うららの記事一覧 | ページ 94 | 今日もだらだら、読書日記。

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死神姫の再婚 5つの絆の幕間劇

 

アリシアとカシュヴァーンの間に設定された、ルアークの誕生日。盛大な誕生会を開催することになったライセン一家は、それぞれ個性溢れる祝いの品を用意するが…そこにやってきた、奇妙な誕生祝いとは!?また、ティルナードがセイグラムに隠れて外出をするあんな一日や、レネがバルロイから決別(?)するこんな大騒動など、これまで語られることのなかった五つの「絆」を紡ぐ短編集が登場!死神妻と暴君夫、いつもとちょっとだけ違うおかしな夫婦の日常は、いつも以上に甘ーいラブが大増量。 (「BOOK」データベースより)

「まあ、申し訳ありませんわ、カシュヴァーン様。私、何を協力すればよろしいの?」
「……そうだな。とりあえず、『好き』といってくれるか?」

カシュヴァーン様がますます残念で度し難い人に!!!

物語の幕間を描く5つのお話を収録した短編集。本編でも散々残念な妻バカっぷりを発揮してくださっているカシュヴァーンが一周回ってもはや残念可愛い。カシュヴァーンのアリシアLOVEが炸裂してルアークとマジ勝負したり、アリシアに「プレゼントはわ・た・し」をリクエストしてアリシアの天然ボケに阻まれたり、アリシアといちゃいちゃするために乙女小説にチャレンジして瀕死になりながら猫魔王様にときめいたりします。たいへん(残念)可愛いです。

そしてそれを残念な目で眺めるティルナードもすっかりノーラLOVE炸裂状態だったりするわけですが、彼はセイグラムに初夜の何をてほどきしてもらったんですか。何をてほどきしてもらったんですか何をてほどきしてもらったんですかそこんとこくわしく!!!!!!

短編的にはジスカルドとエルティーナ様のお話が好きでした。典型的な物語のお姫様と王子様のような出会いをして、それでも最後の最後で気持ちを通じ合わせる事が出来ない二人の姿と、アリシアとカシュヴァーンの様子を見守りながらもどこか羨望の眼差しを向けるエルティーナ様の恋心が印象的な、ちょっと切ないお話でした。


天使から百年2 天使から零年

 

「僕の過去に踏み込む、君みたいな…無神経な人間ははじめてだ」怒りの滲むイズシールの声を聞いても、カイは怖くなかった。だって私は―イズシール先輩の味方になると決めたから。異形の敵・ロドーリーの攻撃で、現代日本に飛ばされたカイたち。彼女たちの前に、大天使・キュービドーの力を受けたという青年・雪村誠が現れた。元の世界に戻る手がかりを求め、誠と一緒に行動するうちに、カイはたくさんの“真実”を目の当たりにする。大天使の願い、ユイカの気持ち、そしてイズシールの過去。自分を取り巻く人たちの“想い”に触れ、カイの中で何かが変わり始める―。これは自分の願いを見つけた少女が、世界と向き合う物語。(「BOOK」データベースより)

え、うそ、あと1冊で終わり?カイのキャラかわってね!?とちょっと理解が追いつかなかった印象が……うーん。読み終わってみたら目まぐるしい物語の展開おいといてカイとイズシールの舌戦しか印象に残ってない不思議。

読書メーターの感想を読んでも色々な人が言ってたけど、カイのキャラが1巻の時の印象と全然違ってて、中盤くらいから物凄く「あれれ?」となった。あれ?この娘いつのまにこんなにイズシール先輩LOVEに?1巻の頃はカイとユイカの百合っぷる方面で行くんだとばかり思っていたから余計びっくりだよ!?

