うららの記事一覧 | ページ 93 | 今日もだらだら、読書日記。

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いつか天魔の黒ウサギ 紅月光の生徒会室2

 

ラブコメ溢れる楽しい高校生活をクリエイトする、宮阪高校生徒会室。その、生途会長様からのありがたいお言葉です!「はっ。クズどもがラブコメという顔か。馬鹿も休み休み言え」「って、なんでそんなに俺様なんだよ!」いつもの通り俺様生徒会長・紅月光が大暴走。彼の完璧な統治に全校生徒がひれ伏す―ハズが、同棲中の14歳悪魔娘はいくら言っても部屋を片付けないし、美少女魔女はいっつもバカ男とイチャイチャする。おまけに超マイペース娘・碧水泉が書記として生徒会に乱入!俺様生徒会長に最大の危機が訪れるっ、のか!?学園リバース・ファンタジー、青春が迷走する高校編。 (「BOOK」データベースより)

「いつか天魔の黒ウサギ」の短編シリーズ第二弾。

4巻で新しい生徒会メンバーとなった碧水泉とセルジュ&ハスガ兄弟を加えてのドタバタ学園コメディ……ですがあとがきで本人達が言ってる通りセルジュ&ハスガ兄弟の影薄ッ!!!ぶっちゃけ3人増えたといえど「こういう3人が増えた」と把握さえしていれば本編読まずにも楽しめる感じでした。

ドラマガに掲載された3本+描き下ろしのどれも面白かったけど、個人的に面白かったのは生徒会がちょっと不純な理由で学園七不思議の捜査をする「真夏の夜の七不思議キラー」。ご無体な月光の活躍もヒメアと月光の水面下火花ばちばちも面白かったけど何より凄かったのは「7つめの七不思議」の真実。月光は本当に努力家だなあ!!月光と○○○○○という思わぬ組み合わせに物凄いニヤニヤする。

生徒会役員全員がイジメ(?)を受ける「秘密の女子トイレ」も面白かった。意に介さないどころかむしろ願ったり敵ったりだといわんばかりの生徒会長様やら、人徳(?)で交わしてしまう大兎も面白かったけど、最後の碧水泉とイジメのきっかけになった女子生徒のやりとりが凄く良かったです。

書き下ろし「放課後ノート」はセルジュ&ハスガ兄弟を除く生徒会役員全員で銭湯に行くお話。マイペースでフリーダムな居候・安藤美雷に振り回される月光も可愛いんだけどラストの月光デレやべえええええ!!!最終ページの挿絵も加えて威力倍増な月光デレでした。これまでも彼がわかりづらいデレを発揮した事はあったけどここまで素直に自分の感情を表現する月光は初めてで、とてもときめいた。

しかし、短編で暴露された碧水泉の秘密含め、そろそろいい加減に本編の続きが気になってきたんだけど、刊行ペース速い上に短編のほうが余程魅力的にキャラ動いてるからなかなかあっちに取り掛かれないんだよなあ……アニメ化も決まった事だし、8巻が出る頃までには頑張って追いつきたい


本日の騎士ミロク 6

 

「なに書いてんだ?」「…見りゃわかるだろ」「そうだな、見て分かった。『反省文』ね―って、どんだけあるんだよ!」ディアートに思わず二度見されたほどの原稿用紙の山と格闘しているのは俺、剣バカのミロク。「なんだミロクお前、そんなに学園じゃワルなのか?」ってディアートは言うけど…違う、そうじゃない!俺は、ちゃんと騎士として仕事をしただけだ!後輩の恋路を応援したり、女生徒の水着姿を覗く不届き者を成敗したり。学園でも働きまくりの俺なのに、なんでジュジュは怒るんだ!?てか、なんで俺、走る銅像に追われたりしてんの!?超ユニークな学園で、本日もご愁傷様な学生騎士ミロクの日常譚。 (「BOOK」データベースより)

