“庭” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

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ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件

 
karory

『グリンダ・ドイルを廃業する』そんな言葉を残して、“万能の天才”グリンダは、同盟国への派遣を目前に失踪した。このままでは国際問題に―というわけで身代わりとして白羽の矢が立ったのが、グリンダの双子の弟、つまりこの僕、シャールだった。いや無理、僕男だし。天才の姉と違ってニート予備軍の浪人生なのに。抵抗も虚しく女装させられ、同盟国の王様一家の家庭教師をやることに…!?ファンタジー家庭教師コメディ待望の文庫化。 (「BOOK」データベースより)

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 同盟国に行く予定だった天才少女の姉・グリンダが失踪。彼女の双子の弟のシャールが身代わりになることになってしまう。ドレス姿で王様の子供達の家庭教師をさせられることになったけど、子供達は一癖も二癖もある面々で……!?

 あらすじを見ると女装物っぽい感じだったけど、女装物というよりも入れ替わり物として面白かったー。天才の姉を持つ平凡な弟の苦悩とか、男だとバレそうになるハプニングが満載でとても楽しい。しかも、本人は一生懸命バレないように努力したりして気を揉んでいるというのに、殆どの人たちは“彼女”の行動を勝手に良い方に良い方にと“解釈”してしまうので、噂と誤解がどんどんあらぬほうに一人歩きしていく展開が面白かった。姉のような天才を理解できないと考える一方、「彼女が居ればなんとかなる」みたいな、どうしようもなく彼女の存在に依存しているシャールの弟ぶりも可愛かったです。

 個性豊かな王様の子供達や国の人たちに囲まれて、姉の戻りを待ちながらなんとかやっていく“彼女”なんだけど……一体何本のフラグを乱立させてるんですかこのフラグ建築士!!敵味方・性別すらも関係なくどんどんフラグが立ってしまう終盤の展開が面白すぎて!まだまだ入れ替わりは続きそうな気配ですが色々な意味でこれはどうなってしまうのか楽しみです。


銀狼王の求婚 箱庭の花嫁

 
Ciel

エレンシア姫が求婚されたのは、忌み神を宿したと恐れられている、美しく冷酷な王・フレドリクセンだった。けれど、エレンシアにとって彼は、厳しくも優しい初恋の相手。幸せな結婚を夢見るエレンシアだったが、フレドリクセンは力に翻弄され、恐ろしい銀狼王になっていた!彼の『生贄の花嫁』となったエレンシアは、元に戻って欲しいと奮闘するが…。忌み神に蝕まれた孤独で強大な王と、閉ざされた箱庭の姫の心の行方は―。 (「BOOK」データベースより)

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 兄達に虐められていたエレンシアを叱咤し、励ましてくれた憧れの王子様・フレドリクセン。彼の所に嫁ぐことになり長年の想いが叶った、と喜んだのも束の間フレドリクセンはその身に降ろすフェンリルの力に振り回され、すっかり人格を変貌させていた……というお話。

 北欧神話の世界観をベースにした、コメディ要素完全排除のどシリアス「死神姫」みたいな感じ。フレドリクセンにも物凄く残念夫フラグが立っているんだけど、それが1巻では全く発揮されなかったのがちょっと残念。

 5人の兄たちから酷い苛めを受け、唯一慕っていた兄は変貌し、すっかり男性恐怖性になってしまったエレンシアが、男ばかりの中でも精一杯奮闘する姿がなかなかかっこよかったです。

 面白かったんだけど、個人的にはもうちょっとコメディっぽいノリの話の方が好みだったのでどうしてもその辺期待してしまったというか…いや、もう最初から最後までシリアスならそれはそれでいいんだけど、コメディの伏線だけは見えるだけに…奥手ぶりを中二病で押し隠すフレドリクセンの迷走っぷりが見たかった。2巻あるのかなあ……


アンゲルゼ 孵らぬ者たちの箱庭

 

幼いころに両親を亡くして東京の沖合に浮かぶ神流島の親戚の元で暮らしている天海陽菜は「誰にも嫌われたくない、目立ってはならない」という不安や軍事訓練による重圧と闘いながら鬱々とした日々を過ごしていた。彼女の唯一の安らぎは森の奥に居る不思議な存在「マリア」と過ごすことだったが、彼女の元で不思議な少年と出会い…!?

