ページ 53 | 今日もだらだら、読書日記。

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ご覧の勇者の提供でお送りします2

 

「勇者テレビ」での大活躍で、初のコンビ勇者として認知されたフウトとフィオーレ。だが、人気が高まったことで、パパラッチに狙われることになったフウト。ついには、勇者アナスタシアとの「深夜の密会!?」というゴシップ記事を掲載される。自身の不注意で迷惑をかけてしまったことを謝罪するフウトだが、逆にアナスタシアから“本当のデート”の誘いを受けることに。初めてのデートに右往左往のフウトと、どこかぎこちないそぶりのアナスタシア。ふたりの初デートの結末は?一方、ふたりのデートを知ったフィオーレは、なぜかイライラを抑えられず。さらなる波乱のニュー勇者ファンタジー! (「BOOK」データベースより)

 フィオーレとともに初の「コンビ勇者」として活動をはじめたフウト。ところが、早速ゴシップ誌にあることないこと書き立てられてしまい、憤る羽目に。記事の中にアナスタシアとの恋愛報道があったため、謝罪するために騎士団に出向いたフウトだが、何故かアナスタシアと本当の「デート」をする羽目になって……というお話。

 発売日に買ってたんですけどあとがきだけ読んで死んでた(お察しください)。

 アナスタシア&フウトの急接近と、ふたりの関係に無自覚でヤキモチを焼くフィオーレの三角関係がとてもかわいかった。相変わらず本意が見えづらいフィオーレの行動と、一直線すぎて周囲の気遣いが伝わらないフウトのすれ違いっぷりに気をもむ場面もあったけど、なんだかんだでコンビとしての意思の疎通が出来ていくのにニヤニヤする。

 「勇者」ではない、騎士団団長としてのアナスタシアや、年相応の少女としての彼女の一面も見れたのが楽しかった。ヒーローでありながら騎士団のアイドルというか、ヒロインのようにかわいがられる彼女の姿がほほえましい。というか騎士団の男衆のお姑さん具合笑った。

 各勇者に焦点あてた話をのんびり読んでいきたい物語だっただけに、ここで打ち切りというのが残念すぎる富士見絶対に許さない。明らかに2巻殆ど書いたところで打ち切り決まったんだろうなあというか、エピローグで強引に落としました感がまた切なすぎるというか……。

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甘城ブリリアントパーク メープルサモナー2

 

「甘ブリ」転覆を狙うポ連軍大佐・ニャーソンの経営するおみやげ屋。いまここで、史上最大の諜報作戦が開始される―!手始めに捕縛されたのは、仮想敵国出身の少女・リリ。この世間知らずで、かなりオタクなとんでもお嬢様を、二重スパイとして育成するというのだ!?さらに、待望の援軍が登場!ポ連の友好国から百戦錬磨の凄腕軍人が派遣される!!だが、現れたのは一見すると中学生くらいの小柄な美少女で―?常識外の破壊工作員と共に、「甘ブリ」を今度こそ打倒せよ!?(「BOOK」データベースより)

ハーレムメンバーがどんどん増えるよ!

 天然ボケ系メイン(?)ヒロイン、自称婚約者系幼馴染み、なんか色々自分の世界に入っちゃってるオタク系お嬢様女子、「くっ殺せ」という言葉が似合う軍人系ツンデレ女子を迎えて東司ハーレムの形成が止まらない。なんかこういうタイプのハーレムラブコメ久しぶりに読んだ気がするし、甘ブリの世界からこんな王道を行くハーレムラノベが発生するとは色々な意味で凄い…。

 賀東先生の解説で出てくる西也と東司の絡みが面白そうすぎるので是非そういう短編が読みたい。女の子に囲まれてても全くハーレム感ないフラグブレイカー・西也とリア充フラグ建築士・東司の対決超みたい。

 ヒロインたちの東司争奪戦が加速する中、ニャーソンがあいもかわらず滑りまくったり、本編マスコット三人衆がそれとなくいい味だしてたりとなんだかんだで面白かったです。あんまり好きなタイプの話ではないんだけど、原作ありのスピンオフとしてヤマもオチもなく軽いノリで読めるのは大きいかな……。