他人が踏み込まれたくないと思っている過去に踏み込むのは良くない事だ、と自覚しながらも執拗にイズシールの過去を暴こうとする姿は、一途な少女の恋愛感情を何か一歩踏み越えているものがある気がしてますます……うーん。そしてジャンセンが報われないかませ犬ポジションっぽいなあというのは1巻の頃からやや感じてましたが、ここまで報われないポジションに落ちるとは。ジャンセンがんばれ超がんばれ……

個人的に、ユウキとイズシールのやりとりは個人的にはとても美味しかったです。全体的に同性・異性含めバカップルと一方通行ばっかの本作で唯一のきっかけは利害関係一致系な仲悪し悪友親友ポジションなのでとても期待。

あと1冊なのでとりあえず最後まで追いかけてみたいとは思うけど……もうちょっと巻数をかけて、ゆっくりやってほしかったお話な気がする。


ついカッとなって「レジンキャストミルク」を再読した

とある裏設定を聞いたのをきっかけに、衝動的に「レジンキャストミルク」の再読祭りをしました。再読時の読書メーターの感想を元に、各巻の感想とお気に入りの場面・台詞をまとめています。

布教エントリを兼ねておりますが、作品の雰囲気を知ってもらうためのネタバレ+後半の各巻感想は割と普通に先の展開のネタバレに関する言及があります。本編は現在(2021年7月)BOOK☆WALKERさんで全巻読み放題になっておりますので、気になる!というかたは気軽に手を出してみてください。

あらすじ(※軽くネタバレあり)

物語の舞台となる現実の世界【実軸(ランナ)】から枝分かれし、生まれては消えていく無数の世界・【虚軸(キャスト)】。虚軸が滅ぶ際に実軸に現れる意識体【虚軸】達は実軸に生きる人間を【固定剤(リターダ)】という存在にすることで、実軸に留まることが出来る。固定剤となった人間が大切にしていた何かを『欠落』させることによってその欠落の間に入り込み、その代わりに彼らに人ならざる力を与えるのだった。

【全一(オール・イン・ワン)】という虚軸の少女・城島硝子の固定剤となった主人公・城島晶は父親に取り憑いて母を連れ去った虚軸【無限回廊】を排除するため活動していた。昼間は平凡な高校生としてなんでもない「日常」を送りながら、その裏では協力者である固定剤の少女たちと共に虚軸を狩り、【無限回廊】を追い詰めようとする。

個人的に推してる所

学園ラブコメな「日常」とダークな能力バトルな「非日常」が両立する世界観

昼は平穏で楽しい学園生活を送りつつ、その裏では自らの「本当の日常」を崩壊させた【無限回廊】を追って戦いを続ける。ちょっと(というかだいぶ)変わった少女達との平穏な学園生活と、それぞれの【虚軸】を駆使したダークな異能バトルが代わる代わる訪れる展開がとにかく楽しい!そしてそんな平穏な学園生活が少しずつ、虚軸の脅威によって侵食されていく後半の展開がたまらない。

漢字にカタカナや漢字のルビを振る、中二力の高い文章

各巻感想に好きな場面紹介を入れているのですが、スレイヤーズの詠唱を暗記して育ったリアルタイム世代としてはとにかくこれでもかというほどルビを振りまくった文章がめっちゃ好き。そういうのにときめきを感じる人は絶対に読んでほしい。漢字にカタカナのルビを振るバトル描写だけでなく、内心の言葉に、その更に奥に潜む本心をルビで振ってくる演出とか本当にたまりません。

魅力的なキャラクター達と、彼ら彼女らを犯す「非日常」

主人公・城島晶を中心に絡み合い、そして彼らの関係性が虚軸という「非日常」によって犯されていく。最初はお互いの利害の一致から行動を共にしていた(と晶は嘯いている)はずの主人公たちが、少しずつ本当の「仲間」として形を代えていく姿は胸に来るものがありますが、彼らの「日常」を彩っていたはずの平凡だった同級生達が、非日常からの侵食を受けて少しずつイビツに形を変えていく姿も必見です。

各巻感想

「レジンキャストミルク1」
後の展開を知ってから読むと色々新しい発見が多いなあと実感。最後までの二人の関係を象徴するような、冒頭での里緒と晶のやりとりが大好き。真綿のように優しく、しかしじわじわと晶に言葉を浴びせる里緒の言葉が容赦なくて、とても好き。晶が「泣けない」のは最後までの裏テーマでしたよね。そして、蜜の強い思いを知ってから改めて読むと、直川との対決で蜜が発した言葉に胸がきゅんとなって仕方が無い。

「晶は泣けないんだよ。晶の後悔は、悲しみは、涙は欠落してる。死んでしまっているの」
欠落という二文字が、僕の口を塞いだ。
そんな僕に、ゆっくりと目を瞑り、里緒は──僕の親友は、震える声で
「だから……里緒が代わりに、泣いてあげようと思うんだ」

