ページ 53 | 今日もだらだら、読書日記。

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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。8

 

後味の悪さを残した修学旅行を終え、日常に戻った奉仕部。そんな折、奉仕部に生徒会長選挙に関わる依頼が持ち込まれる。お互いのやり方を認められないまま、奉仕部の三人はそれぞれが別のやり方で依頼に対することに。分かっていた。この関係はいつまでも続かないことも、自分が変わることができないことも。「君のやり方では、本当に助けたい誰かに出会ったとき、助けることができないよ」その行動は誰のために…。それでも自分のやり方を貫く、もがこうとする“彼”は、大きな失敗を犯してしまう―。 「BOOK」データベースより)

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 修学旅行の後ギクシャクしたままの奉仕部の元に持ち込まれた依頼。とある人物の生徒会選挙当選を避けるためにこれまで通り自分をもち下げることで依頼を完遂しようとする八幡に残りの2人は反対し、それぞれ違うやり方で依頼をこなそうとするのだが……。

 葉山グループの瓦解を繋ぎ止めるために行動してしまったが故に壊れかけてしまった「何か」を元の形に戻そうとなんとか頑張ってみたけど、やはりどこか周囲を顧みない八幡の独善的な解決法では綺麗にまとまりはしなかったという話。

 なんだかんだで色んな人に好かれているのに、その事実に気づくことができない八幡がどこか痛々しく、見ていられなく、そういう八幡の言動のたびに自らの好意と存在を否定されて傷つく彼女達のもどかしさにもだもだし、瓦解しようとしているものの大きさに気づいた彼がそれを壊すまいと動きはじめてしかしどこか空転している様が見ていられない。八幡が「自分のため」に動いたのは大きな進歩だと思うのだけど、それだけじゃどうしようもなく足りなかった。

 例えば八幡が動く前に雪乃の本心を聞き出すことができていれば……とも思うのだけど、それが出来ればこの物語なんてそもそも存在すらしていないだろうし、雪乃だって八幡が本意を問いただした所で真意を見せるとは限らない。そしてその真意を見せたところで八幡が素直に信じるとも思えない。八幡のやり方を彼女達が容認できなくなった時点でこの物語は多分詰んでた。「彼」や「彼女」が居心地良いと感じた場所が、そのままであって欲しいと望む気持ちによって致命的に居心地よくない場所へと変えてしまったのがどうしようもない皮肉。

 6巻くらいからずっとこういう重苦しい展開が続いていて、読むたびに角材で殴られたような衝撃を受けるシリーズではあるんだけど、今回のが一番キツかったです。9巻以降で少しでも持ち上がってくれることを期待したいんだけど、ほんとどうなるんだろうなあこれ……。

 しかし、女の子と遊んでても八幡しか見てない感ばりばりの葉山はほんとどこまで八幡のこと好きなんですか。お互いのやりかたを相容れないと感じながらも、双方が意識せずにはいられないというこの複雑な関係性がとても好き。あと、材木座さん地味にかっこいい。基本ハズレクジ引かされる役どころの材木座だけど、それだけ他人を巻き込む事を嫌う八幡が巻き込んでもいいと思う程度には心を開いて貰ってる存在なんだろうなあ。

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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。7.5

 

奉仕部に送られてくるようになった「お悩み相談メール」、そして平塚先生から持ち込まれた「結婚がらみ」の相談事…。(八幡的には)不本意にも忙しい奉仕部。その活動はコスプレ&「嫁度対決」からガチ格闘技対決まで、多岐にわたりすぎて大変なことに。日々の些末な出来事にこそ、真実は宿る…!?奉仕部&おなじみのキャラクターたちが生き生きと輝く「いつもの日常」をたっぷりと!アニメも大反響の「俺ガイル」、大ボリューム書き下ろし&単行本未収録エピソードをぎゅっと詰め込んだ珠玉の短編集! (「BOOK」データベースより)

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 店舗特典小説などを収録した短編集。後からはまるとこの手の特典小説は追いかけようがないので各レーベルはどんどん積極的に収録していっていただきたいですね。複数の店舗で違う小説つけるのよくない!!思わず複数買いしちゃうから!!!あと、もういいから八幡は平塚先生もらってあげてよ!!

