ネット心中をしようとしている少年・徳永準と様々な理由から彼を追う15人の少年少女達が東京を駆け抜ける24時間の群像劇、シリーズ第3巻。
これまでの2冊と比べるとぐっとページ数も少なく、全6巻シリーズと言う前提を考えても折り返し地点的な印象を受けたのですが、見た目の薄さからは想像もできないほど激動の一冊でした。まず、しょっぱなから起こった出来事でいきなり衝撃を受け、その後明かされた物語の一端に息をのみ……そしてラストの引きでまた衝撃!特に、序盤の「アレ」には軽い気持ちで足を突っ込んだ彼らが、遂に決定的に取り返しのつかない場所に踏み込んでしまった印象を受けて、物凄く胸がドキドキする。少なくても、彼らのうちの一人は永久に「取り返しのつかない」所に行ってしまったわけで……
不気味な暗躍を続けるファブリや迷走するミツハシ、今回殆ど動きのなかったメンバーの動向も気になりますが、何よりも気になるのは笹浦・西・伊隅の3人。ラストの引き方からするとどうみても…!?なのですが、特に笹浦と伊隅は15人の中でも重要ポジションに位置するキャラクターだと思われるので、そのままあっさり……なんてことにはならない、と信じたい。<17>を巡っての温井川・徳永・伊隅の3人の動きも気になる。とりあえず、早い所続きが読みたい……!
…それにしても、遂に今回恋するツンデレ乙女として覚醒した西が可愛すぎます。(あれは間違いなく……惚れてる、よね?)思わぬカップル誕生の予感なのか!?
「うらら」一覧
とある魔術の禁書目録(インデックス) 19
学園都市の暗部で起きる事件を処理する『グループ』。最強の超能力者(レベル5)・一方通行(アクセラレータ)、魔術師でもあり能力者でもある土御門元春らで構成されたそのチームは、謎のキーワード『ドラゴン』について探っていた。それが、いまの“クソったれ”な現状を打破する唯一の手がかりであると信じて。一方、上層部に無断で行っていたその活動を煩わしく思う者がいた。その人物は、学園都市で最高の権力を持つ統括理事会メンバーの一人。彼の強大な勢力が、『グループ』に牙をむく。同じ時。元『アイテム』構成員の浜面と絹旗は、滝壺の見舞いにやってきていた。そこで突然巻き起こる、浜面の「バニーガール超好き疑惑」。どん引きする絹旗と滝壺を他所に、浜面は決死の釈明をするが……!? (15)巻、SSシリーズに続き描かれる、『学園都市の暗部』編登場!(電撃文庫公式サイトより)
15巻から続く、一方通行達を主人公とする学園都市暗部編第二弾。今回は一方通行達『グループ』が学園都市の機密事項である『ドラゴン』に迫る裏で、前回彼らに叩きつぶされた『アイテム』の残党と浜面が生き延びるため必死に奮闘すると言うお話。
ここにきて、一気に浜面がクローズアップされてきてびっくり。学園都市の裏で蠢く陰謀における最大の「イレギュラー分子」と化した彼が、一方通行も上条さんすらも霞んでしまいそうな主人公ぶりを発揮していて、読み終わってとりあえず「もう主人公、浜面で良くね?」と思ったとか思わないとか。上条さんのスーパーヒーロー的フラグ立てヒーロー具合も、一方通行のヒール(と読んで悪役と書く)具合も良いけど、たった一人の女の子を守るためならどんな手段を使っても必死に奮闘していく浜面は文句なしの「3人目の主人公」だった。
ところで一方通行さんはどこまでツンデレキャラになっていってしまうのですか。正直最近デレ分の目立つ御坂美琴を押しのけ、禁書最強のツンデレキャラと化しているような気がします。悪の仮面の下に隠れた優しさにキュンとなる。
それぞれの思惑を持って集う当麻・一方通行・浜面という3人の主人公達。彼らが新たなる舞台でどんなかかわりを持っていくのか、とても楽しみです。
……18巻読まなきゃorz
ぐらシャチ
ちょっとぼんやりしてるけど普通の女子高生が言語を解する不思議なシャチと出会う、ガールミーツ謎の未確認生物モノ。
感想:すごくいつもの中村恵里加だった!!