ドラゴンマガジンに掲載された「本日の騎士ミロク」の短編集。騎士の仕事の傍ら普段は学校に通っているミロクたちの学園生活を描く番外編。

ジルサニアやらオウガンやらといった国の話が絡まない分、どこかまったりとしたドタバタ話が多くて、気楽に楽しめる1冊。ビスマルクやトーラット、フェリサといった年長組の出番が殆ど無いのは残念ですが、シスコンっぷりを全開にする「お兄ちゃん」なミロクや年相応の少女らしくミロクにヤキモチを妬いたりするジュジュの姿が可愛かったです。

それでも赤目隊で鍛えた「騎士」としての腕前は健在。特に第一話の弁当狩りデスマッチで我が意を得たりとばかりに弁当をゲットしていくミロクとアーニィの姿にはニヤニヤしたなあ。プールの話で新たな魅力を披露しつつ、とんでもない離れ業をやってのけるOGのフェリサ可愛いマジ可愛い。

「——お前ごとき、学園長ひとりで十分だ」


しかし、本編のお話も十分面白かったけど全てが書き下ろしのエピローグ「学園長室にて」とあとがきでふっとんだ。学園長の思わぬ正体にもびっくりしましたが何よりも銅像さんマジパネエッス。まさかの銅像さんの大暴走に爆笑、ノリの良いお茶目な(?)学園長で更に大爆笑、そしてあとがきの短編ができるまでの編集さんとのやりとりで腹筋崩壊の三段コンボでした。「ひめぱらを見習え!」と「くっつけました」も実に酷かったですが、挿絵の高階さんにおっぱいを描かせようとする製作者サイドの息の合いっぷりが素敵です。ていうかこれなんてリアル漫才……


名門桜樹学園 男クラ!

 

名門中の名門、桜樹学園に間違って合格した浩太ら20名の男子。彼らは“男クラ”と呼ばれバカにされていた。バカにされても気にはしないが(事実なので)共学なのに女子がいないことに耐えられなかった!男クラが暴動を起こす寸前、球技大会で優勝すれば、その希望が叶うことになり!?マジで、やるしかねぇじゃん!!全力バカ青春物語!(第8回トクマ・ノベルズEdge新人賞受賞作)。 (「BOOK」データベースより)

Soundseaさんにピンポイント狙い撃ちされたので手に取りました。学校側のミスで名門高校に合格してしまった男子生徒ばかり20人が通称「男クラ」と呼ばれるクラスに隔離され、環境改善(主に女子生徒の獲得)を目指して球技大会での優勝を目指す……というお話。

生徒や教師達が影に日向に繰り広げる「差別」にもめげず、わが道を奔走する「男クラ」のバカどもがとても微笑ましく可愛い。中性的な顔立ちの男の子を無理やり女装させて俺の嫁!!とほざいたり、女の子を盗撮したり、ナンパに繰り出して撃沈したり……特に期末試験でのやりとりは「あるある」ネタを含みつつバカ全開な言い訳の数々に噴出してしまった。

ちょっととぼけたお姫様、理事長の孫・清御門姫子の一言をきっかけにして何故か「体育祭で優勝したクラスの要望をなんでもかなえる」という話になり、念願の女子生徒獲得に向けて盛り上がる「男クラ」の一同。中盤以降は普通に青春熱血スポーツものとして熱かったなあ。好きな女の子の為に懸命に頑張るクラスメイトの姿を見て覚醒する眠れる獅子・戸張の活躍にニヤニヤ。そして徐々に、女子生徒の獲得よりも友達を傷つけられたことへの怒りで一致団結していく彼等の姿に胸が熱くなりました。ところで姫子って結局確信犯なの天然なのどっちなの!!(正直、やや確信犯入ってると思ってる)

