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ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編3

 

大人気学園黙示録が2年生編に突入! 第3弾!
常夏の無人島を舞台に、全学年で得点を競い合うサバイバル試験がついに開始された。得点を得る方法は2つ。毎日一定時間ごとに指示される指定エリアを訪れることと、無人島内に設置された課題を条件通りにこなすこと。グループ人数が多いほど有利かつ、退学の可能性も減る試験内容。2週間という長丁場かつ、水や食料の補給も考える必要のある過酷な試験。さらに月城理事長代理は学生同士の小競り合いを試験中は容認するらしい。そんな中単独行動で状況を窺う綾小路だが、1年Dクラスの七瀬翼が同行を申し出る。メリットのない奇怪な行動だが七瀬の出方を知るため綾小路はそれを受諾。2人組での無人島走破が始まる!

下位チームには「退学」が言い渡される、人死にはないけどこの物語においての生死が掛かった生存戦争が熱かった!敵同士でありながら奇妙な連帯感で結ばれていく綾小路と七瀬の関係がめちゃくちゃ面白いんだけど、肝心の謎はさらに混迷の様相を見せてきて一刻も早く次巻が読みたい。ところでピンナップに全エリアが記載された無人島の地図ついてて「バトルロワイヤル」を思い出したアラフォーは挙手してほしいです。

再びの無人島を舞台に全校生徒が繰り広げる「生存戦争」

いよいよはじまった無人島でのサバイバル特別試験。正体のわからないホワイトルーム生を警戒する部分もあり、グループを組まずに個人での高得点を目指す綾小路。一日四回指定される指定ポイントへの移動ミッションをこなしながら、周辺で出題される「課題」に挑戦していくが、思わぬところで苦戦を強いられて…!?

綾小路が単独で試験に挑む、という展開からして初っ端からめちゃくちゃ人間捨てたムーブが見られるのでは!?と密かに期待していたのですが、試験の序盤はどうしても数の暴力には勝てなかったり、予想外の課題に直面したりと珍しく綾小路が苦戦している姿が見られるのが面白かったです。何よりアニメクイズで苦戦する綾小路が面白すぎる。確かにそういうの苦手だろうなっていうの解りますけどここまでポンコツになってる綾小路の姿を見れるのってこのシリーズでも金輪際ないのでは!?クイズ聞いて完全に思考停止してるの爆笑してしまった。

課題への挑戦権が早いもの勝ちだったりあらゆる方向の知識が試される内容になっているのは実にこの学校らしい展開だなあと思うし、綾小路のような単体ハイスペック人間が無双しづらい構造になっている試験が凄く考えられてるなあ。いやそれでも単体で無双してる高円寺は一体何者なんだって話なんですが。というか今回改めて高円寺の本気が描写されたわけなんですけど、普通にこいつ性能的には綾小路の上位互換では…!?七瀬が付いてきてなかったら綾小路ももうすこし良い勝負をしたと思うけど、高円寺の点数に迫れたとはちょっと思えないし、なにより直接対決で普通に負けてるんですよね今回。綾小路が(自らがホワイトルームで磨いてきたであろう分野において)負けるのって初めてじゃない!?いや綾小路のことなので普通に実は手加減してたとか言い出しそうですけど!!

何者かが故意に起こした事故で生徒がリタイアという展開があったりして不穏な空気が立ち込めてはいるのですけど、これまでずっと匂わされていた池と篠原の恋愛事情に踏み込んだり、軽井沢との短いけれども甘〜いやりとりがあったりで高校生男女の甘酸っぱい展開が多いのも実に夏休みの無人島という感じで楽しかったです。素直になれない池が初対面の七瀬に叱咤され、須藤をはじめとした友人たちに支えられながらも不器用ながらも一人前の「男」になろうとする展開が大変アツいし、友達の気配りも出来るようになってきた須藤がいい男過ぎて惚れる。あと、物凄い軽いノリで唇を奪っていく綾小路マジで悪い男だなとおもうんですけどそれはそれとして軽井沢さんと綾小路の挿絵何この……何!?こんな柔らかい表情した綾小路見たことない!!!!!

綾小路と七瀬、敵同士のふたりに生まれた奇妙な関係性が面白い

綾小路と行動を共にすることになった七瀬が、敵意を抱きつつも綾小路の才能に触れるたびに「やはり先輩はすごい」と敬意を表し、一方で「足手まといになるのは悔しい」と対抗心を燃やし、負けるまいと足掻いていく姿が印象的でした。宝泉寺と組んで綾小路を退学に追いやろうと暗躍したこともありましたが、本来の彼女はどこまでも真正面から綾小路を排斥することを望んでいるんですよね。一方、そんな彼女をぶっちゃけ足手まといに思いながらも切り捨てようとはしない綾小路どうしたの……優しいじゃん………どんな企みが!?(蘇る一年生編3巻のアレ)

綾小路清隆という存在によって人生を歪ませられた七瀬翼。彼女がずっと持ち続けてきた鬱憤と愛憎を綾小路が真正面から受け止めるクライマックスがマジ熱いしかっこいんですけど、その受け止め方がスペック高すぎて正直ジワジワ来る。いやもう今回もイヤになるくらいハイスペックでしたねこの男は!!アニメクイズはポンコツだったけどな!!

ますます混迷を深める「ホワイトルーム生」探し

一方、肝心のホワイトルーム生探しについて結局この巻では七瀬の正体くらいしか進展がなくてむしろ更に混迷としてきた印象すらある。個人的にあやしいなあと思っていたのは椿で実際に一年生グループを率いているのは椿っぽいけど、他の奴らも胡散臭すぎるんだよなあ。ホワイトルーム生とは違う気がするんだけど八神が俄然キナ臭く思えてきたし、天沢の不気味な言動もヤバかったし、今回一切姿が見えなかった宝泉の動向も気になる。一年生の動向と、ここのところほとんど動きをみせなかった櫛田の動きが繋がるみたいなのは楽しかったけど、一年生編である意味ずっと不気味な裏ボスでありつづけていた彼女が完全に噛ませ犬になってるのインフレ感あるなあ。これ一周回って共通の敵が出てきてヒロイン返り咲きみたいな展開あるんでしょうか。

全く試験中の動向が伺えなかった堀北、いろいろな意味で危険が危ない一之瀬、不気味な伏線だけ貼っていった南雲会長などまだまだ明かされてないエピソードが多すぎて、多分この話一冊で終わらないだろうな〜とはおもってたけどやっぱり次巻に進むだった!!早く続きが読みたい……!!