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甘城ブリリアントパーク メープルサモナー1

 

「甘城ブリリアントパーク」そこは魔法の王国メープルランドからやって来た本物の妖精たちが働く遊園地。キャストたちは、傾いた経営を立て直すため、日夜奮闘していた。ところが―甘ブリの隅っこにあるおみやげ屋。そこは、仮想敵国の転覆を狙う魔法の共産主義国家“ポ連”の前線基地となっていた!!ポ連軍の成金大佐ニャーソンや、下っ端軍人・紅衣はるの、ただのバイト宗方東司の目的とは、モッフルを打倒し、ニャーソンをNo.1マスコットにすること!?ムチャな任務を与えられてしまった破壊工作員たちの物語がいまはじまる―!?(「BOOK」データベースより)

 「甘城ブリリアントパーク」のスピンオフ小説です。ごくフツーの男子高校生・宗方東司はある日突然、魔法の国のひとつ“ポ連”からやってきたニャーソン大佐に拉致られてしまう。そして、甘城ブリリアントパーク内「エトセトランド」に居を構えるおみやげ店「ホイップアンティーク」でバイトとして働く事に。親の七光りと財力だけはあるがまるで役に立たない魔法の国の妖精・ニャーソン大佐やその部下の天然娘・はるのに振り回されて…!?というお話。

 なんか普通のラブコメだ!!!ニャーソンが空回りしたり、はるのと東司が割とナチュラルにいちゃついてたり、幼馴染みの少女が現れて東司の取り合い始まったり……と、なんというかお約束な展開の連続にふおおお、となる。

 主人公である東司のキャラが良い意味で本編主人公の西也とは正反対で、顔面偏差値は高いが尊大な態度と俺様ぶりで片っ端から女子とのフラグをぶち壊していく西也に対し、顔面こそ普通っぽいけど着実にフラグを建築していく東司のリア充感すごい。本編メンバーはモッフル・ティラミー・マカロンのマスコット3人衆のみだったけど、正直いすずや西也との絡みがみたかったですというかこれは絶対に西也とウマが合わない(確信)

 着実に作中の女の子達とフラグを立てていく東司に対し、ひたすら無能さを曝け出す感じのニャーソン大佐が毎度毎度空回るのもお約束の面白さがありました。短い短編が沢山入っている形式なので、気分転換に軽く読むにはちょうどよいかんじ。甘ブリ本編があってこその物語だけど、色々な意味で面白かったです。

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スレイヤーズ 25周年あんそろじー

 

ファンタジー小説の金字塔『スレイヤーズ』刊行25周年を記念して、『スレイヤーズ』を愛してやまない作家陣が贈るアンソロジーが登場だ!原作者・神坂一はもちろん、秋田禎信や日日日、さらに『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』の愛七ひろ、『ライジン×ライジン』の初美陽一、『デート・ア・ライブ』の橘公司ら豪華作家陣が書く特別短編、そして豪華イラストレーター陣の描く特別イラストも収録!『スレイヤーズ』を長年応援してくれたファンへの感謝を込めた1冊。読んでくんないと、暴れちゃうぞ! (「BOOK」データベースより)

 すごい久しぶりに読む気がする、「スレイヤーズ!」の25周年アンソロジー。この手のアンソロジーはよくも悪くも当たり外れが激しいイメージなんだけど、どの短編も凄く楽しく読めました。リアルタイムにスレイヤーズの原作やアニメ追った世代になら是非薦めたい一冊。

 正直、25という文字に衝撃を隠せませんがアニメから入った世代なのでまだ大丈夫です(何が)アニメがはじまったときにすでに1部最後までいってたから……相当時差あるから……。