ただ、どんなに軽快に描かれていても生徒達がぶつかる「差別」の壁があまりにも陰湿で、ちょっとどうしてもそこだけは楽しみきれなかった。生徒達が彼らを差別するのはわかるんだけど、自分たちのミスで彼らを入学させてしまった学校側までが差別に拍車をかけるような流れがなんだかなぁ。ぶっちゃけ、素直に過ちを認めて合格取り消しにしたほうが正しい態度だったんじゃないだろうか。彼らを学校から追い出したくて仕方ない教師陣のどこまでも「上から目線」な態度にはどこまでも苛々した。

どんなに彼らに非がなくても、一度「悪役」として貼られてしまったレッテルは中々覆せない。学校全体との理不尽な悪意の中でほぼ孤立無援で戦う彼等の姿がかっこよかったです。次巻があるならメイン以外の「男クラ」の生徒達ももっと活躍して欲しいなあ。メインキャラ以外は空気通り越して透明人間になっちゃってたから……

俺たちは今更ながら学園内における男クラのヒール的立場を痛感した。そう。俺たち一年十一組は一般性とにとって徹底的なまでの悪役であり、対する三年五組はどこまでも正義の主人公なのだ。ピンチに陥った正義の主人公が一発逆転で悪役を退治するには、たとえ多少強引な筋書きが繰り広げられようが、それは許容範囲内の展開なのだ。


「勝つぞ名塚。たとえ試合終了後観客に殺されようがな」
ポジションにつこうとした俺に、戸張がすれ違いざまそう囁いた。
「わかってる。俺はガキの頃から正義の主人公より悪役ヒーローの方が好きだったんだ」


俺の妹がこんなに可愛いわけがない 7

 

「お、おまたせっ」顔を上げると、照れくさそうな微笑みを浮かべている…俺の彼女がそこにいた。俺の愛しい恋人である彼女の名前は、高坂桐乃。「あんたのこと…“京介”って、呼ぶから」「だって、その方が…恋人っぽいじゃん?」めちゃくちゃ仲の悪い兄妹だったはずの俺たちが、こんなただならぬ関係になっちまうなんて…まるで悪夢だ。夏休みに入ってからというもの、俺の周りでは恋の話題が尽きやしない。「待て…殺さないでくれ…」あやせの家にお呼ばれして、楽しい一時を過ごしたり。「―妹に彼氏がてきたかもしれない」「責任を取ってもらいますわ、京介さん」友達から人生相談(?)をされたり。そして一年ぶりの『あのイベント』も―。人気シリーズ第7弾。(「BOOK」データベースより)

6巻ラストの桐乃の「爆弾発言」から続く、シリーズ第7巻。

あの発言はやっぱこういうオチか!ひょんなことから恋人同士を偽装する羽目になり、関係改善はされているものの普段は決して「ラブラブ」とはいえない二人が一生懸命ラブラブなカップルを装おうとする姿が可愛い。

その一件を切っ掛けに再び兄妹の関係はぎくしゃく。桐乃と京介はなんだかんだかんだといいながらすっかり仲良し兄妹ですよね。麻奈美や黒猫をさりげなく牽制する桐乃は以前からちょくちょく描かれてきたけど、桐乃の彼氏発言を受けてあたふたと身辺調査する兄貴可愛いなぁ。

夏コミの話は気持ちが大きすぎる桐乃に自分のイベント初参加の事を思い出したり(1万冊ありえないけど同人活動の最初って、「このくらいは売れる」って明らかに実売より上の冊数を夢想しますよね!?で、予想以上に売れなくて泣くよね!?私だけじゃないよね!?)はじめて本を買ってくれたお客さんのエピソードや、黒猫の前回のコミケ参加の話に「あるある…」ってなったりしつつとりあえず京介のナルシス具合に爆笑。6巻のコスプレの話ですっかりツボに嵌ってしまったのか兄貴!!とりあえずそのナルシスっぷりがイタ可愛いです兄貴!!でもすいません正直同人誌の後ろにコスプレ写真集が載ってたら私はヒくと思います兄貴!!