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「天使病」と呼ばれる奇病が蔓延し、その病気から人間外の存在になった者達と人類との闘いが勃発する架空の現代日本を舞台にした現代ファンタジー。夏コミで補完本買ってしまったのに本編読んでなかったので、今さら手をつけてみました。

序盤は目立たなく大人しいけど、どこか人間関係に対して冷めた観点を持ち、どこか攻撃的で投げやりな陽菜の考えにイライラしていたのですが、そんな彼女が隣の中学に通う明るい少年・湊尚吾と出会う事によって少しずつ変わっていき、それによって今まで内に閉じこもっていた彼女が周囲に対して心を開いていく姿がとても良かったです。「どうせ親友なんて名ばかり」といって馬鹿にしていた理子・楓に悩みを打ち明けたり、「きっと好かれていない」義母と親娘らしい会話が出来るようになったり……と、徐々に前向きになっていく姿に好感が持てました。

しかし、その直後に起こったとあるアクシデントにより、それまで彼女が築き上げてきたすべての関係を打ち砕かれてしまう場面が辛い。周りの人々が陽菜につきつけてくる言葉はどれもこれも、自分が前半を読んでいたときにうすうす感じていた事だったので否定できない一方、「それでも、陽菜は変わろうとしていたのに…」という悲しさが先に立つ。

付きつける言葉は冷たいけど、なんだかんだいって陽菜のことを気遣っている(ような気がする)幼馴染・覚野のちょっとキツイ励まし(?)により陽菜が再び立ち上がった時には本当にホっとしましたが、間髪いれずにさらなる悲劇が彼女を襲うのには本当に戦慄した。持ち上げたと思ったら再びどん底に突き落とし、まさに容赦ない展開にどんどん引き込まれた。

ラストはドン底の中でも、陽菜が前を向いて「親友を救うため」目の前の現実に立ち向かっていこうとする姿が印象的でした。信じようとした人から裏切られて四面楚歌な状態からのスタートだけど、一方でかけがえのない何かを得る事が出来たはずの彼女には、くじけずに頑張ってほしいなあ。続きを読むのが楽しみです。


アカイロ/ロマンス3 薄闇さやかに、箱庭の

[著]藤原 祐 [絵]椋本 夏夜

ある日の学校帰りの公園で、景介は繁栄派の少女・檻江と出会う。敵であるはずの景介に敵意どころか何の感情も覗かせない彼女は、行方不明の景介の姉がいつも口にしていた詩を口ずさんでいた。姉の手がかりをつかむため檻江を追っていくと、病院にたどりついて…。
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なんかもう、このラノベ「今回のドッキリビックリ“つうれん”」を見るのが最大の目的になってきたような気がしてきた…そんなこんなで毎回つうれんがトバしすぎで困ります。このシリーズの真主役は間違いなく“つうれん”。次回あたりできっとまた打ちなおされて、突拍子も無い武器になってるに違いないと思います。もう枯葉お嬢様の発想力に完敗です。いやまあ、好きだけどチェーンソー+和服美人!!

今回は、繁栄派との戦いを通して鈴鹿の一族の隠蔽された暗部に迫るお話?2巻までは灰原と景介・枯葉の関係を中心に描いてきましたが、それがひと段落ついたからか二人の「姉」と「鈴鹿の一族」の方向にお話の中心が移ってきた感じ。景介の姉はとにかく、枯葉に姉が居たことなんて思いっきり忘れてた…。

景介が人間らしい小賢しさを駆使して戦う場面は面白かったけど、どうやって対抗するのかしょっぱなで判ってしまったのが残念だったかも。普通の高校生らしい発想で戦うというのがコンセプトならある程度予想されてしまうくらいで良いのでしょうが…どうせなら“つうれん”くらい度肝を抜く展開がほしかったかなぁ。

枯葉の知らない一族の裏事情もかなりあるようで、今後それがどのような形で明かされていくのか楽しみです。
というかつうれんの今後に超期待。


転生先が少女漫画の白豚令嬢だった

 

気がついたら前世で愛読していた少女漫画の悪役令嬢のとりまき、白豚令嬢に転生していたブリトニー(80kg)。このままのルートだと悪役令嬢に全ての罪を着せられて処刑エンド!?回避するには人生やり直すしかない!「よし、ダイエットしよう!」─美形従兄や元婚約者の登場でまさかの恋愛フラグも?ぽっちゃり令嬢のダイエット★ラブコメ!! (「BOOK」データベースより)

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少女漫画と美容と化粧品づくりが趣味の大学生が転生してしまった先は、好きだった少女漫画の悪役王女…の取り巻きのふくよかな令嬢ブリトニー。性格の悪さとその見た目で読者から「白豚令嬢」と呼ばれていた彼女は、物語の中では悪役王女の罪を押し付けられて処刑されている。最悪の未来を阻止するためダイエットを始めたが、これがなかなか前途多難で……!?