16P epilogue 終らない終らない始まらない

「レジンキャストミルク2」
虚界渦開放!な無限回廊vs有識分体戦がとても好きです。乖離に至る病(クリアランスゼロ)の詠唱も好きなんだけど、里緒から晶への強い信頼の見え隠れするやりとりにニヤニヤした。先の展開を知って居ても、晶の守りたがっている「日常」が次々と突き崩されていく様子はやっぱり容赦ない。なんだかんだで動揺してる殊子先輩可愛いです。芹菜ルートは……なんだかんだで晶側としてはここのエピローグでカンペキに閉ざされてるよなあ、と思ったり。

目を……。
「『小町(Zero)』。虚界渦を開放する(アンダーゲート・オープン)
──開く。
「おいで、世界。……『乖離に至る病(クリアランスゼロ)』」

瞬間、世界が変化した、、、、、、、

126〜7P Chapter2 歯車の逆回転における矛盾的プロトコル

「レジンキャストミルク3」
決して傷つけ合うつもりではないのに、すれ違って傷つけあっていく登場人物たちの動きが胸に痛い。客観的に見たら悪い事をしている訳ではない筈のあの人やあの人の行動が、酷く醜悪に見える。そして、再読すると改めて蜜がどれだけ「初めての友人」であった君子を大事に思っているかが見えてきて、胸がキュンとなる。「怒り」以外の感情を表現できないだけで、本当は誰よりも感情豊かな蜜の不器用な優しさが可愛すぎる。

そうか。硝子は、僕が姫島姫の身体を壊してしまわないか心配なのだ。
それならば大丈夫だ。何も心配はいらない。
姫島姫は無傷でちゃんと助け出してやるから(完膚なきまでに肉塊にしてやるから)

254P Chapter4 Helter skelter

「レジンキャストミルク4」
最悪の状況からの逆転劇が、たとえ仕組まれたものだとしても熱かった。晶を遠回しに叱咤する里緒と晶のやりとりや蜜を激励する殊子からの「贈り物」ににやにやする。何事にもとらわれない殊子と里緒のそれぞれ唯一といえる大事なものが蜜であり、晶なんだろうなあ。『敵意』でしか感情表現が出来ない蜜が彼女の唯一の友人であり恩人である君子へ向ける不器用な『優しさ』と哀しい決意に胸が熱くなった。失われた物も多かったけど、なんとか取り繕われた日常に戻っていく君子と姫の姿に胸が熱くなった。

自分が君子に近づく事は許されない。それならば、、、、、
彼女に近づくすべてをの悪意を、自分はことごとく引き受けよう。
あの優しい子が、自分のような人間と関わらずに済むのであれば。
「私は……」私は……

251P Chapter8 Strawberry fields

「レジンキャストミルク5」
辛うじて取り繕われていた晶の「日常」がいよいよ崩壊するお話。
硝子の虚界軸『世界の終わり(カーテンフォール)』が解放されるまでの経緯と、それによってもたらされた結末に鳥肌。エピローグでのやりとりがかなり美味しいだけに、良司と晶の関係はもう少し掘り下げてほしかった気がする。

硝子は言う。
「……終焉を、開始しますか(Over - Killing or Mega Dying)?」
僕は応える。
罪は僕に(Yes)罰はお前が(Jesus)

300P Chapter4 世界の終わり

「れじみる。」
お弁当対決の蜜の可愛さは異常。そして「あの」お弁当をちゃんと全部食べてあげようとする殊子先輩に萌える。ああ美しきかな姉妹愛。速水姉妹ネタというと殊子先輩の意外な弱点が明らかになったり取り乱す蜜が可愛すぎな海のお話もとてもすき。そして夏祭りの里緒の話のラストで胸がキュンとなった。里緒の話は6巻への伏線になってるので5巻&6巻の間のタイミングで読むのがベストです。……ところで、姫島姫と殊子のデートの話は2巻が出る直前の電撃hpに載ったらしいです。なんという鬼畜プレイ……流石電撃の黒い太陽ェ…

──包丁は、逆手に握られていた。
舞鶴蜜。
料理を作るどころか、キッチンに立つのも、これが生まれて初めてである。

105P 第2話 ドキドキ☆お弁当WARS

「レジンキャストミルク6」
里緒と晶の出会い話周辺のやりとりの破壊力やばい!守ってきた「日常」を破壊されたことで「非日常」の仲間達へと目を向ける晶、感情を手に入れた硝子をはじめ、それぞれの「虚軸」達の中で意識変革が起こり、本当の意味で彼らが『仲間』になった巻だけど、同時に突きつけられた真実はどうしようもなく痛くて。しかしそれにしてもネア先生の虚界渦開放のインパクトはマジパネエです!ネア先生可愛いよネア先生!!