それにしても龍園と葛城の息が合いすぎてて石崎の心配をしてしまう。なんなんですか…利害関係の一致からうまれたビジネス主従は…完璧すぎる……薄い本出ちゃう……。


悪役令嬢の怠惰な溜め息

 

私、婚約破棄します! 暴走悪役令嬢の勘違い王子粉砕ラブ(?)コメディ!
プレイ中だった乙女ゲームの悪役令嬢に転生した私。だけどこの世界はすっごく暇だった! 「娯楽がなければ作ればいいのよ!」 前世の知識を活かして玩具や恋愛小説を生み出し、退屈な世界をバラ色にしてみせる! 王妃様お気に入りの実業家になり、これでシナリオを外れて素敵な未来が……と思いきや書いた小説のせいで破滅フラグがやってきた――!?

乙女ゲームの悪役令嬢に転生した主人公が、退屈な世界を紛らわせるため前世の知識を駆使して新たな娯楽を生み出そうとしたり、ゲームのフラグ回避に奔走したりするお話。前世知識の曖昧・未熟な部分を周囲の力で埋めていく序盤の「娯楽作り」展開はめちゃくちゃおもしろかったんだけど、後半の内政干渉、無能王子をざまあする展開はちょっと合わなかったなあ。

転生令嬢、娯楽を所望する

乙女ゲームの悪役令嬢エセリアに転生してしまった元OLの主人公。娯楽のない新世界、退屈な毎日を打破するため、前世の知識を使って新しい「娯楽」を提案していく。シンプルでわかりやすい玩具に刺激的な小説、そして生活用品──彼女の生み出した物は徐々に評判となっていって…。

知識というか「アイデア」チートな展開が凄く面白かった!このお話、彼女が提案する“突拍子もない”アイデアを紆余曲折ありながらも最終的には彼女の考えた通りの形にしてくれて商流にまで乗せてくれるワーレス商会の存在がなければ成立してないんですよね。特に爪切り、あくまで一般人としての知識しかないエセリアの要領を得ない説明を聞いて皆が首をかしげているところに、意図を理解したクオールが職人としての立場からダメ出しをしてくれて、長い年月をかけて実用化してくれるという流れが好き。

新商品のプレゼンで苦戦すれば姉や他の人が効果的な売出し文句を考えてくれたり、口コミで広げてくれたり〜と、あくまで平凡な一般人でしかなかったエセリアが、周囲の力を借りることでチートをなし得ていく展開がすごく良かった。BL小説がめちゃくちゃな勢いで拡散されていくの笑ってしまう。

名声を落とそうとする目論見が全部裏目に出ていく展開が面白い

様々な商品開発に携わり、知る人ぞ知る存在となったエセリア。破滅回避のためにゲームとは違う行動を取っていたはずが、その名声が逆効果になってゲーム通り王子の婚約者にされてしまう。ゲームとは違い、横柄で傲慢な態度のグラディクトに違和感を覚えるが…。

王子の婚約者になってからはいっそ適度に変な事して評判を落として婚約破棄してもらおう!と思っていたのになぜかむしろ株が上がってしまう…みたいな展開に人知れず舌打ちしてる姿にニヤニヤしました。いや割と他の事は全体的にソツなくやっていくし彼女が上手くやれてない部分は周囲が上手いことカバーしてしまうのに、ゲームのフラグ回避活動に関してはポンコツというか、「なんでそれで回避出来ると思った!?」みたいなのが多すぎて落差で笑ってしまう。

ただ、元々エセリアのやり口・アイデアには割と抜けが多くて周囲に補ってもらうことでチートが成立している感があるので、エセリアひとりでやろうとしてるのに無理があるんでしょうね。王妃になったらこれまでの友人たちとおなじように過ごすことはできなくなることを見落としていたのはいかにも現代人の感覚だよな、と思うんですけど。

後半の展開はちょっと合わなかった…

乙女ゲームの舞台となる学園に入学したエセリア。同学年で入学したグラディクトとの溝は埋めようのないものになり、いよいよ彼女は周囲を巻き込み婚約破棄を画策し始める。

婚約相手である王子がわかりやすい差別主義者かつ絵に書いたような駄目王子なので、破滅したくないし結婚もしたくないからこっちから婚約破棄させてついでにこっちのやってることに口出されると嫌だから廃太子にしよ、って流れはまあわかるんですけど、割と学校に入学してから無能王子ざまあ的な展開が多くなってそこはちょっと苦手だった。ざまあ展開別に嫌いじゃないけど、これはなんかスカっとしない。あと内政に口出しするあたり、「それ、普通のOLがぱっと思いつく?」って展開が多かったように感じてそこも残念。物作りの展開が凄く絶妙に主人公の身の丈の知識で出来るよう違和感なく配慮されていたので余計に気になってしまったのは多分ある。

王子への攻撃が容赦なさすぎて、必死になってプレイしてたような描写が冒頭であるのにキャラへの思い入れとか全然なかったのかなって気持ちもある。キャラの性格変わってたせいもあるかもしれないけど、もうちょっとプレイした時の印象とか好きだとか嫌いだとかゲーム面白かったとかつまんなかったとか主観的な描写あっていい気がするのに不思議……。

1巻の時点で全く誰とも恋愛フラグ立ってないのは良い意味で男子向レーベルの強みだな〜!!とは思ったのですが、オタクとしてキャラの作り込みが甘い気がするんですよねこの主人公…コンテンツへの執着が感じられないっていうか。

うーん、前半の娯楽作ってるあたりは好きなんだけど後半の展開はちょっと合いませんでした。


転生ごときで逃げられるとでも、兄さん?