 打ち上げでゲーセン行ったり、登場人物達(主に材木座や平塚先生)からのお悩み相談をメールで解決したり、ヒロイン(?)達が嫁力対決をしたりと、ちょっとした日常を描く短編が多いのですが、ある意味いつも通りだった「未だ、彼らは帰るべき場所を知らない。」が印象的。(部室に居座って要らぬちょっかいを焼きはじめたOBのせいで)減ってしまった部員を再び獲得してほしいと柔道部に頼まれた奉仕部が、季節外れの柔道部員勧誘イベントを主催するというお話なのですが、解決法がとても「いつもの八幡」というかんじで、ちょっと後味の悪い終わり方も含めてなんともいえない気持ちになる。しかし、葉山グループで3人組組むとあぶれるからって言って迷わず八幡に誘いをかける葉山さんはなんなんですか?愛なんですか?(誤解)

 7巻の内容があまりにも重たかったので、その分ほっと一息つける巻であったことは確か。続きの巻でてるからこそ一息つけた感じがあるのも否めないけど。っていうか柔道部の話、雪乃や結衣の反応が割とニュートラルなことにとても複雑な気持ちになってしまった……。

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「好きなライトノベルを投票しよう!!2013下期」に投票します

企画元:好きなライトノベルを投票しよう!! 2013年下期

 2013下半期は本当に本読めなかったんですが年変わってから無理矢理追い上げたりして8作品選んでみました。ラストスパートした俺ガイルと東京レイヴンズが本当に面白かったので読んでください。バカテスが面白かったのは最早自明の理なのでやっぱり読んでください。ハイキューとKのロスモワ的に壁井ユカコせんせいのバレーボール小説「2.43」とかも全力でオススメしたいので読んでください。

既存部門

amazon.co.jp:バカとテストと召喚獣12
井上堅二「バカとテストと召喚獣12」(⇒感想
 最後までアツい男子の友情を魅せつけられましたありがとうございました。
 あとこのラスト悪友エンドってことでいいんですよね?(迫真)

「お待たせ、雄二。準備は出来てる?」
「おせぇぞ、明久。誰に向かって言っていやがる」

【13下期ラノベ投票/9784047292932】
amazon.co.jp:ノーゲーム・ノーライフ5 ゲーマー兄妹は強くてニューゲームがお嫌いなようです
榎宮祐「ノーゲーム・ノーライフ5 ゲーマー兄妹は強くてニューゲームがお嫌いなようです(⇒感想
 複数の種族を一手に相手取る展開がアツかった!「最弱」の人類が他種族達をあの手この手でねじ伏せていく下克上っぷりがとてもたのしい。アニメも期待してます。

「一回、俺YOEEEからスタートし直せ。それでもまだクソゲと思うなら──」
「……何度、でも……遊ん、で……あげる」

【13下期ラノベ投票/9784040660806】
amazon.co.jp:はたらく魔王さま!10
和ヶ原 聡司「はたらく魔王さま!10」(⇒感想
 異世界を舞台に熱いバトルを繰り広げつつ、根底に根ざしすぎてる生活臭が最高。美味しい所を持って行く魔王のヒーローっぷりやばい。この挿絵がヒドい2013年下半期(P261)。

「この『ヒヤヤッコ』と『ミョウガ』を使えば、悪魔大元帥アルシエルは、
悪魔大元帥ルシフェルや、魔王サタンですら凌駕する力を手に入れられるのよ」

【13下期ラノベ投票/9784048661614】
amazon.co.jp:東京レイヴンズ10 BEGINS/TEMPLE
あざの耕平「東京レイヴンズ10 BEGINS/TEMPLE」(⇒感想
 第二部開始。色々わからないことだらけだけど、これからの展開に期待せざるをえないお話でした。新キャラクターの秋乃がどういう形で鍵を握るのか。とても続きが楽しみです。