「相手は僕の両親と兄貴だ。笑えるくらい個人的な戦いだ。ただの家庭の事情って奴だ」
全員を見渡し、睥睨し、高飛車に、
「でも関係あるか。お前ら全員……いいようにこき使ってやる」

310P epilogue-2nd Wish You Were Here

「レジンキャストミルク7」
殊子先輩の「あの行動」から始まる一連の場面は、既に結果が判って居ても涙が止まらないシリーズ屈指の神展開。そしてエピローグを読んだ後に冒頭文に戻った時の、殊子と晶の電話の場面の真意に気付いた時の衝撃といったら。「どうでもいい」と嘯きながら、誰よりもこの世界が大好きだった殊子先輩の想いを無駄にするまいと最後の決戦に臨む晶と硝子の姿が、最後まで素直になれなかった蜜の素直な気持ちが、とにかく胸に痛い。

「ありがとうございます。……殊子先輩」
初めて彼女に使った、心からの敬語に、親愛と感謝と後悔を込めて。

16P epilogue-1st アンサー

「レジンキャストミルク8」
彼等の胸の中に確実に生きている『あの人』の存在にどこかしこでほろりとしました。最終決戦前の晶側 / 無限回廊側それぞれの言葉の応酬と、これまでの総決算のような出し惜しみなしの総力戦が熱すぎる。そして、里緒と晶の親友関係が本当にやばい。エピローグの、彼女の最後の一言に籠められた様々な思いに胸をえぐられる。綺麗に終ったワケじゃないあたりが逆にこのシリーズらしいなあと思わせる、よい完結編でした。

「……きみの幸せを、祈ってる」
彼女は振り返らない。振り返らずに、
「祈るだけならタダだもんね。……酷い人」

345P epilogue She is not all

「れじみる。Junk」
晶の女装をどうしてちゃんと挿絵で描いてくれなかったし!!!
その後の蜜とネアを描く4話「ありがと、ばいばい。」が大好き。元の少女に戻ってしまった蜜の葛藤と、そんな彼女の背中を押して送り出そうとするネアの想いに胸が熱くなった。そして速水姉妹大暴走な温泉話にもによによが止まらないww 「キラの旅-the coordinated world-」でふきだしたのは私だけではないはず。

穏やかに、佐伯ネアは笑った。
「欠落は、あなたの分まで全部私が持っていてあげるわ。だからここで捨ててしまいなさい。過去を抱え込んでおくのはね、若者じゃなくて、大人の役目よ」
守りたくても、何もできなかったからね。

215P 第4話 ありがと、ばいばい。


ちなみに再読のきっかけは作者・藤原祐先生の下記の発言


読み返してみると、里緒は本当に一貫して性別がはっきりとわかる表現をされていなくて、あれだけ晶と一緒に居るポジションだったにもかかわらず芹菜にヤキモチを焼かれる事もなく……本当に正しい意味で「ヒロイン」ではなく「親友」ポジションだったんだなあ、と実感した次第でした。

「里緒」という名前だと確かに女性名前でも男性名前でも通用するし……で、読んでいくとむしろ実は男性なんじゃないかとか考え始める不思議なんだけど、今流行の「男の娘」じゃなくて、どちらかというと無性別的な印象?良い意味で性別を感じさせない存在だったんだろうなあ。

(こちらの記事は2010年に書いた記事に作品紹介部分などを加筆し、2021年7月に再公開したものです)


神のみぞ知るセカイ 2 祈りと呪いとキセキ

 
 