■秋田禎信「ゼフィーリアの悪魔」
 リナがまだ旅立つ前、子供時代。性格に問題アリで学校をたらいまわしにされ、最終的に魔道士の学校にやってきたリナが同級生に怖れられたり振り回したりするお話。落ちこぼれの問題児かとおもいきや冷静な分析力をのぞかせたり、子どもとは思えない機転を効かせて周囲の敵をなぎ倒していくあたり、魔道がなくてもリナはリナという感じのお話でした。そしてオチの1Pにニヤリとしてしまったり。

■日日日「ミリアンヌの肌」
 まだリナと出会う前のゼルガディスが、ひとりの少女と出会うお話。スレイヤーズ本編に雰囲気の近い、ちょっと後味の悪いシリアス話。本編のシリアスで物悲しい雰囲気もなんのその、出番そんなに多くないのにヌンサの存在感が高すぎてズルい。しかもこの魚人が無駄にかっこいいのがズルい……!!ちょっと萌えちゃったじゃないですか…!!

 しかしこれ、原作でヌンサがゼルガディス側につかなかったことを考慮すると、凄く萌えるんですけど。一度は同じ目的の為、心を通わせた仲だとおもうんだけどなあ。ほんと個人的には美味しい話でした。

■愛七ひろ「リナ=インバース討伐!」
 こちらはスレイヤーズ「すぺしゃる」のノリに近い、短編設定ベースのどたばた話。容赦なく周囲の人間やナーガをこき使いつつ、自分ひとりがいいとこ見ようとするリナちゃんまじえげつない。全部は分からなかったんだけど、「すぺしゃる」の方を読んでいればニヤリと出来るのであろうキャラクターがいっぱいで、とても愛を感じる二次創作という印象でした。も、問題は既刊が多すぎて細かいキャラを覚えてないことなんですけど、私が!!スレイヤーズすぺしゃるは既刊冊数多すぎて、なんというかファン愛が試される……。

■初美陽一「呪術遺跡の偽愛戦争」
 ゼルガディスの身体を元に戻すためとある呪術師の遺跡に向かったら何故か呪術師の遺したゴーストにカップルと振る舞うように迫られて……!?という、ゼルガディスとリナのラブコメ未満のコンビ話。キャラが途中から完全に崩壊してるんだけど、勢いでどんどん先を読まされてしまうかんじは凄い。ゼルがラブコメラノベばりのツッコミ担当系ムッツリ助平にされているのはある意味壮観……だが両者ともキャラは崩壊している(大事なことなので)

 個人的には、リナが凄くゼルの前で「オンナ」だったのがなんというか不思議な感じで、そこだけどうしても引っかかってしまった……こ、これが二次創作における「解釈違い」というやつか……!!(多分非公式の本当の「薄い本」なら普通に美味しくいただいたと思う)

 ところで、著者コメントからゼルガディス好きなの伝わりすぎてアニメのリアルタイム世代としてジワジワ来る……仕方ないですよね……あのグリーンリバーライトボイスに人生狂わされた人きっといっぱいいますよね……。

■橘公司「冥王フィブリゾの世界滅ぼし会議」

 タ イ ト ル が ズ ル い 

 とりあえずこのタイトルにホイホイされて買ったといっても過言ではないのですが、タイトルでピンときたらホイホイされて良いと思います!!(絶賛)混沌の海という名の「あとがき世界」で冥王フィブリゾとそのゆかいな仲間たちが今後の世界滅ぼし活動をどうするかという事を話し合うという内容なのですが、ベースがあとがき世界線なので最初から最後までヒドい。そしてメタネタまで織り交ぜつつ話の腰を折りに来る魔竜王ガーヴいいかげんにしろ!!!(褒め言葉)

 スレイヤーズどころか神坂ファンタジー作品の共通世界観に言及しはじめたり、アニメやら原作のツッコミを入れ始めたりとあまりにも自由すぎる短編でした。笑いすぎて腹筋痛い。あとヤシガニはやめてあげて!!!アニメ界に残る黒歴史のことはふれないであげて!!オチのぐだぐだ感といい、スレイヤーズのあとがき好きなら間違いなく楽しめる感じのお話でした。これはタイトルに一本釣りされてよかった。