その光線を受けて──東の空の彼方に、巨大な闇鴉が飛翔している。
黒衣の陰陽師が、東を目指し空を行く。
また、置いていかれた。

【13下期ラノベ投票/9784047129115】
amazon.co.jp:やはり俺の青春ラブコメは間違っている。8
渡航「やはり俺の青春ラブコメは間違っている。8」
 不器用な登場人物たちが、ある人は正面から向かい合い、またある人は背を向けることで心地良い居場所を維持しようとしてすれ違ったり傷つけあったり空回りしたりする姿が本当に辛い。あと葉山が八幡好き過ぎてこれは海老名さんでなくても辛い(別の意味で)

「……すべての人があなたを気に掛けて、嫌っているなんて自意識過剰だわ」
【13下期ラノベ投票/9784094514513】



新規部門

amazon.co.jp:2.43 清陰高校男子バレー部
壁井ユカコ「2.43 清陰高校男子バレー部」(⇒感想
 ラノベ枠に入れていいのか判断が分かれるけど。バレーバカの灰島と灰島につられてバレーを始めた黒羽が、様々な紆余曲折を持ちながら高校バレーの頂点を目指すお話。バレーで青春で男の友情で重い過去です。よもう。
「証明する。秋季大会で。おまえにあげるトスは全部、最高にいいやつにする。
……取り返したかったのは、おれだから……」
【13下期ラノベ投票/9784087715231】
amazon.co.jp:クレイとフィンと夢見た手紙
友野 詳「クレイとフィンと夢見た手紙」(⇒感想
 MF文庫Jで男二人の相棒物な連作短編!!頭脳労働担当なちっさい系先輩・フィンと肉体労働担当なおっきい系後輩・クレイが「届く筈の無い手紙」を届けに行くお話。ちょっとふしぎなお話も楽しいんだけど、主人公コンビの軽妙なやりとりに始終ニヤリとさせられてしまう。
「おい、助けてやっただろうが。礼のひとつもなしか?」
「後輩くんのおしごとは、先輩であるぼくのサポートでしょう?」

【13下期ラノベ投票/9784840154109】
amazon.co.jp:魔王と姫と叡智(えっち)の書
霜野おつかい「魔王と姫と叡智(えっち)の書」(⇒感想
 魔王(ピュアな貞操観念をお持ちの常識人)がファンタジー世界でエロ同人作家(男性向)のお姫様や執事や勇者やらに振り回されるお話。タイトルと表紙じゃ内容つたわらなさすぎるのマジ遺憾の意。あとツイッターネタがリアル同人女子すぎてわろえない。まじあの1Pの衝撃といったらない。
没姫(@botsu_p):あーあーあー…………。
没姫(@botsu_p):やってしまいました…………うわぁ…………ない…………あれはない…………。

【13下期ラノベ投票/9784797375275】


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艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 一航戦、出ます!

 
GUNP

「一航戦、赤城、出ます!」「加賀、続く!」本日も鎮守府の艦娘たちは出撃、演習、遠征に明け暮れていた。しかしある日を境に、遠征先の海域に、通常よりも精強なエリート級の深海棲艦が出現する現象が発生!事態を重くみた提督は、南方海域にある深海棲艦の泊地に原因があると考える。そして鎮守府すべての艦娘を動員する総力戦を決意するのだが!?「人々が自由に海を行き来できる未来を―」艦娘たちの熱き艦隊バトルが開幕! (「BOOK」データベースより)

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 「艦隊これくしょん」のノベライズ攻勢第二段。角川スニーカー文庫版はとある1人の提督が様々な艦娘達を擁してサーモン諸島に居を構える「泊地棲姫」と戦うというお話。2013年春の期間限定イベント『敵艦隊前線泊地 殴り込み』を元にしたストーリーになっています。