悪役王女の取り巻きになったから無実の罪で殺される→悪役王女は自分よりブスな女しか取り巻きに選ばない→彼女の目に止まらないために、ダイエットして美人になろう!!という感じで、一見関係なさそうな「痩せる」という目標が破滅フラグの回避と密接に結び付けられているのが面白い。デブの悪臭をなんとかするために温泉を引いたり、石鹸や化粧水を自作していくとそれが口コミで広がって家計を助ける……と他の問題の解決にも次々と繋がっていくのも楽しかった。

体型の件もあるけど、それ以上に性格が悪くて愚かだったブリトニーと周囲の関係はほぼ最悪で。甘やかしで孫をダメにする系の祖父しか味方の居ない状態から、少しずつ足場を固めて周囲との関係を改善していく流れが印象的でした。最初は取り繕って「いい兄」を演じていた従兄・リュゼがどんどん本性出してくるのには笑ってしまったけど。

そしてなにより、物語のしょっぱなで婚約破棄された元婚約者・リカルドとの関係が良かった!最初は婚約破棄を逆手に「取引」という形で関係を持っていたのが、こちらが誠意を見せることで改善していって、少しずつ距離が縮まっていくのがめちゃくちゃ可愛い。最後の最後で吊り橋効果的に一気に距離が縮まるのにもにんまりしてしまった。

それでも、ブリトニーを性格と体格が歪んでいたのは元からではなく、幼い頃の家庭環境にあったというのがなんというか、本来の少女漫画での彼女の末路を考えると複雑な気持ちになる。「白豚令嬢」という単語からしてデブへの当たりがキツくて軽く敬遠していたタイトルだったんですが、読んでみたら予想以上に面白かったです。デブが悪いんじゃない……歪んだ環境がデブをうむんだ……(私もブリトニーを見習ってちょっとお外歩いて来ます)。

ところで、個人的にこの手の悪役令嬢物、割と前世の記憶を思い出した後は前世側の人格に上書きされることが多くてもう少し本来の人物の人格が残ればいいのに……みたいなこと思うんですけど、物語の途中で「寝てる間に無意識にブリトニーの身体が食べ物を求めて夜食を漁っていた」設定には笑ってしまった。心は(前世に)屈しても身体までは自由にならなかったかーーー。


正解するマド

 

野崎まどが脚本を手がけたテレビアニメ『正解するカド』のノベライズを依頼された作家・乙野四方字は、何を書けばいいのか悩むあまり、精神を病みつつあった。ついにはアニメに登場するキャラクター、ヤハクィザシュニナの幻覚まで見はじめる。記憶をなくしたというザシュニナに、乙野は一縷の望みをかけて小説の相談をするが…傑作SFアニメから生まれた、もうひとつの「正解」とは?衝撃のスピンアウトノベライズ。(「BOOK」データベースより)

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 アニメ「正解するカド」のノベライズを担当することになった主人公(作者)。ところが、いつまでたっても1文字も書けず、悩んでいるうちに、今度は部屋の中に「正解するカド」に登場するキャラクター“ヤハクィザシュニナ”を名乗る存在が現れる。幻覚だと思い好きにさせていたが、次第に流れがおかしくなってきて……?

