「吉永さん家のガーゴイル」コンビの新作。製造スキル特化の主人公一家と戦闘スキル特化のおとなりさんが狩りの報酬分配で揉めてしまい、PVで決着をつけることになるお話。
戦闘特化のお隣さんに戦闘で勝つために、装備を強化したり、戦闘補助をするアイテムを製造したり……あくまで自分達のフィールドである製造部分で勝負するのにニヤリとする。勝ち目がないように思えて、決して侮れる一家じゃないことがイヌガミさん一家にも読んでいた読者にも少しずつ伝わってくるのが楽しい。
今の時代よりもよりMMORPGが日常生活に密着している世界の話で、ネトゲ世界だけど現実の世界での人間関係が深く結びついている世界観も面白かった。引きこもりの子がゲームの中で授業を受けられたりと良い方向に変化した側面もある一方で、当然ながら現実と深く結びついてしまったからこそのデメリットもあって。特にコノカの“いじめ”の話は、ネットワークゲームが生活に深く結びついてしまったことへの弊害のように思えて、辛かった。
それでも、事件の原因を突き止めたのも、困ったときに助力の手を差し伸べてくれたのも猿渡一家がリアルやネットワークの中で築いてきた人間関係で。田口先生の作品らしい、「家族の絆」と「ご近所さんとの絆」にあふれる暖かいお話でした。普段はいがみあっていた猿渡一家とイヌガミ一家の連携プレイが爽快で、読んでてめちゃくちゃ気持ち良かったです。
1巻で綺麗に終わってる話なのかとおもっていたけど、エピローグに「つづく」と書いてあるから2巻が出るんでしょう……か……?吉永さん家みたいにのんびりと末永く続いてくれるといいなあ。
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銃皇無尽のファフニール10 インビジブル・サクセサー
ニブルによるミッドガルへの侵攻。その先鋒たる離反したアリエラ。迫り来るそれらの軍勢を、悠はイリスや深月たちとともに、学園長シャルロットを守るべく迎え撃つ。そして死闘の末、悠の前に立ちはだかったのは、彼の元上官にして、新たなる“英雄”―ロキ少佐だった。ぶつかり合う二人の信念。明かされる廃棄権能の正体。赤い霧の中、因果の果てに待ち受けるのは、全ての可能性を一色に塗り潰す必然か、それとも大切な存在を守れる強さか―。「―私は既に君たちを殺している。運命はもう、定まっているのだよ」背中合わせの誓いを胸に、希望という名の翼を広げ、定められた運命を切り裂いて―。アンリミテッド学園バトルアクション第十弾! (「BOOK」データベースより)
表紙ありがとうございます(平伏)
えっ主人公のはじめての表紙登場が元かr…昔のおとk…元上司(♂)と一緒でいいんですか!?いや物語をちゃんと読めばなんというかこの2人が表紙なのは間違ってないなっておもうんですけど大丈夫!?ラノベの新刊売り場でこれが平積みになってるゾーンだけ異空間になってたけど大丈夫!?(錯乱)
そんなわけでいよいよ“彼女”が率いる新生スレイプニルとの対決を経て、悠の元上司にして序盤からなんか訳知り顔だったロキ少佐との直接対決回。ロキ少佐との戦いは最初から最後まで嫌な汗が出る感じの展開だったけど、前巻があったからこその、ヒロインたちとの息があったバトルが熱かったです。また、“つがい”となったヒロインたちとの信頼関係とはまた違った、シャルロットと悠の友人関係というか、背中合わせの信頼関係がとても好き。
灰のドラゴンや廃棄権能の正体が明かされたり、ファフニールの正体やらシャルロットやロキ少佐の能力・思惑が明かされたりで前巻から引き続き一気に物語の核心に踏み込んでいく巻でしたが、正直悠を“悪竜”に仕立てあげるまでの課程がものすごくいかがわしいとおもってすいませんでしたロキ少佐!!!直接対決といい表紙といい色んな意味で俺得感でしたありがとうございます!!キーリにライバル扱いされてましたしそのままヒロイン枠に収まっちゃえばいいんじゃないでしょうか!!!