 

俺を監禁していた妹が、この世界のどこかに潜んでいる──。
高校卒業から5年間、妹に監禁されていた俺は、やっとの思いで逃げ出した矢先にトラックに轢かれ、異世界に転生。悪魔のごとき妹からようやく解放された……。 新しい、自由な世界での名はジャック。貴族の一人息子として、愛に溢れた両親と優しいメイドのアネリに囲まれ、幸せに満ちた、新たな人生が始まった──はずだった。 そう、一緒に死んだ妹も、この世界に転生しているのだ。名前も容姿も変えたあいつが、どこに潜んでいるかはわからない。だが、今の俺には神様にもらった、世界最強クラスの力がある。 この能力であいつを退け、俺は今度こそ、俺の幸せと、周りの人たちを守ってみせる──!

「好きラノ」で見かけて気になったので試し読みに手を出したら早く寝るつもりだったのにそのまま最後まで読んでしまった…。サイコパス妹のサイコっぷりとド派手な魔法が飛び交うスピード感のある無理ゲー展開の引力が物凄く一気に最後まで読まされてしまったのですが怖ええ〜〜〜!!!真実が明らかにならないと夜も眠れないので早く次巻出してほしい!!!

サイコパス妹に愛されて死んでも逃げられない

妹に愛されすぎて、自宅に5年間監禁されていた主人公。命からがら逃げ出し、トラックに引かれて死ぬことで妹から逃げられた…と思ったのもつかの間、妹も同じ異世界に転生していた。転生する際に神的な存在からチート能力を与えられた彼は、今生こそ妹の魔手から逃れて平穏な毎日を送るため、神から与えられた能力を磨き、大切な家族を守って生きていくことを決意する──のだが。

もうひたすら妹が怖い。序盤で前世で妹に監禁されてた時のエピソードが語られるんですが普通に「周囲を傷つけることで相手の心を縛る」タイプのサイコパスだし、妹がどうして兄の事をそんなに愛してしまったのかわからないのもまた得体が知れなくて怖い。たしかに「ヤンデレというよりホラー」という感想を見て手に取ったんですけど思った以上にガチのサイコホラーだ!!!!

そんな妹の狂愛を振り切って逃げ出そうとして、妹もろともトラックに跳ねられて死んだ兄。そこまでしたのに妹と同じ異世界に転生してしまったと知ってしまうの恐怖しかない。しかも「ジャック」として異世界に生まれていくらもしないうちに前世の「妹」から襲撃を受ける羽目になってマジで赤ん坊になっても安心できないのどういうこと!?頭脳だけは大人だが身体的には歩行もできない口も聞けない乳児に与えられるにしては試練が重すぎて絶句。展開にスピード感がありすぎる。

サイコパス妹が怖すぎてどんな桃色展開も怖く見えてしまう件

なんとかかんとか襲撃してきた妹を殺して割とラブコメ要素が強い「少年期編」が始まるわけなんですけど、ぶっちゃけ読者にはシステムはよくわからんけど妹が死んだけど死んでない(???)ことが提示されているので作中で何をやってても普通に怖いのだった。どんなラブコメが始まってもラッキースケベハプニングが起きてもどっかに妹が混ざってるのかもと思うと「ジャックー!!逃げて逃げてーー!!」という気持ちにしかなれないので怖い。しかもそこから妹の脅威が表面化したわけでもないのに子供の生命と身体を弄ぶ非情な盗賊団に誘拐されて危うく盗賊たちのダーツの肉的にされかけるのマジで人生がハードモードすぎるんですけど!?ラブコメしてたのが悪いのか。そうなのかな。

そういうサイコホラー展開は置いておいて、未知の能力を使う盗賊団の首領・ヴィッキーとの戦いは能力バトルものとして滅茶苦茶面白かったです。剣と魔法のファンタジー世界なんですけど、72柱の精霊からそれぞれ別個の能力を与えられた使い手達の戦い、という点でむしろ能力バトルモノっぽいんですよね。相手の能力の正体を暴き、それでも戦いの経験や覚悟のキメ方で一手上を行く彼女を子供二人があの手この手で翻弄していく展開は最高にアツかった。

サイコパス妹が用意周到すぎて一刻も早く続きを出してほしい…。

妹の正体がわからないまま終わったのがひたすら怖かったです。ジャックの前に現れた巨乳エルフ師匠のラケル、そして共にラケルの弟子になった幼馴染の少女・フィル。妹の能力が未知数な事を考えるとフィルや巨乳エルフ師匠の中の人が妹だって何の不思議もないし、今回の事件の顛末を踏まえるとまだ出てきてない誰かなのかもしれない。誰が妹なのか誰が妹じゃないのかマジでわからないので展開が読めない。怖い。

このままだとおちおち夜も眠れないのでなんとしても2巻を出してほしい。
いやほんと妹の正体が判明するまでは絶対に続けてくれ…。
しかしこの妹、一度や二度殺したくらいではなんともならなそうだぞ…!?

余談ですけどこれ好きな人はたぶん「異常者の愛」好きだと思うので未読なら読んでほしい。

千田大輔(著) 「異常者の愛(1) (マンガボックスコミックス)」
千田大輔(著) (著)
講談社
発行:2017-07-07T00:00:00.000Z


電子書籍の本の整理に悩む

ここ数年で紙書籍から電子書籍への依存度がぐっと上がって、それまであまり気にしていなかった電子書籍アプリにものすごく使いづらさを感じるようになったよという話をします。

BOOK☆WALKERの購入書籍一覧が使いづらい。

そもそものはじまりは「BOOK☆WALKER」で2016年12月にブラウザビューワー機能が実装されたこと。

PC版アプリをいちいち立ち上げるのに使いづらさを感じていた(BWアプリは微妙に使いづらかった)のでそれまで電子書籍はラノベ中心に限定的な使い方しかしていなかったのですが、PCブラウザから手軽に読めるようになったことでそれまで画面が小さい/見開きができないという理由で紙書籍で買っていたマンガが殆ど電子書籍に移行していった。

2017年を境目にわかりやすく電子書籍の購入冊数が増えていく。

2015〜2016は純粋に本を読めなかった時期なので減っているというのもあるのですが、それにしても2018年くらいから一気にコミックの割合が増えていく。それまで、ラノベの電子書籍はアプリの購入書籍一覧を購入美順に並べて使っていたんだけど、すごい勢いで買った本が一覧の下の方に埋もれはじめた。