 最初の原稿書けない描写がリアルすぎて、いま同人の原稿やってたら死んでた

 ノベライズの原稿のこと、仕事のこと、原作者である「野崎まど」さんのこと、そして自らの家庭のこと……正解するカドを題材にした私小説風のなにか…と思いながら読んでいたら、突然物語が急展開してSFのようななにかとしての本性を見せはじめて、終わってみたらまぎれもなく『正解するカド』とはまた別の『正解するマド』だった。何を言っているかわからないとおもうが俺も(略)

 カドとは何も関係ないようできちんと「カド」のアニメを追いかけるようにして作られた物語だったし、作者自身の私小説のようでありながら「カド」のキャラクターが主軸に置かれたまぎれもないスピンアウトでありました。終盤で一気に種明かしされる展開は最高にドキドキして、いかにもSF小説といった空気を感じる仕掛けの数々にゾクゾクする。とても面白かったです。


ロクでなし魔術講師と禁忌教典8

 

成績不振による退学を回避するため、聖リリィ魔術女学院に短期留学することになったリィエル。システィーナとルミアも同行し、さらには男子禁制の楽園でお嬢様を手玉に取ろうと、グレンも女に変身し、臨時講師として赴任することに!?…しかし、そこで見たのは、お嬢様グループ同士の抗争で!?「あっれー??ボクが想像してたのと全ッ然ちっがーう!!」女学院という名の鳥籠。先の見えた人生にくすぶる彼女たちは破天荒なロクでなしの姿に触れて―「断言してやる。俺ならお前達を『魔術師』にしてやれる」グレンの講義が、箱庭の少女達の運命の鎖を引きちぎる! (「BOOK」データベースより)

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公式が薄い本(挨拶)

 落第を回避するため、とある女子校に留学しなければならなくなったリィエル。システィーナとルミアがついてきてくれることになったが、アルベルトの提案でグレンも(女体化して)学園の教師として出向くことに!?というお話。正直主犯・アルベルトという時点で発酵系ラノベ読みは盛り上がらざるを得ないわけですが、アルベルトにあっさりノセられて実行犯になっちゃうセリカのチョロインぶり可愛すぎない!?あと、第一章のタイトルがアラサー直撃すぎて笑う。

 女だけの楽園でハーレム生活……という言葉につられて行ってみたら、留学先の学校は生徒たちが勝手な派閥争いを繰り広げていてほぼ学級崩壊状態。全く授業にならないところから、派閥トップの問題児2人をたきつけ、お嬢様としての鬱屈を抱える生徒たちをまとめ上げて成長させていくグレンの「教師」としての姿が楽しかった。留学先の生徒たちとのやりとりも楽しいのですが、一番弟子とも言えるシスティーナの成長を誇らしげに見守ってるグレンが可愛いんですよね……。

 グレンに教えを受けた生徒たちが、今度は他の生徒達に更に影響を与えていく姿が爽快でした。講義シーンこそ控えめだけど、「教師」としてのグレンの力量の高さが存分に描かれていて、これぞロクアカという感じの展開で楽しかった。最近はわりとバトル偏重傾向だったもんな……。

 また、年頃の少女としてはまだ未成熟なリィエルの「人間」としての成長に胸が熱くなる。システィやルミアとはまた違う、はじめての「友達」に一喜一憂する姿がかわいくて仕方がない。まぁ、その初めての友であるエリザのほうは明らかに何か違う感情に目覚めてる感じすごかったんですけどそれに気づきながらも微笑ましく見守ってる女子生徒達が可愛かった……同性愛に優しい世界だった。

 個人的には女体化要素はあれだけ大きく謳ったわりにはいまいち薄めに感じて、女体化してもグレンは割とおおっぴらに男言葉使うし(それでこそグレンという感じではある)、途中でわりとあっさり男子に戻ってしまうのでもうちょっと女体化ならではのギリギリでスリリングな展開があってもよかったのに!と思うんですけどまあそういう話じゃないので仕方ないのか……。

 三嶋くろね先生が描く女体化グレンがめちゃくちゃかわいかったのと、巻末オマケイラストにはニヤニヤしましたというか控えめに言ってアルベルトの女体化まで(妄想らくがきとはいえ)見れるとは思わなくてニヤニヤが止まりませんありがとうございます!!