■神坂一「スレイヤーズいんたーみっしょん リナ=インバースの記録」
 第一部中盤、アメリアが旅の途中で万が一があった時のために記録を残しておこう!と言い出す。しかし、彼女が書き始めた「記録」はいろいろな意味で間違いだらけのシロモノで……!?というお話。アンソロジー内ではあんまり出番の少なめだったアメリアの正義節が炸裂すぎて可愛い腹筋つらい。短いお話なんだけど、久しぶりに本編一部の4人が勢揃いしてワイワイやってるのを見るのはどこか感慨深いものがありました。最後のあとがきも当時のそのままで懐かしすぎた。

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(仮)花嫁のやんごとなき事情 -すべての道は離婚に通ず?-

 

“仮花嫁”ファンの皆さまに贈るスペシャルブック!――「絶対損はさせませんわよ」 敵国の皇子クロウと“円満離婚”するため、絶賛身代わり花嫁中のフェルディア。仕事に厳しくお金に甘い残念脳勤少女だが、本当は不器用で泣き虫だった!? 養い親ガウェインと彼女の絆を描く過去編のほか、フェルとクロウの離婚バトル【お忍びデート編】など爆笑必至の短編が満載! さらに、山下ナナオ先生渾身の激甘描き下ろし漫画やイラストも盛りだくさんのファン必見スペシャルブック♪

 いつもとおりの夫婦のやりとりから、各キャラクターの過去話・スピンオフ、更には人物紹介やスペシャルコミックまでたくさんの番外編を詰め込んだ短篇集。

 ガウェイン先生とフェルの過去話「夕暮れの泣き虫」で語られる過去のフェルが可愛すぎてヤバイ。小さな頃から面々と培われた庶民ド根性なのかとおもっていたら、何もできなくてガウェイン先生に守られてばかりの姿が衝撃でした。そんな彼女が少しでも大好きな先生に負担を掛けたくない一心で頑張ろうとして、様々な人との出会いを経て変わっていく姿が可愛すぎる。それにしてもラストのフェル男前すぎて……抱いて!!(ガウェイン先生を)

 クロウとその兄弟達の物語も、兄弟たちの新たな一面を知ったり、今後への伏線らしき描写にそわそわしたりと大変楽しく読んだのですが、ジルフォード兄上の「氷の貴公子」ぶりが凄い。本編で不穏なフラグ立てまくりのこの兄上だけど、色んな意味でどうしてあのイケメンが(いえ今も十分イケメンなんですけど)現在のラ族になってしまったのか、気になりすぎます。この辺は核心部分のようなきがするので、今後明かされたりするのかなあ。ジルフォードとミゼルカの気のおけないやりとりに思わずニヤニヤしてしまう一方、やはり不穏なフラグしか見えないのでハラハラしてしまったり。

 クロウとフェル、両者がデレはじめて暫くくらいの時系列の話が多いので若干甘さ多めの物語が多いのですが、個人的にはやっぱり1編目の「カヴィバエリの華争い」の甘酸っぱさが好きだなあ!クロウの掌の上でぐるぐる踊らされちゃってるフェルが、クロウに無自覚で不意打ちかましてくるのがたまらない。日々を生きることにいっぱいいっぱいすぎて自分のことなんか顧みられないフェルが少しずつ自分の「好き」を表現しようと一生懸命になる姿が本当に可愛かったです。

 それにしても、「プロフィールおまけ」のクロウがなにげに重い。

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クトゥルフ神話TRPG リプレイ 御津門学園ゲーム部の冒涜的な活動

 

ネット上でカルトな人気を誇ったゲーム『飢神』。その制作者は、高校のゲーム部に所属する少年たちだった。だが彼らが喧嘩別れし、一人が卒業した数ヶ月後―突然、中断したはずのゲームが更新を再開した。しかもそのゲームをプレイすると、奇妙な出来事が身の回りで起こるようになるという。部長の薫、その妹あいり、新人部員の正宗は、謎を解こうと行動を開始するが―!?人気作家陣をプレイヤーに迎えた個性派『クトゥルフ神話TRPG』リプレイ登場!! (「BOOK」データベースより)