前述の通りマンガはほぼスマホで読まないんで非表示にしたい。
でもスマホアプリの購入履歴一覧に「ジャンルでしぼる」という機能はない。
レーベル並び替えならあるけど違うそうじゃない。

PCブラウザ版の書籍一覧ではかなり細かい絞り込みが出来るのだが、問い合わせてみた所いまのところスマホへの実装予定はないらしい。なお一覧の表示形式は3種類あるけど書影なしにしても8冊が限界。書影のみ表示に至っては上下左右4方向へのスクロールが発生する。なんでこんな↓UIに……?(横スクロールやめて書影をもうちょっと小さめにしてせめて15冊くらいは一画面に入れてほしい…)


マンガだけ別書店で買う、とかも考えたんだけど今まで買ったマンガを移せるわけではないので根本的な解決にはならない。

本棚機能を今更使うことにした。

悩んだ挙げ句、●月に買ったラノベという本棚を作ることにした。
並び替え機能がスマホだと使いづらすぎて放置してしまっていたけどいつのまにかブラウザから本棚編集できることに気づいたので活用することにした。
書影が小さすぎると判別つかないので20冊弱くらいの本棚レイアウトにしてそこからはみ出すようなら増やす。一定以上昔の本は未読のもののみ本棚を分けて1シリーズ1冊で少しずつ格納していく。ずぼらな性格なのでちゃんと整理し続けられるか自信ないんですけど、まあ本棚の限界数に達したら一度別名保存して作り直せばいいよな、くらいの気持ちでおります。

まだ仕分け途中なんですけどそのうち一番奥底までたどり着く……んじゃないでしょうか…。


これはPCブラウザで見た本棚整理中の画面。購入冊数あまり多くないので現状2ヶ月分で1棚で足りてます。てかPCブラウザの本棚ページ、めちゃくちゃこれテンションあがりますね…!?これもっと宣伝したら良いと思うんですけど…。

ちなみにBWアプリの書籍一覧には「本棚順」というソートがあるんですけど、一番上に「未整理」が来てしまったのでだめでした。違うそうじゃないなんでわからないんだ。未読だけに絞ると読みかけの本とか消えちゃうしほんと悩ましいなあ……せめて本棚順+購入日順とか二重ソート出来れば良いなぁ……むしろスマートソートくれ。

BW〜!!!「一ヶ月以内に買った+未読の+ラノベ」とかで勝手に本棚作ってくれ〜!!頼む〜〜!!!

他の人の電子書籍の整理法が知りたいです。

私はまだ電子書籍のマンガはその場で読んでくスタイル+ラノベは月10冊前後購入だからこれで済んでるんだけど、もっとヘビーに利用してる人はどうやって整理してるのか知りたいです。こんな隅っこのブログで叫んでも反応ないかもしれないけど気になるので一応聞いてみたい。答えは自分のツイッターかブログで適当に言及してほしい。

いやでも他の人も7年くらい前の初回ニコカド祭りかなにかので気が狂って買った本とか大量に詰んでますよね?
私だけじゃないよね……?


悪役令嬢レベル99 〜私は裏ボスですが魔王ではありません〜

 
Tea

RPG系乙女ゲームに悪役令嬢ユミエラとして転生した私。でも実はユミエラは、本編ではショボいが、エンディング後には裏ボスとして再登場し勇者と渡り合うキャラで―つまり超絶ハイスペック!ついゲーマー魂に火がついて鍛えた結果、学園入学時点で私はレベル99に達してしまっていた。ゲームのストーリーには関わらず目立たず平穏に過ごすつもりが、入学早々レベルがバレて、ヒロインや攻略対象達には魔王と疑われてしまい…!?

前世でやりこんだ乙女ゲームの世界の悪役令嬢に転生した主人公。いずれゲームクリア後の世界で裏ダンジョンの隠しボスとして覚醒する予定の彼女は、前世知識をフル活用して破滅フラグを回避する──のではなく、前世のゲーム知識をフル活用して猛然とレベル上げをしはじめる。そう、主人公は乙女ゲーマーではなく、周回プレイ・レベル上げが大好きなやりこみゲーマーだったのです…。

やりこみゲーマーの私TUEE×もどかしラブコメ

序盤は突っかかってくるヒロインや攻略対象たち、彼女の持つ圧倒的な力を利用しようとする勢力をパワーでなぎ倒して黙らせていく私TUEEモノ。物語開始直後に速攻でカンストしてしまうのでなろう小説にありがちなレベリング描写が殆どないのが特徴的でした。ところが、彼女の数少ない理解者・パトリックと出会った辺りから物語がすこしずつ色を変えていきます。

人命無視&効率優先の無茶なパワーレベリングを提案するユミエラにドン引きしつつも彼女のブレーキ役となり状況をまとめるパトリック、という遠慮のない関係性が滅茶苦茶に好きなのですが、更にそこから物語が進むにつれて少しずつ二人の距離が縮まっていくのが最高に可愛い。圧倒的な力と忌み嫌われる黒髪と闇魔法を持つせいで孤立していたユミエラがパトリックという存在を通して他のクラスメイト達との繋がりを獲得していくのが印象的でした。

前世ではオタクをこじらせ、今生では孤立してしまったユミエラが不器用ながらも「パトリックに嫌われたくない」と考えるようになるまでの流れと、ユミエラと対等で居たいパトリックがユミエラが予防線として口にしていた「自分より強い人が好み」という言葉を拗らせてなかなかユミエラに気持ちを伝えられなくなってしまい、だいぶ前から両想いなのになかなか思いを伝えあえないというもどかしさにニヤニヤが止まらない。

やはり筋肉(ルビ:レベル上げ)は全てを解決する

一方で、ユミエラの無茶苦茶なレベリングが現状の改善に作用していくのも印象的でした。ゲーム本編において彼女の心情は語られないので想像を重ねていくしかないのですが、本来家柄が良いわけでもなく、黒髪を持つせいで両親からも周囲からも疎まれ、学園内に居場所を作ることが出来ず悪役令嬢の立場に追いやられてしまった“ユミエラ”が、ゲーム版の展開とは違ってパトリックという理解者を得て自分の居場所を作り、責任のある立場になってでも世の中を変えたいと思うまで成長することが出来たのは、間違いなくレベルを上げていたおかげなんですよね。やっぱり筋肉は全てを解決するんだなあ……。