原作
若木 民喜

アニメ化も決定した「週刊少年サンデー」人気連載中のコミック『神のみぞ知るセカイ』。大好評ノベライズの第2弾は、テイストの違うストーリーを3編収録した1冊で3度おいしい短編集。今回「落とし神」桂木桂馬が遭遇するイベントは「プレイすると殺される、呪われたギャルゲーの攻略」「天才少女の育成」そして「エルシィの同僚・ハクアとの一日デート」!?小説オリジナルのヒロインとして、グラマーでドジっ子な巫女さん、雨に濡れるミステリアスな天才美少女の2人が登場。 (「BOOK」データベースより)

最近原作を読破したのでこちらも。「神のみぞ知るセカイ」のノベライズ第二弾。

1冊丸々使って2人のヒロインを同時攻略するというトリッキーな展開を見せた1巻とは対照的に今回は中編1つ+短編2つという構成で、前巻のような物語を期待していると少し物足りないかも。原作コミックスの本編の間に挟まる1?2話完結の話を集めてノベライズしたようなノリ、といえばよいのか。1時間弱程度で読めてしまうので、ちょっとした気分転換やヒマつぶしに読むにはちょうど良いのではないかと。

第一話の中編「呪われたゲーム」は桂馬が手に入れた幻のゲーム『西恩灯籠』をはじめたら、実はそのゲームには呪いが……と言うお話。終盤の展開がもはや異能バトル化する程度のカオスっぷりで、結構好きでした。そこで使うのか、『落とし神』モードww

個人的には第三話の「レイニー・ブルー・ストーリー」が好き。天才肌で何事もソツなくこなしてしまう少女を攻略しようと色々試行錯誤しているうちに、何故か彼女がギャルゲーに興味を示して……というお話なんだけど「攻略すると記憶が消える」と言う設定が良く生きているなあ、と思った。最後の終わり方がとても好きでした。

第二話の「ハクアの休日」も可愛かったです。ハクア可愛いよハクア。


読了記録まとめ[2010年8?9月分]

今月も時間がない!!
10日に開催される「COMICCITY SPARK5」合わせの原稿中で今回もギリギリ綱渡りな今日この頃いかがお過ごしですか。今回は薄いコピー本を作っていく予定なのでイベント参加される方は是非覗きにきてやってください。多分今回もギリギリまで睡眠時間を削って力尽きている姿がみられるのではないかと思われます。

さてさて、毎年恒例の「このライトノベルがすごい!2011」Webアンケートは本日が締め切りです。私も滑り込みで今朝投票してまいりました。まだ投票間に合いますので、我こそはラノベ好き!!と言う人は是非投票してくると良いのではないかと思います。

ライトノベルBESTランキングウェブアンケート


個人的な見どころは
3年連続トップ死守なるか!?第三の性別:木下秀吉(バカテス)
          VS
トップ奪還なるか!?ムッツリ傭兵:相良宗介(フルメタ)


であると言ってみます。
相変わらず男子部門以外見えてません。

以下は8?9月の読書メーターログ+α。

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東京レイヴンズ2 RAVEN゛s NEST

 

教室中から突き刺さる、視線、視線、視線、好奇と、僅かな敵意。級友から向けられる幾つもの視線に春虎は気圧される。けれど―バカ虎!迷いのない、まっすぐな瞳。自分を見つめる幼なじみの少女―夏目の姿に、春虎は自分を取り戻す。闇鴉たちを育成する陰陽師育成機関、陰陽塾。夏目の式神として生きることを決めた春虎は、東京の陰陽塾に転入する。しかし、そこで春虎を待っていたのは、『しきたり』により男装した夏目と、土御門に冷たい塾生たち―そして、二人を付け狙う呪術界の闇だった!?時を超える陰×陽ファンタジー、学園編スタート。 (「BOOK」データベースより)

舞台を東京に移し、いよいよ本格始動な感じのシリーズ第二巻。夏目の「式神」となった春虎は、悪友の冬児とともに夏目の通う陰陽塾に入学。とんとわからない授業や『土御門』の血のせいで敬遠する級友達に戸惑いながらもなんとかクラスの中に自分の居場所を作ろうと奮闘するが……というお話。

友達なんていらないと自ら殻を作る夏目、裏で上手く立ち回りながら計算ずくで行動して少しずつ学校内に居場所を作っていく冬児、天然バカゆえの計算しない純粋さで正面から周囲の壁をぶち壊していく春虎……と、3人の性格が綺麗に行動に表れてて面白い。冬児はとにかく今回は裏から立ち回るポジションなんだけど、それでいて割合さっぱりしてるのが良いなあ。天馬と冬児のやりとりには思わずニヤリとしました。そして春虎にヤキモチやいたり、不甲斐無さに憤る夏目が本当に可愛い。

彼らの「敵」となる人々の姿も見えてきて、今後が本当に楽しみ。というか3巻の予告で滾らざるを得ないのですが!!冬児メイン回か、そうなのか!!


