現代日本で過労死したOLが異世界に。転生する際に神(女神?)的な存在からお願いを叶えて貰うことができた彼女は、不老不死の魔女に転生。のどかな村の近くで悠々自適のスローライフを送ることに。ところが転生から300年ほどたったある日、日銭を稼ぐために毎日スライムを倒していたらスライムの経験値が積もり積もってレベルMAXになってしまっていたことが発覚して!?というお話。
不老不死だし、レベルMAXだしでおおよそ敵なし状態なんだけど色々望んでいないトラブルが向こうからやってきてしまうフラグ体質感と、あくまでスローライフを維持しようとするアズサのペースにやってきたトラブルのほうが巻き込まれていくのがすごく楽しかった!弟子のドラゴンに「娘」を自称する双子、押しかけエルフなどとなんだかんだと疑似家族的な関係になっていくのにほっこりする。あと家族にはならないけど世話焼き魔族のベルゼブブが超かわいい。
寿命の違いから意識的に人間とは距離を置いて生きてきたアズサが、望んではいなかったけど最強の魔女として名が売れてしまったことでそういうことを気にせず対等に付き合える、かけがえのない「家族」を得ることができた。なんだかんだで彼女達との関係に居心地よさを感じているアズサの独白が印象的でした。
しかしこの物語の最大の魅力は難しいこと考えずに頭からっぽにして読めるこの感覚だとおもうんです。都心での社会生活に疲れてる社畜や社壊人には是非おすすめしたい。なんかもう心に染み入るぞー……。
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ラノベのプロ! 年収2500万円のアニメ化ラノベ作家
「バッキャロウ!こういう人気作は、発売日に買いたくねえんだって。俺より売れてる作家の初動に貢献したくないの!」アニメが爆死した、意識高い系ラノベ作家・神陽太の年収は2500万円。アニメがコケてもこれぐらい稼ぐことはできるが、この業界では全然たいしたことはない。上には本当に上がいる。そんなシビアな業界で陽太は“プロ”らしい日常を心がけるが―税金対策として雇った幼馴染み・希月結麻はラノベ知識ゼロ。後輩作家のJKとJCの才能には焦らされ、担当編集からはダメだしの嵐…。それでも野望達成のため、今日も執筆で金を稼ぎ続ける!望公太が贈る『日常系』のハイエンド登場!!(「BOOK」データベースより)
高校生でデビューしたがデビュー作は打ち切り、なんとかアニメ化まで漕ぎ付けたがアニメは爆死……というラノベ作家の神陽太が、税金対策で雇ったアシスタント兼おさななじみの結麻や後輩作家の女の子達に振り回されたり、自分より売れてる作家に嫉妬しながら売れ筋作家目指して頑張る日常ラブコメ。
ラノベ作家系日常コメディと聞いて勝手に昼夜逆転で締め切りに追われる修羅場生活を想像していたら主人公が早寝早起きで朝にジョギングまでしちゃう意識高いストイックな作家生活してて謎のダメージを受けた。作家生活を脅かすと思えば好きだったゲームも封印するしソシャゲにも手を出さないとかストイックすぎて眩しい。
ラノベ作家の年収の話とか編集者との話とか打ち切りやら延期の話とか絵師の話とか業界関係の生々しい話も結構あるんだけど、それよりも「自分より才能のある作家を妬まずにいられない」あたりの話の方がなんだか生々しく感じました。でも、同時にその妬ましさを「強さ」として自分を律することが出来て、自分の芯を曲げない主人公なんだよなあ。だからこそ作家仲間達も彼の周囲に集まるんだろうと(基本ぼっちだけど)。作品を生き残らせるために妥協しろ、の話は凄く説得力があったし、厨二病作家であるエマならではのルビ振り談義で盛り上がるシーンとかものすごく楽しかった。それにしても藤川先生(男)と陽太の間にナニがあったんですか?私気になります!!!