個人的にはキーリとティアの禍根が晴れたのが本当にほっとしたし、なんだかんだでティアが可愛くて仕方ないキーリが可愛くてしかたなかった。キーリに悪気がなさそうな雰囲気は前からあったので、ほんと和解できてよかった……。
物語はいよいよ終盤、一段落したとおもったら最後の最後でまた大きな爆弾が振ってきて……どうなってしまうのかとてもハラハラするけど楽しみです。
銃皇無尽のファフニール9 セルリアン・エンゲージ
イリスだけでなく深月たちクラスメイトの竜紋も変色させてしまった悠は、他の“D”との接触を禁じられ、学園内で隔離されていた。悠のつがいになるか否か、それぞれの選択を迫られる少女たち。そしてついに、ニブルのロキ少佐が動き出す。“灰”のヴァンパイア―ミッドガル学園長シャルロットを討つために。差し向けられたのは、かつて悠とジャンヌが所属していたロキ直轄の特殊部隊スレイプニル。そして、欠けた破片を埋めるのは―。「―届けて」止められない想いと、止まらない運命の歯車。終わりの前兆と、終わらせないために叫んだ声。たとえ今、伸ばしたこの手が届かなくても、きっと―。アンリミテッド学園バトルアクション第九弾! (「BOOK」データベースより)
「あれ、これハーレムルートなの!?」とか言ってたんですけど今回は完全にハーレムルート確定の話だった。悠の古巣・ニブルとロキ少佐の手が迫る中、竜紋の変色が起こった少女達が悠と“つがい”になるかの選択を迫られるお話。
ほぼ全員とこれまでの巻でしっかりフラグを立ててきていたのである意味形式上のやりとりという側面が強いのですが、ヒロインたちがそれぞれ悠とふたりきりの時間を持ち、お互いに納得の上で“つがい”になる姿には思わずにやにやしてしまうものが。それぞれの反応も可愛くてしかたないのですが、体面上の理論武装まで完璧にすでに考えてるフィリルさんが男前すぎて震えるしかない。最初は悠×イリス一択だと思っていたのでやや複雑な気持ちがあったんだけど、幸せそうな彼女たちの姿を見たら「悠なら幸せにしてくれるよ!!」っていうしかなくなってしまう。
そして、ひとりだけフラグ立てきらずにハーレムルート入ったなぁと思っていたら……自分の望むものは手に入らないと諦めて、大切な人の幸せだけを願って去っていく彼女の姿が胸に痛い。幸せにしてあげて!!
それにしても、かつて(ジャンヌ加入前)のスレイプニルが案外ほのぼの男子高校生ノリっぽかったのが衝撃すぎて、やっぱりニブル時代の悠の番外編が読みたいです。もっとこう、サツバツとしたお互いに会話のない人間兵器の集まりみたいなスレイプニルを想像してたらそうじゃなかった。おはようからおやすみまで(衛生回線で)暮らしを見つめるロキ少佐さすがです。
ロクでなし魔術講師と禁忌教典
教師なのに遅刻や居眠りの常習犯で、しかも魔術を毛嫌いするような発言すらする非常勤講師グレン。当然生徒達からの評判は最悪、当人も早く辞めたいとまで思っていたのに、とある出来事をきっかけに本気を出して……というお話。
魔術師としての才能や適正が低かったグレン。既存の枠から“落ちこぼれ”て、だからこそ出来る授業シーンの楽しさが、読んでいるこちらにまで伝わってくるようでした。ただ教科書を鵜呑みに教えるのではなく、もっと深い所からの魔術講義が面白い。そして、生徒たちが危機に陥ると魔術への深い理解とそれを埋めるための努力で能力を補って強敵を打ち倒していく姿が爽快。
誰よりも魔術が好で、それ故に魔術が人殺しの道具として使われているという現実に絶望していたグレンが、ルミアの“夢”を聞かされて何を考えたのかと思うと、もう。かつて思い描いた理想を捨てることが出来ず、ルミアや生徒たちに夢を託そう、そのために彼女たちを護ろうとするグレンの素直になれない悪あがきっぷりがカッコよかった。