 「艦隊これくしょん」というゲームをそのまま肉付けしたらこういうストーリーになるんだろうなという、とても「手堅い」ノベライズ。ストーリー性の薄い原作ゲームに史実設定・ゲーム内の設定・オリジナル設定という3つの方向からの肉付けが上手く溶け合って違和感のないストーリーとなっていて、とても面白かった。特に兵器面の解説はよくわからないまま使っている物も多くあったのでなるほどと思いながら読んでいました。期間限定イベントは秋の奴しか経験ないのでなんとなくしかイメージ沸かないんだけど、ある程度このゲームを知っているとニヤニヤできるお話が多かったです。

 まだまだ未熟だけど、艦娘想いでいつだって一生懸命な「提督」が艦娘達に支えられ、愛されながら司令官として成長していく姿が心地良い。また、提督の対極的な存在として「泊地棲姫」が位置づけられているのが面白かった。勿論深海棲艦側との言葉のやりとりはないんだけど、限られた資源の中、双方がギリギリのところで凌ぎを削る様子がアツかったです。

 ただ、サブタイトルに「一航戦」の文字が入っている割に各キャラクターの書き込みは薄く広くという感じなので、特定キャラクターを目当てに買うと辛いかも。加賀さんのさりげないデレっぷりとか凄い可愛かったし、もうちょっと色々見たかったなぁ……。あとバトルメインのノベライズなので挿絵はもうちょっと戦闘してるところを見せてほしかったです。絵自体は可愛いのですが割と悪い意味で「顔見世」的な挿絵が多くて、しょんぼり。

 キャラクター同士で絡みがあるのも「赤城・加賀」「天龍・龍田(+第六駆逐隊)」「長門・陸奥」「島風(+連装砲ちゃん)」という感じで、割と人気どころを押えておけば…的な印象を強く感じてしまいました。でも、そんな中でやたらと活躍が光っていた扶桑姉さんはきっと作者さんのお気に入りキャラだったんじゃないかと勝手に邪推したい。ゲーム作中で特に絡みとかなかったはずの島風と扶桑姉さんのやりとりが一番美味しかったのです!こういうのもっと見たかったなぁ。

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リーガル・ファンタジー 1 勇者弾劾裁判

 

勇者の功績により聖魔戦争が終結して三百年。正義の弁護士を目指す少女フィオナは名門法律事務所の門を叩くも、守銭奴である所長への反感から、事務所を鞍替えすることに。だが、法廷デビュー戦で対するはかつての師スミオ・マリアヘル、その人だった!彼女は敗れ、結局はスミオの元でこき使われることに。そんなある日、事務所に持ち込まれた依頼は―あの勇者の弁護!?駆け出し弁護士と最強の『法廷の魔女』が挑む裁判ファンタジー、ここに開廷!!第15回えんため大賞優秀賞受賞作品。 (「BOOK」データベースより)

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 ファンタジー世界、というより「ドラクエRPGゲームの世界」を舞台にしたファンタジー法廷劇。勇者が世界を救ってから300年後、当時勇者がやらかしたさまざまな事例を巡り弾劾裁判が起きて…!?というお話。

 「FF」世界で「逆転裁判」かなと思って読むと「ドラクエ(しかもSFC時代)」世界で「リーガル・ハイ!」やってる感じなのでタイトルから前者を想像するとちょっとイメージ違うかも。勇者は不法侵入し放題、家に入られたらタンスの中を漁られる!とか、仲間にしたキャラを身包み剥がして装備奪って本人のステは低いので放置プレイとか、僧侶は回復薬代わりとか、ゆうべはおたのしみでしたねとか、確かにRPGでお約束な行動の数々を現実世界でやっちゃったら普通に犯罪だし、それを「超法規的措置」として特別扱いしたら嫌がられるし叩かれるよなあ。しかも女好きで不老不死の勇者様には大量の子供がおり、お世辞にも人間が出来ているとはいえない勇者様はその子孫達にほぼ例外なく恨まれているもんだからさあ大変。雨後の筍のように「勇者の子供」が出てきては事態をひっくり返していくもんだから……楽勝だとおもっていた裁判が、逆転に逆転を繰り返した挙句、崖っぷちまで追い込まれてしまう破天荒な展開が楽しかった。