 プレイヤーに艦これ陽炎ノベライズの築地先生、バカテスの井上先生、ガーゴイルの田口先生と聞いてカッとなりました(正直)ゲーム部長の薫とOBの先輩が制作したスマホゲームがおかしくなり、共同制作者の先輩とも連絡がつかなくなってしまう。不審に思った薫は妹のあいり、新入部員であいりのストーカーの正宗と共に調査を開始するが……というお話。

 正攻法なんぞなんのそのと蹴飛ばして、力押しとボケと煽りでシナリオを強引に読み解いていく展開が破天荒過ぎてめちゃくちゃおもしろい!行方不明の先輩の家に乗り込む際、正面から乗り込むだけの理由は揃えているのに全力で不法侵入の方法ばかり考えているのには思わず笑った。クトゥルフ神話を題材にしているだけあって不気味な怪物が出てきたりかなりグロい展開がいくつもあるんだけど、そんな怪異も力押しでねじ伏せる流れが楽しかったです。あと部長の薫が「とりあえず煽っていかないと気がすまない」とか言ってたら残りの2人も基本的に交渉は煽っていくスタイルで腹筋辛かった。

 TRPGリプレイは初心者向けとオススメしてもらったものを幾つか読んだきりであまり感覚がわからないのですが、最低限ゲームのシステムやクトゥルフ神話の雰囲気を知っている人向けの物語かなあ。なんとなくで読めてしまう部分が多くはあるのですが、「正気度」辺りのロールがイマイチぴんとこなかった。正気度ががっつり減るシーンが無い(あっても微変動)ので緊迫感が伝わらないまま終わった。

 あと、キャラ相関図とPLの名前に目を奪われて入ってしまうと、どうしても物語的なストーリー展開を期待してしまうので、若干肉付けされただけのプロット会議を読んでいるような、そんな不完全燃焼感がありました。これはもうTRPGリプレイの宿命だから仕方ないのかもしれないけど。キャラクターの関係がほんと好みなので是非続編を出してキャラクターを掘り下げていって欲しいです。正気度ロールのシステム上、巻重ねないと面白くないシステムなんだと思うしな!

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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。10

 

冬休み。のんびりとした年の瀬、そして年明け。合格祈願の初詣や買い物など、予定外の外出が重なる八幡が新年の街で出会ったのは、雪ノ下陽乃と葉山隼人、そして…。共に過ごしてきた時間で、お互いのことを少しは知ったように思えた。でも知らないことの方がたくさんあるのだろう。今も、そしてこれからも―。二年生という学年ももうあとわずか。今を大切にしたいと思えば思うほど臆病になって、考えているのに答えは見つからないし、走っているのにゴールが見えない。彼ら彼女らの、新たなる季節、新たなる関係。 (「BOOK」データベースより)

 新学期。奉仕部の部室にやってきた三浦からの依頼は葉山の進路についての事だった。なぜか頑なに進路を教えてくれない葉山の進路を調べるため、八幡達は彼の周辺から調査を開始するが……。

 こんな告白みたいに甘い「俺はお前が嫌いだ」見たこと無い

 あーしさんの乙女ぶりが可愛すぎて悶えるけどそれはそれとしてものすごく葉山回だったしマラソン大会がもうなにがなんだかわからないほど葉山と八幡が対話しすぎてるし二人はお互いのこといろいろな意味で本当に嫌いだし憧れあってるし信頼しあっててお互いに「嫌いだ」って言い合っちゃうくらいの仲で読み終わった直後ツイッターで日本語が行方不明になるほどでしたが今も思い出すと日本語がお留守になるのほんとうになんとかしてほしい。これまでも葉山と八幡の関係性にはさんざん手の上で転がされてきた感じが否めないのですが今度ばかりは本当に意味がわからない。