色々物語にも謎がありそうで、これからの展開が楽しみです。
Lady!? Steady,GO!! Special Edition
超巨大複合企業《SANADA》の跡取りは世襲制ではなく、一族の中で優れた者の中から選出されていた。現当主の嫡流・真田燐之介は次期当主候補としての教育を施されて全能といってもいいほどの優れた才能を持ちながら、常識がないために「出来損ない」と呼ばれている。そんな燐之介の教育係を務める静目圭は燐之介の常識はずれな行動に振り回される日々を送っていたが……というお話。
常識を知らない燐之介と常識に縛られて生きてきた圭がお互いの出来ないところを埋めあっていく姿がとても好きだ…!あらすじだけ読んで「主従モノのBLかな!?」って5回くらい呟いてたんですけど、思ってた以上に圭と燐之介の相棒関係および主従関係がメインのお話でした。バカテスは明久・雄二の行動理由に常に女の子の存在があった分まだなんだかんだでラブコメしてた……。秀吉枠も居るんですけど秀吉みたいなお色気展開は全然なくて、下手するとセンパイの性転換設定って圭とくっつくためのフラグじゃ!?って思ってしまうんですけどその辺どうなんですか怖い。
基本的には対等な関係なんだけど、真田の他の人間の目があるところでは『主従』としてふるまう二人の関係が個人的に大変おいしいです。圭の「大人が子供を歪めてしまうようなことが大嫌い」って設定どう考えても元凶はセンパイですよね……。『端男』って設定わりと意味深ですよねとか夜の教育(意味深)とかぜんぜん思ってません。
古き慣習に縛られた財閥一族を舞台にした後継者争いという大人の世界に挑む子供たちの物語で全体的に割と重たい世界観設定があるんだけど、重たさを感じさせないサバサバした空気感と、公衆の場で読めないギャグは健在。ギャグはバカテスよりも下ネタ増えたかな、チンチン電車のやり取りには思わず爆笑してしまった。下ネタもそうだけど、割とバカテスがギャグ時空でごまかしていた部分にがっつり踏み込んでくるので、割とドキっとします。今回は後継者を決める争いに参加する『チーム』を作るための下準備といった感じのお話でスタートラインに立ったところで終わったので、今後どうなっていくのかとても楽しみです。
しかし、いろんな意味で圭ヒロインだったな……ライバルの親戚に身分上とらわれていて動くことができない圭をどさくさ紛れで奪いに行くお話(曲解)だったもんな……。
付録の「バカとテストと召喚獣」小冊子は明久達の性別が逆になってしまうお話。冗談で何度か「常に同人誌の定番展開を貪欲に喰らっていくバカテス」「やってないのもう性転換くらいじゃない?」とかいってたんですけどほんとにきたよ……しかも恐らく最後の最後で。
イラストがほとんど見た目的に変化のないムッツリーニと秀吉だけで正直見た目が大幅に変わったあたりのビジュアルが見たかったような見たくなかったような。姫路さんの見た目に変化ないのが救いなのかもしれないけど翔子×雄二の性転換が本当にただの犯罪で危険が危ない。
ババア長の実験シリーズやらギャグマンガ時空特有のファンタジー設定等で割と強引に公式と地続きのところで二次創作みたいな展開をやりまくってきたバカテスにしては珍しく定番の同人誌見たいなオチでしたが(何を言っているのかわからないとおもうが俺も)、久しぶりに生き生きとしたバカやってる明久達の姿が見れて楽しかったです。これで終わりなの寂しいので、ネタが浮かんだらでいいからこういう形でもちまちま続けてほしいなんて思ったり。