自分の危険も顧みないレベリングによってこれまでの全てを勝ち取ってきたユミエラが、最後の最後で「大切な相手のために自分を大事にする」ということを学び、そのおかげで最大の窮地を脱することができるという展開がまた熱かったです。余談ですが両親の育児放棄の件についてユミエラが「精神年齢30歳だし両親からの干渉なくてむしろ快適だった」みたいなこといってるのはかなりインパクトありました。確かに精神年齢30歳だと、育児放棄についてはほぼ嫌がらせにはならないよね…。

ゲームヒロインちゃんにはなにかフォローがあってもよかった

ユミエラとは対象的に、ゲームとは違ってレベルをあげなかった、研鑽を怠ったせいで最後の最後で痛い目を見てしまうのがゲーム正ヒロインのアリシア。割とこの物語、クズ成分がアリシア及びユミエラの両親に集中していたのでこの辺どうフォローするのかとおもったんですが結構さっくり使い捨てキャラにされた感があり少し残念。アリシアが異常にユミエラを敵対視するのに原因とかあるのかなと思っていたのですが結局純粋に性格が悪かったから自分以上に目立った女が許せなかったということで良いのだろうか……エドウィン王子以外の取り巻きの使い捨て感もすごかった。

まあその辺は続刊でフォローされるのに期待、と思っていたのですがなろうで原作の該当部分ざっくり読むと地味に展開が変わっていて、どうかんがえてもフォローなさそう。というか彼女の処遇に関しては、今後フォローがない感じならなろう版の結末の方がしっくりくるなあ……。


悪役腐令嬢様とお呼び!

 

異世界のトラブルはすべてBLで解決!? 大神那央は自他共に認めるBL大好き女子――いわゆる腐女子である。 しかし十九歳になってすぐに事故死。そして生まれ変わったものの、そこはなんと嫌々プレイしていた乙女ゲームの世界だった。おまけにポジションはヒロインをいじめ倒すライバルの悪役令嬢。 (ちなみにこの悪役令嬢のクラティラス・レヴァンタ、どのルートを辿っても必ず死ぬという運命にある) クラティラスとして生きることになった那央は悲惨な未来を受け入れ、可憐なるヒロイン・リゲルをいじめ……たりせず、彼女を始めとする女子達にBLの素晴らしさを布教し、同志の輪を広げていくのだった――。

事故で死んだ那央が転生したのは、生前嫌々ながらにプレイした乙女ゲームの悪役令嬢・クラティラス。どうあがいても死ぬ運命だと気づいた彼女は破滅フラグを回避するべき奔走──なんてことはせず、「どうせ死ぬなら来世に期待して今生は好きなことやって死のう」と、前世から受け継いだ画力を駆使してイケメンを描きまくり、周囲の令嬢達にBLを布教しはじめたのだった……。

悪役令嬢に転生した腐女子の暴走劇

主人公のクラティラスがかなり痛い腐女子で、序盤の展開がかなりしんどい。転生先の乙女ゲームをディスりまくる姿には「自称毒舌」女子を見ているときの気持ちになるし、去るものは追わずスタイルとはいえなりふり構わず一方的にBLを布教していく姿には若干のもんやり感を覚えてしまう。

何より転生前の彼女本来の乱暴な言葉遣いが貴族社会の中では壮絶に浮いてて、事実以上に「痛い」キャラに見えてしまうんだよね。このくらい口が悪いオタク女子って普通にいると思うんだけど、文字媒体だけだと細かいニュアンス伝わらなくてすごく横暴なキャラに見えてしまっているのがちょっと勿体ない。

でもこのクラティラス、BL文化が現れるのを待つのではなく、自ら語り、そして描くことで周囲をBLに覚醒めさせようとするという前向きな行動力はめちゃくちゃ好感度高かった。他の覚醒めた令嬢達の萌えを(BLである限りは)絶対に否定しないし、コンテンツに対するスタンスも「一度触れたコンテンツは絶対に最後まで追う」とかですごく真摯に向き合ってくれるんですよね。

百合オタ王子が出てきてからが本番。

そして第三王子イリオスの「正体」が明らかになり、彼と半ば無理やり婚約させられるところからめちゃくちゃ面白くなる。お互い趣味が合わないの知っているからこそ変に押し付け合わないし、お互いへの遠慮もない。序盤はしんどかった乱暴な言葉遣いも「お互いへの遠慮のないやりとり」へと変化してしまうので不思議です。喧嘩するほど仲が良い腐れ縁というか、ふたりの気のおけない対等な関係性にときめいてしまった。

最初は強引だった「BL仲間」の令嬢達との関係が徐々に本物の友情へと変化していくのも印象的。それぞれが別個の性癖を持っていて、互いの性癖には干渉しあわない、お互いを尊重しあえる距離感が楽しい。クラティラスは前述のように、どんな性癖でもBLならば暖かく見守る(むしろ伸ばして育てる)方向性なのが結構バランス良いんだよな。庶民出でクラティラスから詩の才能を見いだされていずれは乙女ゲームのヒロインとなるリゲル、イリオスから託されてまさかの同キャラカップリングに開眼してしまった護衛のステファニとも徐々に身分や立ち位置を気にしない・気のおけない付き合いになっていくのにニコニコしました。

果たして二人は、「破滅の未来」を阻止できるのか。

乙女ゲームの正ヒロインであるリゲルと無二の親友となり、これで破滅エンドは回避したのでは…?と思うのだけど、この世界には乙女ゲームで起きた出来事に物事を収束させるような、謎の強制力があるらしい。しかも、自らの死がこの国の未来にもたらす悲劇をうっすらと知ってしまって、割り切っていたはずの破滅の未来に、再び感情が揺れていく。

