…。騒がしい場所だと、全員で同じ話題に興じるってやりづらいですしね。桐乃・沙織・黒猫の3人の凸凹した人間関係が見ていて凄く楽しくて、次の巻があるなら是非ともこの3人のやりとりがもっと見たいなぁとか思いました。

京介の助力を得て、少しずつ「オタク」としての顔を外に作り始めた桐乃の前に立ちふさがるのが、典型的なオタクへの前時代的な偏見に満ち満ちた父親。そんな父親に対して、妹に代わって立ち向かう京介がとてもかっこいい。なんか他人事に思えないだけに、自分がオタクではないのに一生懸命擁護してくれる京介の姿に胸が熱くなりました(私も未だに18禁系同人とエロゲー所持してることだけは未だ親にカミングアウトできない!)(しかも男性向女性向どっちもあるんだぜ!)(気付かれてて見なかったことにされてるだけかもしれないけど!)ううむ、しかしそれにしてもなんというツンデレファミリーだ……妹といい、父親といい、兄貴といい……。

オタクモノとしても、正統派の青春物語としても文句なしにおもしろい作品でした。ネタ的な方向で話題になっちゃってる作品だけど、普通にオススメ!

…ところで、京介と幼馴染の麻奈美のやりとりがツボ過ぎて、あまりの天然カップルぶりに何度か砂糖吐きました。おまえらとっとと結婚しちゃえばいいよ!!!続編も予定されているようなので是非ともその際はこいつらの仲の進展もお願いします!


吉永さん家のガーゴイル10

[著]田口 仙年堂 [絵]日向 悠二

戦争に行った喜一郎は某島で行方不明になってしまう。東宮雅臣の元に身を寄せたイヨは雅臣の研究の、そして双葉は身寄りのない子供たちの世話を手伝いながら戦火を逃れていたが、次第に戦争は激しくなっていった。そんな中で雅臣はとある決意をする。一方、現代では死んだはずの高原喜一郎が「錬金術師を滅ぼすため」御色町に現れて…!?
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なんか私最近このシリーズ読むたびに涙腺決壊してる気がするんですが…涙腺緩みすぎ?ガーゴイルの過去に迫るシリーズ第10弾です。

ガーゴイルが倒れる直前に残した言葉や「記憶を封印した」という結果からして、なんとなく悲劇的な結末が待っているんだろうなあ…とある程度の予想はしていたのですが、それでも実際目の当たりにすると、とても哀しかった。しかし、それでもその思い出をかけがえのない、大切な思い出として和巳に語ることができる双葉は本当に強い女の子だと思う。ほんと、今回の双葉はオトコマエでかっこいい女の子だなあ……。そしてあんな結末にはなってしまったけど、最後の最後で双葉の元にかけつけてきたガーゴイルが物凄くかっこよかったです。いつもの、あの決め台詞をこんなにも待ち望んだ事はありませんでした。

一方、物語は全体の2/3を終えたところで少しずつ最終決戦に向けての伏線が張られてきた模様。今までの錬金術に加えて「魔法」「古科学」などという力の存在が明らかになったり、とある人が「あの敵」の再来を予感させるような発言をしたり…と少しずつこの物語に対する「敵」の姿が見えてきた感じ。あと5冊で終わってしまうのは寂しいですがこれからこの伏線がどのように膨らんでいくかも楽しみです。


別冊図書館戦争2

[著]有川 浩 [絵]徒花 スクモ

「過去に戻れるとしたらいつがいい?」 そんなたわいも無い会話で盛り上がる堂上班。副隊長・緒形は大学時代に始まったかつての恋を思い出す。公務員を志していた彼がかつて配属されたのはメディア良化委員会だった。当時は「嫌われ者の職場についてしまった」程度にしか思っていなかったが…「あの二人」のその後もわかる、スピンオフシリーズ第二弾。
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かつてメディア良化委員会に所属していた緒形の恋の思い出と図書隊での出来事を描く短編と、郁達が配属される前の堂上達の過去を描いた短編、そして手塚&柴崎のその後を描く短編三本だての中編。ちょっとしんみりしっとりと暖かくなる緒形の過去話も、間に挿入される堂上夫妻のイチャつきっぷりにニヤニヤせざるをえない堂上・小牧コンビの過去話も勿論おもしろかったのですが、やはりキモは手塚&柴崎のその後でしょう!!