しかし、桐乃「彼氏騒動」の最大の萌えポイントは桐乃でも京介でもなく、親父さんの取り乱しっぷりだと思う。桐乃の彼氏とかいわれて衝撃受けて自室に引きこもっていぢいぢしちゃうツンデレ親父マジ可愛い。今回は本当に親父に萌えるための巻だったと主張したい。

…それにしても、6巻以上に爆弾投下な7巻ラスト。
6巻の時みたいな、なんらかのオチがつくんじゃないかなあ、と思いつつ、マジでそういう展開になるんだったらフクザツすぎるような……しかし割としっかり黒猫との間にはフラグ立てが行われていたような気がしてうーん……

個人的な見解ですが、京介は明らかに麻奈美に気があると思うんだけどなあ。
黒猫は個人的に日陰の女のほうが絶対萌えると思うので、次の巻の展開が楽しみなような不安なような


俺の妹がこんなに可愛いわけがない6

 

ヤバイ。桐乃ヤバイ。俺の妹マジヤバイ。まず偉そう。もう傲岸不遜なんてもんじゃない。超居丈高。「オマエ何様」って妹にきくと、「チッ」って舌打ちするだけじゃなく、その後腕組んで「うざい」って睨みかえしてくる。スゲェ!なんか遠慮とか無いの。妹なんだから兄貴のことを敬って、もっと仲良くしなきゃいけないんじゃ―と思っていた時期が俺にもありました。けど桐乃は違う。そんなの気にしない。むしろ誇らしげ。とにかくお前ら、ウチにいる妹のヤバさをもっと知るべきだと思います。そんなヤバイ桐乃と一緒にいる俺、超偉い。もっとがんばれ。超がんばれ。 (「BOOK」データベースより)

無事に桐乃が帰国し、京介達のところにはいつも通りの“日常”が戻ってきた。しかし、帰国の際の騒動のお陰で京介はどうしても黒猫や桐乃を意識してしまって……!?というところから始まる、シリーズ第6弾。

久しぶりに読んだらしょっぱなであやせと京介のやりとりでドン引きしたんですが……京介ってこんなキモいキャラだったっけ……?とりあえずリアル二次元の非オタ女子に「たん」つけるのはやめてあげれと。

京介がクラスメイトの赤城と秋葉原ツアーに行く話の破壊力ヤバイ。大人のアレなグッズを扱うお店に侵入するんだけど、読んでいたら京介の言う所の『アウェー感』をリアルに体感してしまったぜ……好きな女の子に似た子のAVを発見して思わず買ってしまったり、等身大人形を見てぎゃーぎゃー騒いだり……と、なんというか、いつもはそれなりに「よい兄貴」をやっている男子高校生二人のとことん素な姿が大変微笑ましいのですが同時に大変なアウェー感を感じました。

一番好きだったのは桐乃・黒猫・京介の3人がなんだか元気の無かった沙織の家に遊びに行くお話。沙織の正体はある意味予想の範疇だったんだけど、彼女がどれだけ「自分自身で始めて作った友人」である桐乃達を大切に思っているかが伝わってきて、胸が熱くなりました。そしてコスプレでキャッキャする4人が本当に可愛い。

陸上での桐乃のライバル・リアが来日するお話も良かった。とにかく陸上一筋で日常生活の何もかもを投げ捨ててそれだけのために生きる天才型のリアと、陸上もオタク趣味もオシャレも何もかもを大切にしていて、どれも欠けては生きていけない「努力型」桐乃の生き方の違いと、最終的にはそれを認め合い切磋琢磨しようとする二人の関係がすがすがしかった。

しかし、最後の爆弾発言はなんなんだ。本気なのか冗談なのか。
巷で話題になっている7巻のネタバレのアレも含め、次巻どうなってしまうのか、気になりすぎる。


一九九八年十一月十八日未明、晴れ。 屋上の暇人ども2

 