どこか飄々としたキャラクター達が淡々と創り上げる独特の爽やさとグロさが共存する不思議な空間は、もう読んだことある人なら「中村恵里加でした」と言う感想ひとつで片づけられそうなレベル。
主人公の榛奈と謎のシャチ・グラボラスとのちょっぴりピントのズレたやりとりにニヤニヤしていたら、徐々に雲行きが怪しくなってきて……中盤以降は人間とは別種の生き物であるグラボラスの持つ無邪気な残酷さがグサグサ刺さるように。グラボラスの無邪気な好意を素直に受け入れられず、少しずつ疑心暗鬼と自己嫌悪にかられていく榛奈が見ていて痛々しいのですが、正直同じ状況に遭遇したら普通は疑心暗鬼くらいにはならないとおかしいよ!無差別動物殺人の時はひそかに、いつ飼い犬が犠牲になるのかと戦々恐々でしたとも。
基本は榛奈とグラの関係に終始するこの物語ですが、個人的にはグラ(というか…モゴモゴ)の友人となる平八が好きだったなあ。別人のようになって奇妙な言動を繰り返すようになった親友に戸惑いながらも当たり前のように受け入れ、新たな関係を築いて行こうとする姿に彼の人間としての大きさを感じる。
1巻完結と言われても不思議ではなさそうな本編だけど、続編があるなら平八さんにはもっと大きく活躍して頂きたいところ。こっそり2巻を楽しみにしてみたいと思います。
とりあえず、中村恵里加作品好きならオススメ!読んだことが無い人は、入門編として是非。
それで、ソウル・アンダーテイカーの2巻まだー?
![]() | ソウル・アンダーテイカー (電撃文庫) by G-Tools |
魔王城三限目
絶大な魔力を持ち「魔人」と恐れられる子供達と、彼らの「先生」としてやってきた軍人の青年の心の触れ合いを描くファンタジー第3巻。前巻の終盤辺りから不穏なフラグがびしびしと立ってましたが、新たな組織の存在を絡めて予想していた以上に重い展開に…。
エイゴの活躍によって、それまでただ実態も知らずに彼らを恐れるだけだった町の人々と交流を持つようになり、まだまだ問題は多いものの少しずつつたない人間関係を構築していく姿ににやにやしていたら……これだよ!!!子供達を排斥しようと思う奴らや彼らの魔力を利用しようとする奴らの思惑が動き出して、子供たちの善意がどんどん逆方向へと転がされていくのが、とてももどかしい。
丁寧におぜん立てされた「作られた」悪意が無関係の人々を巻き込んで形を為すのは次巻以降となるのでしょうが、せっかく仲良くなれた人たちとも今までのような穏やかな関係で居られないであろう未来が透けて見えてしまって、やるせない。そして発端を引かされたアプリールの、女の子としてはあまりにもささやかな願いが胸に痛い。
しかも、当事者である誰もかれもに悪意が無いのが逆に、怒りのぶつけどころが見出せなくて辛いんですよね。おぜん立てを整えた人々ですら(一部のちょっとイっちゃってる人達はともかくとして)自らの正義を貫き通そうとしてすれ違ってしまっているだけなのが。ハイナートですら、自らの正義に盲目すぎて手段を選んでないだけで、どこか憎めないんだよなあ…。
これまで以上に「魔人」達への風当たりが強くなってしまいそうな次巻、子供達とエイゴが少しでも幸せな未来にたどり着けるよう祈るばかりです。
今月のまとめと読了記録[2009年10月分]
9月に読んだ本は感想書いてないもの含め18冊でした。
2009年10月に読んで面白かった本
![]() 死神姫の再婚 孤高なる悪食大公 (⇒感想) | ![]() アンゲルゼ 永遠の君に誓う (⇒感想) | ![]() 15×24 link two 大人はわかっちゃくれない (⇒感想) | ![]() さよならピアノソナタ encore pieces (⇒感想) |
今月は自分的に当たり多すぎる月でした。
あまりのラブラブっぷりにゴロゴロが止まらない「死神姫の再婚」「さよならピアノソナタ」、最後まで凄かった「アンゲルゼ」、凄まじい勢いで加速していく「迷宮街クロニクル」「15×24」に、腐女子ネタ+業界ラノベだと思っていたら直球ラブコメだった「ラ・のべつまくなし」に男の娘モノだとおもったら良質の女装モノだった「ラッキーメイド天くん」などなど……挙げはじめるとキリがありませんが、1/2くらいの割合でツボを直撃されてた気がする。
もういろいろないみで幸せな月でした。
2009年10月にアクセス多かった感想
あまりにも酷かったので拡大版でお届けします。![]() 生徒会の月末 碧陽学園生徒会黙示録2 (⇒感想) | ![]() 生徒会の一存 碧陽学園生徒会議事録 (⇒感想) | ![]() 迷宮街クロニクル3 夜明け前に闇深く (⇒感想) | ![]() バカとテストと召喚獣6.5 (⇒感想) |
![]() 生徒会の六花 碧陽学園生徒会議事録6 (⇒感想) | ![]() 生徒会の五彩 碧陽学園生徒会議事録5 (⇒感想) | ![]() ラ・のべつまくなし ブンガクくんと腐思議の国 (⇒感想) | ![]() 生徒会の五彩 碧陽学園生徒会議事録4 (⇒感想) |
どんだけー!!!!!