 主人公のフィオナと師匠となる弁護士・スミオの関係性もただ「正義感が強い駆け出し弁護士と強欲で勝利のためなら手段を選ばない敏腕弁護士」になってないところが良かった。フィオナは世界が正義だけでも正論だけでもどうにもならないことも知っていて自分のしようとすることに対して葛藤するし、スミオにはフィオナをこっそり目にかけるだけの理由がある。そんな二人が反目しあい、喧嘩しながらも勝利を掴もうとする姿が心地よかったです。まあ個人的にスミオはもうちょっとドSに徹してくれても良かったんですけどね!!

 若干1巻の中で詰め込み感あったり、露骨に拾えてない伏線があったりするのが気になったり少し読みづらい部分もあったんですが、そういう荒削りな部分を差し引いても引き込まれてしまう作品でした。2巻があるなら冒頭ででてきた女の子2人がライバルとして再登場する展開を全力でお待ちしてます(個人的にあれだけいかにもメインキャラ臭漂わせておいてあれしか登場しないのは割りと詐欺だとおもうので…おもうので!)

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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。7

 

京都への修学旅行を前に、どこか浮き足立つクラスの雰囲気。文化祭以来、教室内でさらに微妙な立ち位置になった八幡だったが、最初から地位なんてないようなもんだしな、と我関せず。ところが、奉仕部に持ちかけられた意外な人物からの「恋の相談」。そこにはまた別の人物の思惑も重なって…。旅行は一気に波乱の予感。複雑な気持ちが渦巻き、答えを出せないまま八幡たちは京都へ。まちがっている青春模様は、まちがっているラゴフメ=恋愛模様を生み出すのか。TVアニメ化を直前にさらに盛り上がりを見せるシリーズ第7弾。 (「BOOK」データベースより)

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 京都の修学旅行を前に学年全体が浮き足立つ季節。奉仕部を訪れた戸部が同じグループの腐女子・海老名さんとの仲を取り持って欲しいという依頼を持ってきた。依頼を受ける事にした奉仕部だが、八幡は葉山の様子がどこかおかしい事に気づき…。

 文化祭に引き続きの修学旅行編。さりげない男子組の友情が美味しかったり麻雀大会の戸塚が凄い可愛かったり平塚先生なんでこんないいオンナなのに嫁の貰い手ないのかわかんなくて八幡もらってあげてよすぎるしまさかの川崎さん三浦グループ入りで波乱ぶりにニヤニヤしたりしましたが正直今回一番によによしたのは三浦さんだった気がします。6巻から引き続き、高慢で奔放な女王様と思わせておいて意外にグループの「中」を見ててそれとなく調整してくれる役というか、彼女の立ち位置って面白いなあ。

 葉山・三浦を中心にした八幡のクラスのトップカーストグループの意外な素顔が明らかになるお話。修学旅行をきっかけにして距離を縮めさせようとして、2人を上手く楽しませるように苦心したり、その横でさりげなく由比ヶ浜や雪乃との距離が進展したり……と、お約束のシチュエーションがとても楽しい……ハズなんだけど、もう序盤から不穏な雰囲気が漂ってくるのは何故なんだ。形の知れない不安が少しずつ形をなしていく展開にぞわぞわする。特に終盤の海老名さんの怖さがマジぱない。

 彼らの誰もが現在の関係を好ましく思っていて、だからこそ次のステップに進みたいと思う戸部と、これまでの関係を崩したくない海老名さんや葉山。無自覚のうちにグループが瓦解寸前のところまで追いやられてしまっていて、それを理解してしまった八幡が取った行動と、それがもたらした思わぬ結果が胸に痛い。面白かったけど、吐き気がするほど抉られた。八幡ならこうするだろうと思ったしそれ以外の解決法はなかったと思うけど……なんというか。

 6巻以上に後味の悪い終わり方でいろいろな意味で次の巻どうなってしまうのかが気になる。楽しみだけどなんかもうそろそろ読むのに心の準備が必要なレベルになってきたぞ!!