個人的には一番最初の明久と雄二のやりとりが大ご褒美なので全力でごちそうさまでした明久の家に雄二が使う用のゲスト用布団が容易されてる設定おいしいですありがとうございました。
甘城ブリリアントパーク7
アクアワーリオ改め「エレメンタリオ」の四精霊を中心とした短編巻。さりげなく四精霊のアトラクションの表記が統一されてたり、アニメで出てきたツッコミへのフォロー的なエピソードも多かったり、メイプルサモナーの方のキャラクターを拾ってきたりと各メディアミックスを踏まえてさらに世界感が広がった印象で、楽しかった。前巻から登場の鉄ひげ&ドロッ子さんみたいにアニメから生まれたキャラクターや設定が逆輸入されて原作作品世界に溶け込んでるの、面白いなあ。
「火の精霊なんだけど仕事から帰ってきたら自宅が炎上してた件」
自宅が炎上(物理)したサーラマが、キャスト達の家にお世話になるお話。サーラマがミュースのこと好きすぎる……後のミュースの話でミュースがダメ人間ほっとけないタイプという話もありましたし、もう二人でゴールインすればいいとおもいます。あと、いすずのお風呂にツッコミ入ったので盛大に噴いた。シルフィーは唯我独尊キャラかと思いきや、かまってちゃんキャラだったんだな……。
なお、ミュースの寝顔動画はアニメ14話(BD7巻に収録された未放送回)に話が続いてるので未視聴のかたはこの機会に見たらいいと思います。京アニ全力の作画でしどけないミュースの寝顔が見れます(さりげないステマ)。
「腐ってばっかりじゃないんですよ?」
多方面に有能だけどそんな自分を表に出せないコボリーの、腐ってないちょっとした人助けのお話。その前のサーラマの話でのコボリーの修羅場エピソードとか、コボリーの私服がアナスイだとか、このお話で出てくるコボリーの得意分野とか全体的に同種をチクチクやられてるかんじやばかったです。PCとデザイン周りは特になんかこう、独学である程度詳しくなるひと多いよな……。
「普段ない組み合わせ」
モッフルvsアーシェの本心が見えそうで見えない大人同士の駆け引きにすごいニヤニヤして、ミュースの複雑な乙女心にもニヤニヤするお話。っていうかほんとオフのアーシェさんのキャラの変わり方が凄く良いなあ。ワニピーがいろんな意味で不憫なのですが、やっぱりミュースにはサーラマとゴールインして頂きたいです(2回目)。
「しるふぃー・ちゃんねる!わくわくレビュー」
シルフィーが通販でゲットしたもののレビューをしちゃうよ☆というお話なんですけどエレメンタリオの3人どころかパークの重鎮を巻き込んだ乱痴気騒ぎがどうかんがえても危ないオクスリやっちゃった雰囲気で、これギリッッッギリ(アウト)じゃないですか!?前巻のマッキーくらいのギリギリ感あふれる一発ネタでしたが、副作用とはいえ欝入って首吊ろうとする西也も結構ギリギリ(アウト)感ある……。
しかし、最後の西也といすずのやりとりのなんともいえない不穏さが……嵐の前の静けさって感じで次巻どうなるのかが気になって仕方ない。というかもう少し巻数かけてキャラクター掘り下げるのかと思ったらもう本編動くのか。
「好きなライトノベルを投票しよう!! 2015年上期」投票します。
企画元:好きなライトノベルを投票しよう!! 2015年上期
2014下半期からあまり本が読めない状態が続いており、今回もどうしようか悩む程度の読書量しかなかったのですが、久しぶりに投票します。下半期はもう少し本を読んで行きたい……。
余談ですがロキ少佐というすごいBL要員が居るので女子に全力でオススメしたい。一言で言うと主人公の過去の男です。講談社公式にあるコミカライズの最初が突然のBLなのでよろしくお願いします。