一方で、オタクに興味も理解もない幼なじみヒロイン・結麻が、オタクのノリを理解できない事をもどかしく感じながらも彼らのノリには染まらず、それでいて一番の理解者として主人公の隣にいるという関係性が美味しかったです。すれ違うこともあるけれど、お互いが大切で仕方がない関係性がニヤニヤしてしかたない。そして、終盤で明かされる主人公のまっすぐな好意が眩しい。素直になれない事は数あれど、ラノベ作家としての仕事意識と同じくらいストイックに彼女の事を一筋に思っている姿が心地良かった。なんという幼なじみヒロイン大正義ラノベ。
ラストシーンの告白の行方やら陽太のアニメ化周りのあれこれとか、まだ色々隠されている物語がありそうで、この雰囲気だと上下巻完結とかになるのかな?続きも楽しみにしてます!
それにしても望公太先生がリアルで幼馴染とゴールインされたときいて……
CHAOS;CHILD とある情弱の記録
興味本位から渋谷で起きている連続猟奇殺人事件の捜査をしていた碧朋学園新聞部の面々。部長の宮代拓留はこれまでの事件が、6年前に渋谷で発生した「ニュージェネレーションの狂気」と呼ばれる連続猟奇殺人事件の日付と一致することに気づく。第三の事件も予想通りの日時で発生し、偶然ながら殺人現場に潜入することに成功するが、それ以来、事件は彼らの周囲で起きるようになっていって……。
ヒロインのひとり・来栖乃々の視点から語られるカオスチャイルドの物語。主人公である拓留の知らないところで事件に深く関係する人物であった「乃々」と、第一の事件からの「被害者」たちの視点から描かれる事件の真相はゲーム内でも明かされていない情報がたくさんあって面白い。死んでしまう人間からの視点も含まれるので色々としんどいところはあるんですが。
第六の事件の当事者の話はもう無条件でえぐられるんですけど、第三の事件「回転DEAD」の被害者・柿田と有村の馴れ初め話もかなりしんどい。兄の死、家族の裏切り、周囲の人間の「嘘」を突きつけられる日常に参っていた彼女が兄の友人であり、腹を割って話せる柿田との出会いにどれだけ救われたのかと思うと……あと、第四の事件の顛末なんかはトゥルーエンドを読んだ後に読み直すとなんとも言えない気持ちになる。
ゲームのトゥルーエンドルートでの展開を、乃々の視点から読めるのは正直とても嬉しかった。最終的には蚊帳の外になってしまう彼女たちが、物語の裏で彼らを支えた人々が、「彼」の帰りを待ちわびている姿を見れただけでも胸が熱くなるし。それにしてもシリーズの垣根超えて色々な事情を知ってそうなゲンさん、この人一体何者なんだよ……。
ただ、ゲーム本編で語られる部分(=主人公である宮代拓留の視点)については事のあらまししか語られない上、その割には事件の真犯人まで含めてがっつり核心部分をネタバレされる(というか知っていること前提で物語が進む)ので原作ゲームをプレイしていない方はそちらを先にやったほうが良いかも。
良くも悪くも、ゲーム本編と「対」となる物語でした。
ゴブリンスレイヤー
かつてゴブリンの襲撃により家族を失い冒険者になった男、通称『ゴブリンスレイヤー』が、周到な下準備と強い執念を持って、獲物であり家族の仇でもあるゴブリン達をひたすら殺していく話。
Web小説ではなく、2chの「やる夫スレ」が原作。AAを使って淡々と書かれた内容がどういうふうになっているのか……とおもったら、小説としての肉付けをされつつもどことなく雰囲気はそのままで小説になっているのが面白かった。キャラクターの固有名詞がなく、役職のみで描写されるのでどうしても脳内ではAA元のあのキャラやあのキャラで浮かんでしまうんだけど、その想像を邪魔しないどことなく元のキャラクターたちの空気を漂わせるキャラデザがずるい。
数々の冒険者達の迎えた悲惨な最期と凄惨な現場が、ゴブリンという生物の恐ろしさとしてじっくりと描写されていて、現実のRPGでも作品世界でも雑魚モンスターとして扱われているゴブリンがこの作品の中だととても恐ろしい存在だと思えてくる。