柴崎がストーカーに遭遇したのをきっかけに、3年前(「図書館革命」時)ちょっと接近があったものの未だ付かず離れずの関係を維持していた手塚との関係が一気に進展するというお話なのですが、今まで割りと女性としての優秀さ・強さが強調されてきた柴崎の脆さ・弱さが全面に押し出された展開で、読んでいてハラハラしっぱなしでした。特に3編構成うち後半2編は本当に読んでいて恐怖感や生理的嫌悪感を始終感じるような展開で……とにかく重たい。つかどっちのストーカーも痛い人すぎて……。

ていうか主犯についてはしょっぱなでなんとなく予想できてしまったんですが……ああ、まちがいなくこいつの地雷踏みまくってるよ!余計な恨み買ってるよ!みたいなの。いや、決して柴崎が悪いんじゃなくて、彼女は通常とは真逆な意味で「空気読めない」部分があるんじゃないかなーと思うのです…「デキるオンナ」であるがゆえにどうしてもそれ以外の人間に自分と同じ事を求めてしまい、それが故にどうしたって「見えない」部分があるというか。まあ、かといって今回の犯人に同情しようとは1ミリも思いませんけどね!

何はともあれ、本編ではずっと付かず離れずを保っていた二人が遂に結ばれたのは本当に嬉しかったです。手塚かっこよすぎだろ…!!!その後、柴崎が漸く自分の弱いところを見せられる相手をみつけて、泣きながら大切にしてほしいと叫ぶ場面では胸が熱くなりました。そしてエピローグでの、堂上夫妻にも負けず劣らずなイチャつきっぷりに萌えた…!!特にウェディングドレスのくだりとか、可愛すぎる…!!

あと、地味にニヤリとしてしまったのが「教官モード」の郁。フルメタルジャケットばりの鬼教官っぷりが漢らしすぎる…というより、もろに旦那の影響受けたのが丸判りで。一瞬篤さん(笑)のセリフかとおもいましたよ、マジで。

大団円なラストでとても満足でした。御馳走様でした。


吉永さん家のガーゴイル9

[著]田口 仙年堂 [絵]日向 悠二

南口商店街と北口商店街の野球対決に繰り出され、ついつい本気のバトルに発展してしまったケルプとガーゴイルは、通りがかった人物に怪我を負わせてしまった。しかも茫然自失となったガーゴイルはそのまま全機能を停止。過去の辛い記憶に捕らわれ、目覚めないガーゴイルを追ってイヨとともに再び過去に飛んだ双葉だったが……
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うわあ重い……めちゃくちゃ重い……
急転直下のシリーズ第9弾。過去のトラウマを掘り起こしてしまって機能停止したガーゴイルを復活させるため再び過去に飛んだらそこは昭和20年、終戦直前の日本で…というお話。

すっかり「家族」として大きな位置を占めるようになっていたガーくんがいなくて、沈み込む吉永家の様子も既に十分過ぎるほどに重いのですが、戦時中にタイムスリップした後がひたすら重い。歴史の事なんか殆どわからない双葉が、その時代の人々との考え方の違いに戸惑ったり理不尽に思ったり……じわじわと戦争というものの恐ろしさが肌身に沁みてきます。更に、そんな不安なときにガーゴイルはかつての融通の利かないガーゴイルに戻ってしまっていて……戦争という暗い影の中、不安ばかりが募る展開。

一方で、自分の出来る範囲でやれることをやろうとする双葉が今まで以上に可愛い。というか本当にオトコマエな小学生だ……得意の暴力と悪ガキ的なカリスマ性で子供達をまとめあげる手腕がかっこよすぎます。

和巳達の残った現代にも不穏な影が落ち、上下巻構成で10巻に続く。うわあここで切られるのは色々と反則だ…!とりあえず続きが楽しみ。

ところで、後ろの方に「コッペとBB団」の短編が載っていて「くぬーやりやがったな!」という気分になりました。ああ、なんかこういうどっかオマヌケさんな悪役達+天然だけどスゴイ娘という組み合わせはとてもいい……ガーゴイルみたいなほのぼのさせておいて最後でちょっと泣かせに入る展開もよかったです。ガーゴイル読破したらコッペにも手を出してみようかなあと思わせる短編でした。