ラノベ読み界隈の「2010年代おすすめ作品」の流れを見て、私も軽く10〜20作品程度まとめられたらいいなとおもったけど結局30冊構成になりました。自分の毎年のまとめとブログ記事の記載を元に作成しているので10年代ベストではなくイヤーズベスト3×10になっていたり、当時面白かったもの優先でまとめているので最新刊までおいつけていない作品が混ざっていたりしますがそのへんはあらかじめご了承ください。おすすめ作品というよりもおすすめ作品で語る2010年の思い出の趣が強い。
タイトル多いのでコメントは撒いていきます。
2010年
「魔王城」は異能の力を持って生まれたがゆえに迫害される子どもたちを守るため、軍から派遣されてきた青年が「魔王」を名乗るまでの物語。ファミ通文庫で屈指に好きな作品なんですが何故か電子書籍化されていないので2020年度も「魔王城電書化しろ!!!」と叫び続けていく所存であります。あと同年1巻発売、少年少女の“空想”が世界を塗り替える「空色パンデミック」も最高に面白いんですがなんでこっちも電子書籍化してないんですかファミ通文庫ーー!!!
2011年
あと10年代で一番おもしろかったノベライズは?と聞かれたらとりあえず「円環連鎖のウロボロス」を推します。原作ゲームの展開を踏襲しながら少しずつ本来の展開から外れていく構成と、それでも間違いなくこれもシュタインズゲートに繋がる物語であると思わせていく展開が秀逸。本編も文句なしに面白かったですがファンディスクのノベライズである「比翼連理のアンダーリン」もめちゃくちゃおもしろかったです。なんであの恋愛脳寄せのお気楽ファンディスクがあんなクソ重展開になるんだよ…天才か。
あとこちらはカドカワサブスク対象作品おすすめまとめでも取り上げてしまったのですが、同年完結の「Re:バカは世界を救えるか?」。なんちゃって邪気眼の青年が本当の異能(ただし弱い)を手に入れ、たったひとりのヒロインを守るために本当の「正義の味方」として成長する展開が最高に好きでした。
2012年
「僕の妹は漢字が読める」はオタク文化が進化しすぎて文字文学が衰退した未来を舞台にした時間改変SF系兄妹ラブコメ。頭の悪い作中作のイメージとは裏腹に、めちゃくちゃ真面目に文字文学が衰退する未来の話を描いてるんですけど、それと並行して主人公と彼の「妹」達を巡るラブコメが邪魔にならず空気にもならずで進行していくのが凄いバランスだった。あと私はこの作品で黒ストに目覚めました。
「ボンクラーズ・ドントクライ」は転校生の少女を巡る甘酸っぱい恋のお話。男2:女1の三角関係でありながら、ヒロインに確かな恋心を芽生えさせていく反面、それと同じかそれ以上にいつでも一緒にやってきた親友を取られてしまうとヒロインへの嫉妬心をつのらせていく主人公の複雑な心情が、甘酸っぱい青春模様が最高に燃える。
2013年
この年は「東京レイヴンズ」も第一部クライマックスだった頃で、こっちも最高に面白かったです…次々と展開されるド派手な陰陽術バトルが楽しすぎたし、春虎を中心にその周囲で繰り広げられる様々な登場人物たちの葛藤と成長、それを見守る大人たちの因縁と激突、そしてその合間に次々と明かされていく真実に震えました。レイヴンズはなんというか…来年こそ完結すると良いですよね…。
発売自体は全然この年ではないんですけど、単巻きれいにまとまってる枠で「消えちゃえばいいのに」がめちゃくちゃ面白かった…ただひたすら淡々と一方的な愛と死体を積み上げられる物語なんだけど、このどこまでも救いの見えない理不尽な物語が最高。
2014年
数年ぶりに新刊が出た「踊る星降るレネシクル」も楽しかった…傷つけることを恐れていた主人公が、闘いですべてが決まる街の落ちこぼれ少女の面倒を見ることになって…というお話。「個性」と呼ばれる異能を使い戦う少年少女たちと、その裏で蠢く大人たちの陰謀!という王道ド直球の異能バトルが楽しかった。あと私は主人公に愛をささやきまくる親友の乾が好きです。
アニメ「K」のノベライズをまとめて読んだのもこの頃なんですけど、やっぱり「K -Lost Small World-」での八田と伏見の巨大感情の持て余し合いというかすれ違いというかなんかそういうのが本当に好きだったなと思い返すと思うんですけど、コレに関してはとにかくこのあと劇場アニメ化で改めて殴られ直した感が強い。八田と伏見はアニメの序盤までは好きそうであと一歩好きになれない奴らだったんですけど、2期の着地点があまりにも完璧に好みで後追いで撃ち抜かれました…これまでの物語全てを踏まえて、彼らがありえない夢の中で背中合わせに共闘する劇場版「CircleVision」も好き。
2015年