少しずつ互いの距離が近づいて、なんとなく「居場所」を見つけたかのような天文部の四人。そんな時、西原有子という同級生が援交の元締をやっているのを、鴫と譲が偶然知ってしまう。しかも西原は、いったいどういう訳なのか、もうずっと夏女に入れ込んで、たくさんの贈り物を貢いでいた。夏女が一顧だにしないのを知らないまま…。めぐりめぐって怒りにまかせたなりゆきで、未来たちは、西原の上納金を搾取する計画をぶちあげる。天文部の夢の部品、ハイパー・アストロ2001、つまりは望遠鏡を買うために!!天文部の懲りない面々、今度の危険な賭けの結果はいかに。 (「BOOK」データベースより)

元陸上の特待生・鵜飼譲と幼なじみの松下未来、そして学校でも有名な問題児コンビの4人が「天文部」で少しずつお互いの居場所を見出していくシリーズ第二巻。今回は憧れの天体望遠鏡を買うために、援交の元締めをしている女子生徒から上納金をふんだくろうと4人が奮闘するお話。

最初は気が進まないといいながらもなんだかんだで悪巧みしてしまっている4人が本当に楽しそうで、読んでいる方も凄く楽しい。段々お互いの色に染まってきてしれっとおかしなことを言い出す面々にニヤニヤが止まりませんでした。特に鵜飼が自分の怪我の事を持ち出して体育科の教師達を引き下がらせる場面とか、どんだけこいつふてぶてしくなってるんだよとw

計画している時はこんなに楽しいのに、実際に実行に移してみるとなんだかんだで良心の呵責に駆られだす(一部覗く)面々は基本的に「いい人」なんだなあ、と実感。特に一番ノリノリだった未来の態度の変化が可愛かった。「目にもの見せてやる」といいながら、西原を見捨てられない彼女の姿が印象的でした。

それにしても鴫が可愛いなあマジ可愛いなあ!!夏女を心配しすぎで親馬鹿状態になってる所なんかも勿論美味しいんですが、同じく夏女をほっとけない鵜飼とのやりとりとか、さりげなく未来との仲が悪いようで気のあったやりとりが美味しすぎました。次巻も楽しみです。


屋上の暇人ども

 

ウワサなんて気にしない。同情なんと欲しくない。理由なんて意味がない。居場所がないなんて、きっと言わせない…。そこは、湘南なのに海の見えない南高校。走れなくなった陸上選手・鵜飼譲、その幼馴染みの松下未来。二人が居場所を求めて作った天文部に、ある日嵐がやってきた。百間鴫、凌霄夏女。放校寸前、鑑別所帰りのウワサのふたり。だけど、そんな彼らの中に譲は何かを見つけてしまって…。それぞれに手探りに、四人の居場所探しが始まる。 (「BOOK」データベースより)

色々な黒い噂を持つ問題児2人・百間と凌霄が成り行きで部員2人きりの天文部に入部する事に。二人が問題を起こすのではないか…と入部を拒否しようとする未来だが、彼女の幼なじみで天文部部長の鵜飼譲は少しずつ彼らに興味を持ち始めて……というお話。

それぞれの理由から学校での居場所を上手く見つけられない4人が少しずつ距離を縮めていき、天文部に居場所を見出していく展開が凄く好き。最初は百間がキレるたびにビクビクしていた鵜飼と未来がだんだんその程度ではものともしない態度になっていくのにとてもニヤニヤする。問題児2人と鵜飼のやりとりもすごくいいんだけど、なによりなんだかんだでどんどん2人に情を移していく未来のツンデレっぷりが可愛かった。「追い出さなきゃ!!」と叫びながらもいざ二人が学校を追い出されそうになると放っておけない姿が可愛すぎる。明かされた過去は決してすぐに振り切れるような安易なものではなかったけど、それを振り切って少しずつ新しい居場所をみつけていく姿が素敵でした。

しかしそれ以上にツボにはまったのはラストの凌霄&鵜飼のやりとりとそれを見た百間の慌てふためきっぷりだったのですが!!そして巻末の「中学性日記」で撃沈。感情豊かで凌霄バカな百間可愛いよ百間。短絡的な行動に走りそうになった百間をしれっと止める凌霄美味しいよ凌霄。

一見BLと見紛うような、どこか共依存の入り混じったような二人の関係がたいへん美味しかったです!!