ところで10巻でマラソン大会で走り合った葉山と八幡が雨降って地固まるというか、なんかこう友人以下の関係性だけど誰よりも分かり合ってる感じのやりとりが本当に萌えるのでやめてほしい(くそ萌える)。
ところでエピローグの雄二と久保君どういうことなんですか本編があんなに悪友エンドで終わったとおもったらまさかの久保君大躍進でありがとうございます超ご褒美です。なんかこう、12巻の雄二と明久がめっちゃ仲良しだった分あの終わり方が特に輝いてる気がしました……2パターン見れて幸せです……とこれだけ言ってもう1冊くらい短篇集が出ないかななんてそんな期待をバリバリしてます(本気)
しかしほんとどこまでも追い詰められていく西也萌える。あと女子が大好きな某キャラ再登場本当にありがとうございますご褒美です。ラノベ関係無いですがアニメBD5巻の栗栖と西也といすずのキャラコメひどすぎて本当にありがとうございました。
銃皇無尽のファフニール8 アメジスト・リバース
無力化された深月。変色してゆくクラスメイトたちの竜紋。そしてヴリトラにより明かされた、ヒトという種の根源に関わる情報―。それらに揺れる悠たちを、ニブルが竜紋変色者の処分のため襲った。なんとか退けた悠たちの前に、いったんは封じたはずの、篠宮都とクラーケンの子―クラーケン・ツヴァイがふたたび現れる。悠はジャンヌたちとともに戦いをおさめようとするが、説得はうまくいかない。さらに、戦いの中で、イリスに新たな変化が生じて…!?「モノノベは―あたしがどんな風になっても、嫌いにならない?」たとえ何が起きたとしても、きっとこの想いは変わらない。その手だけは離さない―。アンリミテッド学園バトルアクション第八弾! (「BOOK」データベースより)
“第二世代”クラーケン・ツヴァイは「つがい」にするひとりを選ばず、接触したDの少女達の竜紋を次々と変色させてしまう。大ピンチのなか、今度はロキ少佐率いるニブルが竜紋変色者の処分の為に動き出す。更に、赤のバジリスクを倒して『終末時間』を得たイリスにとある変化が起き始めて……。
人を捨て“ドラゴン”へと近づいてしまうイリスと、クラーケン・ツヴァイに見染められてしまったDの少女たち。そして絶体絶命の状況での悠の覚醒。それぞれが人としてお互いを思い合うが故に、逆に人から離れていってしまう姿が印象的でした。最後にどうなるかを知っても、悠のために、仲間のために力を使うことを惜しまないイリスがかっこよくて可愛くて、その覚悟の重さに胸が痛くなる。
遂に物語が唯一の“男のD”である物部悠の正体に言及して、いろいろな意味でただのDでないのはなんとなく解っていたけど予想以上の展開にびっくりというか、えっハーレムルートなんです!?(困惑) 序盤からハーレム化の兆候はあったものの最終的にはイリスエンドだとおもっていたのになんだこれどうなってしまうんだ……。様々な謎が明かされた話だったけど、それ以上に伏線がばらまかれた感じのするお話でした。
事情を知っていそうなヴリトラ、学園長、そしてロキ少佐あたりがどう動くのかも楽しみ。特にロキ少佐の思惑が読めないよなあ……ひとのかたちをしたものを殺す能力である『悪竜』を悠に与えたのは偶然なのか、それとも全てを見通してのことなのか。続きがとても楽しみです。
それにしても、いよいよ正体がバレてしまったジャンヌちゃんの取り乱しっぷりが可愛すぎて、死んだ。ジャンヌもロキ少佐によって集められた人間ということは何らかの能力を持っている……というか未覚醒のDかと思っていたけどそういう話ではなさそうだし、彼女が今度どのような役割を持たされていくのかも気になる。
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。10.5