 しかし、間逆の立場にありながら、その行動を心底許せないのにお互いの行動の結果だけを頑なに信頼している葉山と八幡の関係性がやっぱり好き。互いに本気で嫌い合ってるってもうツンデレとかそういうレベルじゃなくて本当に嫌い合ってるのに八幡は「心配ない、葉山がどうにかするっていってたからな」とか言うし、葉山は八幡がこれからやることを恐らくおぼろげに理解した上で「君にだけは、頼りたくなかった」だよなんなんだよもう萌える。

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艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します!

 
NOCO

横須賀鎮守府に着任した艦娘の陽炎。陽炎型のネームシップとして勢い込んで訓練に励もうとする彼女だったがどうもうまくいかない。実は、共に艦隊を組むことになった潮、霰、皐月、長月、曙もそれぞれの理由から他の艦隊に加わることができず、あぶれた艦娘たちだった!そんな艦隊に、着任が遅れ最後に加わる羽目になってしまった陽炎の、波乱に満ちた横鎮生活が今はじまる―。話題沸騰の『艦これ』に待望の公式ノベライズ、ファミ通文庫版が登場! (「BOOK」データベースより)

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 大人気のブラウザゲーム「艦隊これくしょん」のノベライズ攻勢第一弾。ファミ通文庫版は呉鎮守府から横須賀鎮守府にやってきた陽炎が、一癖も二癖もある駆逐艦娘ばかりの第十四艦隊に旗艦として配属される物語。

 深海棲艦と唯一戦うことができる「艦娘」。それでもあくまで彼女達は等身大の少女でしかなくて。様々な事情があって心を閉ざしていた第十四艦隊の面々が笑ったり怒ったり喧嘩したりしながら少しずつ絆を育んでいく様子が胸に熱い。奇をてらわず、お約束の展開をど真ん中からやってくれてる感じなのがなんだか心地良かった。

 そして、メインの第十四艦隊の駆逐艦娘達もみんなかわいいんだけど、横須賀鎮守府の秘書艦を勤める愛宕さんが可愛い!終盤の「ぱんぱかぱーん」はズルい!!そしてそんなバラエティ豊かな艦娘達を暖かく(?)見守る提督の温かいまなざしに思わずキュンとさせられた。まあ普段の提督はどうみても挿絵がないせいで脳内グラフィックがキャロット・グラッセ(爆れつハンター)か横島忠夫(GS美神)で再生余裕なんですけど。出番本当にちょっとしかないのにインパクト残りまくりの肉食系男子っぷりで、今後の提督の活躍に思わず期待してしまいます。

 次巻は呉鎮守府で陽炎とコンビを組んでいた不知火が横須賀にやってくる話らしいので、呉メンバーの再登場とかもちょっと期待したいです。しかし、最後の横鎮提督と呉鎮提督(暫定)の電話のやりとりにうっかりともとかいて戦友と呼ぶ系の萌えを感じてしまってどうしたらいいんですか!脳内で5秒くらいの瞬く間に横鎮提督と同期のカタブツ生真面目青年提督を妄想してしまいましたがどうしたらいいですか!!そういう呉鎮提督が登場しても!いいと思います!!

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(仮)花嫁のやんごとなき事情 〜円満離婚に新たな試練!?〜

 

(仮)の旦那様クロウに対し、“嫌われて離婚してこい”から“ベタ惚れさせて離婚しろ”と命令変更を受けた身代わり花嫁のフェル。それってどうやんの―!?と悩みながらもクロウと距離を縮めていく中、突然「来ちゃった☆」と、クロウの長兄ジルフォードがやってきた!しかも彼はフェルに「愚弟が本当に君の正体に気づいてないと思う?」と言い出し…!?ニセ新婚生活、爆弾投下の第6弾! (「BOOK」データベースより)

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 「ベタ惚れさせてから離婚しろ」という命令変更を受けて困惑するフェルと突然の彼女の態度軟化についていけてなくて動揺するクロウ。そんな中、クロウの兄・ジルフォードがやってくる。彼はとんでもない土産を引き連れてきていた。しかも、フェルにとんでもない爆弾を投下してきて!?