熟練の冒険者が相手をするには旨味が少なく、初心者が対処するには持て余しがちなゴブリンを決して侮らず、そして一切の容赦なく殺していく姿には一筋の狂気すら感じる。でも、ゴブリンをひたすら殺す物語でありながら、そのゴブリンの恐ろしさを一番理解しているのはそのゴブリンを殺しまくっているゴブリンスレイヤー自身で。人間に仲間を殺され、群れを渡ったゴブリン達が上位のゴブリンになるなら、それを殺す存在がゴブリンに家族を殺され、生き残った男だというのはなんとも因果を感じてしまって、やるせない。
そんな彼が擦り切れそうになりながらも、迷ったり悩んだり、幼馴染の牛飼い娘や仲間の女神官に対して不器用ながらに心をひらいていく姿が、どうしようもなく人間らしかった。恐らくWeb版との一番の違いはその辺の心象描写が増えていることではないかと思うんだけど、幼いころの冒険者になりたかったという「夢」を思い出すゴブリンスレイヤーのシーンだけでも、読んでよかったと思える。
原作スレは確かここまでなので、続編がどうなっていくのかがとても気になります。いつかゴブリンとは関係ない心躍る冒険に旅立つゴブリンスレイヤーさんの姿も見てみたい。
どうでもいい 世界なんて 2 -クオリディア・コード-
正体不明の敵<アンノウン>によって、世界が崩壊した近未来。今も<アンノウン>との戦争を続ける防衛都市・千葉に暮らす千種霞は、本来の戦闘科としての仕事ではない、出向先の生産科で残業に明け暮れていた。そんな中、生産科の科長・朝顔は、事実上の支配階級である戦闘科に反旗を翻し、首席選挙に立候補しようと目論むが、そのことが戦闘科にばれ、窮地に立たされる。起死回生を狙うため、霞が考えたとんでもない作戦とは!? TVアニメも好評だった『クオリディア・コード』の「千葉編」前日譚、完全書き下ろし小説第2弾!(公式サイトより)
千葉首席の座を勝ち取り戦闘科偏重の空気を覆すため、代表選に出ることを決意した釣瓶朝顔。生産科に出向中の霞をはじめ生産科の面々は彼女の活動を後押しするが、それを良く思わない戦闘科から釘を刺されてしまう。圧倒的な戦闘科優位を覆すため、霞はとある作戦を提案するが……?「クオリディア・コード」の前日譚、千葉完結編。
露骨に霞の中の繋がりの人ネタな「理由あってアイドル作戦」やらやたらと連発される作者繋がりの「勝ったな!!ガハハ」とかこれでもかとぶちこまれるメタネタの数々がテンポよくて楽しい。生産科が一丸となって彼女の選挙活動を盛り上げていく姿がアツかった。それにしても「恋ダンス」とか恐らく米大統領選を匂わせる話とかネタの鮮度が高すぎるんですけどこれ本来の発売日去年の年末じゃなかったっけ!?ものすごくギリギリ進行の気配を感じる……。
その一方で、前巻からばらまかれていた不穏な伏線がしっかり水面下で根付いていて、時折感じさせる薄ら寒さとそれが芽吹いてからの人間模様は流石だなあと。1巻も殆どバトルおまけみたいな扱いでしたが2巻は完全に人間vs人間の戦いだったなあ。そして、人間同士の心理戦に不確定な<世界>の要素が加わって繰り広げられる心理戦が熱い。選挙活動のシーンとか割と真剣に「政治」やってるのが印象的でした。
今回明かされた霞の<世界>の真の力とその代償についてはちょっとアニメでも見たかった気がしなくもないっていうかその設定正直美味しいんですけど今ここで明かされるんですかー!!!アニメでの壱弥の「本気を出せ」発言とかどういう気持で受け流してたんでしょうね……。思っていた以上に強力でそれ故に使い所が難しい能力を、自分(達)の思惑の為なら躊躇せず使う霞は本当にかっこよかった。
霞と明日葉、互いが互いに手を伸ばし合うようにして得たそれぞれの<世界>。二人の立場から見た夢見の世界の風景が、対称になってるのがすごく好きです。
いろんなことがあったけど、最終的に色々立場も変わったけど、それでもいつも通りの何気ない応酬で終わる物語が、これからも続いていく千種兄妹の物語を感じさせるようで良かったです。ノベライズの方もそうなんだけど、本当に渡先生の描く千種兄妹は何気ないやりとりが偉い甘くてズルい。後は予定されているのは円盤特典小説とダッシュエックス文庫のノベライズの最終巻のみとなりましたが、また機会があれば違った姿の彼らが見られたら良いなあと思います。
それにしても、終盤の漆原パイセンのかっこよさは異常。このニンジャスレイヤー原先輩、絶対卒業年度になっても内地行かないで3話の電車のアクロバティック脱線とか手伝ってくれてたに違いない。