材木座が相変わらずだったり、生徒会長となった一色いろはデートすることになったり、生徒会で予算の調整をするためにフリーペーパーを作ることになって、八幡が締切に追われたりするお話。
表紙の通りまさにいろはすに全部持って行かれた感じの短篇集。いろはすあざと可愛い!!すっかり奉仕部に入り浸り状態になってて準レギュラー感はんぱないんだけど、雪乃や結衣と過ごすときとはまた少し違った感じの、遠慮がなく、それなのにどこか甘い感じが漂っているのがとても好きです。総選挙の件も含めて共犯者関係というか、扱いこそぞんざいだけどお互い頼られたら無下にはしないかんじというか。葉山と同じく、いろはにとっても八幡は自分を偽らないで接する事が出来る数少ない相手なのかなという雰囲気を感じる。
フリーペーパーの締切に八幡が追われる話が割と他人ごとじゃなさすぎて辛い。あとちょっとで終わるはずなのに集中力切れて何も出てこなくなるとか、あるあるすぎて死んだ。材木座の話での意識の高い就活ブログの話とか、「大人になったら結婚できると思ってた」とかなんか全体的に今回ジワジワと抉られますよ!?
ところで本当にちょっとしか出番がないうえに全然メインの話じゃないんですけど、フリーペーパーのインタビューの際の八幡と葉山のやりとりが好きすぎて私は。雨降って地固まるというか、マラソン大会の出来事を経てなんかお互い本音で接することができる関係にステップアップしたよねこの2人。本当に短いやりとりなんですが、正直とても動揺しました……。
銃皇無尽のファフニール7 ブラック・ネメシス
“緑”のユグドラシルを支配したティアからユグドラシルとの取引によって失われた記憶を取り戻すことが出来ると告げられ、戸惑う悠。そんな中、ミッドガルに帰還する前に悠と深月の実家を尋ねることになった一行は人間の姿をした2つの災厄と出会う。1つはダークマターにより少女の姿を模した“黒”のヴリトラ。そしてもう1つはかつて深月が討伐した“紫”のクラーケンのつがい・篠宮都から生まれた“第二世代”のドラゴンの少女。新たなる脅威だった。
目下最大の敵とも言えたユグドラシルを打倒して目の前に見えていた問題が全て片付いたとおもいきや一段落する間もなく一気に畳み掛けてきたなあ。次々と明かされていく真実に圧倒される。しかし、宮沢所長は憎みきれないけどほんとろくなことしないな……。
いざ記憶を取り戻せるという段になったら、自分の知らない記憶を持っている本来の「物部悠」は記憶を失った悠にとってはやはり別人である印象が強くて、記憶を取り戻した自分がどうなってしまうのか解らない不安に苛まれていく悠の姿が胸に痛かった。そんな悠を受けて、お互いに遠慮しあうイリスと深月のやりとりにもだもだするし、ティア・リーザ・フィリルをふまえた恋のさやあてにもニヤリとするし、一方でキーリやらジャン(ヌ)やら新たなフラグが乱立して本当にこれはどこのエンドに落とすつもりなんでしょう私気になります。かつて殺し合いをした仲であるキーリとリーザのやりとりが物凄く好きです。リーザいい女だ……。
それにしても悠が黒のヴリトラと対峙した際、現れた『悪竜』は何だったのか。あれって一種の精神制御技術というか、意識して人格の切り替えていくような一種の「殺すための技能」だと思っていたんだけど、むしろヒトの形をしたものに対してのみ発動する「特定の存在を殺すための異能」なのか。悠をそんな得体のしれない存在へと育て上げたロキ少佐の正体含めてますますきな臭くなってきた。
そして“第二世代”の持つ本当の特異性が明かされる衝撃のラスト。急展開に次ぐ急展開に本当に目が離せない。続きがどうなってしまうのか、とても楽しみです。