せ、生徒会アニメ効果が高すぎて噴いた。「とらドラ!」アニメ化の時も凄いことになってたけどここまでじゃなかったよ!ていうか拡大してもバカテスと生徒会以外が2冊しか入ってこないとかもうね!
生徒会はアニメ化に伴い原作の売れ行きもかなり良いみたいですし、原作スキーとしてはこのまま盛り上がってくれる事を祈るばかりです。アニメも会長のイタさとかが無駄に改善再現されてて予想以上に悪くないし(自分が相当ひどいものを予想していたせいもあるけど)、めくるめく杉崎(が)サービス(する)展開の数々に皆きゅんきゅんするといいとおもうよ!!
2009年10月の読了記録
今月はラノベ&ラノベ以外+再読も合わせて全49冊。
「めだかボックス」とアニメ化に合わせて一気読みした「そらのおとしもの」が非常に面白かったです。めだかは人吉くんイチオシ。特に第四話は私を萌え殺すつもりか!!!そらおとの水無月すう先生は「私の救世主さま」が結構好きだったので以前から気になっていたのですが、「メシアさま」の頃から更にパワーアップした水無月ワールドぶりに笑いが止まりませんでした。しかし、「メシアさま」と比べて中二病ぶりが抑え目なのがちょっと残念なので近いうちにそちらも読み返したい……
しかし中二病といえば今月再読した「クレセントノイズ」が最強だと思います。とりあえず第二部はまだか。
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15×24 link two 大人はわかっちゃくれない
うわああああ面白い!一気に面白くなってきた!!
子供たちが徳永を追いかけてワイワイやってる間は、コトが人の生き死にとはいえどこかコミカルで軽い感じが漂っていたのだけど、ここにファブリという「大人」が絡んでくる事で一気に物語に緊迫感が迫ってきました。ファブリの他にも変な動きをする大人も絡んできて、不穏な感じ。笹浦の「ここから先は引き返せない」という言葉通り、知らないうちに引き返せないところまで首を突っ込んでしまっている崖っぷち感がたまりません。
お互いの顔を知らない『捜索者』達が知らない間にニアミスし、お互いの運命に影響を与え合っていく姿も前巻から引き続き面白かったです。今回の話でトウコとミツハシ以外は互いの顔を認知したわけだけど、それによって物語がどういう方向に展開していくのも楽しみ。
そしてラストの井の頭公園でのやりとりが本当に凄い!主点となるキャラクターを巧みに入れ替えつつ、混乱する現場の雰囲気を臨場感たっぷりに描かれていく物語にぐんぐん引き込まれていきました。キャラクターたちも、1巻では少し戸惑う部分もありましたが、一度キャラクターを把握したら全然違和感無く読めるようになったし、これだけキャラクターの多い物語でガンガン視点を入れ替えまくりながらも読みづらくなってないのは凄いと思う。
『捜索隊』の裏で人知れず<17>と対決する温井川の動向も気になるし、3巻を読むのが本当に楽しみです。サブタイ的にもいかにも何かありそうで気になる…!