クオリディア・コード 2
セカイの真実は、どこにあるのか―?アンノウンの急襲によりカナリアを失った朱雀は、絶望に沈み込み戦線から離脱していた。首席を欠いてピンチの東京を支えるため、舞姫が新リーダーに就任。懸命に生徒たちを支えようとする舞姫だが、その陰ではカナリアを失った哀しみに必死に耐えていた。一方、ほたるはアンノウン急襲の鍵が侵入不可領域にあると考え、青生を連れて探索を始める。そして未知の新型アンノウンにほたるたちが襲われるのと時を同じくして、東京上空にかつてない規模でアンノウンが襲来!仲間たちが次々と倒れていく中、人類の希望を一手に背負った舞姫は激戦に身を投じていくが…!?話題沸騰のオリジナルTVアニメ完全ノベライズ、待望の第2巻!! (「BOOK」データベースより)
渡航が描く、TVアニメ「クオリディア・コード」本編のノベライズ。第2巻ではアニメ8話までの物語を収録しています。
1巻ラストで起こったカナリアの「死」を巡り、遺された5人それぞれの思いが透けて見えるのが楽しかった。完全に「メディアの違い」的な問題だと思うんだけどやはり心理描写を描くなら小説のほうが……みたいなのが、どのメディアミックスでもありますよね。兄気質故に妹っぽい舞姫のことが割と好感度高い霞はどこまで「兄」なんだよと笑ってしまった。「世界を守る」と叫んでいたかつての壱弥を唯一の「同志」だと考えていた舞姫の場面は、それを踏まえてその直後の壱弥とのすれ違いを思うと切なくなる。
良くも悪くも後半に千種兄妹視点になってからが本番で、兄妹の気の置けないやりとりとか青衣と視察に出ることになってどぎまぎする兄とかそれをストーキングしながらヤキモキする妹が可愛すぎた。そして妹のコードを弄る霞のシーンがアニメ以上にエロい。やっぱり首筋のコードは性感帯なんです?千葉全く関係ないけど壱弥に壁ドンされる霞のシーンは描写がまるでBL小説みたいでした(こなみ)。
ただ、千葉陣営が生き生きと動いているだけに逆に2巻前半の神奈川陣営メインの所はちょっと固さを感じたというか、割り食ってる印象はありました。ノベライズ自体はすごく良いと思うんだけど、それはそれとしてさがら総が描く4話までのノベライズ、橘公司が描く7話までのノベライズ、渡航が描く12話までのノベライズという形で読みたかった感じもちょっとする。
新年のご挨拶&スマホ対応しました(今更)
「好きラノ」への投票が先になってしまいましたが、あけましておめでとうございます。2017年もよろしくお願いいたします。今年は1か月最低1冊くらいのペースを目標に頑張りたいです。
さて、去年の後半からちょくちょくサイトの細かい見た目を更新していたのですが、2017年になって今更ようやくスマホからの閲覧に正式対応しました。多分10年くらい時代に乗り遅れてました。
かなり前から「Ktai Style」というガラケー用表示プラグインを使っていたのですがこちらのプラグインだと画像/文字数/使用できるタグに厳しい表示制限があり(昔のガラケー用の基準なので仕方ないのですが)、長文記事やまとめ記事を書くと高確率で画像が表示になったり文章の途中でプラグインエラーを起こしてしまったりしていました。
他のテーマの使用・CSSでの表示切り分けも考えたのですがなんだかんだでそのまま表示させるには内容量の多いブログだったり書籍情報部分にカスタムフィールドを大量に使ってる関係もあり、最終的に下記のプラグインを使ってPC用とそれ以外でスキンを切り分けることにしました。
◆「PC表示」の実装が簡単なWordPress表示切替プラグイン、Multi Device Switcherの使い方
スマホ用のテーマは現在使っているテーマをコピペして一部の情報を削除し、横幅の小さい画面から見ても見れるよう調整したものを使っています。
まだちょっと細かい部分は微調整が必要なのですが必要最低限スマホから全記事を閲覧可能な状態になっていると思いますので(そんなにいないとおもうけどスマホから閲覧されているかたには大変ご迷惑をお掛けしました…)、もし表示の不具合と思われる所がありましたらお気軽にご連絡いただければ幸いです。
そのほか、主にPCからの見た目弄った際に参考にした記事