 なんかこう、お互いにお互いのすることを理解できないと理解した上で、相手がその自分には理解できない信念に基づいて行動していく事を微塵も疑わないし、自分には理解できないその道を征くお互いに対してどこか憧れずには居られないみたいな奇妙な関係が本当に凄かったです。あと、「万人に愛される」役割を背負った葉山にとって、面と向かって「お前が嫌いだ」言ってくれる八幡の存在はどこか特別な立ち位置なんだろうなあと思う。いえBL的な意味じゃなくて。BL的な意味じゃなくて。(ものすごい萌えるけど)

 そして依頼を解決するにあたって材木座と戸塚を「頼る」ことをためらわなくなった八幡に、これまでの物語を受けての成長や関係性の変化を感じる。あと、戸塚かわいい。本当に今回の戸塚は出番少ないのにめちゃくちゃかわいい。「進級」と「進路」という解りやすく関係の変化を自覚させるイベントを前にして、それぞれのキャラクターの立ち位置や考え方が見えてくるのが面白かったです。

 いろいろな意味で個人的にはクライマックスすぎる回だったのですが物語全体からいくとむしろこれはクライマックスへの序曲に過ぎない所のはずで、いよいよここから雪ノ下姉妹との物語に突入していくのかなあと。まったく先が見えないけど、これからの物語が楽しみでなりません。

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艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します!3

 
NOCO

E海域の攻勢作戦で大きな戦果を挙げた陽炎たち第十四駆逐隊。だが依然として深海棲艦との攻防に終わりは見えなかった…。そんな中、秘書艦・愛宕から第十四駆逐隊に告げられた命令はリンガ泊地への転属!あくまで一時的な転属ということで南方へ赴いた彼女たちを待っていたのは、ここに所属する艦娘は自分たちだけだと言う叢雲とあきつ丸の二人で―!?話題沸騰のファミ通文庫版『艦これ』公式ノベライズに、待望の第3巻が登場!! (「BOOK」データベースより)

 大規模作戦が敢行されるなか、何故か横須賀鎮守府からリンガ泊地への転属を命じられた第十四駆逐隊。しかし、そこに待っていたのはたった2人の艦娘と1人の年老いた提督のみだった。向こうは休暇できたと思っているみたいで……!?というお話。

 リンガの老提督と叢雲の気心知れたやりとりにきゅんきゅんする。艦娘の中でもまた少し違ったポジションである「旗艦」と提督の距離感が透けて見えるお話でした。あと、リンガ提督の口から語られる横須賀・呉両提督の掘り下げありがとうございましたものすごいご褒美でした。

 相変わらず要所要所で陽炎達の仲良しっぷりにニヤニヤさせられる一方でバトルになればアツい展開を魅せてくれる。どこか訳あり感を感じる鎮守府で釈然としないまま過ごす内、横鎮提督が彼女たちをどうしてリンガによこしたか、真の敵の姿が見えてくる展開が面白かった。そしてまともな裝備どころかバケツすら満足にない状態から、7人の駆逐艦と1人の揚陸艦だけで敵に立ち向かう展開がアツかった。叢雲の代わりに一時的に旗艦を務める陽炎という立ち位置も面白かったです。

 それにしても、今回はいろいろな意味であきつ丸に美味しいところを持って行かれた気がしてなりません!あれはズルい……。

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全寮制男子校に転入してみた。

 

全寮制男子校に転入した青葉は、思わぬハプニングで絶大な人気を誇る生徒会長・尊に抱き上げられ、嫉みを一身に受けることに。降りかかる嫌がらせを強気で撃退していく青葉だったが、ある日、先輩に部屋へ連れ込まれ、襲われかける。怯えた青葉は、咄嗟に生徒会役員たちが住む特別寮に逃げ込んだ。ところがそこで尊の秘密の素顔を知ってしまい、口止めのため準役員に指名されて!? (「BOOK」データベースより)

 アメリカで大学を飛び級で卒業した青葉は、憧れの大伯父の通っていた全寮制男子校に転入することに。ところが、とあるハプニングから多くの男子生徒達のやっかみを一身に受けることになってしまい、しかも逃げ込んだ先で学園のアイドル的存在の生徒会長の秘密を知ってしまう。秘密保持のため、生徒会に入る羽目になって……!?というお話。