未来に待ち受けるであろう死亡エンドの事はどこか他人事のように受け流しているクラティラスが自分のことを溺愛していた兄・ヴァリティタの態度の変化を見て、いつかは自ら気づいた友人達との関係をも断ち切られてしまうのではないか、と不安にかられる姿が印象的でした。自分が死ぬのは(一度死んだ身だし)構わないけれど、今ここに生きている友人たちが辛い思いをするのは避けたい。でも、そんなクラティラスの不安を払拭するような友人たちの行動がすごく暖かくて。これなら絶対に大丈夫──と思うものの相手は世界の強制力的ななにかなわけで。思いを同じくするイリオスとともに、破滅的な未来を阻止することができるのか。本当に今後どうなってしまうのか。続きが楽しみです。

それはそれとして世界観が緩いなんちゃってファンタジー乙女ゲー原作の続編がファンタジー○○物ライトノベルってどういうことなんです??脚本日日日先生かなにかか?(酷い風評被害)


私はご都合主義な解決担当の王女である 3

 

転生腐女子の結婚回避ラブコメ、準舞踏会編クライマックス! 忌々しい過去と向き合い、護衛の騎士クリフォードの制服を涙と鼻水で濡らした私――王女オクタヴィアは、気付けば反王家派の物騒な諍いに巻き込まれていた。 しかも、一緒に訪れていた兄の恋人(男)シル様が行方不明に!! できれば関わりたくなかった(詳細は2巻で)仮面の男ルストの導きにより、シル様を捜して辿り着いた先には……!? 準舞踏会編完結!

クリフォードの支えを得て、改めて仮面の男ルストと対峙する覚悟を決めたオクタヴィア。ところが、話の途中で侵入者の襲撃を受ける。彼らの狙いは、兄の恋人(男)・シル様だと知ったオクタヴィアは、クリフォードと共にルストの案内で彼の行方を追うことになるが…。

準舞踏会編後半戦。戦いの中で育まれる絆が熱い。

オクタヴィアを狙う謎の集団、そして行方をくらませたシル様を巡る小競り合い。そしてクリフォード以外の『従』との対決──お城の中で展開された1巻、華やかな準舞踏会でのやり取りが中心だった2巻と比べて一気にバトル要素の強い3巻でした。クリフォードの邪魔にならないよう立ち振る舞おうとするオクタヴィアを尻目に、非戦闘員である彼女が側にいても色褪せない強さを見せつけるクリフォードの姿に圧倒されてしまう。

そんな中で、どこか自分の犠牲を顧みないオクタヴィアのとある行動を、絶対であるはずの『主』からの命令すらも超えて抑止しようと動いてしまうクリフォードの姿が印象的。たとえそれが彼女の本意であったとしても彼女が傷つくのが許せない、と。少しずつ、クリフォードがオクタヴィアに対して主従の線引きを超えた感情を持ち始めているのが伝わってくるのがたまらなく楽しかったです。同時に、オクタヴィアの方も今回の準舞踏会での件を経てクリフォードとの絆を深めたようで……二人の関係性の変化を思わせる、最後の1行に思わずニヤニヤしてしまった。

レイフが語った『オンガルヌの使者』が“不可能を可能にした『従』”であるという可能性も含めて、先が楽しみで仕方がない。

良くも悪くもスッキリしない終わり方…

ただ、準舞踏会編の展開をまとめて思い出すと総合的には凄く面白かったんですが、準舞踏会編後半である3巻自体はちょっとカタルシスに欠ける、スッキリしない終わり方だなあと。2巻で明かされた様々な真実がめちゃくちゃ面白かっただけに、バトルは派手だったけどむしろ物語の謎が深まっただけの展開にはどこかスッキリしないものを感じてしまった。Web小説原作にはありがちな話だけどとにかく物語の動き方が遅い。準舞踏会の内容、1冊で読みたかったなという気持ちがすごい。ラスト自体は良かったんだけど、本来あるべきCパートがとれてないアニメの録画みたいになっちゃってるのがちょっと気になる。

っていうか元々の彼女の目的であったはずの偽装恋人の話とかマジで完全に有耶無耶になってしまったというか、ルストのアレコレを考えるとむしろ完全にふりだしに戻ってるんですけど!?ルストやおじさまが恋人相手の手がかりを持ってるとかそのくらいの手がかりがあっても良かった気がする。(っていうかこれだけラブラブなわけですしクリフォードじゃだめなんですかねえ!!)

続きが気になる展開、なんだけど…

2巻でたのが一昨年、という話を見てWeb版見に行ったらここ(3巻ラスト)からほとんど進んでないんですよね。
これ続きいつになるかなあ……1巻分まとまってから続きを投稿してるってかんじでもないんだよなあ。


声優ラジオのウラオモテ #01 夕陽とやすみは隠しきれない?

 

偶然にも同じ高校に通う仲良し声優コンビ、夕暮夕陽と歌種やすみが教室の空気をそのままお届けしちゃう、ほんわかラジオ番組がスタート!―でも、パーソナリティふたりの素顔は、アイドル声優とは真逆も真逆、相性最悪なギャル×根暗地味子で…!?オモテは仲良し、ウラでは修羅場、収録が終われば罵倒の嵐!こんなやつとコンビなんて絶対無理、でもオンエアは待ってくれない…!プロ根性で世界をダマせ!第26回電撃小説大賞、堂々の“大賞”受賞の青春声優エンタテインメント、NOW ON AIR!!

普段はギャルな女子高生、放課後は元気可愛いアイドル声優「歌種やすみ」として活動中の佐藤由美子。オーディションに落ち続けて焦り気味の彼女が抜擢されたのは、ラジオ番組のパーソナリティだった。同い年で人気急上昇中のおっとり可愛い実力派声優「夕暮夕陽」とコンビを組むと聞いて楽しみにしていたのだが、スタジオで彼女を待っていたのは同じクラスのいけすかない陰キャ・渡辺千佳で…!?