◆Similar Postsをカスタマイズ!関連記事を画像付きで表示する方法
→記事本文下の「こちらの記事もオススメ」をカスタマイズ。
調べてみたら案外簡単だった…新刊の感想に既刊タイトルの書影サムネ並ぶのっていいよね(自己満足)
◆Amazon商品画像のカスタマイズ(理論編)
◆URLをいじって Amazon の商品画像をトリミングする
→amazonの書影関係あれこれ。
あんまり恣意的なトリミングはしない方が良いかなと思うのですが、正方形サイズのアイコンに出来るのとか結構便利だよねと。
◆Flexboxを使ってレスポンシブ対応の「前の記事」「次の記事」リンクを実装
→現在そもそも個別記事からの前後の記事へのリンクが消えてしまっているのでそのうち治したい…。
「好きなライトノベルを投票しよう!! 2016年下期」投票します。
企画元:好きなライトノベルを投票しよう!! - 2016年下期
参加させていただきます。上半期と比較した所ぶっちゃけ顔ぶれが殆ど変わらなかったのですが、少ないなりに推したい作品とかいろいろあったのでモゴモゴ…
投票は14日(土)までなので推したい作品がある人は今からでもチェックです!Twitterからの投票も受け付けられてます。
自動販売機マニアの青年が自動販売機をかばって死に、自分が生前購入したことがあるものを条件つきで販売できる自動販売機として異世界に転生するお話。転生先の異世界で遭遇する様々なトラブルを自販機マニアならではのオタク知識と自販機商品を使ったアイデアで乗り越えていく。限られた単語のみで異世界の人々とあの手この手で意思疎通を図り、商品の購入に向かわせる流れがとても楽しかったです。相棒の怪力少女・ラッミスをはじめ、魅力的なキャラクター達のやりとりにもにやりとする。ちなみに私はヒュールミ派!!!
新時代の異能競技・ソードウォウの学内大会に「学内最弱」といわれる男が参戦。僅かな異能しか使えない彼が、周到な下準備を持って相手の裏をかき勝ち上がる下克上ラノベ。対戦相手の心理の裏を付くバトルと、2巻はチーム戦ということで仲間になった彼らを思う存分こき使いつつ、それでもどこか仲間に甘い主人公・双士郎と仲間たちのやり取りが良いんだよなあ。タイトルの言葉とは裏腹に俺ツエー感すら感じさせる物語が最高に楽しい。しかしルイくん(爽やか系イケメン王子)から双士郎(悪役面の主人公)への好感度が高くてもっとやってください。
アニメ化も決まった人気シリーズの最新作。原理はわからなくともこちらまでワクワクするような講義シーンや魅力あふれるキャラクターでとても楽しいシリーズではあったのですが、最新刊では勢揃いしたグレンの元同僚達の姿が美味しかった!というかアルベルトとグレンがお互いに罵り合いつつ言葉ではないところでわかり合っちゃう相棒ぶり最高なんですけどー!?物語も架橋に入り、敵の策略や味方の思惑が絡み合う物語が楽しみでなりません。あと、ヒロイン3人がみんな可愛いんだ…でもほんと7巻はアルベルトとグレンの相棒っぷり良かったんだ……。
僕は彼女を攻略できない。 まちがいだらけの主人公ライフ
神的な存在から一方的に行われる「役振り」で“エロゲの主人公”の役を仰せつかったアユム。早速、クラスメイトの白藤都がヒロインのひとりだと判明するが彼女は“ハーレムラノベ”のヒロイン。自分はエッチをしないとペナルティを喰らうのに、相手にはエッチなことをしたらペナルティがあって……。
役振りに従って世界側がねじまげられる世界観が予想以上に「なんでもあり」で面白かった!主人公周りは基本的にラノベとかエロゲの登場人物みたいなのが多かったので割と平和な世界観……と思いきや、デート先に怪獣映画の主人公がいて怪獣が襲ってきたり、プールサイドに触手ゲーのヒロインが!!……とか割と軽率にとばっちり喰らうのでわりと何が起きるかわからない。
そんな中で「エロゲ主人公」の役になった主人公が「ハーレムラノベのヒロイン」の役になったヒロインと出会うんだけど、エロゲやラノベどころか男女の恋愛にも全く疎く、何も知らない都と彼女いない暦=年齢なアユムが手探りで彼氏彼女らしいことをしていくのが微笑ましい。しかし、突然の「一緒に抜きゲー」は色々どうかと思いますけど!!階段5段くらい飛ばして駆け上がっちゃった感すごすぎたけど!!