居眠りキングダム
眠いと評判だった古典の時間に、実はクラス全員で異世界に飛ばされて意識のないまま「マリオラ」と呼ばれて魔物を退治していた。そんな中で異世界の人達の思惑により意識を覚醒させられた学生達の恋と青春のお話。
面白かった!…けど、主人公とヒロインのくっつき方が物凄いテンプレ的というか、お約束を踏襲しすぎて説明不足で不自然になっている感じが……他の部分は文句なしに面白かっただけに、主人公近辺だけなんとかなってくれればなあとじれったい思いを持ってしまいました。単純バカでヒロインを一途に思い続ける姿は好ましいんですけど、お互いがそのように思いあうようになるまでの経緯が省略されていて、ちょっと説得力が足りないというか……
前半は特殊な世界観設定とテンポ速いペースで強引に読まされてる感じが否めなかったんだけど、岡野と亘理の友情関係や白根夕と秋睡蓮の恋愛関係がメインに押し出されてきてからぐっと面白くなりました。びっくりするほど自分の将来に対して前向きな亘理に対して些細な嫉妬心を抱く岡野の気持ちがびっくりするほどリアルで、「そういうの、あるある」とおもわされてしまう。兵器としての生を受けた秋睡蓮が白根夕との素朴な親交を通して感情を得るに至り、その感情を得たが故に葛藤する姿が胸に痛い。敵として現れた秋睡蓮の姿に取り乱す白根の姿も可愛かったです。つか、少女小説だったら岡野を脇役にして白根夕を主人公にした物語にしたほうがスッキリしたんじゃないかなあ、と思ってしまったり……。
異世界側にも色々と思惑があるっぽかったし、どうせならもう1?2冊でじっくりその辺を語って欲しかった気がするなあ。特に「マリオラ」の設定は面白かったのでもうちょっと深く掘り下げて欲しかったです。面白かったけど色々残念。
ラッキーメイド天くん
父親の作った巨額の借金のカタとして売られてしまった男の子が、幼馴染の女の子の家で女装メイドとして働く事になる…というラブコメ。
「また昨今の女装子ブームに便乗した男の娘モノか」とあまり期待せずに手に取ったのですが、これが予想外に良かった!ちょっと「女装メイド」になるまでの展開を強引に感じたのですが、女装少年モノとしてはお約束のイベントはしっかりとこなしつつも、意外に天がきちんと「男の子」として描かれているのがポイント高かったです。予想外に可愛い自分の姿見てキュンとなったりしてる一方で、無防備なヒロインの姿に理性と男としての本能が葛藤してる姿が妙にコミカル。
また、中盤から天をめぐって繰り広げられたお嬢様二人の経済戦争がなかなか面白かった。株の話はとんとわからないので普通に知らない世界の話を知る事そのものが興味深くもあったのですが、状況に流されそうになりながらも、千早を護ろうと一生懸命になってる天くんの姿がちゃんと男の子らしい主人公してて、とても可愛い。というか、色仕掛けのシーンが素晴らしすぎると思いました。胸の中で悪態付きながら千早の為に色気を振りまく天くんかわいいよ天くん。賑やかせ&お色気要員かと思われたメイドさん2人組の意外な活躍も面白かったです。
しかし、「ふたかた」読んだ時も思ったけど伏字だらけのド直球エロワードの数々はなんとかならないのでしょうか。今回は特に、内容的に結構直球でエロい展開が出てくるので、いっそ美少女文庫で読みたいと思ってしまう部分もしばしばで、エロ部分をカットしたエロゲーをやっているような気分に…。もういっそ美少女系のレーベルから出してガッツリエロも入れれば良かったと思うんです。女装子受なら、ギリギリ美少女文庫でもOKなはずだ…!!むしろHJなら性的イタズラくらいまでならOKなんじゃないですか、と呟いてみる。
ていうか、あんまり伏字多すぎると、もうエロいを通り越して雰囲気ぶち壊しなんだよー……
「●ックス」を「えっち」と言い換えるだけでも相当受けるイメージが緩和されると思うのですが。
ラノベとしてのわかつき作品に一番足りないのは、地文と女の子の「恥じらい」だと思う。
ざ・ちぇんじ! 新釈とりかえばや物語 後編
男勝りの姫様と女の子らしい若君という双子の姉弟が繰り広げる新釈「とりかえばや」物語、完結編。