新刊が出ないまま来年いよいよ4年目を迎えてしまう「甘城ブリリアントパーク」ですが、可愛らしい女の子達と可愛らしいマスコットたち、そして主人公が男ひとりという一見ハーレムに見えそうな構図をしておきながらもその実は中身はオッサンなマスコットどもが酒のんでぐだを巻く裏で、元天才子役である主人公が様々な遊園地内の厄介事を一手に請け負って胃を痛めながらヒロインの生命が掛かった遊園地再生を目指して死ぬ気で頑張る(頑張らないとヒロインが死ぬ)お話です。良くも悪くもかわいいイラストと毒っ気の強い展開が癖になること請け合い。来年こそ新刊出るのをお待ちしています……。
この頃アニメ合わせで一気読みした「銃皇無尽のファフニール」も面白かった!ドラゴンに立ち向かうため集められた「D」の少女達と、ただひとりの男性の「D」であり特殊部隊で兵器として育てられた少年がドラゴンに立ち向かいながら絆を深めるお話。ハーレムラブコメ的な構図でありながら主人公の悠がヒロイン達のひとりひとりに真摯に向き合っていく姿と、ヒロイン達全員の固い絆が印象的で嫌味なく読める。あと主人公の元職場の上司(男)があまりにも主人公のこと好きすぎていかがわしいのでそういう意味でもよろしくおねがいします。
→「好きなライトノベルを投票しよう!! 2015年下期」投票します。
2016年
そしてアニメのノベライズとして描かれたダッシュエックス文庫版の3巻(※3巻自体は2017年発売)の破壊力が高すぎる。アニメもめちゃくちゃ楽しく見たんですけど(作画のことは言うな)、あの壱弥と霞の衝突の話に渡航先生の男男間の巨大感情がたっぷりつまったモノローグがたっぷりつくわけなのでまぁ死なないわけがなかったね!!!しつこく言うけど渡航作品における男男間の「お前が嫌いだ」は愛の告白と同義だと思います。
→「好きなライトノベルを投票しよう!! 2016年下期」投票します。
2017年
同じ望先生の作品で「ラノベのプロ!」もよかった…実体験らしきネタも織り交ぜつつ、ライトノベル作家の主人公と幼馴染ヒロインのあれこれを描く業界系ラブコメ。友達少なくてちょっと拗らせ気味の主人公が作品作りに対しては高い意識を持っているのがかなり新鮮でした(ラノベ作家もの、割とぐうたらというか締切とデッドヒートしてる人が多い印象だった)。あととにかく業界ネタとか置いておいて幼馴染ラブコメとして破壊力が高いのでオサナナジミストは読め。
そしてオタク女子高生の主人公と隠れオタクの腐男子教師が繰り広げるWeb原作のラブコメ「腐男子先生!!!!!」。書籍化は途中までしかしてないのですが(いつか最後まで書籍化してくれるって信じてる…)、「オタク楽しい!」を肌で感じられるWeb原作ならではのライブ感の強いオタクネタ満載の序盤から、「書き手」と「読み手」の関係、ついには「生徒」と「教師」の恋愛ものとして少しずつ移り変わっていく二人の関係性が楽しかったです。
→「好きなライトノベルを投票しよう!! 2017年下期」投票します。
2018年
続きが出るの出ないのと別の意味でハラハラしっぱなしの「ファイフステル・サーガ」もなんとか2019年のうちは生きてて良かった…別々の立場で少し不思議な力を持つ3人の主人公を中心に恋愛や政治、そして戦争…と様々な物語が繰り広げる壮大な戦記ファンタジー。同じ方向を向きながらも味方同士ではない彼らの関係性や、彼らの周囲で繰り広げられる人間関係等も魅力の一つ。
割とこの路線の青春ラノベは避け気味なんですけど、表紙買いした「彼女のL 〜嘘つきたちの攻防戦〜」は本当に面白かった……「嘘」を見抜くことができる少年と、少女がついた「優しい嘘」にまつわる物語。恋愛未満の彼らの距離感が心地よく、読み終わるとどこか温かい気持ちになれる一冊でした。
2019年
今年は色々と悪役令嬢物を読みましたが、その中でも一番個人的に面白かったなと思うのが「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました」。破滅ルートしか無い悪役令嬢に転生した主人公が生き残るために隠しルートのヒーローであるラスボスの男を落としに行く。落としに行ったはずがすっかり手のひらの上で踊ってしまっている姿が可愛すぎるし、巻を経る毎に魅力を増していく正ヒロインにして最大のライバル・リリア様がまためちゃくちゃに良かった!
そして超今更すぎるんですけど今年ようやく「ようこそ実力至上主義の教室へ」読んだめちゃくちゃ面白かった……。とある事情で天才的な能力を隠して「事なかれ主義」と嘯く主人公・綾小路が時折見せる人でなしっぷりが最高に興奮するし、表面に出ないようにしながらもそんな彼が同じ学年の食わせ者達と渡り合っていくのがめちゃくちゃ楽しい。ちょうど今第一部が終わって来年からは新展開がスタートするのでそういう意味でも良いタイミングで読んだなと思います。いやもうほんと2020年が楽しみだなあ!!!
→2019年読んで面白かったラノベ10選