犬猿の仲な女の子二人のお仕事&相棒モノ。

微妙に人気の振るわないラジオを盛り上げるため、リアルではむしろ仲の悪かった二人が少しずつ仕事以外のプライベートでも繋がりを持つようになっていく。最初は間接的にお互いを探り合うようなところから始まって、学校帰りに買い食いしたり、一緒に遊びに行ったり、お泊りしたり…と、徐々に関係は親密になっていく。また、仕事の上でも公開録音イベントをやったり、ラジオをきっかけにセットでアニメ番組の主演が決まったり…様々な面で正反対の二人が繰り広げる異文化交流的なやりとりが微笑ましかった。

「声優」という仕事にどこまでも真摯に向き合う千佳に憧れながら、人気声優への道を着実に歩む彼女と落ち目の自分を比べてときどき卑屈になってしまいそうになる由美子。そして、「アイドル声優」として周囲を惹きつけていく由美子に憧れながら、彼女の実力が(由美子自身からも)過小評価されていることに内心憤る千佳。正反対の二人がお互いの持っていないところに憧れ、かけがえのない親友として絆を育んでいく姿にニヤニヤが止まりませんでした。同時に、人間として、声優として──お互いに出会わなければ変われなかったであろう変化を遂げていく姿が印象的でした。

千佳が最初から最後まで由美子に対して「あなたのそういうところ、本当に嫌い」って何度も言うんですけど、その言葉が回数を重ねる毎にどんどんニュアンスが優しくなっていくのがたまりませんでした。特に終盤なんか完全にただの愛情の吐露にしか聞こえなくて、なんなんですかね……最高じゃないですかね……。

ふたりの裏で進行する、不穏な影。

一方、『夕暮夕陽のファン』のクラスメイトが、ひょんなことから彼女たちの生活圏が自分とすこぶる近いことに気づき、その正体を探り始める。ラジオ番組での発言やSNSにアップされた写真から少しずつ彼女たちの正体が絞り込まれていって…という展開に、ふたりが仲良くなっていく様子にニヤニヤする反面で炎上や身バレの危険も気づかずリアルでの写真をアップしてしまうその無防備ぶりにハラハラしてしまった。そもそも「同じ学校のクラスメイトのアイドル声優ふたり」ってコンセプトだけでもかなり個人情報の切り売り状態だと思うんですけど、割と周囲もラジオ番組を盛り上げるために更に彼女たちに個人情報をさらさせていくスタイルなのでコワすぎるんですよね。いやほんとこれ誰か、ツイッターだけでも更新前に第三者の大人がチェックする体制とか作れなかったの……普通に考えて危ないでしょ……。

かくして夕暮夕陽の大役抜擢とラジオ打ち切りという2つの連絡を受けてギスギスしていた二人に降りかかる、スキャンダルと身バレの危機。「炎上」状態になり、限界まで追い詰められてしまった千佳がそれでも由美子だけは守ろうと精一杯抗う姿と、そんな千佳を救おうと声優生命を掛けて奔走する由美子の姿が熱かった。千佳の居ない場所で彼女の居場所を守るためにこれまで隠してきた本音をぶつける由美子の姿に泣いてしまうし、そんな彼女の想いに対するアンサーとして、千佳が返した「〜本当に嫌い」がもう、二度目なんですけど、完全にただの愛情の吐露なんですよね…最高ですね……。

色んな物を脱ぎ捨てて、掴み取ったラストが印象的

元気可愛いアイドル声優やってるけど、本当は気の強いギャルな由美子。おっとり可愛いアイドル声優だけど、本当は根暗で地味で毒舌な千佳。アイドル声優として作ってきた偽りのキャラクターを捨てて「本来のキャラ」で最大の窮地を乗り越えていく姿が印象的でした。そして二人で一緒に、新たな高みへと一歩踏み出すようなクライマックスに目頭が熱くなってしまう。

お仕事モノとしても女の子同士の相棒もの・友情モノとしても本当に面白かった!!思い切り本来のキャラを出してしまった二人が今後声優としてどう活動していくのか。正体バレしてしまった学校での関係は…というのもきになるし、続巻も決まったようなのでそちらも楽しみにしていきたいです。


2019年読んで面白かったラノベ10選

あけましておめでとうございます。
今年もこのブログをよろしくお願いいたします。

10年代ベストを作った際に「やはり1年分のまとめは下半期まとめとは別にほしいな…」とおもったので2019年読んで面白かったラノベのまとめです。ぶっちゃけこの後に投稿するであろう「好きラノ2019下期」とネタがかぶる予感がするのですが(投票は12日までですよ!)、自分がこれから期日までに何冊か読んで顔ぶれ変えてくれることを信じて!!

なお、10件ぴったりだったのでこの記事の内容をほぼそのまま「マニアック・ライトノベル・オブ・ザ・イヤー」にも投票してきました。投票は明日までなので10タイトル思いついた人が居たら投票してくると良いと思います。

2010年代ベストも頑張って書いたのでよんでね!