 フェルの微笑ましいデレ作戦も恐ろしく可愛いんだけど、嫁のデレを信じられずに動揺する旦那様が微笑ましすぎてやばい。フェルの正体どころか内面の動きまで理解した上で手のひらの上で弄んでると思ってたのに、予想以上にフェルに冷たくされてたの真に受け止めてた!!!なんかもう距離の縮め方がもどかしいバカップル化してる2人が本当に微笑ましいんですけど、個人的にはクロウのどえすが足りない。ほんと、あのどえすっぷりが好きだったのになぁ……!!!

 ジルフォードに指摘され、今更ながら「クロウが自分の正体に気づいてる可能性」に気づいてしまうフェル。自ら振り返って「なんで気づかないと思ってたんでしょう…」な彼女の動揺ぶりがかわいすぎるんだけど、一方で前巻ラストの展開といい、ジルフォードには不穏なフラグが立ちまくってるのでどうなってしまうのか。

 そんな中現れた(というかむりやり送還されてきた)クロウの弟・紫龍公ユアン。なんというか、典型的なボケだらけの中の唯一のツッコミ。領地の経営で行き詰まり、理想と親族の間で板ばさみになる彼は本当に良い意味であの兄弟の中では貴重すぎる常識人タイプなんだなあ……。ユアンやジルフォード&ミゼルカの決意を見て、たとえ報われない想いだとしてもクロウの為に精一杯できる事をしようと決意するフェルが可愛かったです。

 しかし、ラストの酒酔いフェルは色んな意味で反則だとおもうんですよ……!!定番の展開だけどどうせ記憶には残るまいと好き勝手しちゃう旦那様ズルい。これまでにない糖度の高い展開に打ち震えました。2人とも可愛いなあ……!!!

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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。6

 

文化祭。面倒な仕事をスルーする方法は…呼ばれても返事をしない、面倒くさそうな気持ちを顔に出す!?ぼっちのスキルをフル活用して、文化祭の準備から逃げる気満々の八幡。しかし、HRをサボッている間に、文化祭の実行委員にさせられてしまう。新学期が始まってからの八幡は、どこか調子がおかしい。クラスでも、部活でも…。雪乃への疑問は消えないまま、そしてそれを問わないまま…前に進まず、後戻りも出来ない二人、雪ノ下雪乃と比企谷八幡。決して近づかない不変の距離感に変化は訪れるのか。好評シリーズ第6弾。 (「BOOK」データベースより)

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 二学期がはじまって以降、ギクシャクしがちな奉仕部の面々。そんな中、雪乃と八幡は文化祭実行委員に任命されてしまう。更に、実行委員長に任命された八幡のクラスメイト・相模南が奉仕部に現れ、自分をサポートしてくれるように依頼する……。

 メインの面々がギクシャクしてるせいか、海老名さんと三浦さんと川崎さんが可愛くて仕方ないのでなんとかしてください。海老名さんはこの手のラノベによくいる空気読めない痛々しい腐女子キャラと思わせておいて、必要なところでは空気読むし、決して痛い子ではないところが面白いと思う。そしてそんな彼女を適度にスルーしながら適度にストッパーになってる三浦さん、いいキャラだなあ。川崎さんはなんかもう全体的に可愛すぎてズルい。

 雪乃の不器用な努力が全部裏目に出て、頑張れば頑張るほど歯車がずれていくのに凄くもだもだするんだけど、同時にこういう流れになってしまうのも物凄く納得できてしまって、二重の意味で胃が痛い。色々な意味で相模南が発端で、彼女が自らこの事態を引き寄せそして自爆したという感じが否めないんだけど、こうなるのも解ってしまうのが、なんだか。