機巧少女は傷つかない 2 Facing "Sword Angel"

 

機巧魔術―それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。そのトップを決める戦い“夜会”開幕前日、自室に戻った雷真とパートナーの夜々が目にしたのは、宙吊りにされた少女(と犬)だった!「どういうプレイですか、雷真。女を部屋に連れ込んで…吊るして…!」「妙な誤解をするな!」少女の正体は、雷真の初戦の相手“静かなる騒音”フレイ。そして彼女の目的は…雷真の暗殺!?フレイが仕掛ける数々のトラップ(と、色々と勘違いする夜々の嫉妬)に雷真が閉口する中、ついに夜会が開幕する―。シンフォニック学園バトルアクション第2弾。(「BOOK」データベースより)

いよいよ「夜会」がはじまってストーリーも本格始動な第二巻。なんとか夜会に参加できる『手袋持ち』になれた雷真だが、初戦の相手である序列99位の少女・フレイから付け狙われて……というお話。

本筋ももちろん面白かったけど雷真とロキの凸凹関係にニヤニヤが止まらなかった!!犬猿の仲どうしが利害の一致を見て共闘する展開はほんとにいい!!冷静に見えるけど意外に情熱家なロキと子供じみた喧嘩を繰り広げる雷真のやりとりがとても美味しいです。

雷真の命を狙ってるはずなんだけどどこか微笑ましいフレイや雷真を巡る夜々の嫉妬具合やらツンデレ全開なシャルロットなど、ラブコメパートも美味しいんだけど今回もさりげなく色々な部分で重たい展開を含んでくる。また、雷真達の見えないところでキンバリーやらなにやらがさりげなく動いているのも気になる感じ。個人的には雷真達がフレイ・ロキの出身である孤児院を訪れるくだりが凄く好きでした……そこで明かされた真実や悲しい犠牲は衝撃でしたが。ヨミがとても可愛かったです。

ロイヤルランブル、ということは今後もなんだかんだでフレイやロキと共闘する展開も期待できるのかな。というか『夜会』のルールがいまいちわからなかったのでもう一度おさらいしたい気分…。


Re(アールイー):2 バカは世界を救えるか?

 

「ずばり言おう。犯人は学生―そして転校生だ!」雨鶴来市内でシェード隊員が襲われる事件が相次いだ。それを知るなり、自称次期シェード班長・佐藤光一は犯人像を推理してみせた。「…根拠は?あの少ない情報で、なんでそこまでわかるの?」「バカだなぁ薫…学生かつ転校生が怪しいのは―」光一は言い放つ。念願の非日常組織に所属し、絶好調なのだ、「―こういうパターンのセオリーだろう!」…中二病が。折しも校内ざわつく学園祭間近。犯人の最終目的は(一握りの希望)をもつアルル。推理と妄想の境がつかない少年は、彼女を護れるか!?夢追人最強伝説、学園祭deコピー能力対決編。 (「BOOK」データベースより)

中二病まっただなかの主人公がうっかり(微妙な)異能を手に入れ、その能力で世界を救う(=巻き戻す)異能を持つ少女・アルルを守るため日々頑張る、と言うお話第二巻。今回はアルルを狙う新興宗教団体を追ううちに、本物の『能力泥棒(アビリティハッカー)』と出会って……というお話。

1巻より読みやすく、面白くなってきた印象。1巻の時に曖昧に感じたアルルとロリ宮のヒロインとしての立場わけがしっかりしてきたというか。シェードの中も一枚岩じゃなくて、アルルの持つ≪一握りの希望≫を狙う人達にも様々な思惑があり……と、少しずつ先が見えなくなってきました。

そしてなにより光一と≪能力泥棒≫さんの対決やべええええ!どうみてもどこかの禁書目録の幻想殺しと一方通行だろこれ、と思わなくもなかったですが。強引に作中キャラ自身に突っ込ませる事でパロディネタに転換していたけどネタとして昇華しきれてないだろ、これ。とも思った。

しかしそれ以上に、光一と≪能力泥棒≫の関係が美味しいんだよな。正体が明らかになる前から相容れなかった、犬猿の仲。本物と偽物、最強と最弱。お互い相容れない者同士なのに何故か途中から低レベルな言い争いに発展してるのには激しくときめいた。エピローグでのやりとりにもにやにやした!!