クズと金貨のクオリディア

 

底辺高校生・久佐丘晴磨と、天使のような後輩・千種夜羽。同じ階層にいられるはずのなかった二人は、とある偶然をきっかけに接近してしまう。異常気象、異常現象、異常行動…少しずつ歯車が狂いだしていく二人の日常と奇妙な都市伝説。曰く「ランダム十字路」―真夜中、突き当たったT字路で誤った道を選ぶと、二度と帰ってこられない。行方不明の女子をなりゆきで一緒に追うなか、晴磨と夜羽の思惑は大きくすれ違い…!?レーベルを越えて広がる新世代プロジェクト第一弾!これはふたつの視点から紡がれる、終わりゆく世界とめくるめく青春の物語―。(「BOOK」データベースより)

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 友達いない底辺高校生・久佐丘晴磨はとあるきっかけから後輩の美少女・千種夜羽と出会う。半ば脅されるような形で行方不明になった彼女の“友人”を一緒に探す羽目に。見え隠れする“同業者”の姿と、「ランダム十字路」なる都市伝説の噂。事態は二人の想像もしなかった方向に転がっていって……!?

 プロジェクト・クオリディアのアニメ・小説世界の更に前日譚となる物語。旧世界が<アンノウン>の襲撃によって終わりを迎えるまでの姿が物語の幕間幕間で示唆されつつも、そんなことは全部うっちゃってサイコパス美少女とやれやれ系男子高校生の奇妙な関係性を描く物語です。

 わたりん節全開な晴磨のとりとめのない一人称と、さがら総が描くどこまでもクレイジーでサイコパスな夜羽の一人称がキャッチボールという名の相互壁打ち(決してお互いにボールを獲り合ってはいない)やってる感じが、めちゃくちゃ読んでて疲れるけどクセになる。最初から最後まで一貫して噛み合わず、思考はどこまでもあらぬ方向に脱線しながら、それでもつかず離れず寄り添うように進んでいく展開が面白い。

 夜羽側の家庭の事情やこんな性格になった一端もそれとなく明かされるのですが、晴磨がそういった事情に絆されるわけでもなく、「お前はクソ女だ」という思いが最初から変わることはなく。それでも「一目惚れだ」って言ってしまうのが本当に凄い。最初から最後までどこかすれ違っていて、それなのにラストは本当にびっくりするほどラブラブで……唐突に終わる世界と、晴磨と夜羽ふたりだけのとびきり甘くて閉じたセカイが同時に描かれていくのが印象的でした。その後ふたりがどうなったのかどうとでも解釈できる、アニメのCパートのような終わり方が最高に好き。

 「千種」「朱雀」「天河」「凛堂」とその後のクオリディアの中心となるメンバーと同じ名字が登場して、明確な示唆はされないんだけど彼らの“親世代”の物語になるのかな(特に朱雀に関しては壱弥が『父親が生徒会長だった』といってるのでほぼ間違いないとは思うけど)。晴磨と夜羽の物語には全く関係ない、各章の扉から描かれる旧世界の終わりの姿が、クオリディア・コードの3作品とアニメ4話までを踏まえると明確な形を見せてくるのが色々想像できて楽しかった。関連作品を知らずに読んだら全く違う感想になったと思うので、最後に読んでしまったのが少しもったいなかった気がする。

 それにしても、カナリアの名字だけが登場しないのは意図的なモノを感じてしまう。明かされない彼女の『夢』といい、何か秘密がありそうだしなあ。


甘城ブリリアントパーク メープルサモナー3

 

「甘ブリ」転覆を狙うポ連軍大佐・ニャーソンの経営するおみやげ屋。今日もここでは作戦会議が開かれるはずなのだが―大佐の統率力はすでに限界を迎えていた。自分の精鋭部隊を揃えたつもりが、バイトの東司のハーレムをアシストしただけ。栄光を取り戻す(?)ためには、このおみやげ屋を甘ブリ一番の店に作り替えるしかない!はるの、リリ、杏子、ノエルの4人娘を徹底的に売り出すのだ!!PV撮影、四精霊との女子会、テロリストの襲撃他の作戦を乗り越えて、大躍進へ突き進め!?(「BOOK」データベースより)

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 甘城ブリリアントパーク内のとあるおみやげ屋を舞台に繰り広げられるスピンオフ小説完結編。

 家庭の事情で甘ブリの常連になっている少女とニャーソンの出会いを描く「ニャーソンと少女」が凄く良かった。こういうゲストの誰かを特別扱いするようなお話って多分甘ブリ本編では出来なくて、パークのルールの中で動かなくても良い存在であるニャーソン大佐だけが見せることが出来る「夢」なんだろうな。ある意味甘ブリ本編5巻の「リアリティ・バイツ」の対極に位置するお話。このスピンオフでも異質な、正統派に良い話なのですが、こういうたぐいのお話が甘ブリ本編では出来ないことまで踏まえて、とても印象的な1編でした。