生徒会の九重 碧陽学園生徒会議事録9

 

ようこそ、私立碧陽学園生徒会室へ!美少女役員四人+おまけ一人、生徒諸君のため―突然ですが、ここで中継を繋ぎます!第801回ヘキヨウカップ、各馬一斉にスタート。先頭はヒンニューステータスとネッケツタロー。ヒンニューは常に本命視されながらやる気に欠ける状態、ネッケツはここに来て急躍進、新たな本命馬と名高いです!様子を窺うように二頭の後に続くのはドエスノホマレ。実力はNo.1と言われながらここ一番に弱い!最後に大きく遅れてビーエルラバー。以前他を圧倒する力を見せて以降、不振が続いています!最後まで目が離せない展開になってきました!おっと、ここで飛び出したのは―中を読んでご確認ください。(「BOOK」データベースより)

あらすじがいまだかつてなく酷い!今までも結構酷かったけど!!ほか3つも大概に酷いけど「ドエスノホマレ」噴いた。

そんなわけで生徒会室で残念な人たちがだらだら駄弁ってるだけの「生徒会の一存」シリーズもいよいよ本編完結に向けてラストスパート。いつも通りの会話劇の一方で卒業という二文字が目と鼻の先に迫ってきて、笑う間にややしんみりする。

ようやく明かされた会長の過去やばい。快活だが極度の人見知りだった彼女が「はじめての親友」と出会い、別れ、迷走し、そして「高校初めての親友」である知弦の言葉によって今の彼女になった。今の彼女が在るのは家族や親友をはじめ、たくさんの人の愛情のおかげなんだなあ、と思うと胸が熱くなりました。まさか生徒会シリーズで泣かされるとは思わなかったんだ……そしてオチでしっかり落としてくる(しかも二段落ち)ところが非常にこのシリーズらしくて素晴らしいwww

そしてバレンタイン話でのヒロイン4人のデレ具合とリリシアの話での鍵のかっこよさがヤバイ。普段は余裕たっぷり大人の貫禄な知弦さんがあわてふためく姿にもニヤニヤしたし、真冬ちゃんのほのかな嫉妬にもニヤニヤしました。そして深夏のデレが不可解すぎて一周回って可愛いw

いよいよ差し迫った「卒業式」という別れの時を控え、最終巻ではどんな物語が待っているのか。最後の舞台で鍵とくりむがどんな言葉で「送辞」「答辞」をかわすのか。あと最終巻での鍵のエロい表紙にも期待せざるをえません(最後超重要)


ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc6

 

難易度Sの選択肢――クリアの鍵は舞い降りる!?
「なんじゃ、こりゃ――っ!」 雄叫びとともに来襲した従妹の麻衣。中学までの武紀と、主人公道を極めんとする今の彼とのギャップに驚きつつ、その変化を受け入れる彼女だったが……「二度とタケにいに近づかないで!」武紀を想うあまりヒロイン達に残酷な言葉を口にしてしまう。違うんだ麻衣! わかってくれ理恵、俺の気持ちは――って何故ここに『エターナル イノセンス』がある!? 選択肢無限の真世界を奔走する、青春ADVノベル、待望の第6弾!

男の友情 やばい

武紀を兄と慕うブラコン従姉妹・麻衣の登場により再び武紀達の関係に波紋が広がっているさなか、管理者側ではシステムに負荷がかかりすぎている「エターナルイノセンス」の投影情報を全て削除しようとする動きが持ち上がっていて……というお話。

中学時代の武紀さんの話でRe:バカを思い出したのは私だけじゃないはず。光一と同類だったのか武紀さん……いや「ストリートに舞い降りた漆黒の堕天使」……

麻衣からの糾弾に加えて武紀が“誰も選ばなかった”事により、結果的に投影したヒロイン達全員に害が及ぶ……という展開が容赦ない。同時に、「もし武紀がヒロイン達の誰かを選んだ場合の世界」が提示されていくのも幸せそうな彼等の姿とは対象的に結構酷い展開だよなあ。それでも「みんなの居る未来でなくては嫌だ」と言葉だけではなく行動で示そうとする武紀の姿は、これまでの物語の中での成長を感じさせて胸が熱くなる。