≪能力泥棒≫さんの立ち位置を見ているとどうしても著者の前作「量産型はダテじゃない!」のシュナイダーさんを思い出してしまうわけですが、今回は途中から盛大にかませ犬化するとかしないで頑張って主人公の好敵手ポジションを維持してほしいです。正直能力泥棒さんと光一の関係が美味しすぎて俺ダブルヒロインとか幼馴染とかどうでもよくなってきたぞ!!


GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン3(下)

 

M.H.R.R.が仕掛けた、K.P.A.Italiaの厳島上空での竜脈炉爆発を合図とするように、遂に三十年戦争における最悪の敗戦を生む歴史再現“マクデブルクの掠奪”が始まった。そんな中、トーリ達はマクデブルク郊外にある、M.H.R.R.の総長ルドルフ二世が幽閉された鋼鉄の塔へと向かう。六護式仏蘭西、そしてM.H.R.R.の旧派と改派、P.A.Oda、オッパイカーチャンと貧乳娘とか、全ての思惑はどこへ向かうのか?その中で武蔵が取る選択とは!?中世の日本と世界各国が同居する“極東”を舞台に繰り広げられる学園ファンタジー第3話、完結。 (「BOOK」データベースより)

表紙で見ると改めてカーチャンの巨乳がやばい。巨乳通り越して奇乳だとおもうんだもうこれ。でかけりゃいいってもんじゃないとおもうんだ可哀想だからこの胸ちょっとネイトにわけてあげてくださいカーチャン!あとナルゼ姐様に一生憑いて行きます同人系女子として。(挨拶)

そんなわけでそもそもあらすじの第三完結っておかしいんじゃね?とか思いつつ、六護式仏蘭西とM.H.R.R.挟み撃ちから始まって清武田やら里見やらP.A.ODAやらを巻き込んで展開した第三話、やっぱり「完結編」。ネイト親娘のゴタゴタとマルデブルグの略奪に端を発した織田・羽柴軍とのゴタゴタで終るのかと思ったらそれどころじゃなかった。900Pの特大ボリューム(でも2下ほどではないという罠)はダテじゃない。しかし、そのボリュームを感じさせない程度に最初から最後までクライマックスでした。特に中盤以降は凄かった。

とりあえず織田軍勢と羽柴軍勢やばすぎるだろう。史実的にも織田軍反逆裏切り分裂多めなので個人的にとても美味しいのですが、既に確定された未来を受け止めて心から望んで一緒に居る彼等の姿がいちいちやばい。羽柴は正直女子(ネタバレ)だったのが残念でならないのですが、松永公とのやりとりで新たにまだ見ぬ織田信長に期待せざるをえなくなりました。私としては、ここで敢えて織田×羽柴を熱く望むものですがいかがですか(聞いてない)

中盤はぶっちゃけ武蔵よりも織田と羽柴の動向にばっかり胸をときめかせていた気がします!!まじで、腐女子の人は戦国ブームに便乗してもっとホライゾンを読めばいいと思う。いい男子がいるよ!!読んでるとなんとなく無意味に ?百合花ァ!/ って叫びたくなるよ!!歴史ある程度わかると色々妄想しがいがあって楽しいよオイシイよ!ていうか織田柴田はマジヤバイって何度言ったら略

しかし、最後に武蔵が得たのは取り繕う事も出来ない帯の言葉通りの「敗戦」で、それだけに失ったものも大きかった。新たな力を得た者も居る一方で無力を得た者も居て、様々な形で舞台を降りた人たちが居た。