 その他にもヒロインズが四精霊と女子会を催す話やトリケンがホイップアンティークのPV作成に付き合わされるお話、ニャーソンと東司がルブルムの試練場で醜い蹴落とし合いをする話など本編に呼応してる感じのお話が多かったです。

 しかし正直ヒロインズと四精霊の女子会の話はキャラが崩壊しすぎて誰だよってあたりまで含めて「無茶しやがって……」という感じが……1巻からずっといってますが本編キャラ絡ませるならぜひとも西也との絡みが見たかったのですが、西也といすずが登場しないのは一種意識的だったんだろうなあ。

 結局ヒロインの誰とくっつくこともなくの完結だったけど、どんなに女の子に囲まれても絶対にハーレムにはなれない本編主人公の西也と対極的な存在として描かれているので、敢えて結論を出さないハーレムエンドで良かったんじゃないかと。結構終盤はグダグダ感漂い始めてましたが、軽いノリで楽しめて面白かったです。


甘城ブリリアントパーク5

 

高校生なのに遊園地の支配人代行・可児江西也は悩んでいた。アトラクションの改装で集客が伸びてきたまではよかったが、もう一押し目玉となる企画が欲しい。何かないかと考えていると、ファンサービスのつもりで作った中城椎菜が歌ったCDがコアファンにバカ売れしているとの情報が入ったのだった。…これしかない!アイドルをプロデュースするのだ!そうして、甘ブリ初のアイドル(?)ユニット、『タスクフォースABC』が誕生することに!しかし、アイドル業界はライバルが多く、それを生業とする猛者が集う魑魅網魎の世界。果たして、甘ブリを救うべく西也の奇策は成功するのか―!?(「BOOK」データベースより)

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 ティラミー総攻でおねがいします(迫真)

 「『鋼鉄のミッチ』その後」が!すごくよかった!!特に挿絵のワイシャツ1枚前はだけで縄拘束+首輪と鎖な西也はぜひともアニメで見たかったですというか特別編が擬人化回だってわたし信じてるから…!!あとコボリー先生の新刊は何日目の何ホールで買えますか。

 3巻から引き続きパーク内外で起きるエピソードを収録した中編・短編詰め合わせなシリーズ第5巻。そろそろ本編の進展はまだか

 バイト3人組の最後のひとり、AVさんこと安達映子さんの家庭の事情にこちらも家庭の事情でおおわらわなマカロンが巻き込まれる『安達映子も大人じゃない』、これまで妄想でしかなかったマスコットトリオ擬人化を現実のものとするミラクルアイテム「鋼鉄のミッチ」がまじ素晴らしいありがとうございますありがとうございますもとい、トリオの中でも唯一の結婚経験者(バツイチ)であるマカロンの父親ぶりに思わずにやりとさせられるお話でした。人間・妖精の姿と次々に入れ替わるドタバタぶりもさることながら、後半だんだん素が出てきちゃうハラハラ感がめまぐるしい。しかし、マカロン人間版の容姿、このいかにも芸術系出の面倒くさい男っぽい感じの外見凄いこれはあるわ……って思った。

 しかしいろいろな意味で凄かったのがモッフルのアトラクションリニューアルをめぐるあれこれを描いた『リアリティ・バイツ』。コア層向けにリニューアルしたせいで人気は高くなったけどそのせいで待ち時間がえらいことになってしまったモッフルのアトラクションをめぐり、西也からの要請でアトラクションの再リニューアルの決断を迫られる話。万人が絶対に納得出来るようなアイデアなんてあるわけなく、どちらかを切り捨てなければいけないモッフルの苦悩が胸に痛かった。途中のエピソードを踏まえて、それでも辛い決断を下すモッフルと、不完全燃焼感が燻るラストがとても良かった。1巻のラストもそうだったように、あくまでご都合主義の奇跡を許さない展開がとても良かったです。

 それにしても、バイト3人組・マスコットトリオの物語もひと通り終わったしそろそろ次は本編が動くかな?アニメも文句なしに面白かったし今後の展開が楽しみです。

 個人的には栗栖隆也の再登場待ってる、超まってる。