 どうにもならなくなった事態を見て、いつもの通り自分が「嫌われ役」になることで事態の解決を図る八幡。身内すらも誰も望まない方向でそれでも完膚なきまでに事態を解決してしまうのが今回ばかりはどうしようもなく危うく思えた。

 葉山の思惑はどうあれ、八幡の思惑で2年F組という小さな世界の中で「正義のヒーローと悪役」という構図を演出する事になってしまった今回。確かにこれまでの巻とやってる事は同じなんだけど、今回ばかりは払った犠牲が大きい気がして次の巻どうなってしまうのかもう胃が痛むし不安で仕方ない。5巻最後でギクシャクしてしまった雪乃との関係が修復されたのが唯一の救いだけど、どうなってしまうのか……。

 あと、八幡と葉山の互いを理解はしてるけど絶対に相容れない複雑な関係性が本当に凄かった。一見仲良さそうに見えるのに時折覗かせる双方の隔絶とか本当にたまらない。互いに相容れない関係でありながら、八幡は葉山がどう動くのかわかっててそれを信頼した上で行動してるし、葉山は葉山でその八幡の思惑を正確に理解しながらそのやりかたに怒りを覚えながらも事態を収めるために八幡の思惑に乗る。終盤の2人のやりとりが本当に卑怯だとおもいました。あと男同士の壁ドンいただきましたー!!!

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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。5

 

長いようで短い夏休みも、もうすぐ終わり。小町といつもの日々を過ごす八幡の家に、結衣が訪れる。さらには戸塚からの誘い、クラスメイトからの頼み事…。そして花火大会で偶然再会したのは、雪乃の姉・陽乃だった!群れない、期待しない、押してダメなら諦めろ―。人間関係において間違った悟りの境地に達し、孤高を貫く“ぼっちの達人”八幡のスルースキルをもってしても、見過ごせない、やり過ごせない事実が雪乃、結衣、八幡の3人の関係を少しずつ変えていく。間違い続ける青春模様、ターニングポイントの第5弾。 (「BOOK」データベースより)

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 やめてあげて!!!平塚先生のライフはもう0よ!!!

 なんかもう色々ありましたけど大体この一言につきるというか平塚先生の話が笑えなくてほんともう八幡もらってあげてよ……あの話の平塚先生が本当にいい女なので、この人がいまだ独身という現実がつらい。あと親族会合のウザさ異常すぎてなんとかならないんですかね。

 様々なキャラクターを交えて描かれる、雪ノ下雪乃不在の夏休みを描いた短編集。戸塚とのデート話で、戸塚の可愛さに安定がありすぎてやばいけど戸塚を前にした八幡のモノローグが相変わらず面白すぎるのが正直ジワジワ来るというか、戸塚を前にした八幡お前の方が可愛い。あと材木座さんの安定感は癒し。

 そして一応メインは由比ヶ浜結衣との夜祭デート(?)だとおもうんだけど、番外編を装いつつも今後の展開へ向けてしっかりと不穏なフラグを立てている感じなのが。由比ヶ浜に嫌な思いをさせたくないといって自ら引こうとする八幡自身が、関わらないと公言している「学園カースト」を一番気にしているんじゃないかなあと思う。二人の距離の縮まりを感じるほんのり暖かい短編であるにもかかわらず、それでもこの2人の距離がこのままスムーズに縮まるなんてことは絶対に無いと思わせてしまう冷たさの潜んでいる、そんなお話でした。

 そしてなにより、前巻よりフラグを立てられていた「黒いリムジン」にまつわる雪ノ下雪乃の“嘘”を発端として垣間見える八幡の本音にひやりとさせられる。意識的に特定の誰かへの執着を持つ事を避けているようにすら見える八幡が露わにした、むき出しの感情の危うさにぞわぞわ。この終わらせ方大好きだけど、次巻以降待っているのはきっとユルい馴れ合いなんかじゃきっとない、もっと深刻であやうい何かなんだろうなあ。

——雪ノ下雪乃ですら嘘をつく。
 そんなことは当たり前なのに、そのことを許容できない自分が、俺は嫌いだ。

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