姉君の「結婚」に弟姫の「後宮入り」といよいよのっぴきならないところでギリギリの攻防に加えて帝やら三の姫やら女東宮やら宰相中将…と二人を巡る様々な人々が交錯し、そんな中で最初に「元服したい」と言ってしまった責任感で一人で矢面に立とうとする姉君の姿にハラハラしていましたが、最終的には絡まった糸を解して綺麗に収まってくれたことにホっとしました。前巻の自由奔放ぶりを知っていると、序盤の姉君の落ち込みぶりは見てて目に余るものがありますが、その後の行動の堂に入りっぷりは思わずニヤリとしてしまうものが。
そして何よりも後編の見所は立派に成長した弟姫の雄姿。後宮に上がったことを切っ掛けに、前巻のヒスっぷりからは見違えるように立派になって……女東宮に秘密を打ち明けた時のやりとりには思わず笑ってしまいましたが、なんだかんだいって根は女の子な女東宮や姉姫を上手い事あしらっていく姿には男の子の底力を見た気分でした。
正直、事情も知らずに振り回されてしまった三の姫や帝が可哀想に思えなくも無いのですが(宰相中将は自業自得なのでスルー)、なんだかんだいって誰もが幸せになる終わり方だったのが嬉しかったです。
個人的には、帝にはいつか本当のことを打ち明けてあげてほしいなあ。
本日の騎士ミロク3
「けどさ、隊長だって無罪とは限らないよね?」アーニィの意見に、ジュジュが答える。「…殺人はともかく、爆破って言ってたよな。ビスマルクなら、やりかねないんだよなー」「納涼騎士団祭り」も三日目、最終日。閉会式までヒマなはずだった俺ら赤目隊は、ビスマルク隊長が器物損壊&殺人未遂容疑で逃亡中と聞かされ全員驚愕。隊長が「聖書」を爆破した!?たしかに隊長は魔導球を常備している。だけどこの事件、何かウラがあるって!必死で隊長を捜す俺たちだけど、祭りのあちこちに暗殺者が―。剣バカの俺、ミロクには推理なんて無理。だけど、やるべきことはわかってる。ジュジュ姫を守り、隊長を見つけ出すんだ。 (「BOOK」データベースより)
あとがきやべええええええええええ!!!!!
もう本編にも色々言いたいことがあったんだけど、全部あの「あとがき」で吹っ飛んだ感が!!まさかのビスマルク+トーラット×ミロク……だと……!?本編とはうってかわってしおらしいミロクと、イケメン補正250%なトーラットと渋いビスマルク(※八頭身ウサギ)に超もえた。これは二次創作で見掛けたら全力で萎えるタイプですが原作者がやるとうっかり萌えるタイプのパラレルというか……なんか、普段から作風にそういう色の狙いが無い作品でやるからこその萌えだなあ。というかこの短編を書くために一生懸命資料を漁って悶絶しながら執筆してる田口先生を想像するとものすごい萌える。
第三巻はジルサニアのお祭りを満喫中の赤目隊が罠に嵌められたビスマルクのせいでジルサニアの騎士団「黒鎖隊」に追われ、更にジュジュを狙うオウガンの放った刺客達にも追われて……というお話。
思わぬ形で引き離され、孤軍奮闘を迫られる赤目隊の面々の意外な弱点が見れたのが興味深かったです。誰かを「護る」状況では実力を発揮できないアーニィとか、ゴーレムを使えないトーラットの闘いとか、フェリサの意外な強さの秘密とか。特に同じ前衛でも「誰かが居ると強さが半減する」アーニィと「誰かが居る事で強くなる」ミロクの戦い方の違いは特に面白いものがありました。1巻では彼らの法外な強さがアピールされた感じだったし、2巻では頂点対決みたいな勢いだったので赤目隊の強さばかりが印象に残っていた部分がありましたが、3巻では刺客とはいえそれよりも「格下」の相手にてこずる赤目隊の姿が印象的でした。戦闘には直接参加しないジュジュや赤目隊には属さないミロクの妹・コーニィにも、彼女達にしかできないそれぞれの“闘い”がありました。
しかし、ジュジュを傷つけられてキレるミロクかっこいいよミロク。武器:ニンジンのくせにバカかっこいいよ。本編のミロクがかっこいい分あとがきとのギャップが光るよ(だいなし)
トーラットやフェリサ、ビスマルクの過去も少し明かされて、赤目隊の特殊性が浮き彫りになった巻でした。ビスマルクの負傷は今後への伏線っぽいしなあ…なにはともあれ、続きが楽しみです。