役振りをたがえた場合のペナルティに縛られてにっちもさっちもいかない状態で、それでも「誰かが不幸せになるエロゲ?なんて」「全員を幸せにする!」と全員のヒロインと真のハッピーエンドを目指す主人公が良い意味で「主人公」らしくて見てて気持ち良かった。しかし1巻の時点でも割と軽率にヒロイン増えていくのでこれ最終的に何人になるんだろうな……。どうせなら伝奇エロゲのヒロインだった担任の先生やBLゲーの役振り貰っちゃった親友も一緒に貰ってあげるといいとおもいます!
それにしても、ラノベとエロゲの違い語りは色々と面白かったけど色々モヤモヤしたというか、「ハーレムエロゲの主人公」と「個別ルートに入らないと救われないギャルゲヒロイン」の食い違い位にしておいた方がすっきりとわかりやすかった気がするんだけど、それだとインパクトないんだろうなあ。
ラノベのジャンル定義論関係はほんと明確な回答がない面倒くさい話だとおもうんで大丈夫かというのと、あと流石に「ラノベ天狗」はメタネタにしても通じる範囲が狭すぎると思うのでちょっとびっくりした……。
ロクでなし魔術講師と禁忌教典7
天の智慧研究会の過激派がルミアの暗殺を目論んでいるという情報を掴んだグレンの古巣・特務分室がグレンに協力を要請してくる。ところが、その内容はグレンとルミアに学園で開催される『社交舞踏会』に出場させるという囮作戦だった。ルミアにも誰にも計画の全容を話せないまま、舞踏会の当日がやってくるが…?
久しぶりの「天の智慧研究会」との対決回で、アルベルト&リィエル以外の特務分室の面々が本格登場。一応メインはグレンの元上司であるイヴなんだけど、個人的にはバーナードおじさんが好きです。良いおっさんだな!!
たとえ廃嫡されても「普通の女の子」ではいられないルミアがこのままで良いのかと葛藤しながらも、だからこそこれだけは譲れないと舞踏会で見せる輝きが、最高に可愛くて物悲しい。そんな彼女の決意に対して全力で応えるシスティーナとのダンス対決が熱かったです。今回のルミアは戦闘ではない部分でどうしようもなく強くてかっこよかったけど、同時のその強さが今にも折れそうな脆いもののようにも思えてしまって、今後の展開がどうなるのか心配になる。グレンがいれば大丈夫だとは思うのですが……しかしこれはいろいろな意味で恋愛方面はルミアに行くのかシスティーナに行くのか読めないな。
終盤のバトルシーンで、現役時代を彷彿させるグレンとアルベルトの言葉にしなくても分かり合うツーカーな相棒ぶりとコンビネーションバッチリなのに事ある毎に言い合いしてる感じ最高に燃える!!んですけど、あとがきの「それ本人が言っちゃっていいの!?」感すごい。恋愛面ではルミア、バトル展開的にはアルベルトの一人勝ちってかんじで色んな意味で新キャラのイヴは不憫な感じ拭えなかった。というか、グレン争奪戦にまざってきそうな気配だけどグレンの好感度最低のところからのスタートだし、割とバックグラウンドとか積極的に出して好感度を上げていく作戦なのかもしれないけどそれ以上に今回の無能感高かったし、今のところ噛ませ犬の予感しかしないのがちょっとアレだなあ……。