瘤久保 慎司「錆喰いビスコ3 都市生命体「東京」」→感想
この話を劇場アニメでみたい2019
『都市が生える』という発想がもう強さしか無いし、こんなに動いてるところを大画面で見たくなるラノベもなかった。ジブリかTRIGGERでお願いしますってしつこく言う。ストーリー的にも第一部クライマックスで最高に盛り上がっていて楽しかった!
黒留 ハガネ「世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)1」→感想
この「日常」が強いライトノベル2019
欲しかったのは『異能』というよりも『非日常』なのだという主人公の言葉になるほど納得してしまう。そこから、自らの力を使って全力で非日常を『演出』してしまうという、自己満足に満ち溢れた若干傍迷惑なドタバタっぷりが最高に楽しい。そして超能力も異世界も包み込んでしまう「日常」さんが強い。
小路 燦「異世界転生アンチテーゼ 転生魔王はチート転生者をチートで殺します」→感想
この「悪趣味」さが好きなライトノベル2019
異世界転生して魔王になった男が同じ異世界転生者を次々と狩っていく物語。彼らによって生み出されるはずだった物語をバッドエンドの余地も与えず駆逐していく姿が最高に悪趣味で楽しかったです。
有象 利路「賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 〜愛弟子サヨナのわくわく冒険ランド〜」→感想
2019年一番読んで笑ったラノベ
シモネタと内輪ネタとメタフィクションでひたすら爆走するギャグ小説。とにかく勢いの勝利感があるけどこんなに笑ったラノベも今年他になかったので推したい。登場だけで8行使うマスコットキャラくんが好きです(曇りなきまなこ)
恵ノ島 すず「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん」→感想
2019年一番キュン死したラノベ
ツンデレヒロインのツンデレを全部事細かに解説されてみんなで「ギャーかわいい!!」ってなるお話。現実とゲームの世界、両面で繰り広げられる恋愛模様と、現実・ゲームの世界の間で築かれていく絆がひたすら可愛かった。2巻できれいにまとまってるのもポイント高い。
衣笠 彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ7」→感想
2019年一番沼だったラノベ
難しいことは何も言わずに7巻の綾小路・龍園の殴り合いの挿し絵を見せてきた友人のやり口が巧妙すぎて震えた(5分後に電書で全部買った)。物語そのものもさることながら、絶妙に良い仕事をする挿絵が本当に良い…1年生編クライマックスである11巻・11.5巻も良かったのですが沼の元凶である7巻を推します。
羊太郎「ロクでなし魔術講師と禁忌教典14」→感想
今一番おもしろいと思ってる長編ラノベ
ほんと毎回「最高に面白かったとおもった前巻を更に超える面白さ」とかボジョレー状態になってるんですけど、14巻の絶望的な閉塞感とそこからシスティーナが介入するクライマックスへの盛り上がりが凄かった…。
師走 トオル「ファイフステル・サーガ4 再臨の魔王と女神の巫女」→感想
今一番続きを心配しているラノベ
主人公3人に加えて脇役達の人間関係も深く掘り下げられてきて、油が乗ってきた感が凄いのでなんとしても5巻が出てほしい…。あと4巻表紙のコルネリウス隊長がめちゃくちゃ好きすぎてこの気持をどうしたらいいかわからなくて持て余している。
永瀬 さらさ「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました6」→感想
このライバルキャラがかっこいい2019
いやほんとにこのシリーズはリリア様のかっこよさが半端ないので推したい!!ゲームプレイヤーを自称する彼女が、「推しヒロイン」である主人公のアイリーンとNPC達を守るために自らも「ヒロイン」になる姿が最高にアツかったです。
渡 航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。14」→感想
完結してよかった2019年大賞
俺ガイルとは思えないようなストレートに甘々な展開にもニヤニヤしちゃうし、物語が終わっても彼らの青春は終わらないと思わせるラストも最高でした。長い長い迷走からようやく抜け出して、「終わり」へと向かっていった物語に感慨深さしかない。ところで短編集のうちの1編とかでいいので3年八幡のクラスでの日常がみたいです。


エリスの聖杯

 
夕薙

「いいこと、コンスタンス・グレイル。お前のこれからの人生をかけて、わたくしの復讐を成功させなさい! 」 誠実だけが取り柄の地味な子爵令嬢コニーは、とある夜会で婚約者を奪われ、窃盗の罪まで着せられる絶対絶命の窮地に陥っていた。しかしそんな彼女の元に、10年前に処刑された希代の悪女、スカーレット・カスティエルの亡霊が現れる! かつてその類稀なる美貌と、由緒正しき血統と、圧倒的なカリスマでもって社交界の至宝と謳われたスカーレットは、コニーに憑依するや瞬く間に形勢を逆転し、危機を救う。だが、その代償としてコニーが要求されたのは、スカーレットの復讐に協力することだった!? 利害関係から始まった二人のコンビは、貴族社会に潜む悪意や陥穽を蹴散らすうちに大切な絆で結ばれた真の相棒へと成長し、やがて過去から続く巨大な陰謀と対峙していく……!

婚約者の浮気相手から身に覚えのない罪を着せられて糾弾され、絶対絶命の大ピンチになっていた子爵令嬢・コニーを救ったのは10年前に処刑されたはずの令嬢・スカーレット(の亡霊)だった。婚約者の浮気やなにやらの傷心に浸る暇もなく、助けられた対価としてスカーレットが処刑された事件の真相追求と復讐を請け負う事になってしまう…!?正反対の二人の令嬢が過去の事件を追って貴族社会の闇に踏み込んでいく物語。

コニーとスカーレット、正反対の二人の令嬢が繰り広げる「相棒もの」

家訓である『誠実』を頑なに守る地味で平凡だが優しい令嬢・コニーと稀代の悪女と名高く圧倒的な美貌と高い知性を兼ね揃えるスカーレット。正反対の二人の令嬢がひょんなことから運命共同体となり、ある時は協力しある時はぶつかり合いながらも少しずつ仲良くなっていく姿が微笑ましかった。

優しいけれど弱腰で臆病だったコニーが逃げ道だった偽りの「誠実」を捨て、強く成長していく姿が印象的でした。また、水面下で手を組むことになったランドルフとの恋愛的な意味での進展も気になるところ。

それにしても、貴族社会の闇が深すぎる。

ちょっとでも隙を見せれば食い殺される、貴族社会の闇がひたすら怖い。しょっぱなでコニーに罪を着せようとしてコニーじゃない人たちに「やり返された」パメラどうなったの……。犯罪行為が横行するあやしげな『夜会』やら不審死を遂げた事件の関係者などなど、一寸先は闇といわんばかりの展開が満載。女は消えるしイケメンだって気を抜いたら喰われる(性的な意味で)。いや、スカーレットの存在以外のオカルト要素はないんですけど、完全にホラーですよねこの貴族社会!!コミカライズに「ひぐらしのなく頃に」や「ルートダブル」のコミカライズをされている桃山ひなせ先生を当てたのが大正解すぎてガンガン編集部のわかりみの高さに膝を打つ。(ルートダブルはいいぞ……)

ただ、そんな陰鬱でホラーな展開をコニーとスカーレットとの掛け合いが適度に薄めてくれるので、怖くなりすぎず楽しく読めました。また、章ごとに入っている登場人物紹介がいい感じにテンション高くてガス抜きをしてくれる。

それにしてもなんてところで…

謎の死を遂げたスカーレットの親友・リリィが残した「エリスの聖杯を破壊しろ」という遺言、キリキ・キリククなる謎の言葉……と謎が謎を呼ぶ展開の中、とんでもないところで次巻に続いたーー!?2巻は春に発売が決定しているようなので安心ですが、うっかりこれが発売未定とかだったら卒倒していたところです。

続編が読めるのを楽しみに待ってます。