特に今回舞台を降りた4人の姿があまりにも印象的で。誰の場面にしてもどうしようもなく胸が熱くなって困った。彼等が次代の礎となる若者たちに掛けた想いがどうしようもなく熱くて、切なくて。特に、最期で彼の人がトーリに向けた言葉がやばかった。本当は誰よりも優しい筈のトーリにはあまりにも重い言葉で、同時にそれは今後彼の進む道には絶対に必要な事で。どんな思いでトーリがその言葉を受け止めたのかと思うと、辛い。特に「哀しみ」を得る事ができないトーリには、今回は様々な意味で試練の物語だったのではないかと思います。

大きな犠牲の元になんとかたどり着いた地で、彼等の想いを受け止めて再び立ち上がる武蔵一同の強いまなざしに胸が熱くなった。徳川の歴史再現において大きな試練を乗り越えた彼らの、これから紡いでいくであろう物語が本当に楽しみです。

『敢えて言う。——今後の戦いにおいて、君は笑え!
これから先、如何なる損失があろうと、泣くようなことがあろうと、君だけは笑え。
私のようなものを笑って、君以外の全てが泣いても、戦える限り、君だけは笑え!
絶対に、どのようなことがあっても笑って……!
私と彼女のような連中を救ってくれ……!』


しかし、「これで序盤終了」って何の冗談かと思いました何それ怖い。



ところで。

ホライゾン倉庫のこのバナーがあまりにも酷かったので思わず貼る。
ネイトェ…


ファンダ・メンダ・マウス

 

おれはマウス。しみったれた倉庫でくそったれな監視システム相手に終日ダラ?っとすごす。家に帰ればネーネがべったり張りつく、そんな毎日。でも、おれは今の自分にかなり満足。人生がこれ以上でもこれ以下でも今いる自分になれないのならそんな物は願い下げだと、心の底から思っている。いい女はべらして万ケンシャンパンドンペリジャンジャンBMベンツにPMゲッツーみたいなことが必要だとは思わない――のに!「嫁に!」とか言い出すジャリ娘の登場から怒涛の急展開だよ!!独特で中毒性の高い文体、鳥肌ものの展開。全選考過程で物議を醸した作品が登場!

宝島社様より献本をいただきました!
これはなんというか、文字通りの「怪作」。

「マウス」を自称する主人公が高校時代の恩師の娘を救う為、様々な伝手を使いながら横浜港を奔走するお話……なんだけど、読み始めて10Pもいかないうちに、主人公の装飾過剰気味な一人称文体に耐えかねて投げ出しそうになった。ほんとうに、目が滑って仕方なかった……

このままずっとこの文体が続くなら最後まで読みきれないかも……と思っていたんだけど、少しずつ他のキャラクターが出てくるたびに、不思議と読みやすくなっていく。分かり辛かった物語が段々はっきりと、クリアになっていく。正直序盤と終盤では文章を書きなれてきて読みやすくなったという印象もあったんだけど、それだけじゃなかったとおもう。少しずつ物語の全体像が見えてきて、面白くなっていって、少しずつ目が離せなくなって来る。特に、マウスの独白だけでは中々見えてこなかった彼の不器用な愛情・歪んだ優しさが、彼の居ない所で、他のキャラクターの目線を通すことで段々と見えてくるのが良かった。なんて懐の広い男なんだ、マウス。

そして最後の展開は、信じられないほどに熱い。最初に読み始めたときに感じた斜に構えたイメージからは想像も付かないような終着点に、ワクワクした。

とりあえず、この物語を手に取った人は決して最初で挫折しないように。最初10P、20Pのところでやめてしまうのは勿体無いです。1冊全部、とは言わないけどせめて2?3キャラ出てくるところまで頑張って欲しい。ほんと、途中で印象変わるから。



テンション上がってしまったので追記。

何気にこの「ファンダメンダ」、良い男子萌え作品だと思うんです。
ホモとかオカマとかそういう過剰装飾を排除してよく見るとなんだかんだで良い「親友」なマウス&ミチルとか。ネーネを挟んだ奇妙な三角関係を築きながらもなんだかんだで共闘していく「悪友」関係なマウス&ぴがろとか、大変美味しいと思うのです。特にミチルちゃんの過去話とクライマックスでのぴがろとマウスの信頼具合はやばかった。

……何がいいたいかというととりあえず誰か腐女子属性の人はこれを読んで私と男子萌えを語れ。