ただ、武紀は正直、問題点を履き違えているように思えてならない。社会的倫理観や法の問題なんかどうでもいい話で、誰も選ばないという状態でヒロイン達が本当に満足できるかが問題ではないの?なんかその辺、ちょっと武紀の独りよがり的な印象を受けてモヤモヤ。というかこの段階でまだ社会的倫理観や法を気にしている武紀のヘタレっぷりにびっくりだよ…。いや、それが避けては通れない大事な問題っていうのもわかるんだけどさ…。

それにしても相変わらず男子関係が美味しい。翔也とのやりとりも美味しいのですがとにかく今回の正樹&武紀やばいマジやばい。離れた所で協力し合う主人公コンビの親友具合にニヤニヤが止まりませんでした!!危機に陥った理恵のところにかっこよく参上する正樹のかっこよさ半端ない。いいぞいいぞもっとやれー!

本編的には「Fandisc」から扱いが増えてきていた四阿ちゃんがいよいよサブヒロイン昇格の雰囲気で、そして最後で遂に待ちに待ったあのひとが現実産の正ヒロイン昇格なのか!?というかラストの引きが凄すぎて言葉がない。うわああああこれは続きが楽しみです!!!


それゆけ! 宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ[完全版] I

 

私立東綾瀬高校に通う山本洋子は、学業優秀にして運動神経も抜群!しかも、その筋では有名な天才ゲーマーとして無敵を誇っており、『先天的に偉そうな態度』と相まって教師の間では“扱いにくい生徒ナンバー1”に輝いていた。そんな彼女が放課後に向かった先は、宇宙戦争が繰り広げられている一千年未来の戦艦の中!?未完の超人気シリーズがファイナル・ステージ攻略を目指して再始動。 (「BOOK」データベースより)

富士見ファンタジア文庫から発行され、同世代「続編マダー?」シリーズの代表作として君臨していたヤマモト・ヨーコの新装/完全版。ファンタジア文庫版の本編1巻「ゲットレディ!」と2巻「自由落下のクリスマスキャロル」に書き下ろしの『体験版』を収録しています。私は刊行当初リアルタイムで読んでいて確か8巻くらいまで既読。

赤石沢さんのイラストがCGになっていることもそうだけど、出てくるゲームやアニメネタ、全てが懐かしい。私も実際にハード持っていたわけじゃないですが、ネオジオとか3DOとか今の若い子は知らないのかと思うと感慨深いものがあります。逆に、読んでた当初はわからなかったネタが判るようになってたりするのも楽しいなぁ。「SYSOP」の意味とか、「京都にある某会社」と「灰色の弁当箱を踏みつぶす」の意味を今更ながら理解しました……

ちょっと前のゲーム・アニメネタは置いておくと、今読んでも古臭さを感じさせず普通に楽しめます。「あたしが面白ければなんでもいい!」的な洋子のキャラクターにはスレイヤーズ全盛期の富士見ヒロインのテンプレ的な物を感じますが、洋子とまどかの言い争いとかいつのまにか仲良しになっちゃってる紅葉とエリュトロンちゃんとかとてもニヤニヤする。ロートの喋り方は微妙に今風アレンジされてましたね(?だお、とか)あと、綾乃の戦闘は今読んでも凄く独特で面白かったです。敵艦を投げ飛ばす「格闘戦艦」って発想そのものが凄く面白い。個人的に4編全部の中でも彼女のデビュー戦話が一番好きかな。

今回はメイン4人の顔見せ的な展開で終わって居るのですが、それでも凄く面白かった!次巻以降の物語を、当時の読者の一人として新たな気持ちで楽しみにしたいと思います。