 可愛い容姿とは裏腹にやられたらやり返すタイプな青葉の男前っぷりが、陰湿なイジメ展開もなんのそのと跳ね返していく展開が楽しい。根底にあるものは恐ろしくドロドロしてるんだけど、青葉の性格やなにやらでドロドロしきれなくてどこかコミカルになってしまう空気感がすごく良かった。逆境を跳ね返して信者を少しずつ増やしていく展開には思わずにやりとしてしまう。しかし、イジメの描写はエグいというよりも一昔前の少女漫画(ガラかめとかエースとかそのくらいの頃のイメージ)でしたよね……。

 「完璧」で通っている生徒会長の素顔の思いがけない残念ぶりと、段々話が進むにつれて信者を増やしていく青葉に気が気じゃないと嫉妬心をたぎらせる姿も可愛かった。外面良いけど中身は残念な豆腐メンタル攻×見た目可愛い男前受は大好きです!!

波音の話は番外編とかで読んでみたかった気もする。

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ログ・ホライズン ゲームの終わり(上/下)

 

新人プレイヤーを鍛える合宿が開始。戸惑い、衝突、敗北…彼らに訪れた初めての試練。同じ頃、シロエたち“円卓会議”の代表らは、大地人同盟との交渉にのぞんでいた。その舌戦のさなかの出会いが、シロエにこの世界の真理に近づくきっかけを与える。“アキバ”を離れ繰り広げられるふたつの「チーム戦」。 (「BOOK」データベースより)

 読んでから時間が開いてしまったので3〜4巻まとめて。救出されたトウヤとミノリやセララたちのような低レベルプレイヤーを集めて初心者合宿が行われることに。吟遊詩人の五十鈴、妖術師のルンデルハウスを加えてパーティを結成するが、初めてのダンジョン攻略はなかなか上手く行かない。同じ頃、シロエやアカツキ達円卓会議はマイハマで大地族との交渉を行っていたが、そこにゴブリンの大群が現れたという情報が入り……というお話。

 最初はまるで咬み合ってなかった初心者パーティが、連携を合わせて「パーティ」らしくなっていく様子が楽しい。3巻は全体的に説明が多くてもっさりした読み応えの巻だったけど、リ=ガンにより明かされたこの世界のあらましは、色々今後明かされていくであろう謎への想像を掻き立てられてわくわくする。

 また、リアルでは引っ込み思案だった五十鈴の少女らしい悩みや葛藤がとても可愛かった。まるで王子様のような外見のルディの外見に女の子らしく内心ときめきつつ、でも実際の行動は割りと残念な彼に世話を焼きつつ、最終的に扱いは大型わんこになってしまうというあの独特の空気感が凄く好き。ルンデルハウスの正体については、アニメで初見だった時にはわからなかったけど改めて読みなおすとミノリと五十鈴は予め正体を予感していたんだなあ。フレンド登録のやりとり前後からの二人のルンデルハウスへの態度を読み返すと、明らかに気を使っている部分が見て取れてどきっとする。

 あとクラスティとレイネシア姫の関係がとても好き!!「お姫様」としての自分を演出しながらも本音ではだらけたいなまけたいレイネシアと、彼女の本心を見抜いて興味を持ち、利害の一致もあるけど完全にお姫様の反応楽しむために絡みに行ってる感じのクラスティのやりとりがたまりません。彼女が勇気を振り絞って立ち上がってくれたからこそ円卓会議が迅速に動けたというのはあるんだけども、なんだかんだで言い様に使われちゃってる感じのレイネシア様可愛すぎる。

 それにしても、4巻はアニメ以上にミノリの有能っぷりが印象的だったように思う。彼女の「師匠」であるシロエのやってる全力管制戦闘が割りと頭おかしい(褒め言葉)んだけどそのシロエの司令塔としての役割をかなり見劣りするとはいえ模倣できてしまうのは改めて物凄い才能だよね…。

 それにしても、4巻最後の描き下ろしイラストに悩殺されましたこれはひきょう!!

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